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柔和
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にうわ
ふりがな文庫
“
柔和
(
にうわ
)” の例文
痘痕
(
あばた
)
のある
柔和
(
にうわ
)
な
顔
(
かほ
)
で、
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さうに
私
(
わたし
)
を
見
(
み
)
た。が
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かないでフイと
門
(
かど
)
を、
人
(
ひと
)
から
振
(
ふり
)
もぎる
身躰
(
からだ
)
のやうにづん/\
出掛
(
でか
)
けた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
横井源太郎は赤黒く逞ましい男、目鼻立は立派ですが、激しい氣象の持主で、それに對して打越金彌は、色白で
柔和
(
にうわ
)
で、引つ込み思案で弱氣です。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さうする
中
(
うち
)
に、
志村
(
しむら
)
は
突然
(
とつぜん
)
起
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつて、
其拍子
(
そのひやうし
)
に
自分
(
じぶん
)
の
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いた、そして
何
(
なん
)
にも
言
(
い
)
ひ
難
(
がた
)
き
柔和
(
にうわ
)
な
顏
(
かほ
)
をして、につこりと
笑
(
わら
)
つた。
自分
(
じぶん
)
も
思
(
おも
)
はず
笑
(
わら
)
つた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
越
(
こえ
)
ぬと見え
丈
(
せい
)
高
(
たか
)
く
面體
(
めんてい
)
柔和
(
にうわ
)
にて
眉毛
(
まゆげ
)
濃
(
こ
)
く
鼻筋
(
はなすぢ
)
通りて
齒並
(
はなら
)
び
揃
(
そろ
)
ひ
否
(
いや
)
みなき天晴の美男にして
婦人
(
ふじん
)
の
好
(
すく
)
風俗
(
ふうぞく
)
なり衣類は
黒七子
(
くろなゝこ
)
の小袖に
橘
(
たちばな
)
の
紋所
(
もんどころ
)
を
付
(
つけ
)
同じ
羽折
(
はをり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
俊男は其の
怜
(
さか
)
しい頭が氣に
適
(
く
)
はぬ。また見たところ
柔和
(
にうわ
)
らしいのにも似ず、
案外
(
あんぐわい
)
理屈
(
りくつ
)
ツぽいのと
根性
(
こんじやう
)
ツ
骨
(
ぽね
)
の太いのが
憎
(
にく
)
い。で、ギロリ、其の横顏を
睨
(
にら
)
め付けて
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
しかし慈悲のこゝろを示す
柔和
(
にうわ
)
な相の現はれるべき場所に優しい仁愛の
印
(
しるし
)
はきれ/″\であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
隣
(
となり
)
の
寺
(
てら
)
の
觀音樣
(
くわんをんさま
)
御手
(
おんて
)
を
膝
(
ひざ
)
に
柔和
(
にうわ
)
の御
相
(
さう
)
これも
笑
(
ゑ
)
めるが
如
(
ごと
)
く、
若
(
わか
)
いさかりの
熱
(
ねつ
)
といふ
物
(
もの
)
にあはれみ
給
(
たま
)
へば、
此處
(
こゝ
)
なる
冷
(
ひや
)
やかのお
縫
(
ぬひ
)
も
笑
(
ゑ
)
くぼを
頬
(
ほう
)
にうかべて
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つ
事
(
こと
)
はならぬか
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
只だ御互に気を付けたいのは、
斯様
(
かやう
)
なる
紛擾
(
ごた/\
)
の時に真実、神の子らしく、
基督
(
キリスト
)
の信者らしく
謙遜
(
けんそん
)
に
柔和
(
にうわ
)
に、
主
(
しゆ
)
の栄光を
顕
(
あわ
)
はすことです——私の名が永阪教会の名簿に
在
(
あ
)
ると無いとは
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
柔和
(
にうわ
)
の
性
(
しやう
)
は
具
(
そな
)
ふれど
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
柔和
(
にうわ
)
なる
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
地味で
柔和
(
にうわ
)
で、父親の勝造には似たところも無いやうなお勇は、全く平次の問ひの對象には痛々しいほどだつたのです。
銭形平次捕物控:038 一枚の文銭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
伸一先生
(
しんいちせんせい
)
の
柔和
(
にうわ
)
にして
毅然
(
きぜん
)
たる
人物
(
じんぶつ
)
は、これ
等
(
ら
)
の
教訓
(
けうくん
)
を
兒童
(
こども
)
の
心
(
こゝろ
)
に
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
むに
適
(
てき
)
して
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
渠
(
かれ
)
は
高野山
(
かうやさん
)
に
籍
(
せき
)
を
置
(
お
)
くものだといつた、
年配
(
ねんぱい
)
四十五六
(
しじふごろく
)
、
柔和
(
にうわ
)
な、
何等
(
なんら
)
の
奇
(
き
)
も
見
(
み
)
えぬ、
可懐
(
なつかし
)
い、おとなしやかな
風采
(
とりなり
)
で、
羅紗
(
らしや
)
の
角袖
(
かくそで
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
着
(
き
)
て、
白
(
しろ
)
のふらんねるの
襟巻
(
えりまき
)
を
占
(
し
)
め、
土耳古形
(
とるこがた
)
の
帽
(
ばう
)
を
冠
(
かむ
)
り
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
現在
(
いま
)
の
旦那樣
(
だんなさま
)
が
柔和
(
にうわ
)
の
相
(
さう
)
とては
少
(
すこ
)
しも
無
(
な
)
く、
恐
(
おそ
)
ろしい
凄
(
すご
)
い、にくらしいお
顏
(
かほ
)
つき、
其
(
そ
)
の
方
(
かた
)
の
側
(
そば
)
に
私
(
わたし
)
が
憤怒
(
ふんぬ
)
の
相
(
さう
)
で
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
るのですから
召使
(
めしつか
)
ひはたまりません、
大方
(
おほかた
)
一月
(
ひとつき
)
に
二人
(
ふたり
)
づゝは
婢女
(
はした
)
は
替
(
かは
)
りまして
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
や或るひは
面體
(
めんてい
)
惡氣
(
にくげ
)
に心は
善良
(
ぜんりやう
)
成
(
な
)
るも
有
(
あり
)
或ひに
面體
(
めんてい
)
柔和
(
にうわ
)
にして
胸中
(
きようちう
)
大膽不敵
(
だいたんふてき
)
なる者有
所謂
(
いはゆる
)
外面如菩薩
(
げめんによぼさつ
)
内心
(
ないしん
)
如夜刄
(
によやしや
)
と
佛
(
ほとけ
)
も説給ひし如し然れば其
面體
(
めんてい
)
柔和にして
形容
(
なりかたち
)
も
柔和
(
おとなし
)
やかなる者の言事は自然と直なる樣に聞ゆれども其事は
邪心
(
じやしん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これがあの愛嬌のいゝ
柔和
(
にうわ
)
そのもののやうな、古金買ひの金兵衞とは思へないほどの變りやうです。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
背
(
せ
)
は
左
(
さ
)
まで
高
(
たか
)
くはないが、
骨太
(
ほねぶと
)
の
肉附
(
にくづき
)
の
良
(
い
)
い、
丸顏
(
まるがほ
)
の
頭
(
あたま
)
の
大
(
おほ
)
きな
人
(
ひと
)
で
眦
(
まなじり
)
が
長
(
なが
)
く
切
(
き
)
れ、
鼻
(
はな
)
高
(
たか
)
く
口
(
くち
)
緘
(
しま
)
り、
柔和
(
にうわ
)
の
中
(
なか
)
に
威嚴
(
ゐげん
)
のある
容貌
(
かほつき
)
で、
生徒
(
せいと
)
は
皆
(
み
)
な
能
(
よ
)
く
馴
(
な
)
れ
親
(
した
)
しんで
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
質に置れなば五六十兩は
貸
(
かし
)
申べしと云し時夫は
忝
(
かたじけ
)
なしと持て歸り候
面體
(
めんてい
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
怪敷
(
あやしく
)
存
(
ぞん
)
じ候と申ければ大岡殿市郎左衞門は
如何
(
いかゞ
)
存
(
ぞん
)
ずるやと尋られしに市郎左衞門其儀は日頃彦兵衞
柔和
(
にうわ
)
なる男には候へども
舊
(
もと
)
大坂
(
おほさか
)
生
(
うま
)
れゆゑ關東者と違ひ
心根
(
こゝろね
)
怖敷
(
おそろしく
)
十が九ツ彦兵衞に
違
(
ちが
)
ひ之なしと申立るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
店口にぼんやりしてゐるのは、内儀の弟の駒吉、八五郎の報告で
偏屈
(
へんくつ
)
人とは聞きましたが、無愛想ではあるにしても見たところいかにも恰幅のいゝ、
柔和
(
にうわ
)
な顏の男です。
銭形平次捕物控:158 風呂場の秘密
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども自分の経験に
依
(
よ
)
ると
静
(
しづ
)
は自分と関係してる
間
(
あひだ
)
は決して自分を不安に思はしめるやうなことは無かつた。正直で
可憐
(
かれん
)
で
柔和
(
にうわ
)
で身も魂も自分に捧げて
居
(
を
)
るやうであつた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
二十二三の少し
柔和
(
にうわ
)
だが良い男、お濱が夢中になるのも無理はない——と、平次は見て居ります。
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然
(
しか
)
るに
全校
(
ぜんかう
)
の
人氣
(
にんき
)
、
校長
(
かうちやう
)
教員
(
けうゐん
)
を
始
(
はじ
)
め
何百
(
なんびやく
)
の
生徒
(
せいと
)
の
人氣
(
にんき
)
は、
温順
(
おとな
)
しい
志村
(
しむら
)
に
傾
(
かたむ
)
いて
居
(
ゐ
)
る、
志村
(
しむら
)
は
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
柔和
(
にうわ
)
な、
女
(
をんな
)
にして
見
(
み
)
たいやうな
少年
(
せうねん
)
、
自分
(
じぶん
)
は
美少年
(
びせうねん
)
ではあつたが、
亂暴
(
らんばう
)
な
傲慢
(
がうまん
)
な
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
五十前後の
柔和
(
にうわ
)
な男です。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
柔
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“柔和”で始まる語句
柔和忍辱
柔和顏
柔和仮面