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曲角
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まがりかど
ふりがな文庫
“
曲角
(
まがりかど
)” の例文
私は
四谷見附
(
よつやみつけ
)
を出てから
迂曲
(
うきょく
)
した外濠の
堤
(
つつみ
)
の、丁度その
曲角
(
まがりかど
)
になっている
本村町
(
ほんむらちょう
)
の坂上に立って、次第に地勢の低くなり行くにつれ
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
曲角
(
まがりかど
)
の青大将と、この
傍
(
かたわら
)
なる菜の花の中の
赤楝蛇
(
やまかがし
)
と、向うの馬の
面
(
つら
)
とへ線を引くと、細長い三角形の
只中
(
ただなか
)
へ、封じ籠められた形になる。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたしたちの馬車は數分間止まつて馬に水を飮ませた後、再び旅をつづけ、ある
曲角
(
まがりかど
)
をまがると、小ざつぱりとした邸宅の見えるところへ出た。
駅伝馬車
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
曲角
(
まがりかど
)
の向うから、気狂いじみたチンドン屋の馬鹿騒ぎが、チチチンチチチンと聞えて来た。
石塀幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
狹
(
せま
)
い張り出しに坐つて、驚き恐れてゐる赤ン坊を膝にのせて靜まらせました。あなたは路の
曲角
(
まがりかど
)
をおまがりになつた、最後の一目と身を乘り出すとたん、壁が崩れ落ちて私は搖られた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
私
(
わし
)
は七軒町の
曲角
(
まがりかど
)
で
待伏
(
まちぶせ
)
して、あの朝善之進を一刀に切ったのは私じゃアぜ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌日
午過
(
ひるすぎ
)
散歩のついでに、火元を
見届
(
みとどけ
)
ようと思う好奇心から、例の坂を上って、
昨夕
(
ゆうべ
)
の路次を抜けて、蒸汽喞筒の留まっていた組屋敷へ出て、二三間先の
曲角
(
まがりかど
)
をまがって、ぶらぶら歩いて見たが
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人はまた手を取つて歩き出したが、二三
間
(
げん
)
先の
曲角
(
まがりかど
)
でまた
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
指
(
さ
)
す
方
(
かた
)
へ、
煉瓦塀
(
れんぐわべい
)
板塀
(
いたべい
)
續
(
つゞ
)
きの
細
(
ほそ
)
い
路
(
みち
)
を
通
(
とほ
)
る、とやがて
其
(
そ
)
の
會場
(
くわいぢやう
)
に
當
(
あた
)
る
家
(
いへ
)
の
生垣
(
いけがき
)
で、
其處
(
そこ
)
で
三
(
み
)
つの
外圍
(
そとがこひ
)
が
三方
(
さんぱう
)
へ
岐
(
わか
)
れて
三辻
(
みつつじ
)
に
成
(
な
)
る……
曲角
(
まがりかど
)
の
窪地
(
くぼち
)
で
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨はいつか
歇
(
や
)
んで、両側とも待合つづきの一本道には
往来
(
ゆきき
)
する
足駄
(
あしだ
)
の音もやや繁くなり、遠い
曲角
(
まがりかど
)
の方でバイオリンを弾く
門附
(
かどづけ
)
の流行唄が聞え出した。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
定「ナニ寄る気でもないんですが、近いから、あのお寺の前を通ると
曲角
(
まがりかど
)
のお寺だもんですから、よく門の
所
(
とこ
)
なんぞを
箒
(
は
)
いてゝ、
久振
(
ひさしぶり
)
だ、お寄りなてえから、ヘイてんで
旧
(
もと
)
は
朋輩
(
ほうばい
)
だから寄りますね」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
處
(
ところ
)
を、
辛
(
から
)
うじて
切拔
(
きりぬ
)
けると、
三島樣
(
みしまさま
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、
又
(
また
)
はじめて、
入谷
(
いのや
)
の
大池
(
おほいけ
)
を
右
(
みぎ
)
に、ぐつと
暗
(
くら
)
くなるあたりから、
次第
(
しだい
)
に
凄
(
すご
)
く
成
(
な
)
つたものだ——と
聞
(
き
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わたくしが
日頃
(
ひごろ
)
行き
馴
(
な
)
れた
浅草
(
あさくさ
)
公園
六区
(
ろっく
)
の
曲角
(
まがりかど
)
に立っていた
彼
(
か
)
のオペラ
館
(
かん
)
の楽屋で、名も知らなければ、
何処
(
どこ
)
から来るともわからない
丼飯屋
(
どんぶりめしや
)
の
爺
(
じい
)
さんが
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尖って狐に似た、その背に乗って、ひらりと屋根へ上って、欄干を
跨
(
また
)
いだように思われるまで、突然、縁の
曲角
(
まがりかど
)
へ、あの
婦
(
おんな
)
がほんのりと見えました。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よく見覚えのある深川座の
幟
(
のぼり
)
がたった一本
淋
(
さび
)
し
気
(
げ
)
に、昔の通り、
横町
(
よこちょう
)
の
曲角
(
まがりかど
)
に立っていたので、自分は道路の新しく取広げられたのをも
殆
(
ほと
)
んど気付かず
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
家も何にもない処で、狐がどうの、狸がどうの、と
沙汰
(
さた
)
をして誰も通らない
路
(
みち
)
、何に誘われたか一人で
歩行
(
ある
)
いた。……その時、
曲角
(
まがりかど
)
で顔を見ました。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ましてや夕方近くなると、坂下の
曲角
(
まがりかど
)
に
頬冠
(
ほおかむ
)
りをした
爺
(
おやじ
)
が
露店
(
ろてん
)
を出して魚の骨と
腸
(
はらわた
)
ばかりを並べ、さアさア
鯛
(
たい
)
の
腸
(
わた
)
が安い、鯛の腸が安い、と
皺枯声
(
しわがれごえ
)
で
怒鳴
(
どな
)
る。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と前に立つて
追掛
(
おいか
)
けると、ものの一
町
(
ちょう
)
とは
隔
(
へだ
)
たらない、石垣も
土塀
(
どべい
)
も、
葎
(
むぐら
)
に
路
(
みち
)
の
曲角
(
まがりかど
)
。
突当
(
つきあた
)
りに大きな
邸
(
やしき
)
があつた。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
村岡は少し離れて
曲角
(
まがりかど
)
に立留った時、女給らしい女が三人つれ立って、
摺
(
す
)
れちがいに通りかかったのをふと見ると、その中の一人はドンフワンの君江である。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二人は何というわけとも知らず、その方へと歩み寄ったが、その時わたしはふと気がついて唖々子の袖を引いた。万源の向側なる芸者家新道の
曲角
(
まがりかど
)
に煙草屋がある。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二人
(
ふたり
)
は
同時
(
どうじ
)
に、
川岸
(
かし
)
へドンと
怪
(
け
)
し
飛
(
と
)
んだ。
曲角
(
まがりかど
)
に(
危險
(
きけん
)
につき
注意
(
ちうい
)
)と
札
(
ふだ
)
が
建
(
た
)
つてゐる。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
次は
瓢箪池
(
ひょうたんいけ
)
を埋めた後の空地から花屋敷の囲い外で、ここには男娼の姿も見られる。方角をかえて
雷門
(
かみなりもん
)
の辺では神谷バーの
曲角
(
まがりかど
)
。広い道路を越して南千住行の電車停留場の
辺
(
あたり
)
。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
言問
(
こととひ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、
天道
(
てんだう
)
是
(
ぜ
)
か
非
(
ひ
)
か、
又
(
また
)
一組
(
ひとくみ
)
、
之
(
これ
)
は
又
(
また
)
念入
(
ねんいり
)
な、
旦那樣
(
だんなさま
)
は
洋服
(
やうふく
)
の
高帽子
(
たかばうし
)
で、
而
(
そ
)
して
若樣
(
わかさま
)
をお
抱
(
だ
)
き
遊
(
あそ
)
ばし、
奧樣
(
おくさま
)
は
深張
(
ふかばり
)
の
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
澄
(
すま
)
して
押並
(
おしなら
)
ぶ
後
(
あと
)
から、はれやれお
乳
(
ち
)
の
人
(
ひと
)
がついて
手
(
て
)
ぶらなり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
次
(
つぎ
)
は
瓢箪池
(
へうたんいけ
)
を
埋
(
うづ
)
めた
後
(
あと
)
の
空地
(
あきち
)
から
花屋敷
(
はなやしき
)
の
囲
(
かこ
)
ひ
外
(
そと
)
で、こゝには
男娼
(
だんしやう
)
の
姿
(
すがた
)
も
見
(
み
)
られる。
方角
(
はうがく
)
をかへて
雷門
(
かみなりもん
)
の
辺
(
へん
)
では
神谷
(
かみや
)
バーの
曲角
(
まがりかど
)
。
広
(
ひろ
)
い
道路
(
だうろ
)
を
越
(
こ
)
して
南千住行
(
みなみせんぢゆゆき
)
の
電車停留場
(
でんしやていりうぢやう
)
の
辺
(
あたり
)
。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
丁
(
ちょう
)
どいまの
曲角
(
まがりかど
)
の二階家あたりに、屋根の
七八
(
ななやっ
)
ツ
重
(
かさな
)
ったのが、この村の中心で、それから
峡
(
かい
)
の方へ
飛々
(
とびとび
)
にまばらになり、
海手
(
うみて
)
と二、三
町
(
ちょう
)
が
間
(
あいだ
)
人家
(
じんか
)
が
途絶
(
とだ
)
えて、かえって
折曲
(
おれまが
)
ったこの
小路
(
こみち
)
の両側へ
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたくしは舗道から
一歩
(
ひとあし
)
踏み出そうとして、何やら急にわけもわからず
名残
(
なごり
)
惜しい気がして、又ぶらぶら歩き出すと、間もなく酒屋の前の
曲角
(
まがりかど
)
にポストの立っている六丁目の停留場である。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
瞳
(
ひとみ
)
を
離
(
はな
)
して、あとへ
一歩
(
ひとあし
)
振向
(
ふりむ
)
いた
處
(
ところ
)
が、
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、やゝ
高
(
たか
)
い
向岸
(
むかうぎし
)
の、
崖
(
がけ
)
の
家
(
うち
)
の
裏口
(
うらぐち
)
から、
巖
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
れる
状
(
さま
)
の
石段
(
いしだん
)
五六段
(
ごろくだん
)
を
下
(
お
)
りた
汀
(
みぎは
)
に、
洗濯
(
せんたく
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
娘
(
むすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
もほつれ
毛
(
げ
)
を
掻
(
か
)
くとて
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
矢田は歩きながら、砂利に靴の裏をこすりこすりもとの堀端へ出ると、丁度
曲角
(
まがりかど
)
の軒下に
薪
(
まき
)
と
炭俵
(
すみだわら
)
とが積んであったのでやっと靴の掃除をし終った時、呼びもしない円タクが二人の前に
停
(
とま
)
った。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
家にいても気がふさぐというので銭湯へ行ったその帰り道、横町の
曲角
(
まがりかど
)
で不意と出会ったのは、芸者の時分お千代に取っては慶三と同等に
極
(
ご
)
く大事なお客の中の一人であった
葉山
(
はやま
)
という若い男である。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
曲
常用漢字
小3
部首:⽈
6画
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
“曲”で始まる語句
曲
曲者
曲輪
曲線
曲事
曲物
曲玉
曲彔
曲舞
曲尺