トップ
>
旦那様
>
だんなさま
ふりがな文庫
“
旦那様
(
だんなさま
)” の例文
旧字:
旦那樣
「ただ年齢ばかりじゃないのよ。境遇の変化よ。娘が人の奥さんになるとか、奥さんがまた
旦那様
(
だんなさま
)
を
亡
(
な
)
くなして、
未亡人
(
びぼうじん
)
になるとか」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
芸術なんていうものもこうなってはみじめなものでございます。美しいお嬢様、それから御親切な
旦那様
(
だんなさま
)
、さようではございませんか。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
へゝい、お
二人
(
ふたり
)
づれで。——
旦那様
(
だんなさま
)
は、
洋服
(
やうふく
)
で、それ、
絵
(
ゑ
)
を
描
(
か
)
く
方
(
かた
)
が、こゝへぶら
下
(
さ
)
げておいでなさる、あの
器械
(
きかい
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
らしつけえ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
、どうなさいました」と、声を懸けても聞えぬらしいので、「旦那様、旦那様」と、なおも呼びながら近寄りました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
死人
(
しにん
)
のような目で空を
睨
(
にら
)
むように人の顔を見ています。おお、気味が悪い。あれは人間ではございませんぜ。
旦那様
(
だんなさま
)
、お
怒
(
おこり
)
なすってはいけません。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
▼ もっと見る
縦令
(
たとへ
)
旦那様
(
だんなさま
)
が
馴染
(
なじみ
)
の女の
帯
(
おび
)
に、百
金
(
きん
)
を
抛
(
なげう
)
たるゝとも
儂
(
わたし
)
が
帯
(
おび
)
に百五十
金
(
きん
)
をはずみ
給
(
たま
)
はゞ、
差引
(
さしひき
)
何の
厭
(
いと
)
ふ所もなき
訳也
(
わけなり
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
徒士
(
かち
)
が
大臣
(
たいしん
)
に対しては、
直
(
ただち
)
にその名をいうを許さず、一様に
旦那様
(
だんなさま
)
と
呼
(
よび
)
て、その交際は
正
(
まさ
)
しく主僕の間のごとし。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
(
か
)
ういふお
慈悲
(
なさけ
)
深
(
ぶか
)
い
旦那様
(
だんなさま
)
がおありなさるから、
八百膳
(
やほぜん
)
の
料理
(
れうり
)
を
無宿者
(
やどなし
)
に
下
(
くだ
)
されるのだ、お
礼
(
れい
)
を
申
(
まう
)
して
戴
(
いたゞ
)
けよ、お
膳
(
ぜん
)
で
戴
(
いたゞ
)
くことは、
最
(
も
)
う
汝
(
きさま
)
生涯
(
しやうがい
)
出来
(
でき
)
ないぞ。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なんだか中にいるのは
旦那様
(
だんなさま
)
ではないかと思うのですけれど、こんな大きな玉がいつの間にできたのか、思いもかけぬことですし、それに手をつけようにも
鏡地獄
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこへ客か何か来たのであろう、
鶴
(
つる
)
よりも年上の女中が一人、
湯気
(
ゆげ
)
の立ちこめた
硝子障子
(
ガラスしょうじ
)
をあけると、
石鹸
(
せっけん
)
だらけになっていた父へ
旦那様
(
だんなさま
)
何とかと声をかけた。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
が何とも
仰有
(
おっしゃ
)
らないんだもの。」と小女は始めて気がつくと共に顔をふくらして行ってしまった。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時
(
とき
)
は
丁度
(
ちょうど
)
四
時過
(
じす
)
ぎ。いつもなら
院長
(
いんちょう
)
は
自分
(
じぶん
)
の
室
(
へや
)
から
室
(
へや
)
へと
歩
(
ある
)
いていると、ダリュシカが、
麦酒
(
ビール
)
は
旦那様
(
だんなさま
)
如何
(
いかが
)
ですか、と
問
(
と
)
う
刻限
(
こくげん
)
。
戸外
(
こがい
)
は
静
(
しずか
)
に
晴渡
(
はれわた
)
った
天気
(
てんき
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おまえは知らないかい? こういう手合いには、まあ、わたしのような卑しい女を、こんな立派な
旦那様
(
だんなさま
)
が、と思って、はっとして嬉しいやらはずかしいやらで
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
半蔵父子がこれまでのならわしによれば、あの名古屋城の藩主は「尾州の殿様」、これはその代官にあたるところから、「福島の
旦那様
(
だんなさま
)
」と呼び来たった主人公である。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
女中が
旦那様
(
だんなさま
)
がお呼びですといって私を呼びにくる、用件は分っているのだ、墨をするのにきまっている。父はニコリともしない、こぼしたりすると
苛々
(
いらいら
)
怒るだけである。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「そうさなア。君まで僕を困らせるんじゃアないか」と、西宮は小万を見て笑いながら、「何だ、飲めもしないくせに。
管
(
くだ
)
を巻かれちゃア、
旦那様
(
だんなさま
)
がまたお困り遊ばさア」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
世帯持ちもよかろう。亭主に思われるに決まっていると、
旦那様
(
だんなさま
)
から分に過ぎた御祝儀を頂いた。
夫人
(
おくさま
)
からも
半襟
(
はんえり
)
や
簪
(
かんざし
)
などを頂いて、門の外まで見送られたくらいであった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
旦那様
(
だんなさま
)
も今度という今度は、ずいぶん用心ぶかくやんなさいましたけれど、——やはりまあ早い話が、馬車を
雇
(
やと
)
うとか何とか……とにかく人手なしでは
済
(
す
)
まないわけでしてね
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
旦那様
(
だんなさま
)
が鹿児島の戦争で
討死
(
うちじに
)
をなされた後は、
賃機
(
ちんはた
)
織つて一人の御子息を教育なされたのが、
愈々
(
いよ/\
)
学校卒業と云ふ時に肺結核で
御亡
(
おなく
)
なり、——大和君の
家
(
いへ
)
は
元
(
も
)
と越後の豪農です
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
『
旦那様
(
だんなさま
)
何か
召上
(
めしあ
)
がりませんか、』と
如何
(
どう
)
かして
気慊
(
きげん
)
を取る
積
(
つも
)
りで優しく言つた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
! あの杉野さんと
云
(
い
)
う方が、御面会です。」と、云った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「お
供
(
とも
)
しましょう」清子の返事を聴いた下女は、立ち際に津田の方を見ながら「
旦那様
(
だんなさま
)
もいっしょにいらっしゃいまし」と云った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
またある日、庭に出ていると、老婢のトゥーサンがこう言っているのを耳にした、「
旦那様
(
だんなさま
)
、お嬢様はきれいにおなりなさいましたね。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
権七
(
ごんしち
)
や、
主
(
ぬし
)
は
先
(
ま
)
づ、
婆様
(
ばあさま
)
が
店
(
みせ
)
へ
走
(
はし
)
れ、
旦那様
(
だんなさま
)
、
早速
(
さつそく
)
人
(
ひと
)
を
出
(
だ
)
しますで、お
案
(
あん
)
じなさりませんやうに。
主
(
ぬし
)
も
働
(
はたら
)
いてくれ、さあ、
来
(
こ
)
い
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旦那様
(
だんなさま
)
、誠にまア
結構
(
けつこう
)
な
薬
(
くすり
)
でございます、
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じます、
疼痛
(
いたみ
)
がバツタリ
去
(
さ
)
りましてございます。主「それは
去
(
さ
)
るよ、
極
(
よ
)
く
効
(
き
)
く
薬
(
くすり
)
だもの……
其
(
そ
)
の
子
(
こ
)
はお
前
(
まへ
)
の
子
(
こ
)
かえ。 ...
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「どうぞ今後とも、よろしくお
力添
(
ちからぞ
)
えのほどを、
奥様
(
おくさま
)
にも
旦那様
(
だんなさま
)
にもお願いしますよ」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
無理にも
納得
(
なつとく
)
させねばならぬと、
彼
(
あ
)
の通りの御意気込み、其れに
旦那様
(
だんなさま
)
も、梅も余り
撰
(
え
)
り
嫌
(
ぎ
)
らひして居る中に、年を取り過ぎる様なことがあつてはと云ふ御心配で御座いましてネ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
御新造
(
ごしんぞ
)
の事では
旦那様
(
だんなさま
)
も、随分御心配なすったもんですが、——」
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
旦那様
(
だんなさま
)
、もうビールを
召上
(
めしあが
)
ります
時分
(
じぶん
)
では
御座
(
ござ
)
りませんか。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
大変な木戸で、御座いましょう」と言ったので
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「この子は嫁に行ってから、少し人間が変って来たようだね。だいぶ臆病になった。それもやっぱり
旦那様
(
だんなさま
)
の感化かな。不思議なもんだな」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
、」とバスクは言った、「若旦那様は人に運ばれてこられました。
防寨
(
ぼうさい
)
に行かれまして、そして……。」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして
旦那様
(
だんなさま
)
は、こんな台所へ出ていらっしゃるものではありません。早くお机の所へおいでなさいまし。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はい
旦那様
(
だんなさま
)
私
(
わたくし
)
も、
賓客
(
きやく
)
を
招
(
よ
)
ぶ
時
(
とき
)
には
八百膳
(
やほぜん
)
の
仕出
(
しだし
)
を
取寄
(
とりよ
)
せまして、
今日
(
けふ
)
の
向付肴
(
むかうづけ
)
が
甘酢
(
あまず
)
の
加減
(
かげん
)
が
甘味過
(
あます
)
ぎたとか、
汁
(
しる
)
が
濃過
(
こす
)
ぎたとか、
溜漬
(
たまりづけ
)
が
辛過
(
からす
)
ぎたとか
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
つた
身分
(
みぶん
)
でございますが
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
は今晩も御帰りにならないのでございますか?」
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
バスクは彼に言った。「奥様は
旦那様
(
だんなさま
)
と御いっしょにお出かけになりまして、まだお帰りになっていません。」
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それ/\、
其
(
そ
)
の
坊様
(
ばうさま
)
なら、
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
に
私
(
わし
)
が
頼
(
たの
)
んで
四手場
(
よつでば
)
に
居
(
ゐ
)
て
貰
(
もら
)
ふたのぢや……、はあ、
其処
(
そこ
)
へお
前様
(
めえさま
)
が
行逢
(
ゆきあ
)
はしつたの。はて、どうも、
妙智力
(
めうちりき
)
、
旦那様
(
だんなさま
)
と
私
(
わし
)
は
縁
(
えん
)
が
有
(
あ
)
るだね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あしたになったら
旦那様
(
だんなさま
)
がさぞ驚くでしょう」と母が笑った。お貞さんも下を向いて苦笑した。彼女は初めて島田に結った。それが予期できなかった
斬新
(
ざんしん
)
の感じを自分に与えた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岩崎弥太郎
(
いはさきやたらう
)
さんと
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
が
入
(
い
)
らツしやいまして、あの
旦那様
(
だんなさま
)
が針の山を
払
(
はら
)
ひ
下
(
さ
)
げて、
其
(
その
)
山を
崩
(
くづ
)
した
土
(
つち
)
で血の池を
埋
(
う
)
めてしまひ、今では
真
(
ま
)
ツ
平
(
たひ
)
らで、
彼処
(
あすこ
)
が公園に
成
(
な
)
りまして、誠に
面白
(
おもしろ
)
うございますよ
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ああそのことでございますか、
旦那様
(
だんなさま
)
、」とトゥーサンは答えた、「サン・メーリーの方でございますよ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
『
旦那様
(
だんなさま
)
、お
荷物
(
にもつ
)
な
持
(
も
)
つて
参
(
めえ
)
りやした、まあ、
暗
(
くれ
)
え
処
(
とこ
)
に
何
(
なに
)
を
為
(
し
)
てござらつしやる。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤シャツに
靡
(
なび
)
くなんて、マドンナもよっぼど気の知れないおきゃんだ。赤シャツが何ダース寄ったって、これほど立派な
旦那様
(
だんなさま
)
が出来るもんか。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大家の絵でして、非常な
価値
(
ねうち
)
のあるもので、
旦那様
(
だんなさま
)
。私はふたりの娘と同じぐらいにこれを大事にしていまして、種々の思い出がこもっているのでございます。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
こんな
処
(
ところ
)
へ出て参りまして、
偶
(
たま
)
に通りますものを
驚
(
おど
)
かしますのが面白くて成りませんので、つい、あの、癖になりまして、今晩も……
旦那様
(
だんなさま
)
に申訳のございません失礼をいたしました。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
も島田が好きだときっとおっしゃいますよ」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ですが
旦那様
(
だんなさま
)
、非常に元気がございましてな、女というよりはまったく牛とでも申したいくらいで。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「これは、
旦那様
(
だんなさま
)
お世辞の
可
(
い
)
い、土地を
賞
(
ほ
)
められまして何より嬉しゅうござります。で何でござりまするか、一刻も早く
御参詣
(
ごさんけい
)
を遊ばそう
思召
(
おぼしめし
)
で、ここらまで乗切っていらっしゃいました?」
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旦那様
(
だんなさま
)
は病気ではないでしょうか。何だか御様子が変わっていたようですが。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
おお、そういえば
旦那様
(
だんなさま
)
、お宿はどうなさります
思召
(
おぼしめし
)
。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旦
常用漢字
中学
部首:⽇
5画
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“旦那”で始まる語句
旦那
旦那樣
旦那衆
旦那寺
旦那方
旦那取
旦那座
旦那殿
旦那等
旦那筋