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実際
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じっさい
ふりがな文庫
“
実際
(
じっさい
)” の例文
旧字:
實際
これを
澄
(
す
)
んだ泉の水にたとえた人がいますが、
実際
(
じっさい
)
フランス語でこれを読むと、もう百倍も
美
(
うつく
)
しい文章だということがわかります。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
で、
高等
(
こうとう
)
に
成
(
な
)
れば
随
(
したがっ
)
てより
強
(
つよ
)
き
勢力
(
せいりょく
)
を
以
(
もっ
)
て、
実際
(
じっさい
)
に
反応
(
はんのう
)
するのです。
貴方
(
あなた
)
は
医者
(
いしゃ
)
でおいでて、どうしてこんな
訳
(
わけ
)
がお
解
(
わか
)
りにならんです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「どうか気にかけないでください。こいつはもうまるで
野蛮
(
やばん
)
なんです。
礼式
(
れいしき
)
も何も知らないのです。
実際
(
じっさい
)
私はいつでも
困
(
こま
)
ってるんですよ」
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それは
金筋
(
きんすじ
)
をぬいつけた赤い服を着ていたが、うでと足はむき出しのままであった。
実際
(
じっさい
)
それは人間と同じうでと足で、前足ではなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
が、そなたも
知
(
し
)
る
通
(
とお
)
り
現幽
(
げんゆう
)
は一
致
(
ち
)
、
幽界
(
ゆうかい
)
の
事
(
こと
)
は
直
(
ただ
)
ちに
現界
(
げんかい
)
に
映
(
うつ
)
るから、
実際
(
じっさい
)
はどちらとも
区別
(
くべつ
)
がつけられないことになる……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
真実
(
しんじつ
)
、
事実
(
じじつ
)
、
実際
(
じっさい
)
、まったく、
断然
(
だんぜん
)
、
俄然
(
がぜん
)
……ナニ、そんなに力に入れなくてもよろしい、このお蓮様、ほんとに伊賀の暴れン坊にまいっているんだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それは、
前途
(
ぜんと
)
におおくの
希望
(
きぼう
)
を持った、
若
(
わか
)
い
時代
(
じだい
)
には、ずいぶんいやにすました人だといわれたこともあった。
実際
(
じっさい
)
気位
(
きぐらい
)
高くふるまっていたこともあった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「しかし、ここから
先
(
さき
)
、いってはいけないとか、ここから
内
(
うち
)
へ
入
(
はい
)
ってならないとか、
実際
(
じっさい
)
はきゅうくつなんでないか。」と、
S少年
(
エスしょうねん
)
は、ききかえしました。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは
実際
(
じっさい
)
ずいぶん
丈
(
たけ
)
が
高
(
たか
)
くて、その
一番
(
いちばん
)
高
(
たか
)
いのなどは、
下
(
した
)
に
子供
(
こども
)
がそっくり
隠
(
かく
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るくらいでした。
人気
(
ひとけ
)
がまるで
無
(
な
)
くて、
全
(
まった
)
く
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
みたいです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
等
(
ひと
)
しく時の政府に
反抗
(
はんこう
)
したるものにして、
若
(
も
)
しも西郷が
志
(
こころざし
)
を得て
実際
(
じっさい
)
に新政府を
組織
(
そしき
)
したらんには、これを認むることなお
維新政府
(
いしんせいふ
)
を認めたると同様なりしならんのみ。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
実際
(
じっさい
)
、林太郎は学校の
成績
(
せいせき
)
がよく、いままでに三番とさがったことはなかったのです。ただ、頭が重いため、運動がへたで、ことにかけっくらになると、いつもびりっかすでした。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
御岳
(
みたけ
)
の
試合場
(
しあいじょう
)
から見ると、だれの目にもそれたように思われたが、この
実際
(
じっさい
)
がわかるとなれば、
大
(
たい
)
へんな
番狂
(
ばんくる
)
わせで、おれが
早駆
(
はやが
)
けに勝ったところで、きょうの勝負は
五分五分
(
ごぶごぶ
)
なわけだ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或年の
春
(
はる
)
、
僕
(
ぼく
)
は原稿の出来ぬことに
少
(
すくな
)
からず
屈託
(
くったく
)
していた。滝田
君
(
くん
)
はその時
僕
(
ぼく
)
のために谷崎潤一郎
君
(
くん
)
の原稿を
示
(
しめ
)
し、(それは
実際
(
じっさい
)
苦心
(
くしん
)
の痕の
歴々
(
れきれき
)
と見える原稿だった。)大いに
僕
(
ぼく
)
を
激励
(
げきれい
)
した。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
実際
(
じっさい
)
世間
(
せけん
)
の
慣
(
なら
)
わしとしてはいかにも
表門
(
おもてもん
)
をりっぱにし
裏門
(
うらもん
)
を
粗末
(
そまつ
)
にする。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ずいぶん
上流
(
じょうりゅう
)
まで行った。
実際
(
じっさい
)
こんなに
川床
(
かわどこ
)
が
平
(
たい
)
らで水もきれいだし山の中の
第一流
(
だいいちりゅう
)
の
道路
(
どうろ
)
だ。どこまでものぼりたいのはあたりまえだ。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
実際
(
じっさい
)
頭から足までまっ黒くろなこの少年に、あのひじの所で
折
(
お
)
れたきれいなシャツを着て、カラーの前を大きく開けて白い
膚
(
はだ
)
を見せながら
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
神様
(
かみさま
)
のお
力
(
ちから
)
でどうぞその
足留
(
あしど
)
めをしてくださいますよう……。
実際
(
じっさい
)
のところ
私
(
わたくし
)
はあれに
死
(
し
)
なれると
甚
(
はなは
)
だ
困
(
こま
)
りますので……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
一
言
(
げん
)
で
云
(
い
)
えば、
貴方
(
あなた
)
は
生活
(
せいかつ
)
と
云
(
い
)
うものを
見
(
み
)
ないのです、それを
全
(
まった
)
く
知
(
し
)
らんのです。そうして
実際
(
じっさい
)
と
云
(
い
)
うことをただ
理論
(
りろん
)
の
上
(
うえ
)
からばかり
推
(
お
)
している。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
花前は、けさ
民子
(
たみこ
)
をだいてしばらくあるいておった。細君はもちろん、
若衆
(
わかしゅう
)
をはじめ
下女
(
げじょ
)
までいっせいにふしぎがったとの話である。それは
実際
(
じっさい
)
ふしぎに
相違
(
そうい
)
ない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「ああ
僕
(
ぼく
)
はあの
見
(
み
)
っともない
家鴨
(
あひる
)
だった
時
(
とき
)
、
実際
(
じっさい
)
こんな
仕合
(
しあわ
)
せなんか
夢
(
ゆめ
)
にも
思
(
おも
)
わなかったなあ。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ローズ・ブノワさんには、
自分
(
じぶん
)
の家の大きな
犬
(
いぬ
)
のトムと
小
(
ちい
)
さなカナリヤのキュイップの
言葉
(
ことば
)
がちゃんとわかるのです。
実際
(
じっさい
)
、それはローズ・ブノワさんの
思
(
おも
)
っている通りです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
「このあいだよりも、ずっとお
顔
(
かお
)
の
色
(
いろ
)
がよくおなりです……。」というと、
実際
(
じっさい
)
は、そうでなくても、
病人
(
びょうにん
)
を
喜
(
よろこ
)
ばすものである。こんなときのうそは、かならずしも
悪
(
わる
)
いのでない。
その日から正直になった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こわくなって、
実際
(
じっさい
)
戦慄
(
せんりつ
)
して、わたしはかきねの後ろにはいこんだ。リーズはわたしがなぜそんなことをするか、ふしぎに思ったにちがいない。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
『まァ
竜宮
(
りゅうぐう
)
などと
申
(
もう
)
すものが
実際
(
じっさい
)
この
世
(
よ
)
にあるのでございますか。——あれは
人間
(
にんげん
)
の
仮構事
(
つくりごと
)
ではないでしょうか……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
成程
(
なるほど
)
、
時
(
とき
)
が
来
(
く
)
れば
監獄
(
かんごく
)
や、
瘋癲病院
(
ふうてんびょういん
)
は
廃
(
はい
)
されて、
正義
(
せいぎ
)
は
貴方
(
あなた
)
の
有仰
(
おっしゃ
)
る
通
(
とお
)
り
勝
(
かち
)
を
占
(
し
)
めるでしょう、しかし
生活
(
せいかつ
)
の
実際
(
じっさい
)
がそれで
変
(
かわ
)
るものではありません。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それに
実際
(
じっさい
)
そこを海岸と呼ぶことは、
無法
(
むほう
)
なことではなかったのです。なぜならそこは
第
(
だい
)
三
紀
(
き
)
と呼ばれる
地質時代
(
ちしつじだい
)
の
終
(
おわ
)
り
頃
(
ごろ
)
、たしかにたびたび海の
渚
(
なぎさ
)
だったからでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それというのも、
義務
(
ぎむ
)
とか
責任
(
せきにん
)
とかいうことを、まじめに
正直
(
しょうじき
)
に考えておったらば、
実際
(
じっさい
)
人間の
立
(
た
)
つ
瀬
(
せ
)
はない。手足を
縛
(
ばく
)
して
水中
(
すいちゅう
)
におかれたとなんの
変
(
か
)
わるところもない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
自分
(
じぶん
)
はよくないことをして、
捕
(
と
)
らわれて、
牢屋
(
ろうや
)
の
中
(
なか
)
におりましたが、
鉄
(
てつ
)
の
牢
(
ろう
)
にもいなければ、また
実際
(
じっさい
)
、
自分
(
じぶん
)
が
魔法
(
まほう
)
を
使
(
つか
)
って、
牢屋
(
ろうや
)
の
中
(
なか
)
から
消
(
き
)
えるなどということはあり
得
(
え
)
なかったことでした。
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「でも
水
(
みず
)
の
上
(
うえ
)
を
泳
(
およ
)
ぎ
廻
(
まわ
)
るの、
実際
(
じっさい
)
愉快
(
ゆかい
)
なんですよ。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
実際
(
じっさい
)
ここではみんないっしょうけんめい、朝は日の出まえから起き、
晩
(
ばん
)
は日がくれてあとまでいっぱいの時間を使いきってのちに
寝台
(
ねだい
)
に休むのである。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
... 署長が見たら今のことでしょう、けれども
署長
(
しょちょう
)
は
笑
(
わら
)
ってました。なぜって
巡査
(
じゅんさ
)
なんてものは
実際
(
じっさい
)
月給
(
げっきゅう
)
も
僅
(
わず
)
かですしね、くらしに
困
(
こま
)
るものなんです。」「なるほどねえ、そりゃそうだねえ。」
バキチの仕事
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それを
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
は、
気候
(
きこう
)
の
関係
(
かんけい
)
で、また
神経衰弱
(
しんけいすいじゃく
)
にかかったからではなかろうかというような
解釈
(
かいしゃく
)
をした
人
(
ひと
)
がありましたが、
実際
(
じっさい
)
において、
気
(
き
)
づく
人
(
ひと
)
と
気
(
き
)
づかない
人
(
ひと
)
との
相違
(
そうい
)
があるということに
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それはずっとあとで知ったことであるが、ミリガン
夫人
(
ふじん
)
は
実際
(
じっさい
)
このむすこの
物覚
(
ものおぼ
)
えの悪いこと、もっと正しく言えばなにも物を覚えないことを知って、ふさぎきっていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
今日だって
実際
(
じっさい
)
ひまなもんだから、ああやって用もない鉄梃なんかかついで、
動
(
うご
)
かさなくてもいい
途方
(
とほう
)
もない大きな石を動かそうとしてみたり、
丁度
(
ちょうど
)
私どもが遊びにしている発電所のまねなどを
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
間もなく、みんなは向う側の草の生えた
河原
(
かわら
)
に下り、六
列
(
れつ
)
ばかりに
横
(
よこ
)
にならんで馬から下り、将校の
訓示
(
くんじ
)
を聞いていました。それが中々
永
(
なが
)
かったのでこっち側に
居
(
い
)
る私たちは
実際
(
じっさい
)
あきてしまいました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
実際
(
じっさい
)
にかれは一
枚
(
まい
)
の板に皮でからだを
結
(
むす
)
びつけられていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「
実際
(
じっさい
)
そうだといいがな」とお父さんが
申
(
もう
)
しました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“実際”の意味
《名詞》
実 際(じっさい)
現実の事柄や有様。実態。
現にそうであったり、発生したり行動したりする様。
実践的、実務的な様。
(出典:Wiktionary)
実
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“実際”で始まる語句
実際的
実際家