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不都合
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ふつがふ
ふりがな文庫
“
不都合
(
ふつがふ
)” の例文
若
(
も
)
し
日
(
ひ
)
が
落
(
お
)
ちてから
來
(
く
)
るとすれば、
此方
(
こちら
)
が
認
(
みと
)
められない
便宜
(
べんぎ
)
があると
同時
(
どうじ
)
に、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
を
通
(
とほ
)
る
人
(
ひと
)
の
顏
(
かほ
)
の
分
(
わか
)
らない
不都合
(
ふつがふ
)
があつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『切符を賣つといて停車しないのは
不都合
(
ふつがふ
)
ぢやないか。通過驛なら通過驛だと乘る時にさう言つて呉れないぢや困る。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
(この故に売り立てに「さしもの」をするのは他人の作品に筆を入れるのと同じ位道徳的に
不都合
(
ふつがふ
)
である。)
蒐書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
外國語
(
ぐわいこくご
)
を
譯
(
やく
)
して
日本語
(
にほんご
)
とするのは
勿論
(
もちろん
)
結構
(
けつこう
)
であるが、その
譯
(
やく
)
が
適當
(
てきたう
)
でなかつたり、
拙劣
(
せつれつ
)
であつたり
不都合
(
ふつがふ
)
なものが
隨分
(
ずゐぶん
)
多
(
おほ
)
い、
新
(
あら
)
たに
日本語
(
にほんご
)
を
作
(
つく
)
るのであるから
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
縁附
(
えんづ
)
きてより
巳
(
すで
)
に
半年
(
はんとし
)
となるに、
何
(
なに
)
一つわが
方
(
かた
)
に
貢
(
みつ
)
がぬは
不都合
(
ふつがふ
)
なりと
初手
(
しよて
)
云々
(
うん/\
)
の約束にもあらぬものを
仲人
(
なかうど
)
の
宥
(
なだ
)
むれどきかず
達
(
たつ
)
て娘を
引戻
(
ひきもど
)
したる母親
有之候
(
これありそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
入
(
いれ
)
利足
(
りそく
)
は
何程
(
なにほど
)
にても出し申さんと云へば彦兵衞も氣の毒に思ひ我等も問屋の方
塞
(
ふさが
)
り
不都合
(
ふつがふ
)
なれども
此譯
(
このわけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「おのれえ、
魔
(
ま
)
でも、
鬼
(
おに
)
でも、
約束
(
やくそく
)
を
違
(
たが
)
へる、と
言
(
い
)
ふ
不都合
(
ふつがふ
)
があるか、
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つた、
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
つた。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山田
(
やまだ
)
と
益
(
ます/\
)
親密
(
しんみつ
)
になるに
就
(
つ
)
けて、
遠方
(
ゑんぱう
)
から通ふのは
不都合
(
ふつがふ
)
であるから、
僕
(
ぼく
)
の
家
(
うち
)
に
寄宿
(
きしゆく
)
しては
奈何
(
どう
)
です、と
山田
(
やまだ
)
が
云
(
い
)
つてくれるから、
願
(
ねが
)
うても無き
幸
(
さいわひ
)
と、
直
(
すぐ
)
に
笈
(
きふ
)
を
負
(
をつ
)
て、
郷関
(
きやうくわん
)
を出た
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
良
(
りやう
)
さんは。
良
(
りやう
)
さんはお
前
(
まへ
)
の
枕元
(
まくらもと
)
にそら
右
(
みぎ
)
の
方
(
はう
)
においでなさるよ。
阿母
(
おつか
)
さん
良
(
りやう
)
さんにお
帰
(
か
)
へりを
願
(
ねが
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
何故
(
なぜ
)
ですか
僕
(
ぼく
)
が
居
(
ゐ
)
ては
不都合
(
ふつがふ
)
ですかヱ
居
(
ゐ
)
てもわるひことはあるまい。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
そ
)
の
教頭
(
けうとう
)
は
隨分頑固
(
ずゐぶんぐわんこ
)
な
男
(
をとこ
)
で、こんな
不都合
(
ふつがふ
)
な
示威運動
(
じゐうんどう
)
に
讓歩
(
ぢやうほ
)
しては
學校
(
がくかう
)
の
威嚴
(
ゐげん
)
が
保
(
たも
)
たれないと
云
(
い
)
つて、
葉書
(
はがき
)
が
何
(
なん
)
百
枚
(
まい
)
來
(
き
)
ようと
見向
(
みむ
)
きもしなかつたが、
其
(
そ
)
の
状態
(
じやうたい
)
が
一月
(
ひとつき
)
ばかりも
續
(
つゞ
)
いて
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
一
體
(
たい
)
日本
(
にほん
)
で
縣
(
けん
)
より
小
(
ちひ
)
さいものに
郡
(
ぐん
)
の
名
(
な
)
を
附
(
つ
)
けてゐるのは
不都合
(
ふつがふ
)
だと、
吉田東伍
(
よしだとうご
)
さんなんぞは
不服
(
ふふく
)
を
唱
(
とな
)
へてゐる。
閭
(
りよ
)
が
果
(
はた
)
して
台州
(
たいしう
)
の
主簿
(
しゆぼ
)
であつたとすると
日本
(
にほん
)
の
府縣知事
(
ふけんちじ
)
位
(
くらゐ
)
の
官吏
(
くわんり
)
である。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一年と
定
(
さだ
)
めたる
奉公人
(
ほうこうにん
)
の
給金
(
きうきん
)
は十二箇月の
間
(
あひだ
)
にも十兩、十三
箇
(
か
)
月の
間
(
あひだ
)
にも十兩なれば、一
箇
(
か
)
月はたゞ
奉公
(
ほうこう
)
するか、たゞ
給金
(
きうきん
)
を
拂
(
はら
)
ふか、
何
(
いづ
)
れにも一
方
(
ぽう
)
の
損
(
そん
)
なり。
其外
(
そのほか
)
の
不都合
(
ふつがふ
)
計
(
かぞふ
)
るに
遑
(
いとま
)
あらず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
其方儀
(
そのはうぎ
)
重
(
おも
)
き役儀をも勤ながら百姓九郎兵衞より
賄賂
(
わいろ
)
の金銀を
受
(
うけ
)
夫
(
それ
)
が
爲
(
ため
)
不都合
(
ふつがふ
)
の吟味に及び
罪
(
つみ
)
なき九助を一
旦
(
たん
)
獄門
(
ごくもん
)
に申付候條
重々
(
ぢう/\
)
不屆至極
(
ふとゞきしごく
)
に付大小
取上
(
とりあげ
)
主家
(
しうか
)
門前拂
(
もんぜんばらひ
)
申付る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大
(
いか
)
い
御恩
(
ごおん
)
を
蒙
(
かうむ
)
りましたに、いざお
家
(
いへ
)
が、と
言
(
い
)
ふ
頃
(
ころ
)
には、
碌
(
ろく
)
に
暑寒見舞
(
しよかんみまひ
)
にも
御伺
(
おうかゞ
)
ひいたしません。
手前
(
てまへ
)
が
其
(
そ
)
の
不都合
(
ふつがふ
)
な
料簡方
(
れうけんがた
)
と、お
家
(
いへ
)
の
罰
(
ばち
)
で、
此
(
こ
)
の
體裁
(
ていさい
)
でございます、へい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
京城
(
けいぜう
)
を「シウル」
新高山
(
にひたかやま
)
を「マウント・モリソン」などといふ
者
(
もの
)
があるのは
不都合
(
ふつがふ
)
である。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
ピエル・ルイの Aphrodite なども、金瓶梅に比ぶれば、子供の
玩具
(
おもちや
)
も同じ事なり、
尤
(
もつと
)
も後者は序文にある通り、
楽欲主義
(
げうよくしゆぎ
)
と云ふ看板もあれば、一概に比ぶるは
不都合
(
ふつがふ
)
なるべし。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あの
頃
(
ころ
)
旦那
(
だんな
)
さまが
離縁
(
りえん
)
をやると
一言
(
ひとこと
)
仰
(
おつ
)
しやつたが
最期
(
さいご
)
、
私
(
わたし
)
は
屹度
(
きつと
)
何事
(
なにごと
)
の
思慮
(
しりよ
)
もなく
暇
(
いとま
)
を
頂
(
いたゞ
)
いて、
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
の
不都合
(
ふつがふ
)
は
棚
(
たな
)
へ
上
(
あ
)
げて、
此樣
(
こん
)
な
不運
(
ふうん
)
な、
情
(
なさけ
)
ない、
口惜
(
くちを
)
しい
身
(
み
)
と
天
(
てん
)
が
極
(
き
)
めてお
置
(
お
)
きなさるなら
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ば知らぬ者なりと申せしが其後に至り三次は
知己
(
ちかづき
)
の趣きに申立る等
前後
(
ぜんご
)
不都合
(
ふつがふ
)
なり且此程より
追々
(
おひ/\
)
取調
(
とりしら
)
べる通り八ヶ年以前に弟十兵衞を
芝
(
しば
)
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
に於て
殺害
(
せつがい
)
に及び
姪
(
めひ
)
の文を賣たる金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
そ
)
の
長刀
(
なぎなた
)
持
(
も
)
ちたるが
姿
(
すがた
)
なるなり。
東遊記
(
とういうき
)
なるは
相違
(
さうゐ
)
あらじ。またあらざらむ
事
(
こと
)
を、われらは
願
(
ねが
)
ふ。
観聞志
(
くわんもんし
)
もし
過
(
あやま
)
ちたらむには
不都合
(
ふつがふ
)
なり、
王勃
(
わうぼつ
)
が
謂
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
などは
何
(
ど
)
うでもよし、
心
(
こゝろ
)
すべき
事
(
こと
)
ならずや。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さうかと思へば Cercidas と云ふ
所謂
(
いはゆる
)
犬儒派
(
けんじゆは
)
の哲学者は「
蕩児
(
たうじ
)
と
守銭奴
(
しゆせんど
)
とは
黄白
(
くわうはく
)
に富み、予ばかり貧乏するのは
不都合
(
ふつがふ
)
である! ……正義は
土豚
(
どとん
)
のやうに盲目なのか? Themis(正義の女神)の
明
(
めい
)
は
蔽
(
おほ
)
はれてゐるのか?」
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“不都合”の解説
不都合
(出典:Wikipedia)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
都
常用漢字
小3
部首:⾢
11画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“不都合”で始まる語句
不都合千万