“あきら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アキラ
語句割合
64.8%
19.5%
断念7.7%
斷念1.3%
1.1%
0.9%
絶念0.8%
諦念0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.1%
0.1%
0.1%
明良0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
清明0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
看破0.1%
観念0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
𪸵0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「——まああきらめるんですね、あなたの来ることは半月もまえにわかっていたし、どうやらあなたは赤髯に好かれたらしいですからね」
それ三聲みこゑめにると、くやうな、うらむやうな、呻吟うめくやうな、くるしもがくかとおも意味いみあきらかにこもつてて、あたらしくまたみゝつんざく……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
でも、結局は断念あきらめねばなりませんでした。随分、金を惜しまずあらゆる手段を尽しましたが、三上の行方はどうしても分らないのです。
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
殺す時機じき因果いんぐわづくだが斷念あきらめて成佛じやうぶつしやれお安殿と又切付れば手を合せどうでも私を殺すのか二人の娘にあふまではしにともないぞや/\と刄にすがるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ちっとはお母さんの手前も考えれば善いのに、」——そんなことも度たび考えたりした。もっともお鳥は何ごともあきらめ切っているらしかった。
玄鶴山房 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あたかも若草の緑が常磐木ときはぎのそれになるやうな、或る現実的な強さが、あきらかに其処にも現れつつあるのであつた。
だが、うしても絶念あきらめられなかつたと見えて、羽織の紋所には、捨てられた女五人の名前を書き込んで平気でそれをてゐた。
ところで私は年をとると、物ごとの怖ろしい惨めさ、努力などの何の役にも立たぬこと、期待のうつろなこと、——そんなことはもう諦念あきらめてしまっていた。
なんです、あきらさん、鉛筆なんかくはへて……そんなにおなかいたんですか? それではと……。今日はちよつと六ヶ敷いお話ですから、ぼんやりしてるとわかりませんよ。
ママ先生とその夫 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
それにあなたももとと違って、今のような御身分おみぶんでしょう、所詮しょせんかなわないとあきらめても、断められないもんですから、あなた笑っちゃ厭ですよ。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
錢形の平次があきらめてゐるほど、その贋金造ひは巧妙かうめうを極めました。
題と云えば、只今島田からお手紙でね、坊主の名ね、正輝にしようとしたが、すこしむずかしいようだというので、二人の若い親が相談してあきらとしたのだそうです。それで届けたそうです。
また富みて一一四善根をうるにも一一五ゆゑなきに恵みほどこし、その人の不義をもあきらめず一一六しあたへたらん人は、善根なりともたからはつひに散ずべし。
もと二二出雲いづもの国松江のさと生長ひととなりて、赤穴宗右衛門あかな(そうゑもん)といふ者なるが、わづかに二三兵書へいしよむねあきらめしによりて、二四富田とみたの城主二五塩冶掃部介えんやかもんのすけ、吾を師として物まなび給ひしに
清岡ぐうと門の柱に表札が打付けてあるが、それも雨に汚れてあきらかには読み得ない。小説家清岡進の老父あきらの隠宅である。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
静に格子戸を明けるとしんとした奥のから、「どなたじゃ。」という声がして、すぐさまふすまを明けたのは、真白な眉毛まゆげの上まで老眼鏡をつるし上げた主人のあきらであった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それにあなたももとちがつて、いまのやうな御身分おみぶんでせう、所詮しよせんかなはないとあきらめても、あきらめられないもんですから、あなたわらつちやいやですよ。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あきらめのつくやうに、あきらめさしてくださいツて、おねがまをした、あの、お返事へんじを、ないでツてますと、前刻さつきくだすつたのが、あれ……ね。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「先日、明良あきらの邸へ参ったとき、十三日の後の月見こそ、一期いちごの折というようなことを申したそうな。なんのことだ」
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
享保十年の春、主水は元服して鉄砲三十ちょう頭に任命され、本知行ほんちぎょう二百石取になり、その年、同藩の物奉行明良あきら重三郎の次女安をめとった。翌年、太郎を生み、つづいてお徳が生れた。
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
大石は紹介状の田中あきらという署名と、小泉純一持参と書いてある処とを見たきりで、封を切らずに下に置いて、女中に言った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一人は梅谷あきらと言う貴族らしい青年、少し病弱そうですが、これは如何にも上品な人柄、もう一人は金井半四郎という、富豪の若主人と言った負けん気らしい、精悍そうな二十五、六の青年
草木染の山崎あきら氏から手紙をもらった。稲村ヶ崎で義貞の龍神献剣のことなどは捨てて、牡丹の凋落に、高時の母の母情や春渓尼を出したくだりなど何度も読み返したといってくれた。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「前田あきら氏に逢うて、詳しい話をしてみないか」
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
容止みかほたかくさかしくて音辞みことばすぐあきらかなり。天命開別あめみことひらかすわけの天皇(天智天皇)の為にめぐまれたまふ。ひととなるに及びてわいわいしくて才学かど有り、もっと文筆ふみつくることこのむ。詩賦しふおこり、大津より始まれり……。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
人徒らに目を以て有字の書を読む、故に字にかぎられて、通透することを得ず。さに心を以て無字の書を読むべし。乃ちあきらかに自得あり。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
渡津海わたつみ豊旗雲とよはたぐも入日いりひさし今夜こよひ月夜つくよ清明あきらけくこそ 〔巻一・一五〕 天智天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
菩提樹ぼだいじゆ下の見証や、ハルラ山洞の光耀や、今一々わづらはしく挙証せざるも、真の見神の、偉大なる信念の根柢たり、又根柢たるべきは了々火よりもあきらかなり。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
すると男は、一刻も早く自分が普通の乞食でないのをあきらかにしようとするやうに
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
最近に出雲いずもの学者朝山あきら氏は、かの地方の新嘗祭が元は旧暦十月であったという説を公表しているが、是も甚だ心もとない新見解の一つで、仮にそういう現実の例が何処どこかに有ったとしても
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ほとんど見たままで、別に烹煉ほうれんを加うるということをせずに、無造作にその物その事の見解を作ッてしまうから、おのずから真相を看破あきらめるというには至らずして、ややもすれば浅膚せんぷけんに陥いる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「駄目だよ今日は。観念あきらめるさ。とてもかなわぬ事だから、僕は此処を先途せんどと喋り散らして花々しく討死する覚悟だ。ワッハヽヽヽ」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
皇子みこたち共にこたへていはく、理実ことわり灼然いやちこなり。則ち草壁皇子尊づ進みて盟ひていはく、天神あまつかみ地祇くにつかみ、及び天皇すめらみことあきらめたまへ、おのれ兄弟長幼、あはせて十余のみこおのおの異腹ことはらよりづ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
しかも武備はいよいよ強化され——ここに徳川家なる一国は、小国ながらも、領民と領主と、人と物と、さながら一体の強みを確乎かっこあきらかにして来た。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲の海は、怒濤どとうすがたを起しはじめた。——やがて濃尾のうびの平野はその下からあきらかに見え出してくる。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「文芸と宗教」に出てゐる山崎𪸵あきらの『おせいの上京』は達者ではあるが、またその素質においては濁りはないと思ふが、ややあつけないといふ気がした。
三月の創作 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)