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絶念
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あきら
ふりがな文庫
“
絶念
(
あきら
)” の例文
『いえ、只今の御話を伺へば——別に——私から御願する迄も有ません。御言葉に従つて、
絶念
(
あきら
)
めるより外は無いと思ひます。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
だが、
何
(
ど
)
うしても
絶念
(
あきら
)
められなかつたと見えて、羽織の紋所には、捨てられた女五人の名前を書き込んで平気でそれを
著
(
き
)
てゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
どうしたといふんだらう餘りだわとむか/\するが、又、仕方無いわと
絶念
(
あきら
)
めて財布の底を探ると十錢銀貨が一つあるので急に輕燒を燒かうかと思ひ立つ。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
もしかその作物の出来栄が悪かつたら、自分は才能のないものだと
絶念
(
あきら
)
めて、これからは一切創作に筆を取らない約束で、書いて貰ひたい。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
噫——瀬川君は自分の素性を考へて、到底及ばない
希望
(
のぞみ
)
と
絶念
(
あきら
)
めて
了
(
しま
)
つたのでせう。今はもう人を
可懐
(
なつか
)
しいとも思はん——是程悲しい情愛が有ませうか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
初めの間は心から腹も立てるし殆ど命がけに嫉妬も燒いたが此頃はもう根氣負をして仕方無いわと
絶念
(
あきら
)
めてゐる。十時頃になつて本當に眼が覺める。それからお茶を沸かしてお茶漬を食べる。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
と、その男は幾らか気味も悪かつたので、一冊だけですつかり
絶念
(
あきら
)
めて、また
以前
(
もと
)
のやうに墓へ土をかけて置いたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今度といふ今度こそは
絶念
(
あきら
)
めた、自分はもう離縁する考へで居る、と書いて呉れと頼んだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これではとても
遣切
(
やりき
)
れないといふので
資本
(
もとで
)
の手薄な
書肆
(
ほんや
)
はつい出版を
絶念
(
あきら
)
めて了ふ。お蔭で下らない
書物
(
ほん
)
が影を隠して世の中が至極
暢気
(
のんき
)
になつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
みんなあの
娘
(
こ
)
が持って生れて来たのだぞや。どんなことが有ろうとも、私はもう
絶念
(
あきら
)
めていますよ。それよりは、働けるものが好く働いて、夫婦して立派なものに成ってくれるのが、何よりですよ
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
富豪
(
かねもち
)
ロスチヤイルド
男
(
だん
)
が熱病でひどく苦しんだ事があつた。ちやうど
男
(
だん
)
が七十五歳の折の事で、
齢
(
とし
)
も齢だから老人自身は
迚
(
とて
)
も助からないものと
絶念
(
あきら
)
めて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「そやから僕もこの頃ぢや代議士なぞすつかり
絶念
(
あきら
)
めてしまうて、画家として立たうと思つてるのや。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その折象はお役人の手抜りを
直訴
(
ぢきそ
)
しようとまで思つたらしいが、役人といふものは chacanas よりも長い爪をもつてる事を思ひ出したので、すつかり
絶念
(
あきら
)
めてしまつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
女は美人に生れると、
悲哀
(
かなしみ
)
が多い、「芸術」が必要な
所以
(
ゆゑん
)
だ。醜女に生れると
絶念
(
あきら
)
めなければならぬ、「哲学」が無くてはならぬ訳である。哲学は蛇と共に女の一番嫌ひな物である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
“絶念”で始まる語句
絶念下