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詮
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あきら
ふりがな文庫
“
詮
(
あきら
)” の例文
客 あれは、いまおもえば、僕のさびしい
詮
(
あきら
)
めだった。それが何処かで、あの物語の女のさびしい気もちと触れあっていたのだな……
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「ちっとはお母さんの手前も考えれば善いのに、」——そんなことも度たび考えたりした。
尤
(
もっと
)
もお鳥は何ごとも
詮
(
あきら
)
め切っているらしかった。
玄鶴山房
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「誰かわたしにこれから何をしたらいいか、それともこの儘何もかも
詮
(
あきら
)
めてしまうほかはないのか、教えて呉れる者はいないのかしら? ……」
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
が、それは仕方がなかつた。
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
骨を折つた甲斐だけはある。——其処に彼は満足してゐた。十年の苦労は
詮
(
あきら
)
めを教へ、詮めは彼を救つたのだつた。
庭
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そんな自然の
牢
(
ひとや
)
にも近いものの中に、菜穂子は何か
詮
(
あきら
)
め切ったように、ただ一人で
空
(
くう
)
を見つめた儘、死の
徐
(
しず
)
かに近づいて来るのを待っている。——
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
僕は
詮
(
あきら
)
めに近い心を持ち、
弥生町
(
やよいちょう
)
の寄宿舎へ帰って来た。窓
硝子
(
ガラス
)
の破れた自習室には
生憎
(
あいにく
)
誰も居合せなかった。僕は薄暗い電燈の
下
(
した
)
に
独逸文法
(
ドイツぶんぽう
)
を復習した。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だんだんそういう fatal なものに一種の
詮
(
あきら
)
めにちかい気もちも持ち出しているにはいるが。しかし、まだまだ
踠
(
も
)
がけるだけ踠がいてみるよ。
雪の上の足跡
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
最初から
詮
(
あきら
)
めの姿態をとつて人生を受け容れようとする、その生き方の素直さといふものを教へてくれたのである。
姨捨記
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
だが、このごろはそういった奇蹟は
詮
(
あきら
)
めている。まだ、自分には古代の研究がなにひとつ身についていないのだからね。もうすこしおとなしく勉強をする。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
圭介がもうその追究を
詮
(
あきら
)
めたように云うと、彼女には急に夫が自分の心から離れてしまいそうに感ぜられた。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
おそらくその女も他の男に見いだされて余所に引きとられてしまったのだろうと
詮
(
あきら
)
めると、その女恋しさを
一層
(
ひとしお
)
切に感じ出しながら、その儘では何か立ち去りがたいように
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
おえふはもうすべてを
詮
(
あきら
)
めた。初枝のために、自分のすべてを棄てようとした。
ふるさとびと
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
“詮”の意味
《名詞》
(セン/かい 「詮が(も)ない」の形で)やりがい、それをやったことによって得られる何らかの利益。
《動詞》
つきつめる。
(出典:Wiktionary)
詮
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“詮”を含む語句
所詮
詮方
詮索
名詮自性
御詮議
詮議立
詮事
言詮
名詮自称
詮議中
詮議
詮術
義詮
間部詮勝
御詮索
詮衡
詮穿
詮索欲
詮方無
詮益
...