「更級日記」は私の少年の日からの愛讀書であつた。いまだ夢多くして、異國の文學にのみ心を奪はれて居つたその頃の私に、或日この古い押し花のにほひのするやうな奧ゆかしい日記の話をしてくだすつたのは松村みね子さんであつた。おそらく、その頃の私に忘れ …
著者 | 堀辰雄 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行 |
初出 | 「文學界 第八巻第八号」1941(昭和16)年8月号 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約14分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約24分(300文字/分) |