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まごめ
ふりがな文庫
“
馬籠
(
まごめ
)” の例文
三十七
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
、
幻翁
(
げんおう
)
望生
(
ぼうせい
)
の
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
余
(
よ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
に
行
(
ゆ
)
き、
茶店
(
ちやみせ
)
に
荷物
(
にもつ
)
や
着物
(
きもの
)
を
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
き、
息子
(
むすこ
)
を
人夫
(
にんぷ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
遺跡
(
ゐせき
)
に
向
(
むか
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
馬籠
(
まごめ
)
は木曾十一宿の一つで、この長い谿谷の尽きたところにある。西よりする木曾路の最初の入り口にあたる。そこは
美濃境
(
みのざかい
)
にも近い。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これから皆様御案内の通り福島を離れまして、
彼
(
か
)
の名高い
寝覚
(
ねざめ
)
の里を
後
(
あと
)
に致し、
馬籠
(
まごめ
)
に掛って
落合
(
おちあい
)
へまいる間が、
美濃
(
みの
)
と信濃の
国境
(
くにざかい
)
でございます。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
されど其道を過ぎんには、わが
稚
(
をさな
)
き頃より夢に見つる
馬籠
(
まごめ
)
驛の
翠微
(
すゐび
)
は遂に一目をも寓する
能
(
あた
)
はざるなり。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
藤村は、明治五年、長野県の
馬籠
(
まごめ
)
で生れた。家は馬籠の旧本陣で、そこの大規模な家の構え、召使いなどの有様は、「生い立ちの記」の中にこまかく描かれている。
藤村の文学にうつる自然
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
十日も
苅
(
か
)
り
溜
(
ため
)
し草を一日に
焼
(
やい
)
たような心地して、尼にでもなるより外なき身の行末を
歎
(
なげき
)
しに、
馬籠
(
まごめ
)
に御病気と聞く途端、アッと驚く
傍
(
かたわら
)
に
愚
(
おろか
)
な心からは看病するを
嬉
(
うれし
)
く
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
履
(
はき
)
是れ
何
(
どう
)
しても
泥棒
(
どろぼう
)
と云ふ
看板
(
かんばん
)
を掛て居る樣なものだサア此方へ來いと直樣坂本の自身番へ引上しに出役岡村七兵衞
馬籠
(
まごめ
)
藏
(
くら
)
十郎の兩人
控
(
ひか
)
へ居る前へ久兵衞を引き
据
(
すゑ
)
て
先
(
まづ
)
雜物
(
ざふもつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
長者が
馬籠
(
まごめ
)
峠の小路に掛かり、
字
(
あざ
)
男垂
(
おたる
)
という所まで来た時、三賊出でて竹槍で突き殺し、宝を奪い去った。その宝の中に黄金の鶏が一つ落ちて、川に流れて男垂の滝壺に入った。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
あの
馬籠
(
まごめ
)
峠の——
女滝
(
めたき
)
と
男滝
(
おたき
)
の
滝津瀬
(
たきつせ
)
には、まだあの時の、自分の泣き声と、武蔵の怒った声が、どうどうと、
淙々
(
そうそう
)
と
咽
(
むせ
)
び合って、そのまま二人の喰い違った気持を百年も千年も
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妻籠
(
つまご
)
通り過ぐれば三日の間寸時も離れず馴れむつびし
岐蘇
(
きそ
)
河に別れ行く。何となく名残惜まれて若し水の色だに見えやせんと木の間/\を覗きつゝ辿れば
馬籠
(
まごめ
)
峠の麓に来る。馬を尋ぬれども居らず。
かけはしの記
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
中津川は美濃の國なり
國境
(
くにざかひ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
と落合の間の十
石
(
こく
)
峠
(
たふげ
)
といふ所なり國かはれば風俗も異なりて木曾道中
淳朴
(
じゆんぼく
)
の
風
(
ふう
)
は木曾川の流と共にはなれてやゝ淫猥の臭氣あり
言語
(
ことば
)
も岐阜と名古屋
半交
(
はんまぜ
)
となり
姿形
(
すがたかたち
)
も見よげになれり氣候も山を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
峠を美濃に下る
長塚節歌集:2 中
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もと/\
馬籠
(
まごめ
)
(わたしの郷里)なぞは至つてひどいところで、古から困窮な宿であつたから、有徳者と言へるほどの者なぞ一向になく
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
餘程
(
よほど
)
の
大火
(
おほび
)
を
焚
(
た
)
かなければ、
馬籠
(
まごめ
)
にて
見
(
み
)
たる
如
(
ごと
)
き
跡
(
あと
)
を
遺
(
のこ
)
すものでない。
竈
(
かまど
)
とか、
爐
(
ろ
)
とか、それ
位
(
くらゐ
)
の
火
(
ひ
)
の
爲
(
ため
)
に
出來
(
でき
)
たのでは
恐
(
おそ
)
らくあるまい。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
珠運
(
しゅうん
)
馬籠
(
まごめ
)
に寒あたりして熱となり旅路の心細く二日
計
(
ばか
)
り
苦
(
くるし
)
む所へ吉兵衛とお
辰
(
たつ
)
尋ね
来
(
きた
)
り様々の骨折り、病のよき
汐
(
しお
)
を見計らいて
駕籠
(
かご
)
安泰に
亀屋
(
かめや
)
へ引取り、夜の間も寐ずに美人の看病
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
昨日
(
きのう
)
から
迷
(
はぐ
)
れかけた——いや、
馬籠
(
まごめ
)
の
女滝男滝
(
めたきおたき
)
からずっと
外
(
そ
)
れがちに
彷徨
(
さまよ
)
ってばかりいた武蔵の心が——ふしぎにも今朝は、自分の歩むべき大道へ、しっかと返っている心地だった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隱し車に乘る表に
立
(
たち
)
て見るもの子供まじりに十四五人あり梅花道人我身に受けてグツト氣張り車やれと
異
(
おつ
)
な調子なり
妻籠
(
つまご
)
の
宿
(
しゆく
)
にて晝餉
認
(
したゝ
)
む
馬籠
(
まごめ
)
の峠なれば車は二
人曳
(
にんびき
)
ならでは行かず
夫
(
それ
)
もなか/\遲し馬にて越させ玉へと
宿
(
やど
)
の主の心付けに荷を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
は風情多き
驛
(
しゆく
)
なり。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
勤
(
つと
)
め久兵衞と申す者にて何も決して
怪
(
あや
)
しき者には御座なく候と申すに
馬籠
(
まごめ
)
岡村の兩人此包みは如何致したる品なるやと尋ねければ久兵衞は
拔
(
ぬか
)
らぬ
面
(
かほ
)
にてヘイ是は
下質
(
したしち
)
へ
下
(
さげ
)
に參る品で御座りますと云ふに兩人ナニ下質へ
下
(
さげ
)
に
行
(
ゆく
)
かとコレ
宜加減
(
いゝかげん
)
な
虚
(
うそ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
馬籠
(
まごめ
)
の
宿
(
しゅく
)
で初めて酒を造ったのは、伏見屋でなくて、
桝田屋
(
ますだや
)
であった。そこの初代と二代目の主人、
惣右衛門
(
そうえもん
)
親子のものであった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
石器時代
(
せききじだい
)
に
現今
(
げんこん
)
の
如
(
ごと
)
き
陶器窯
(
たうきがま
)
を
造
(
つく
)
つて、
其所
(
そこ
)
で
土器
(
どき
)
を
燒
(
や
)
いたか
否
(
いな
)
か、それは
未
(
ま
)
だ
輕々
(
かる/″\
)
しく
言切
(
いひき
)
れぬが、
馬籠
(
まごめ
)
に
於
(
お
)
ける
燒土層
(
やけつちさう
)
の
廣大
(
くわうだい
)
なるを
見
(
み
)
て、
然
(
さ
)
うして
桂舟畫伯
(
けいしうぐわはく
)
の
説
(
せつ
)
を
聽
(
き
)
いて
見
(
み
)
ると
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
こんど歩いたコースは、中央線辰野駅をふり出しに天龍川流域、飯田から山越えで、木曾谷へ出、
馬籠
(
まごめ
)
附近、福島、駒ヶ嶽山麓、あのあたりの往古木曾道中をやって、松本へ戻ったのである。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
せめては御荷物なりとかつぎて
三戸野
(
みどの
)
馬籠
(
まごめ
)
あたりまで御肩を休ませ申したけれどそれも
叶
(
かな
)
わず、
斯
(
こう
)
云う
中
(
うち
)
にも叔父様帰られては
面倒
(
めんどう
)
、どの様な事申さるゝか知れませぬ程にすげなく申すも
御身
(
おんみ
)
の
為
(
ため
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
よき
驛
(
しゆく
)
なりしならん大きな宿屋
荒果
(
あれはて
)
て
憐
(
あはれ
)
なり
此
(
こゝ
)
に木曾義仲
馬洗
(
うまあらひ
)
の水といふ有りといへど見ず例の露伴子愛着の美人も尋ねずわづかに痩馬に一息させしのみにて亦驅け
出
(
いだ
)
す此宿より
美濃
(
みの
)
の
國境
(
くにさかひ
)
馬籠
(
まごめ
)
までの間の十三宿が即ち木曾と總稱する所なり誠に木曾に
入
(
い
)
りしだけありて
此
(
これ
)
より
景色
(
けいしよく
)
凡ならず谷深く山聳へ岩に觸るゝ水
生茂
(
おひしげ
)
る木皆な新たに生面を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
ちょうど、そこへ会所の使いが福島の役所からの
差紙
(
さしがみ
)
を置いて行った。
馬籠
(
まごめ
)
の
庄屋
(
しょうや
)
あてだ。おまんはそれを渡そうとして、
夫
(
おっと
)
を
探
(
さが
)
した。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
の宿場の中央にある高札場の前あたりでは、諸国流行の
唄
(
うた
)
のふしにつれて、調練のまねをする子供らの声が毎日のように起こった。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先年の
馬籠
(
まごめ
)
の大火にもその隠居所は焼け残って、筆者不明の大書をはりつけた襖の文字も吉左衛門には慰みの一つとなっている。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
るか、
籠
(
かご
)
に
乘
(
の
)
るか、さもなければ
歩
(
ある
)
いて
旅
(
たび
)
をした
以前
(
いぜん
)
の
木曾街道
(
きそかいだう
)
の
時分
(
じぶん
)
には、
父
(
とう
)
さんの
生
(
うま
)
れた
神坂村
(
みさかむら
)
も
驛
(
えき
)
の
名
(
な
)
を
馬籠
(
まごめ
)
と
言
(
い
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ある易者が来て
馬籠
(
まごめ
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
に
逗留
(
とうりゅう
)
していた。めずらしく半蔵は隣家の伊之助にそそのかされて、その旅やつれのした易者を見に行った。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
の
村
(
むら
)
はづれまで
出
(
で
)
ますと、その
峠
(
たうげ
)
の
上
(
うへ
)
の
高
(
たか
)
いところにも
耕
(
たがや
)
した
畠
(
はたけ
)
がありました。そこにも
伯父
(
をぢ
)
さんに
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けるお
百姓
(
ひやくしやう
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこは
馬籠
(
まごめ
)
の町内から万福寺の方へ通う
田圃
(
たんぼ
)
の間の寺道だ。
笹屋
(
ささや
)
の
庄助
(
しょうすけ
)
と小笹屋の勝之助の二人が半蔵を見かけて、声をかけた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
から上伊那の南殿村まで女の足では三日路というくらいのところだから、わざわざ諸道具なぞ持ち運ぶには及ばん、お粂の
箪笥
(
たんす
)
、長持
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もっとも、木曾の上四宿からは
贄川
(
にえがわ
)
の庄屋、中三宿からは福島の庄屋で、
馬籠
(
まごめ
)
から来た半蔵は下四宿の総代としてであった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬籠
(
まごめ
)
のごとき峠の上の小駅ではお定めの人足二十五人を集めるにさえも、隣郷の山口村や湯舟沢村の加勢に待たねばならないことを思い出した。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
父
(
とう
)
さんも
馬籠
(
まごめ
)
のやうな
村
(
むら
)
に
育
(
そだ
)
つた
子供
(
こども
)
です。
山道
(
やまみち
)
を
歩
(
ある
)
くのに
慣
(
な
)
れては
居
(
ゐ
)
ます。それにしても、『みさやま
峠
(
たうげ
)
』は
見上
(
みあ
)
げるやうな
險
(
けは
)
しい
山坂
(
やまさか
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
青山半蔵は
馬籠
(
まごめ
)
本陣の方にいて、中津川にある
二人
(
ふたり
)
の友人と同じように、西から進んで来る東山道軍を待ち受けた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どうやら彼はこの旅を果たし、供の平兵衛と共に
馬籠
(
まごめ
)
の宿をさして、西から
木曾街道
(
きそかいどう
)
を帰って来る途中にある。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“馬籠”で始まる語句
馬籠峠
馬籠驛
馬籠方
馬籠風