トップ
>
覗込
>
のぞきこ
ふりがな文庫
“
覗込
(
のぞきこ
)” の例文
「まあ何んと云う綺麗な腕環でしょう、之れは
屹度
(
きっと
)
伯父様から、
妾
(
わたくし
)
に贈って下さったのですよ」と云えば、二番目の娘は横合から
覗込
(
のぞきこ
)
んで
黄金の腕環:流星奇談
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
跫音
(
きようおん
)
乱
(
みだ
)
れて、スツ/\と
擦
(
す
)
れつゝ、
響
(
ひゞ
)
きつゝ、
駅員
(
えきゐん
)
の
驚破
(
すわ
)
事
(
こと
)
ありげな
顔
(
かほ
)
が
二
(
ふた
)
つ、
帽子
(
ぼうし
)
の
堅
(
かた
)
い
廂
(
ひさし
)
を
籠
(
こ
)
めて、
園
(
その
)
の
居
(
ゐ
)
る
窓
(
まど
)
をむづかしく
覗込
(
のぞきこ
)
むだ。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おとらは作の隠れて寝ている物置のような汚いその部屋を
覗込
(
のぞきこ
)
みながら
毎時
(
いつ
)
ものお
定例
(
きまり
)
を言って
呶鳴
(
どな
)
った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
狭く暗い路地裏のいやに奥深く行先知れず
曲込
(
まがりこ
)
んでいるのを不思議そうに
覗込
(
のぞきこ
)
むばかりであった。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
のアンドレイ、エヒミチは
玄關
(
げんくわん
)
の
間
(
ま
)
から
病室
(
びやうしつ
)
の
内
(
なか
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、
物柔
(
ものやは
)
らかに
問
(
と
)
ふので
有
(
あ
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
その哀れな男は、不安そうに
眉
(
まゆ
)
を寄せると、じっと私の顔を
覗込
(
のぞきこ
)
んだ。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
女は驚いたように、細い襟足を延ばし、男の顔を
覗込
(
のぞきこ
)
んだ。
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と頭巾を取って
此方
(
こっち
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
みました。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
汀のお珊は、
褄
(
つま
)
をすらりと足をちょいと踏替えた。
奴島田
(
やっこしまだ
)
は、
洋傘
(
こうもり
)
を畳んで
支
(
つ
)
いて、直ぐ目の下を、前髪に
手庇
(
てびさし
)
して
覗込
(
のぞきこ
)
む。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
狭
(
せま
)
く暗い
路地裏
(
ろぢうら
)
のいやに
奥深
(
おくふか
)
く
行先
(
ゆくさき
)
知れず
曲込
(
まがりこ
)
んでゐるのを不思議さうに
覗込
(
のぞきこ
)
むばかりであつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
院長
(
いんちょう
)
のアンドレイ、エヒミチは
玄関
(
げんかん
)
の
間
(
ま
)
から
病室
(
びょうしつ
)
の
内
(
なか
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、
物柔
(
ものやわ
)
らかに
問
(
と
)
うのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その男は、
覗込
(
のぞきこ
)
むように、私の顔を見上げた。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
さてはまさしく
魘
(
うな
)
された? この夜更けに、男が一人寝た部屋を、庭から
覗込
(
のぞきこ
)
んで、窓を開けて、と言う
婦
(
おんな
)
はあるまい。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
言淀
(
いいよど
)
んで見えたので、ここへ来い、と
構
(
かまえ
)
を崩して、
透
(
すき
)
を見せた
頬杖
(
ほおづえ
)
し、ごろりと横になって、小松原の顔を
覗込
(
のぞきこ
)
みつつ
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
和尚
(
をしやう
)
が、
私
(
わたし
)
の
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
腰
(
こし
)
を
屈
(
かゞ
)
めて、
支
(
つ
)
いた
藜
(
あかざ
)
を
頤杖
(
あごづゑ
)
にして、
白
(
しろ
)
い
髯
(
ひげ
)
を
泳
(
およ
)
がせ
泳
(
およ
)
がせ、
口
(
くち
)
も
利
(
き
)
かないで、
身體中
(
からだぢう
)
をじろ/\と
覗込
(
のぞきこ
)
むではござんせんか。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あなた、私の心が見えましょう、と
覗込
(
のぞきこ
)
んだ時に、ああ、堪忍しておくんなさい、とその鏡を取って
俯向
(
うつむ
)
けにして、男がぴったりと自分の胸へ
押着
(
おッつ
)
けたと。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
閑耕は、その背けた顔を
覗込
(
のぞきこ
)
むようにして、胸を曲げ、膝を叩きながら、鼻の尖に、へへん、と笑って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
筆を持った
小児
(
こども
)
の手を持添えて、その
小児
(
こども
)
の顔を、上から
俯目
(
ふしめ
)
に
覗込
(
のぞきこ
)
むようにして、
莞爾
(
にっこり
)
していると、
小児
(
こども
)
は行儀よく
机
(
つくえ
)
に向って、草紙に手習のところなんだがね。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
累
(
かさな
)
りあふれて、ひょこひょこと
瓜
(
うり
)
の転がる
体
(
てい
)
に、次から次へ、また二ツ三ツ頭が来て、額で
覗込
(
のぞきこ
)
む。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、川通りを
歩行
(
ある
)
きながら、ふと八郎の
覗込
(
のぞきこ
)
んだのが、前に言った、骨董屋の飾窓だったのである。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引取
(
ひっと
)
って、ぐいと開けた、気が入って膝を立てた、顔の色が厳しくなった。と見て
胆
(
きも
)
を冷したのは主税で、小芳は何の気も着かないから、晴々しい
面色
(
おももち
)
で、
覗込
(
のぞきこ
)
んで
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壇の
上口
(
あがりくち
)
に
気勢
(
けはい
)
がすると、
潰
(
つぶ
)
しの島田が
糶上
(
せりあが
)
ったように、
欄干
(
てすり
)
隠れに、
少
(
わか
)
いのが
密
(
そっ
)
と
覗込
(
のぞきこ
)
んで
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頻
(
しき
)
りとその
懐中
(
ふところ
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
みますのを、じろじろ見ますと、
浅葱
(
あさぎ
)
の
襦袢
(
じゅばん
)
が
開
(
はだ
)
けまするまで、
艶々
(
つやつや
)
露も垂れるげな、
紅
(
べに
)
を溶いて玉にしたようなものを、
溢
(
こぼ
)
れまするほど、な、
貴方様
(
あなたさま
)
。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
幾干
(
いくら
)
か
小遣
(
こづかひ
)
があると
見
(
み
)
えて、
時々
(
とき/″\
)
前垂
(
まへだれ
)
の
隙間
(
すきま
)
から、
懷中
(
くわいちう
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、ニヤリと
遣
(
や
)
る。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八郎は、すぐ前の台所へ出て、
流
(
ながし
)
に立ったお悦の
背後
(
うしろ
)
から、肩越しに
覗込
(
のぞきこ
)
んでいたが
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三人
揉重
(
もみかさ
)
なって、車掌台へ
圧
(
お
)
されて出ると、
先
(
せん
)
から、がらりと扉を開けて、
把手
(
ハンドル
)
に手を置きながら、中を
覗込
(
のぞきこ
)
んでいた運転手が、チリン無しにちょうどそこの停留所に車を留めた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも、幕が開いて芝居に身が
入
(
い
)
って来ると、
身体
(
からだ
)
をもじもじ、膝を立てて伸上って——
背後
(
うしろ
)
に
引込
(
ひっこ
)
んでいるんだから見辛いさね——そうしちゃ、舞台を
覗込
(
のぞきこ
)
むようにしていたっけ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
驚いて
白髪
(
しらが
)
を握ると、耳が暖く、
襖
(
ふすま
)
が明いて、里見夫人、
莞爾
(
にっこり
)
して
覗込
(
のぞきこ
)
んで
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さては婆さんに試されたか、と
一旦
(
いったん
)
は存じましたが、こう笠を傾けて遠くから
覗込
(
のぞきこ
)
みました、勝手口の戸からかけて、棟へ、高く
烏瓜
(
からすうり
)
の一杯にからんだ
工合
(
ぐあい
)
が、何様、何ヶ月も
閉切
(
しめきり
)
らしい。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あの
白粉
(
おしろい
)
の花の蔭から、
芋※
(
ずいき
)
の葉を顔に当てた
小児
(
こども
)
が三人、ちょろちょろと出て来て、不思議そうに私を見ながら、犬ころがなつくように
傍
(
そば
)
へ寄ると、縁側から
覗込
(
のぞきこ
)
んで、手毬を見つけて
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
抱
(
だ
)
いても
腕
(
うで
)
に
乗
(
の
)
つたのに……と
肩越
(
かたごし
)
に
見上
(
みあ
)
げた
時
(
とき
)
、
天井
(
てんじやう
)
の
蔭
(
かげ
)
に
髪
(
かみ
)
も
黒
(
くろ
)
く
上
(
うへ
)
から
覗込
(
のぞきこ
)
むやうに
見
(
み
)
えたので、
歴然
(
あり/\
)
と、
自分
(
じぶん
)
が
彫刻師
(
てうこくし
)
に
成
(
な
)
つた
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
の
運命
(
うんめい
)
が、
形
(
かたち
)
に
出
(
で
)
て
顕
(
あら
)
はれた……
雨
(
あめ
)
も
此
(
こ
)
の
朧夜
(
おぼろよ
)
を
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
藤三郎はそのまま土手の方へ行こうとして、フト
研屋
(
とぎや
)
の店を
覗込
(
のぞきこ
)
んで
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(立って欄干に出づ、
遥
(
はるか
)
に下を
覗込
(
のぞきこ
)
む)……まあ、御覧なさいまし。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
わか
)
い
駅員
(
えきゐん
)
が
二人
(
ふたり
)
、
真黒
(
まつくろ
)
な
形
(
かたち
)
で、
店前
(
みせさき
)
に
立
(
た
)
つたのが、
見
(
み
)
え
隠
(
かく
)
れする
湯気
(
ゆげ
)
を
嬲
(
なぶ
)
るやうに、
湯気
(
ゆげ
)
がまた
調戯
(
からか
)
ふやうに、
二人
(
ふたり
)
互違
(
たがひちが
)
ひに、
覗込
(
のぞきこ
)
むだり、
胸
(
むね
)
を
衝
(
つ
)
と
開
(
ひら
)
いたり、
顔
(
かほ
)
を
背
(
そむ
)
けたり、
頤
(
あご
)
を
突出
(
つきだ
)
したりすると
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少し坂を上って、こう、
透
(
すか
)
しますと、向う
斜
(
ななめ
)
にずッと
覗込
(
のぞきこ
)
む、生垣と、門の
工合
(
ぐあい
)
で、赤い頭ばかりが
鞠
(
まり
)
のように、ぴょんぴょんと、垣の上へ飛ぶのと——柱を前へ乗出した和尚の肩の処が半分見える。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
袴腰に両腕を張って
覗込
(
のぞきこ
)
む、運八翁に、再び
蒼白
(
あおじろ
)
い顔を振上げた。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とかくして沼の中を、身動きもしないで
覗込
(
のぞきこ
)
んだ……
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちょっと黒い頭だけ出して、上から籠を
覗込
(
のぞきこ
)
む。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中に大高源吾が、笠を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、前へ
屈
(
かが
)
み
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
横顏
(
よこがほ
)
を
憎々
(
にく/\
)
しい
目
(
め
)
で
覗込
(
のぞきこ
)
んで
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
挨拶
(
あいさつ
)
するのに、段を
覗込
(
のぞきこ
)
んだ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
じつと
覗込
(
のぞきこ
)
んで居るのである。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ヌイと
覗込
(
のぞきこ
)
んで
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
覗
漢検準1級
部首:⾒
12画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“覗”で始まる語句
覗
覗見
覗機関
覗眼鏡
覗入
覗出
覗口
覗得
覗目鏡
覗窓戸