“上口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あがりくち42.1%
あがりぐち42.1%
のぼりくち10.5%
のぼりぐち5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お房は上口あがりくちのところへ顏を出すと直ぐに、「ま、先生、能くお寐ツてね。」と他を輕く見たやうな、うはついた調子でいふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
上口あがりぐちの処で、くるくる廻っていた飼犬は、呼ばれて猶予ためらわずと飛込み、いきなり梓のたもとに前足を掛けて、ひょいとその膝に乗ってかしこまった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姫はほとほと走るやうに塔の上口のぼりくちにゆきて、こなたを顧みたれば、われも急ぎて追付き、段の石をば先に立ちて踏みはじめぬ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ちょうどこの上口のぼりぐちの辺に美濃みの蓮大寺れんだいじの本堂の床下ゆかしたまで吹抜ふきぬけの風穴かざあながあるということを年経としたってから聞きましたが、なかなかそこどころの沙汰さたではない、一生懸命いっしょうけんめい景色けしき奇跡きせきもあるものかい
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)