“あがりぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上口61.5%
昇口23.1%
上框7.7%
勝手口7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お客の居ない時なんぞは、母子おやこ連れの巡礼か何かに、何度も何度も御詠歌を唱わせて、上口あがりぐちに腰をかけたまま聞き惚れているような事がよくあった。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
蔦芳は中村座の開場が近くなったので、毎日吉原から通っていたが、某日あるひ浴衣ゆかたが汗になったので、更衣きがえするつもりで二階の昇口あがりぐちったところで、わかい男が梯子段はしごだんへ腰をかけていた。
幽霊の衣裳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
上框あがりぐちが三畳で、直ぐ次がこの六畳。前の縁が折曲おりまがった処に、もう一室ひとま、障子は真中まんなかで開いていたが、閉った蔭に、床があれば有るらしい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
表も雨戸が閉っているし、脇の勝手口あがりぐちへゆく木戸にもかぎが掛っていた。道のまん中へ出て見あげたが、二階も戸が閉っていて、客のいるらしいけはいもなく、しんかんと寝しずまっていた。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)