“かってぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勝手口75.0%
庖厨口25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
井は勝手口かってぐちから唯六歩、ぼろ/\に腐った麦藁屋根むぎわらやねが通路と井をおおうて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
門のうちに入るまで娘は絶えず身のまはりに気をくばりてゐたりしが初めて心おちつきたるさまになりてひしとわが身に寄添ひて手をとり、そのまま案内もはず勝手口かってぐちを廻りて庫裡くりの裏手に出づ。
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
広巳は庖厨口かってぐちからゆるゆると出て往った。出口には車井戸があってじょちゅうの一人が物を洗っていた。車井戸の向うには一軒の離屋はなれがあった。それが広巳の起臥ねおきしているへやであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
庖厨口かってぐちのほうへ往くには、そこを左に竹垣に沿うて曲って往かねばならなかった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)