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莞爾
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につこ
ふりがな文庫
“
莞爾
(
につこ
)” の例文
僞
(
いつは
)
りでは
無
(
な
)
けれど
隱
(
か
)
くすとは
何
(
なに
)
を、デハ
私
(
わた
)
しから
申
(
まを
)
しませう
深山
(
みやま
)
がくれの
花
(
はな
)
のお
心
(
こゝろ
)
と
云
(
い
)
ひさして
莞爾
(
につこ
)
とすれば、アレ
笑
(
わら
)
ふては
云
(
い
)
はぬぞよ
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
打ち見やりて時頼
莞爾
(
につこ
)
と打ち
笑
(
ゑ
)
み、
二振三振
(
ふたふりみふり
)
、
不圖
(
ふと
)
平見
(
ひらみ
)
に映る我が顏見れば、こはいかに、内落ち色
蒼白
(
あをじろ
)
く、ありし昔に似もつかぬ悲慘の容貌。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
と
美女
(
たをやめ
)
は
又
(
また
)
算
(
かぞ
)
へて、
鼓草
(
たんぽゝ
)
の
駒
(
こま
)
を
取
(
と
)
つて、
格子
(
かうし
)
の
中
(
なか
)
へ、……
菫
(
すみれ
)
の
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
を
分
(
わ
)
けて、
静
(
しづか
)
に
置替
(
おきか
)
へながら、
莞爾
(
につこ
)
と
微笑
(
ほゝゑ
)
む。……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
左仲が
煙管
(
きせる
)
の
元
(
もと
)
へ
差出
(
さしいだ
)
すにぞ左仲は
愕然
(
ぎよつ
)
となし思はず
震
(
ふる
)
へ出せし體を見るより彼の者は
莞爾
(
につこ
)
と笑ひ左仲が側へ同じく
腰
(
こし
)
打掛
(
うちかけ
)
旅人
(
りよじん
)
は何等の
用
(
よう
)
にて
斯
(
かく
)
夜道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
この
)
一言
(
いちごん
)
!
心
(
こゝろ
)
なき
人
(
ひと
)
が
聽
(
き
)
いたら
何
(
なん
)
でもなからうが、
私
(
わたくし
)
と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
とは
思
(
おも
)
はず
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はして
莞爾
(
につこ
)
としたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
俄
(
にはか
)
にノゾき込んで声打ちひそめ「君、僕は
昨夜
(
ゆうべ
)
からの疑問だがネ、梅子さんの胸底には
若
(
も
)
し、
恋
(
ラブ
)
が潜んでるのぢや無からうか」大橋は
莞爾
(
につこ
)
と打ち笑み「
勿論
(
もちろん
)
! 彼女の心が
恋愛
(
こひ
)
の聖火に燃ゆること、 ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
すると丹泉は
莞爾
(
につこ
)
と笑つて
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
とばかりありて眼の
前
(
さき
)
にうつくしき顔の
﨟
(
ろう
)
たけたるが
莞爾
(
につこ
)
とあでやかに
笑
(
え
)
みたまひしが、そののちは見えざりき。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
受人に相頼み申候と
聊
(
いさゝ
)
か
憚
(
はゞか
)
る
色
(
いろ
)
なく申立ければ越前守殿
莞爾
(
につこ
)
と笑はれ
其
(
そ
)
りやこそ長庵
汝
(
なんぢ
)
の口より追々
尻
(
しり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
燈火
(
あかり
)
をつけて蚊遣りふすべて、お初は心細く戸の外をながむれば、いそ/\と歸り來る太吉郎の姿、何やらん大袋を兩手に抱へて母さん母さんこれを貰つて來たと
莞爾
(
につこ
)
として驅け込むに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
答
(
こた
)
へると
彼
(
かれ
)
は
莞爾
(
につこ
)
と
打笑
(
うちえ
)
み、こも/″\
三人
(
みたり
)
と
握手
(
あくしゆ
)
して、
其儘
(
そのまゝ
)
舷梯
(
げんてい
)
を
降
(
くだ
)
り、
先刻
(
せんこく
)
から
待受
(
まちう
)
けて
居
(
を
)
つた
小蒸滊船
(
こじやうきせん
)
に
身
(
み
)
を
移
(
うつ
)
すと、
小蒸滊船
(
こじやうきせん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
波
(
なみ
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ、
波止塲
(
はとば
)
の
方
(
かた
)
へと
歸
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
く
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そのままおそれげもなう翼を休めたるに、ざぶりと水をあびせざま
莞爾
(
につこ
)
とあでやかに笑うてたちぬ。手早く
衣
(
きぬ
)
もてその胸をば
蔽
(
おお
)
へり。鳥はおどろきてはたはたと
飛去
(
とびさ
)
りぬ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
殘らず取出し盜賊の前に差出せば次郎は
莞爾
(
につこ
)
と打笑ひ夫れで能い
心持
(
こゝろも
)
ちだらうドリヤ路用ははずんで
呉
(
くれ
)
ようと
額銀
(
がくぎん
)
一ツ
投出
(
なげだ
)
しサア是で何處へなりと
行
(
ゆき
)
をれへ言捨道玄次郎は
悠々
(
いう/\
)
と金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
その
)
傍
(
かたはら
)
には、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は、
例
(
れい
)
の
水兵
(
すいへい
)
姿
(
すがた
)
で、
左手
(
ひだり
)
は
猛犬
(
まうけん
)
「
稻妻
(
いなづま
)
」の
首輪
(
くびわ
)
を
捕
(
とら
)
へ、
右手
(
ゆんで
)
は
翩飜
(
へんぽん
)
と
海風
(
かいふう
)
に
飜
(
ひるが
)
へる
帝國軍艦旗
(
ていこくぐんかんき
)
を
抱
(
いだ
)
いて、その
愛
(
あい
)
らしい、
勇
(
いさ
)
ましい
顏
(
かほ
)
は、
莞爾
(
につこ
)
と
此方
(
こなた
)
を
仰
(
あほ
)
いで
居
(
を
)
つたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
糸子
(
いとこ
)
さまには
最
(
も
)
はや
定
(
さだ
)
まる
人
(
ひと
)
おはすなりそれ
故
(
ゆゑ
)
のお
斷
(
こと
)
はりぞと
莞爾
(
につこ
)
と
笑
(
え
)
めば、
家從
(
かじゆう
)
は
少
(
すこ
)
し
身
(
み
)
を
進
(
すゝ
)
ませて、
始
(
はじ
)
めて
承
(
うけたま
)
はりたり
何方
(
いづかた
)
への
御縁組
(
ごえんぐみ
)
にや
苦
(
くる
)
しからずは
仰
(
おほ
)
せきけられたしと
雪三
(
せつざう
)
の
面
(
おもて
)
キツと
見
(
み
)
れば
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
治脩公
(
ちしうこう
)
これを
御覽
(
ごらん
)
じ、
思
(
おも
)
はず
莞爾
(
につこ
)
と、
打笑
(
うちゑ
)
み
給
(
たま
)
ふ。
時
(
とき
)
に
炊烟
(
すゐえん
)
數千流
(
すうせんりう
)
。
爾時
(
そのとき
)
公
(
こう
)
は
左右
(
さいう
)
を
顧
(
かへり
)
み
鉄槌の音
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何やらん大袋を両手に抱へて
母
(
かか
)
さん母さんこれを
貰
(
もら
)
つて来たと
莞爾
(
につこ
)
として駆け込むに、見れば新開の日の出やがかすていら、おやこんな
好
(
い
)
いお菓子を誰れに貰つて来た、よくお礼を言つたかと問へば
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やがて
着流
(
きなが
)
し
懷手
(
ふところで
)
にて、
冷
(
つめた
)
さうな
縁側
(
えんがは
)
に
立顯
(
たちあらは
)
れ、
莞爾
(
につこ
)
として
曰
(
いは
)
く、
何處
(
どこ
)
へ。あゝ
北八
(
きたはち
)
の
野郎
(
やらう
)
とそこいらまで。まあ、お
入
(
はひ
)
り。いづれ、と
言
(
い
)
つて
分
(
わか
)
れ、
大乘寺
(
だいじようじ
)
の
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
り、
駒込
(
こまごめ
)
に
出
(
い
)
づ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
やらん
大袋
(
おほぶくろ
)
を
兩手
(
りようて
)
に
抱
(
かゝ
)
へて
母
(
かゝ
)
さん
母
(
かゝ
)
さんこれを
貰
(
もら
)
つて
來
(
き
)
たと
莞爾
(
につこ
)
として
驅
(
か
)
け
込
(
こ
)
むに、
見
(
み
)
れば
新開
(
しんかい
)
の
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
やがかすていら、おや
此樣
(
こん
)
な
好
(
い
)
いお
菓子
(
くわし
)
を
誰
(
だ
)
れに
貰
(
もら
)
つて
來
(
き
)
た、よくお
禮
(
れい
)
を
言
(
い
)
つたかと
問
(
と
)
へば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幼君
(
えうくん
)
莞爾
(
につこ
)
と
打笑
(
うちゑ
)
み
給
(
たま
)
ひて
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ましてや
他人
(
たにん
)
の
底
(
そこ
)
ふかき
計略
(
けいりやく
)
の
淵
(
ふち
)
知
(
し
)
るべきならねば
陷
(
おとしい
)
れられて
後
(
のち
)
の
一悔恨
(
ひとくわいこん
)
空
(
むな
)
しく
呑
(
の
)
む
涙
(
なみだ
)
の
晴
(
は
)
れ
間
(
ま
)
は
無
(
な
)
くて
降
(
ふ
)
りかゝる
憂苦
(
いうく
)
と
繋
(
つな
)
がるゝ
情緒
(
じやうちよ
)
に
思慮
(
しりよ
)
分別
(
ぶんべつ
)
も
烏羽玉
(
ぬばたま
)
の
闇
(
やみ
)
くらき
中
(
なか
)
にも
星明
(
ほしあか
)
りに
目
(
め
)
と
目
(
め
)
見合
(
みあは
)
せて
莞爾
(
につこ
)
とばかり
名殘
(
なごり
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
うら
淋
(
さび
)
しくいざと
促
(
うなが
)
せばいざと
答
(
こた
)
へて
流石
(
さすが
)
にたゆたは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“莞爾”の意味
《名詞》
莞爾(かんじ)
にっこりと笑う様子。
(出典:Wiktionary)
莞
漢検準1級
部首:⾋
10画
爾
漢検準1級
部首:⽘
14画
“莞爾”で始まる語句
莞爾々々
莞爾莞爾
莞爾〻〻