トップ
>
算
>
かぞ
ふりがな文庫
“
算
(
かぞ
)” の例文
だれが、その
間
(
あいだ
)
にやってきてもあわないつもりで、
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
の
戸
(
と
)
を
堅
(
かた
)
く
締
(
し
)
めた。そして、
豆
(
まめ
)
を
袋
(
ふくろ
)
から
出
(
だ
)
して、
熱心
(
ねっしん
)
に
算
(
かぞ
)
えはじめました。
幸福の鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
猶太
(
ユダヤ
)
心理学派の
遣
(
や
)
り方だが、事実どう
算
(
かぞ
)
えたって千
法
(
フラン
)
には二法足らないんだから、やすいこた安いわけで、誰だって文句は言えまい。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
婚姻のごとき古くからの人の大礼ですら、いつとなしに
是
(
これ
)
だけ変化したのである。その原因は二つは少なくとも
算
(
かぞ
)
えることができる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
打続きて宮が
音信
(
たより
)
の必ず一週に一通来ずと謂ふこと無くて、
披
(
ひらか
)
れざるに送り、送らるるに
披
(
ひらか
)
かざりしも、はや
算
(
かぞ
)
ふれば十通に
上
(
のぼ
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
初めは慰み半分に手をつけて見た雪の研究も、段々と深入りして、
算
(
かぞ
)
えて見ればもう
十勝岳
(
とかちだけ
)
へは五回も出かけて行ったことになる。
雪の十勝:――雪の研究の生活――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
同じ女の顏を何度見たかといふ度數を
算
(
かぞ
)
へることが好きで、數多く見たといふことはそれほど彼女達への親愛度をふやすものであつた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
「
夫人
(
おくさま
)
、ただいま、お薬を差し上げます。どうぞそれを、お聞きあそばして、いろはでも、数字でも、お
算
(
かぞ
)
えあそばしますように」
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右に挙げた三主品がすなわち彼岸ザクラの一グループをなしているが、これに附属する園芸的変種を
算
(
かぞ
)
うるとそこに多くの異品がある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
このベートーヴェンの編んだ『スコッチ・アリア』全曲をクルプに吹込ませなかったのは、レコード界残念事の一つに私は
算
(
かぞ
)
えている。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
彼女は静かに珠数の珠を
算
(
かぞ
)
えながら、鋪石に
跫音
(
あしおと
)
一つ立てないで歩いて行った。
傍
(
そば
)
へ寄ると何となく
香
(
こう
)
や湿った石の匂いがした。
老嬢と猫
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
然れども事実として、我は牢獄の
中
(
うち
)
にあるなり。今更に歳の数を
算
(
かぞ
)
ふるもうるさし、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に我は数尺の牢室に
禁籠
(
きんろう
)
せられつゝあるなり。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
入日の雲が真紅に紫にあるいは黄色に燃えて
燦爛
(
さんらん
)
の美を尽すのも今だ。この原の奇観の一つに
算
(
かぞ
)
えられている大旋風の起るのもこの頃である。
木曽御嶽の両面
(新字新仮名)
/
吉江喬松
(著)
原価といっても、無論
万
(
まん
)
を
以
(
もっ
)
て
算
(
かぞ
)
える価格である。
其
(
その
)
貴重な宝石が福田氏の奇怪な死と共に、消失せてしまったのである。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
泣出しそうな空の下に八百八町は今し眠りから覚めようとして、川向うの松平越前や細川
能登
(
のと
)
の屋敷の杉が一本二本と
算
(
かぞ
)
えられるほど近く見えていた。
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私は沖縄中の根神の数を
算
(
かぞ
)
えたらアマミキョの移住当時の人数(そうでなくとも上古の人口)が大略わかるのではなかろうかと考えたこともあります。
ユタの歴史的研究
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
人も同じく多数の者が同種類の仕事に従事していても、仕事の能率の上に非常なる差があっても、
白痴
(
はくち
)
でなければ、みな一人前と
算
(
かぞ
)
えらるるであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そして十四日の薄暮に(ユダヤ人の
算
(
かぞ
)
え方では、日没時から次の日の日没時までを一日とする。したがってユダヤ風にいえば、これは十五日の初めです)
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
口の中で、数を
算
(
かぞ
)
えて見たり、深呼吸をして気持を落ち着けようと試みたりした。が、それもこれも無駄だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
鬼
(
おに
)
の
心
(
こころ
)
になり
切
(
き
)
った
私
(
わたくし
)
は、
両親
(
りょうしん
)
の
好意
(
こうい
)
に
背
(
そむ
)
き、
同時
(
どうじ
)
に
又
(
また
)
天
(
てん
)
をも
人
(
ひと
)
をも
怨
(
うら
)
みつづけて、
生甲斐
(
いきがい
)
のない
日子
(
ひにち
)
を
算
(
かぞ
)
えていましたが、それもそう
長
(
なが
)
いことではなく
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
袋に盛って邪視する者に示し、彼これを
算
(
かぞ
)
え尽くすの後にあらざれば、その力
利
(
き
)
かずと信ずると同義である。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
だから字を習い数を算えることをよく習うのでございますという。数を算えることは先にも説明したように石や棒あるいは
数珠
(
じゅず
)
で
算
(
かぞ
)
える外に遣り方はないのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
明
(
あけ
)
六ツならんと
心
(
こゝろ
)
嬉
(
うれ
)
しく
算
(
かぞ
)
へて見れば
然
(
さ
)
はなくして
芝
(
しば
)
切通
(
きりどほ
)
しの七ツなれば
偖
(
さて
)
は兄の長庵殿が我が出立を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火事の数は
算
(
かぞ
)
え切れぬ、消防の人は空の火熱と身辺の火熱とに攻められ、焦熱の底に奮闘している。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
其外峡谷の所々に点在する部分的のものを
算
(
かぞ
)
えたならば、其数は決して少くないのであるが、全峡谷の七、八分通りを占めている闊葉樹林とは元より較べ物にならない。
黒部峡谷
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ときどき彼を見舞いに来る高田と会ったとき、梶は栖方のことを云い出してみたりしたが、高田は死児の
齢
(
よわい
)
を
算
(
かぞ
)
えるつまらなさで、ただ
曖昧
(
あいまい
)
な笑いをもらすのみだった。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
写生文と普通の文章との差違を
算
(
かぞ
)
え来るといろいろある。いろいろあるうちで余のもっとも要点だと考えるにも関らず誰も説き及んだ事のないのは作者の心的状態である。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
下唇を突き出し、鼻の穴をふくらがして銭を
算
(
かぞ
)
えた。モスクワまで、まだあと五日か、チェッ!
ズラかった信吉
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
うんにゃ、通りがかりの人が水気が欲しくなって瓜を一つ取って食うなんてのは、おらがの方じゃ泥棒のうちへは
算
(
かぞ
)
えねえや。番をしなけりゃならぬのは穴熊や針鼠や
猹
(
チャー
)
だ。
故郷
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
自分の孫たちの
齢
(
とし
)
を
算
(
かぞ
)
えて見て、絢子の方はもう四年五ヶ月以上になって居るのだから、私が死んだ後からでも何か思い出してくれる事があるかも知れぬ、などと考え及んだ。
御萩と七種粥
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
夫
(
か
)
の
絶
(
た
)
えて
此
(
この
)
氣
(
き
)
なき者の若きは、
鄙夫
(
ひふ
)
小人と爲す、
碌碌
(
ろく/\
)
として
算
(
かぞ
)
ふるに足らざるもののみ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
永田から来た
為替
(
かわせ
)
を引き出して、定子を預かってくれている
乳母
(
うば
)
の家に持って行こうと思った時、葉子は紙幣の束を
算
(
かぞ
)
えながら、ふと内田の最後の言葉を思い出したのだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その日、弟が鬼にあたって、兄と彼女とが手を
携
(
たずさ
)
えて
遁
(
に
)
げた、弟は
納屋
(
なや
)
の蔭に退いて、その板塀に
凭
(
もた
)
れながら、
蒼
(
あお
)
く澄んだ空へ抜けるほどの声で一から五十まで数を
算
(
かぞ
)
え初めた。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
或は鬼となり
蟒
(
みづち
)
となりて
崇
(
たたり
)
をなすためし、
往古
(
いにしへ
)
より今にいたるまで
算
(
かぞ
)
ふるに尽しがたし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
これは十五万と
算
(
かぞ
)
えられ、
董卓
(
とうたく
)
自身が率いて、
虎牢関
(
ころうかん
)
の固めにおもむいたのである。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不完全の論派といえども人心を感化するものは吾輩これを一の論派として
算
(
かぞ
)
えざるを得ず、時としては主権在民論者も勤王説を加味し、時としてはキリスト崇拝論者も国権説を主張す
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
湯村は
偶
(
ふ
)
と気が付いて当月の収入を胸の中に
算
(
かぞ
)
へ上げた。間に合ふだけはある。来月も来々月も書きさへすれば充分に
暮
(
くらし
)
は立つ。先生の周旋は無くとも買ひに来る本屋も二三軒はある。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
今夜、寝る前に、わたしは空の星を
算
(
かぞ
)
える。星はことごとくそこに
在
(
あ
)
る。それで、わたしは、人生について、自分でも
腑
(
ふ
)
に落ちないと思われるほど、きわめて下らない考察をめぐらす。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
永「うん
然
(
そ
)
うか、今金を遣るから、
若
(
も
)
し渡し口の方から
此方
(
こっちゃ
)
へ人でも来ると何うも成らぬから、模様を見て居てくれ、金の勘定をするからよう、封を切って
算
(
かぞ
)
える間向うを見て居ろよ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ヂュリ
内實
(
なかみ
)
の十
分
(
ぶん
)
な
思想
(
しさう
)
は、
言葉
(
ことば
)
の
花
(
はな
)
で
飾
(
かざ
)
るには
及
(
およ
)
ばぬ。
算
(
かぞ
)
へらるゝ
身代
(
しんだい
)
は
貧
(
まづ
)
しいのぢゃ。
妾
(
わし
)
の
戀
(
こひ
)
は、
分量
(
ぶんりゃう
)
が
大
(
おほ
)
きう/\なったゆゑに、
今
(
いま
)
は
其
(
その
)
半分
(
はんぶん
)
をも
計算
(
かんぢゃう
)
することが
出來
(
でき
)
ぬわいの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
山城国以外で京都に近い三条西家の荘園を
算
(
かぞ
)
うれば、先ず丹波に今林の庄というがあった。本来どれほどの収入があったのか知れぬが、文明九年には十石の分を竜安寺に寄進したとある。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
ほとんど破格の事として許しがたき無礼の振舞に
算
(
かぞ
)
えらるる
由
(
よし
)
なるも、
妾
(
しょう
)
は少しもその事を知らず、ある日巡廻し来れる署長を呼び止めしに、署長も意外の感ありしものの如くなりしが
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
怪しい女は蘆を折り敷いた上に
胡坐
(
あぐら
)
をかいて盗み集めたらしい金を
算
(
かぞ
)
えていた。算えながら
垂
(
たれ
)
さがって来る
頭髪
(
かみ
)
を
隻手
(
かたて
)
で
煩
(
うるさ
)
そうに
掻
(
か
)
きあげていた。その指の間は蛇の
鱗
(
うろこ
)
のようにきらきら光った。
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「梅子さん」突如銀子は梅子の
膝
(
ひざ
)
に身を投げ出し、涙に濡れたる二つの顔を重ねつ「梅子さん——寄宿舎の二階から
閃
(
きら
)
めく星を
算
(
かぞ
)
へながら、『自然』にあこがれた
少女
(
をとめ
)
の
昔日
(
むかし
)
が、恋しいワ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それゆゑ大きい方は今年数へ年五つになるわけだが、満で
算
(
かぞ
)
へると年が減つて三つになり、小さい方は一つといふことになる。(この満で算へる新しい約束は、万国同等で、まことに結構である)
孫
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
歩み掛けた足をも止め「ア十二時か知らん」と殆ど我知らずの様に呟いて其の数を指で
算
(
かぞ
)
え始めた、十二時が何故恐ろしいか、彼の顔は全く色を失い、幽霊にでも出会ったと云う様に戦いて居る
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
こんなことは
算
(
かぞ
)
えたてれば
際限
(
さいげん
)
もない。もっとひどいのになると、わざと私に過失をさせたり、自分でどうかしておいて、それを私の過失かのように言い張って、この同じ刑罰を私に加えるのだった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
一万円の束から千円
算
(
かぞ
)
えてひきぬいて、それを七千円にたして
明治開化 安吾捕物:11 その十 冷笑鬼
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
日本に
可惜
(
あたら
)
疵
(
きず
)
の随一に
算
(
かぞ
)
へてゐられる。
露都雑記
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
まず字数を
算
(
かぞ
)
えてみる。
暗号の役割:烏啼天駆シリーズ・4
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だが諸君、だがね諸君、
歯磨
(
はみがき
)
にも
種々
(
いろいろ
)
ある。花王歯磨、ライオン象印、クラブ梅香散……ざっと
算
(
かぞ
)
えた処で五十種以上に及ぶです。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
算
常用漢字
小2
部首:⽵
14画
“算”を含む語句
計算
目算
胸算
心算
胸算用
卦算
算木
算段
算術
算筆
珠算
算用
宝算
公算
皮算用
推算
掛算
算法
算法闕疑抄
御破算
...