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眞蒼
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まつさを
ふりがな文庫
“
眞蒼
(
まつさを
)” の例文
新字:
真蒼
風
(
かぜ
)
は
冷
(
つめた
)
く
爽
(
さわやか
)
に、
町一面
(
まちいちめん
)
に
吹
(
ふ
)
きしいた
眞蒼
(
まつさを
)
な
銀杏
(
いてふ
)
の
葉
(
は
)
が、そよ/\と
葉
(
は
)
のへりを
優
(
やさ
)
しくそよがせつゝ、
芬
(
ぷん
)
と、
樹
(
き
)
の
秋
(
あき
)
の
薫
(
かをり
)
を
立
(
た
)
てる。……
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
跡
(
あと
)
を
見送
(
みおく
)
つてゐる
閭
(
りよ
)
が
周圍
(
しうゐ
)
には、
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
盛
(
も
)
つてゐた
僧
(
そう
)
等
(
ら
)
が、ぞろ/\と
來
(
き
)
てたかつた。
道翹
(
だうげう
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
な
顏
(
かほ
)
をして
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
んでゐた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
雨
(
あま
)
あしがたち消えながらも
何處
(
どこ
)
の
樹
(
き
)
からとなく私の
膚
(
はだ
)
を冷してゐる時、ふと
紅
(
あか
)
い珊瑚の人魚が
眞蒼
(
まつさを
)
な腹を水に潜らせる
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
一ぴきの
蚤
(
のみ
)
が
眞蒼
(
まつさを
)
になつて、
疊
(
たゝ
)
の
敷合
(
しきあは
)
せの、ごみの
中
(
なか
)
へ
逃
(
に
)
げこみました。そしてぱつたりとそこへ
倒
(
たふ
)
れました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
彼れはこの
隙
(
ひま
)
に兄の方を見た。兄は
眞蒼
(
まつさを
)
な額に玉のやうな冷汗を滴らしながら、いつの間にか椅子から立上つて、腕を組んだまゝぢつと死體を見詰めてゐた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
王樣
(
わうさま
)
は
眞蒼
(
まつさを
)
になつて、
急
(
いそ
)
いで
其
(
そ
)
の
備忘録
(
ノートブツク
)
を
閉
(
と
)
ぢ、『
判决
(
はんけつ
)
は』と
陪審官
(
ばいしんくわん
)
に
申
(
まを
)
されました、
低
(
ひく
)
い
顫
(
ふる
)
へ
聲
(
ごゑ
)
で。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
起
(
お
)
きた
時
(
とき
)
は、
日
(
ひ
)
を
載
(
の
)
せた
空
(
そら
)
が
次第
(
しだい
)
に
遠退
(
とほの
)
いて
行
(
ゆ
)
くかと
思
(
おもは
)
れる
程
(
ほど
)
に、
好
(
よ
)
く
晴
(
は
)
れてゐたが、それが
眞蒼
(
まつさを
)
に
色
(
いろ
)
づく
頃
(
ころ
)
から
急
(
きふ
)
に
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
て、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で
粉雪
(
こゆき
)
でも
釀
(
かも
)
してゐる
樣
(
やう
)
に、
日
(
ひ
)
の
目
(
め
)
を
密封
(
みつぷう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから……
雲
(
くも
)
の
底
(
そこ
)
にお
月樣
(
つきさま
)
が
眞蒼
(
まつさを
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
て、そして、
降
(
ふ
)
る
事
(
こと
)
があるだらう……さう
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
は、
八田潟
(
はつたがた
)
の
鮒
(
ふな
)
が
皆
(
みな
)
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して
打
(
う
)
たれるつて
云
(
い
)
ふんです。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞蒼
(
まつさを
)
に痩せさらぼへたY子の顏の二つの眼だけに、凡ての生命が死に追ひつめられて
立籠
(
たてこも
)
つたやうに見えた。彼女はその眼で少しでも生命のあるものは引よせて食はうとした。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
曉の
眞蒼
(
まつさを
)
な空のうへに
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
……
濃
(
こ
)
き
薄
(
うす
)
き、もみぢの
中
(
なか
)
を、
霧
(
きり
)
の
隙
(
ひま
)
を、
次第
(
しだい
)
に
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
が
添
(
そ
)
つて、
雲
(
くも
)
に
吸
(
す
)
はるゝが
如
(
ごと
)
く、
眞蒼
(
まつさを
)
な
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に
常磐木
(
ときはぎ
)
の
碧
(
あを
)
きがあれば、
其處
(
そこ
)
に、すつと
浮立
(
うきた
)
つて、
音
(
おと
)
もなく
玉
(
たま
)
散
(
ちら
)
す。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見かへる鼻先きに
眞蒼
(
まつさを
)
になつて痙攣的に震ふ兄の顏があつた。
瞬
(
またゝ
)
きもせずに大きく彼れを見詰めてる兄の眼は、全く空虚な感じを彼れに與へた。彼れにはそれが
虚
(
うつろ
)
な二つの孔のやうに見えた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
楕圓形
(
だゑんけい
)
の
葉
(
は
)
は、
羽状複葉
(
うじやうふくえふ
)
と
云
(
い
)
ふのが
眞蒼
(
まつさを
)
に
上
(
うへ
)
から
可愛
(
かはい
)
い
花
(
はな
)
をはら/\と
包
(
つゝ
)
んで、
鷺
(
さぎ
)
が
緑
(
みどり
)
なす
蓑
(
みの
)
を
被
(
かつ
)
いで、
彳
(
たゝず
)
みつゝ、
颯
(
さつ
)
と
開
(
ひら
)
いて、
雙方
(
さうはう
)
から
翼
(
つばさ
)
を
交
(
かは
)
した、
比翼連理
(
ひよくれんり
)
の
風情
(
ふぜい
)
がある。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
眗
(
みまは
)
す
顏
(
かほ
)
を、
突然
(
いきなり
)
、
燕
(
つばめ
)
も
蝙蝠
(
かうもり
)
も
飛
(
と
)
ばずに、
柳
(
やなぎ
)
のみどりがさらりと
拂
(
はら
)
ふと、
其
(
そ
)
の
枝
(
えだ
)
の
中
(
なか
)
を
掻潛
(
かいくゞ
)
るばかり、しかも
一段
(
いちだん
)
づいと
高
(
たか
)
く、
目
(
め
)
が
覺
(
さ
)
めるやうな
廣
(
ひろ
)
い
河原
(
かはら
)
を
下
(
した
)
に、
眞蒼
(
まつさを
)
な
流
(
ながれ
)
の
上
(
うへ
)
に
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
に
不思議
(
ふしぎ
)
なものを
見
(
み
)
ました——
底
(
そこひ
)
なき
雪
(
ゆき
)
の
大空
(
おほぞら
)
の、
尚
(
な
)
ほ
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
を、プスリと
鑿
(
のみ
)
で
穿
(
うが
)
つて
其
(
そ
)
の
穴
(
あな
)
から
落
(
お
)
ちこぼれる……
大
(
おほ
)
きさは
然
(
さ
)
うです……
蝋燭
(
らふそく
)
の
灯
(
ひ
)
の
少
(
すこ
)
し
大
(
おほき
)
いほどな
眞蒼
(
まつさを
)
な
光
(
ひかり
)
が
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
茶屋
(
ちやや
)
あとの
空地
(
あきち
)
を
見
(
み
)
ると、
人
(
ひと
)
の
丈
(
たけ
)
よりも
高
(
たか
)
く
八重葎
(
やへむぐら
)
して、
末
(
すゑ
)
の
白露
(
しらつゆ
)
、
清水
(
しみづ
)
の
流
(
なが
)
れに、
螢
(
ほたる
)
は、
網
(
あみ
)
の
目
(
め
)
に
眞蒼
(
まつさを
)
な
浪
(
なみ
)
を
浴
(
あ
)
びせて、はら/\と
崖
(
がけ
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
の、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
き
蔭
(
かげ
)
を
飛
(
と
)
ぶのであつた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
簫
(
せう
)
の
窓
(
まど
)
から
覗
(
のぞ
)
いた
客
(
きやく
)
は、
何
(
なに
)
も
見
(
み
)
えなかつた、と
云
(
い
)
ひながら、
眞蒼
(
まつさを
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
屋根
(
やね
)
と
相向
(
あひむか
)
つて、
眞蒼
(
まつさを
)
な
流
(
ながれ
)
を
隔
(
へだ
)
てた
薄紫
(
うすむらさき
)
の
山
(
やま
)
がある。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
眞
部首:⽬
10画
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
“眞”で始まる語句
眞
眞實
眞中
眞面目
眞白
眞赤
眞直
眞黒
眞似
眞個