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況
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いは
ふりがな文庫
“
況
(
いは
)” の例文
同情を呈する事
能
(
あた
)
はず、
況
(
いは
)
んや、気宇
甕
(
かめ
)
の如く
窄
(
せま
)
き攘夷思想の一流と感を共にする事、余輩の断じて為すこと能はざるところなり。
一種の攘夷思想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
伝奇の精髄を論じてアリストテレスの罪過論を唯一の規則とするは既に偏聴の
誚
(
せめ
)
を免れず、
況
(
いは
)
んやこれを小説に応用せんとするをや
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
同
(
おな
)
じ
人
(
ひと
)
ですら
其通
(
そのとほ
)
り、
況
(
いは
)
んや
曾
(
かつ
)
て
戀
(
こひ
)
の
力
(
ちから
)
に
觸
(
ふ
)
れたことのない
人
(
ひと
)
が
如何
(
どう
)
して
他人
(
たにん
)
の
戀
(
こひ
)
の
消息
(
せうそく
)
が
解
(
わか
)
らう、その
樂
(
たのしみ
)
が
解
(
わか
)
らう、
其苦
(
そのくるしみ
)
が
解
(
わか
)
らう?。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
況
(
いは
)
んや彼の此行固より
空嚢
(
くうなう
)
たりしをや。古より名士は
謗訕
(
ばうせん
)
多し。吾人たとひ好む所に佞する者に非るも彼の為めに
冤
(
ゑん
)
を解かざるを得ざる也。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
実際
此
(
こ
)
の失恋でもない、
況
(
いは
)
んや得恋でもない、
謂
(
い
)
はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。此の
落寞
(
らくばく
)
たる心持が、俺には
堪
(
たま
)
らなかつたんだ。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
▼ もっと見る
況
(
いは
)
んや私は尋常の文人である。後代の批判にして誤らず、
普遍
(
ふへん
)
の美にして存するとするも、書を名山に蔵する
底
(
てい
)
の事は、私の為すべき限りではない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
況
(
いは
)
んや石川が存生中の知人は今なほ沢山あるにも拘はらず、その伝記がたまたま誤り伝へられてゐるのを考へると
石川啄木と小奴
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
京都街鼓、今尚ほ廃す。後生、唐の詩文を読み街鼓に及ぶ者、往々にして茫然知る能はず。
況
(
いは
)
んや僧寺夜半の鐘をや
放翁鑑賞:06 その六 ――放翁絶句十三首和訳(つけたり、雑詩七首)――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
○
僅
(
わづか
)
に
三十一
(
みそひと
)
文字を以てすら、目に見えぬ
鬼神
(
おにがみ
)
を感ぜしむる国柄なり。
況
(
いは
)
んや識者をや。目に見えぬものに驚くが如き、野暮なる今日の
御代
(
みよ
)
にはあらず。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
況
(
いは
)
んや三十一字の和歌十七字の俳句は古來より言ひ古して大方は陳腐に屬し
熟套
(
じゆくたう
)
に落ちし今日少くとも三十二三字又は十八九字の新調を作るの必要を見る。
字余りの和歌俳句
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
時に州を領するの間滅亡する者其数
幾許
(
いくばく
)
なるを知らず、
況
(
いは
)
んや存命の
黎庶
(
れいしよ
)
は、
尽
(
こと/″\
)
く将門の為に虜獲せらるゝ也。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
況
(
いは
)
んや
竹藪自身
(
たけやぶじしん
)
が
二十間
(
にじゆつけん
)
も
移動
(
いどう
)
したことが
明治二十四年
(
めいぢにじゆうよねん
)
濃尾大地震
(
のうびだいぢしん
)
にも
經驗
(
けいけん
)
され、
又
(
また
)
それを
通
(
とほ
)
して
大
(
おほ
)
きな
地割
(
ぢわ
)
れの
出來
(
でき
)
た
實例
(
じつれい
)
はいくらもある
位
(
くらゐ
)
であるから
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
況
(
いは
)
んやそを猶太の翁に學ぶことをや。されどこの事に就きては、我等また詞を費さゞるべし。今日は善くこそ我を訪ねつれ。物欲しからずや。酒飮まずや。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かしかりければ、そのころ此の平中に
勝
(
すぐ
)
れたる者世になかりけり、かゝる者なれば、人の妻、娘、いかに
況
(
いは
)
んや宮仕人は此の平中に物云はれぬはなくぞありける
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ヨオロツパ諸国の間にあつても左様であるから、
況
(
いは
)
んやすべての事情環境の異つた東洋の言葉を以て、或は東洋の筆を以て西洋の気分を出す事は
先
(
ま
)
づ不可能である。
翻訳製造株式会社
(新字旧仮名)
/
戸川秋骨
(著)
信念の巌は死もこれを動かす能はず、
況
(
いは
)
んや
区々
(
くく
)
たる地上の権力をや。大哲スピノザ、少壮にして
猶太
(
ユダヤ
)
神学校にあるや、
侃々
(
かんかん
)
の弁を揮つて教条を議し、何の
憚
(
はばか
)
る所なし。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
罪せず
況
(
いは
)
んや罪の
疑
(
うたがは
)
しきは輕く
賞
(
しやう
)
の疑しきは重くすと是賞を重んじ罪を
輕
(
かる
)
くする事の理なり其方共が
吟味
(
ぎんみ
)
は定めて九助の衣類の
裾
(
すそ
)
に
血
(
ち
)
の
染
(
そみ
)
たると
鼻紙
(
はながみ
)
入の落てありしとを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
況
(
いは
)
んや一旦病魔に冒さるれば、多くは毒の力でなくては恢復が出来ないに於ておやである。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
況
(
いは
)
んやこのぴい/\ではないか? この十五日にはとても間に合はんから、いツそ來年元旦の發行に變へて、十二月中に大準備をして、新年號から大發展としようかとも思うてをる。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
況
(
いは
)
ンヤ吾ト
子
(
なんぢ
)
ト
江渚
(
こうしよ
)
ノホトリニ
漁樵
(
ぎよしよう
)
シ、
魚鰕
(
ぎよか
)
ヲ
侶
(
つれ
)
トシ、
麋鹿
(
びろく
)
ヲ友トシ、一葉ノ
扁舟
(
へんしゆう
)
ニ駕シ、
匏樽
(
ほうそん
)
ヲ挙ゲテ以テ
相属
(
あひしよく
)
ス、
蜉蝣
(
ふゆう
)
ヲ天地ニ寄ス、
眇
(
びよう
)
タル
滄海
(
そうかい
)
ノ
一粟
(
いちぞく
)
、吾ガ生ノ
須臾
(
しゆゆ
)
ナルヲ
哀
(
かなし
)
ミ
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人
動
(
やゝ
)
もすれば見と信とを対せしめては、信の一義に宗教上
千鈞
(
せんきん
)
の重きを
措
(
お
)
くを常とし、而して見の一義に至りては之れを説くもの
稀
(
まれ
)
也、
況
(
いは
)
んや其の光輝ある意義を
搉揮
(
かくき
)
するものに於いてをや。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
更に見よ、漆のやうに
鮮潤
(
つややか
)
なりし髪は、後脳の
辺
(
あたり
)
に
若干
(
そくばく
)
の白きを
交
(
まじ
)
へて、額に催せし
皺
(
しわ
)
の一筋長く
横
(
よこた
)
はれるぞ、その心の
窄
(
せばま
)
れる
襞
(
ひだ
)
ならざるべき、
況
(
いは
)
んや彼の
面
(
おもて
)
を
蔽
(
おほ
)
へる蔭は
益
(
ますま
)
す暗きにあらずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
家業
(
かげふ
)
を
奮發
(
ふんぱつ
)
すれば、あと
三里
(
さんり
)
五里
(
ごり
)
は
走
(
はし
)
れようが、それにしても、
不忍池
(
しのばずいけ
)
の
三十幾囘
(
さんじふいくくわい
)
——
況
(
いは
)
んや
二十七里
(
にじふしちり
)
を
日
(
ひ
)
づけの
車夫
(
くるまや
)
は
豪傑
(
がうけつ
)
であつた。
乘
(
の
)
つたものに
徳
(
とく
)
はない。が、
殆
(
ほとん
)
ど
奇蹟
(
きせき
)
と
言
(
い
)
はねばならない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さらでも
老
(
おい
)
ては
僻
(
ひが
)
むものとか
況
(
いは
)
んや
貧
(
ひん
)
にやつれ
苦
(
く
)
にやつれ
人
(
ひと
)
恨
(
うら
)
めしく
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
つらく
明
(
あ
)
けては
歎
(
なげ
)
き
暮
(
く
)
れては
怒
(
いか
)
り
心
(
こゝろ
)
晴間
(
はれま
)
なければさまでには
無
(
な
)
き
病氣
(
びやうき
)
ながら
何時
(
いつ
)
癒
(
なほ
)
るべき
景色
(
けしき
)
もなくあはれ
枯木
(
かれき
)
に
似
(
に
)
たる
儀右衞門夫婦
(
ぎゑもんふうふ
)
待
(
ま
)
ちわびしきは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
況
(
いは
)
んや俳聖芭蕉の生地である。
伊賀国
(旧字旧仮名)
/
近松秋江
(著)
一蟻螻
(
ひとつのあり
)
を害す、なほ釈氏は憐れみに
堪
(
た
)
えざりし、一人を殺す、
如何
(
いか
)
ばかりの罪に当らむ。
況
(
いは
)
んや百万の衆生を残害するをや。
想断々(1)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
後生唐の詩文を読んで街鼓に及ぶ者、往々にして茫然知る能はず。
況
(
いは
)
んや僧寺夜半の鐘をや。(老学庵筆記、巻十)
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
既
(
すで
)
に然るからはこれを果亭と認めて
壁間
(
へきかん
)
にぶら下げたのにしろ、
毛頭
(
まうとう
)
自分の不名誉になる事ぢやない。
況
(
いは
)
んや自分は唯、無名の天才に敬意を表する
心算
(
つもり
)
で——
鑑定
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夫
生
(
いき
)
とし生る物子を愛せざるはなし
燒野
(
やけの
)
の
雉子
(
きゞす
)
夜
(
よる
)
の
鶴
(
つる
)
皆子を思ふが故に其身の
危
(
あやふ
)
きをも
顧
(
かへり
)
みず
況
(
いは
)
んや萬物の
靈
(
れい
)
たる
人間界
(
にんげんかい
)
に於てをや然るに情け無くも吉兵衞は妻の死去せしより身代を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然もこの不思議や、静かに考へ来れば、遂に不思議にあらず、幻怪にあらず、
況
(
いは
)
んや無意義の妄想幻想をや。我等はこの不思議を不思議とする世の人の心を以て却つて不思議なりと云はむ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼は儒者たるを甘んぜざる者なり、何ぞ
況
(
いは
)
んや詩人文人たるを甘んぜんや。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
何となれば独乙の諺は日本人に不案内なればなり。
況
(
いは
)
んや「屋上の鳩」の語は「手中の雀」と云へる語を
俟
(
ま
)
ツて意味あるものに於てをや。
蓋
(
けだ
)
し
此
(
かく
)
の如き
些細
(
ささい
)
を責むるも全く本篇が秀逸の傑作なれば也。
舞姫
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
況
(
いは
)
んや此の残燈の夜に
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
況
(
いは
)
んや扶桑第一の好風に遊びて、一句を
作
(
な
)
さずして帰りし事、
如何許
(
いかばかり
)
の恥辱にてやありけむ。然るも、凡傭の作調家が為すこと能はざる所を蕉翁は為せり。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
しかし僕は、山形県は勿論、仙台へ行つたこともなければ、
況
(
いは
)
んや針久旅館などに泊つたこともない。
偽者二題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
洋涛万里
(
やうたうばんり
)
を破るの大艦と
雖
(
いへ
)
ども、停滞動く事なくむば
汚銹腐蝕
(
をしうふしよく
)
を免かれ難く、進路一度梶を誤らば遂に
岩角
(
がんかく
)
の水泡に帰せむのみ。
況
(
いは
)
んや形色徒らに大にして設備完たからざる吾現時の状態に於てをや。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
況
(
いは
)
んや見合ひなどした際、どちらか一方が幻滅を感じたにも拘らず、当座の義理や体裁から、これを
有耶無耶
(
うやむや
)
に葬つて結婚するなどに至つては笑止の
極
(
きはみ
)
であると思ふ。
恋愛と夫婦愛とを混同しては不可ぬ
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
況
(
いは
)
んや沈痛凄惻人生を
穢土
(
ゑど
)
なりとのみ観ずる厭世家の境界に於てをや。
曷
(
いづく
)
んぞ恋愛なる牙城に
拠
(
よ
)
る事の多からざるを得んや、曷んぞ恋愛なる者を其実物よりも重大して見る事なきを得んや。
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
幽霊と他界の悪霊と協合したるものゝ如くに
見
(
あら
)
はす者に比す可きにあらず、
況
(
いは
)
んや狂公子のみに見えて其母には見えざる如き妙味に至りては、到底わが東洋思想の企及する所にあらざるなり。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
誰か
自
(
みづか
)
ら省れば脚に
疵
(
きず
)
なきものあらんや。僕の如きは
両脚
(
りやうきやく
)
の疵、
殆
(
ほとん
)
ど両脚を中断せんとす。されど幸ひにこの大震を
天譴
(
てんけん
)
なりと思ふ
能
(
あた
)
はず。
況
(
いは
)
んや
天譴
(
てんけん
)
の不公平なるにも
呪詛
(
じゆそ
)
の声を挙ぐる能はず。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
哲学必ずしも人生の秘奥を貫徹せず、何ぞ
況
(
いは
)
んや善悪正邪の俗論をや。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
況
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“況”を含む語句
状況
景況
近況
盛況
実況
戰時好況時代
被害状況
犯罪状況
況又大勢由人事
況倉卒吐言
概況
暗殺状況
旅況
不況
戦況
情況
市況
實況
場況見
場況
...