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應
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こた
ふりがな文庫
“
應
(
こた
)” の例文
新字:
応
平次も丁寧に
應
(
こた
)
へました。左まで遠くないところに住んで居て、この評判の良い隱居は、平次も知り過ぎるほどよく知つて居ります。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
の
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
引拔
(
ひきぬ
)
かれますやうに……
骨身
(
ほねみ
)
に
應
(
こた
)
へるやうなんです……
蟲
(
むし
)
には
濟
(
す
)
まないと
存
(
ぞん
)
じながら……
眞個
(
ほんと
)
に
因果
(
いんぐわ
)
なんですわねえ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我はさながら答をきゝてさとりえずたゞ嘲りをうけし如く立ちてさらに
應
(
こた
)
ふるすべを知らざる人のさまに似たりき 五八—六〇
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「苦しいか」と云へば、無造作に、「うん」と
應
(
こた
)
へたツヤが、母の前では、顏を赧めてはにかんでゐる。周次にはそれが一種の魅力でもあつた。
多摩川
(旧字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
午後
(
ごご
)
は
手
(
て
)
が
慣
(
な
)
れた
所爲
(
せゐ
)
か、
朝
(
あさ
)
に
比
(
くら
)
べると
仕事
(
しごと
)
が
少
(
すこ
)
し
果取
(
はかど
)
つた。
然
(
しか
)
し
二人
(
ふたり
)
の
氣分
(
きぶん
)
は
飯前
(
めしまへ
)
よりも
却
(
かへ
)
つて
縁遠
(
えんどほ
)
くなつた。ことに
寒
(
さむ
)
い
天氣
(
てんき
)
が
二人
(
ふたり
)
の
頭
(
あたま
)
に
應
(
こた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そして濃霧がこの娘たちの震へてゐる身體に
應
(
こた
)
へて行くので、彼等のうちに屡々力のない咳の音を聞いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
勿論
應
(
こた
)
へはなかつた。幾度か呼んでゐるうち其聲がホルレルバッハの注意を惹き窓から覗いて云つた。
無法な火葬
(旧字旧仮名)
/
小泉八雲
(著)
旅裝束
(
たびしようぞく
)
をとほして、
寒
(
さむ
)
さが
身
(
み
)
に
應
(
こた
)
へると
思
(
おも
)
つてゐたが、なるほど
冷
(
ひ
)
やついたはずだ。あの
向
(
むか
)
うに
見
(
み
)
える、
乘
(
の
)
るこまの
鞍
(
くら
)
といふ
名
(
な
)
まへの
乘鞍
(
のりくら
)
の
高山
(
たかやま
)
に、
雪
(
ゆき
)
が
積
(
つも
)
つてゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
、
本名
(
ほんめい
)
は
轟大尉
(
とゞろきたいゐ
)
であつた。『
諾
(
だく
)
。』と
應
(
こた
)
えたまゝ、
身
(
み
)
を
飜
(
ひるが
)
へして
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
の
方
(
かた
)
へ
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人ありて我にヘスペリアの好景を歌へと
曰
(
い
)
はゞ、我は此遊の見る所を以てこれに
應
(
こた
)
ふるならん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
痛
(
いた
)
い、
誰
(
だれ
)
だつ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
體
(
からだ
)
を
踏
(
ふ
)
み
應
(
こた
)
へながらその
兵士
(
へいし
)
を
突
(
つ
)
き
飛
(
と
)
ばした。と、
彼
(
かれ
)
は
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
をひよろけてまた
背後
(
はいご
)
の
兵士
(
へいし
)
に
突
(
つ
)
き
當
(
あた
)
つた、「
氣
(
き
)
を
附
(
つ
)
けろい‥‥」と、その
兵士
(
へいし
)
が
呶鳴
(
どな
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
飛鳥
(
あすか
)
の
清原
(
きよみはら
)
の大宮に
太八洲
(
おほやしま
)
しらしめしし天皇
二
の御世に
曁
(
およ
)
びて、潛龍元を體し、
洊
(
せん
)
雷期に
應
(
こた
)
へき。夢の歌を聞きて業を
纂
(
つ
)
がむことをおもほし、夜の水に
投
(
いた
)
りて基を承けむことを知らしたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
見返れば
笹簑
(
さゝみの
)
着
(
き
)
たる者の居るにぞ是はと
吃驚
(
びつくり
)
し然るにても斯る山中に人の居るこそ
訝
(
いぶか
)
しけれ但し
妖怪
(
えうくわい
)
の
所爲
(
しよゐ
)
なるかと
疑
(
うたが
)
ひつゝ聲を掛け夫なる者は何者ぞ
旅人
(
りよじん
)
か又は
山賊
(
さんぞく
)
の
類
(
たぐゐ
)
なるか
狐狸
(
こり
)
なるか
應
(
こた
)
へを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
如何にも道理な話で、私にはもうそれに
應
(
こた
)
へることが出來なかつた。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
重砲隊とどろ壓し來る
地響
(
ぢひびき
)
に叫び
應
(
こた
)
ふる鵞鳥早や
亡
(
な
)
し
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
誰も
應
(
こた
)
へるものはありません。平次も、八五郎も泣いて居りました。遲い月が屋根を離れて、五月の街を
朧
(
おぼ
)
ろに照して居ります。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
されどわが愛深からねば汝の
恩惠
(
めぐみ
)
に謝するに足らず、願はくは全智全能者これに
應
(
こた
)
へ給はんことを 一二一—一二三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
と
胸
(
むね
)
に
應
(
こた
)
へた、
爾時
(
そのとき
)
、
物凄
(
ものすご
)
い
聲音
(
こわね
)
を
揃
(
そろ
)
へて、わあといつた、わあといつて
笑
(
わら
)
ひつけた
何
(
なん
)
とも
頼
(
たのみ
)
ない、
譬
(
たと
)
へやうのない
聲
(
こゑ
)
が、
天窓
(
あたま
)
から
私
(
わたし
)
を
引抱
(
ひつかゝ
)
へたやうに
思
(
おも
)
つた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
よし
産婆
(
さんば
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
に
間違
(
まちがひ
)
があつて、
腹
(
はら
)
の
兒
(
こ
)
の
發育
(
はついく
)
が
今迄
(
いままで
)
のうちに
何處
(
どこ
)
かで
止
(
とま
)
つてゐたにした
所
(
ところ
)
で、それが
直
(
すぐ
)
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
されない
以上
(
いじやう
)
、
母體
(
ぼたい
)
は
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
平氣
(
へいき
)
に
持
(
も
)
ち
應
(
こた
)
へる
譯
(
わけ
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
些少なる
棄損
(
きえん
)
のいかに大いなる
功徳
(
くどく
)
をなすべきかを諷し試みたれども、人々は只だその笑止なることなるかなとて、肩を
聳
(
そびや
)
かして相視たるのみにて、眞面目にこれに
應
(
こた
)
ふるものなく
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
張上
(
はりあげ
)
られコリヤ理左衞門其方は
先刻
(
せんこく
)
より某しが相尋問る事ども一向に
應
(
こた
)
へなきは
糺明
(
きうめい
)
行屆
(
ゆきとゞ
)
かざる儀と存ずる
彌々
(
いよ/\
)
其
邊
(
へん
)
の取
調
(
しらべ
)
もなきは役柄に不似合の
致方
(
いたしかた
)
不埓
(
ふらち
)
至極なり只九郎兵衞が申立のみを取上九助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
親切な囁きは、短劍のやうに、私の胸には
應
(
こた
)
へた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ああ
南
(
みんなみ
)
の
潮
(
しほ
)
黒く、呼べば
應
(
こた
)
へむ波の涯
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
時の氏神の
國府
(
こくぶ
)
彌八郎が、一人で辯じ立てますが、主人の永左衞門も、客の久我之助も、默り込んで受け
應
(
こた
)
へをするでもなく
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
されどげに、材
默
(
もだ
)
して
應
(
こた
)
へざるため形しば/\技藝の
工夫
(
くふう
)
に
配
(
そ
)
はざるごとく 一二七—一二九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
並
(
なら
)
んでゐるものも、
一人
(
ひとり
)
として
顏
(
かほ
)
の
筋肉
(
きんにく
)
を
動
(
うご
)
かすものはなかつた。たゞ
宗助
(
そうすけ
)
は
心
(
こゝろ
)
の
中
(
なか
)
で、
奧
(
おく
)
からの
何物
(
なにもの
)
かを
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けた。すると
忽然
(
こつぜん
)
として
鈴
(
れい
)
を
振
(
ふ
)
る
響
(
ひゞき
)
が
彼
(
かれ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
應
(
こた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
顏がきりやう自慢で、客の前にも好んで出す樣子ですが、智惠の廻りは至つて遲く、受け
應
(
こた
)
への發火點も低くて、何を訊いても
埒
(
らち
)
があきません。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「言ふまでもなく、直ぐ窓の外を見て——誰だ——と一應は怒鳴つたが、
應
(
こた
)
へる者もなく外は眞つ暗だ。五日月はもう沈んで、一寸先も見えない」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の論告は
峻烈
(
しゆんれつ
)
で容赦ないものでした。が、友吉はそれに
應
(
こた
)
へようともせず、何處ともなく茫然と見詰めて居ります。
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はそれには
應
(
こた
)
へませんでした。まだ晝には間のある明るい秋の往來へ飛出すと、何も彼も忘れてしまつたやうに默りこくつて家路を急ぎます。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丁寧に挨拶する主人の久兵衞に輕く
應
(
こた
)
へて、平次と八五郎は、花嫁の死骸を擔ぎ込んだ次の間を覗きました。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう
應
(
こた
)
へたのは、母親のお源です。若旦那の宗太郎とは
繼
(
まゝ
)
しい仲ですが、精力的で押が強さうで、上總屋の奧で勢力を
揮
(
ふる
)
つて居ることには疑ひもありません。
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後ろに
跟
(
つ
)
いて來る八五郎は、耳を掘つたり、鼻をかんだり
應
(
こた
)
へを待ちましたが、それも失望に終りさうです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞つ先に
應
(
こた
)
へてくれたのは、一間半ばかりの路地を
距
(
へだ
)
てて筋向うに住んでゐる、
鑄掛屋
(
いかけや
)
の岩吉でした。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「此處で下手人を擧げるのは、十手捕繩の意地ばかりぢやありません。ね、玄龍先生。あつしのお尋ねすることに、一々お
應
(
こた
)
へを願ひたいものですが、どうでせう」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
應
(
こた
)
へたのはその後ろからそつと顏を出してゐる三十五六の
醜
(
みにく
)
い女でした、下女のお竹といふのです。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人の町役人の外に、主人鹿右衞門、養子與茂吉などがをりますが、誰も
應
(
こた
)
へる者はありません。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お糸はつゝましく
應
(
こた
)
へました。この三人の女は全く嫌疑の外に置かなければなりません。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三番目娘のお露は、まだ十六の可愛らしさで、何を訊いてもハキハキとは
應
(
こた
)
へません。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お篠はそれに感謝の眼で
應
(
こた
)
へて、手代と二人、木戸の中の闇にスーツと消えました。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
和助は低い囁やくやうな聲で
應
(
こた
)
へ乍ら、平次の顏をジロジロと盜み見るのでした。
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ以上何を訊いても、恐らく滿足な
應
(
こた
)
へは望めないことでせう。娘心の奧の奧、とき色の八重の
帳
(
とばり
)
の中を、フト覗いたやうな氣がして、平次はその儘歸してやる外はなかつたのです。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
作内が
指
(
さ
)
したのは、部屋の隅に丸めてあるお玉のさゝやかな荷物でした。兄の清三郎が平次の目配せに
應
(
こた
)
へてそれを解くと、女物の華奢な短刀が一と
口
(
ふり
)
、何んの仔細もなく轉げ出します。
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は平凡なことを
訊
(
たづ
)
ねました。この男の
承
(
う
)
け
應
(
こた
)
へを試さうといふのでせう。
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曉方近い街、女房のお靜が待つて居る家路を急ぎ乍ら、平次は
應
(
こた
)
へました。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
優しく
應
(
こた
)
へて、秋の朝日の這ひよる障子を開けたのは、二十二三とも見える、少し病身らしいが、恐ろしい美人。ガラツ八も吉原冠りの手拭を取つて、思はずヒヨイとお辭儀をして了ひました。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘はそれには
應
(
こた
)
へず、もう一度そつと床の中に手を合せるのです。
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木戸の外から
應
(
こた
)
へた者があります。言ふ迄もなく下つ引の一人。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お孃さん、私の訊くことに、包み隱さず
應
(
こた
)
へて下さいよ」
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の問ひに
應
(
こた
)
へたお若は、大膽で無造作を極めました。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“應”の解説
應(おう)は、先秦時代の小国。
(出典:Wikipedia)
應
部首:⼼
17画
“應”を含む語句
相應
應答
饗應
應援
一應
應酬
手應
應報
應接
應用
感應
否應
不相應
慶應
應々
臨機應變
分不相應
大饗應
饗應振
再々應
...