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愉快
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ゆかい
ふりがな文庫
“
愉快
(
ゆかい
)” の例文
長吉
(
ちょうきち
)
は
思
(
おも
)
いきって
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
てゆきました。けれど、みんなといつものようにいっしょになって、
愉快
(
ゆかい
)
に
遊
(
あそ
)
ぶ
気持
(
きも
)
ちになれませんでした。
残された日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今日
(
こんにち
)
私は
飽
(
あ
)
くまでもこの自然宗教にひたりながら日々を
愉快
(
ゆかい
)
に
過
(
す
)
ごしていて、なんら不平の気持はなく、心はいつも
平々坦々
(
へいへいたんたん
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
麦畑
(
むぎばたけ
)
と
牧場
(
ぼくじょう
)
とは
大
(
おお
)
きな
森
(
もり
)
に
囲
(
かこ
)
まれ、その
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
が
深
(
ふか
)
い
水溜
(
みずだま
)
りになっています。
全
(
まった
)
く、こういう
田舎
(
いなか
)
を
散歩
(
さんぽ
)
するのは
愉快
(
ゆかい
)
な
事
(
こと
)
でした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
帰るとき、アトから追っかけるようにして出てきた栗原は、電車に乗るまでも、乗ってからも、
愉快
(
ゆかい
)
なことばかり
喋
(
しゃべ
)
って笑わせた。
工場新聞
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「空の
工兵大隊
(
こうへいだいたい
)
だ。どうだ、
鱒
(
ます
)
なんかがまるでこんなになってはねあげられたねえ。
僕
(
ぼく
)
こんな
愉快
(
ゆかい
)
な
旅
(
たび
)
はしたことない。いいねえ」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
とにかくジナイーダは、わたしの思い切った
勇敢
(
ゆうかん
)
な
振舞
(
ふるま
)
いを正当に認めずにはいられないのだ——と、そう思うと
愉快
(
ゆかい
)
だった。……
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
最初私は独身ということを、大変
愉快
(
ゆかい
)
のことのように感じていた。それは西洋の
独身者
(
どくしんもの
)
などの生活を見たり聞いたりしていたからである。
独居雑感
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おや、僕達が、あんなに
愉快
(
ゆかい
)
にころげまわった草原も、こんなみじめに枯れて
仕舞
(
しま
)
ったか。なぜこんな赤ちゃけた色なんかに変ったんだ。
トシオの見たもの
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これ最も危険なる最も
愉快
(
ゆかい
)
なる場合にしてこの時の打者の
一撃
(
いちげき
)
は実に勝負にも関すべく打者もし好球を
撃
(
う
)
たば二人の
廻了
(
ホームイン
)
を生ずることあり
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
いずれにしても、自分にとっては、あまり
愉快
(
ゆかい
)
なことではない。何といういい気な、
甘
(
あま
)
っちょろい兄だろう、と
軽蔑
(
けいべつ
)
してやりたい気にさえなる。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そして、いま、じぶんはこの世を
離
(
はな
)
れて、天へのぼっていこうとしているのだと考えて、たまらなく
愉快
(
ゆかい
)
になりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
こんな
不都合
(
ふつごう
)
極
(
きわま
)
る
汽車
(
きしゃ
)
は
無
(
な
)
いとか、
皆
(
みな
)
盗人
(
ぬすびと
)
のような
奴等
(
やつら
)
ばかりだとか、
乗馬
(
じょうば
)
で
行
(
ゆ
)
けば一
日
(
にち
)
に百ヴェルスタも
飛
(
と
)
ばせて、その
上
(
うえ
)
愉快
(
ゆかい
)
に
感
(
かん
)
じられるとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もし好意をもってすれば、
猿
(
さる
)
だとか、
耳朶
(
じだ
)
が半分だなどいう特徴の一端を挙げずに、
愉快
(
ゆかい
)
なる印象を与うるがごとき名をつけうることも必ずできる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
一時の
奇貨
(
きか
)
も永日の
正貨
(
せいか
)
に変化し、旧幕府の旧風を
脱
(
だっ
)
して新政府の新
貴顕
(
きけん
)
と
為
(
な
)
り、
愉快
(
ゆかい
)
に世を渡りて、かつて
怪
(
あや
)
しむ者なきこそ古来
未曾有
(
みぞう
)
の
奇相
(
きそう
)
なれ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
と、ニッコリ顔を見あわせていたのは、その空気の一
角
(
かく
)
にあって、四
囲
(
い
)
のどよめきを
愉快
(
ゆかい
)
がっていた
忍剣
(
にんけん
)
と
龍太郎
(
りゅうたろう
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海がしずかなときには、ガラスのようにたいらな
波上
(
はじょう
)
を、いっぱいに帆を張って走るほど、
愉快
(
ゆかい
)
なものはない。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
糟谷は
種畜場
(
しゅちくじょう
)
におって、
公務
(
こうむ
)
をとるよりは、
村落
(
そんらく
)
へでて農民を相手に働くのが、いつも
愉快
(
ゆかい
)
に思われてきた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
西洋
(
せいよう
)
の
大
(
おほ
)
きな
博物館
(
はくぶつかん
)
では、
良
(
よ
)
い
目録
(
もくろく
)
や
良
(
よ
)
い
研究書物
(
けんきゆうしよもつ
)
が
出版
(
しゆつぱん
)
されてゐるばかりでなく、
館内
(
かんない
)
の
設備
(
せつび
)
も
完全
(
かんぜん
)
に
出來
(
でき
)
てゐて、
愉快
(
ゆかい
)
に
見物
(
けんぶつ
)
されるようになつてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
赤シャツのお
陰
(
かげ
)
ではなはだ
愉快
(
ゆかい
)
だ。出来る事なら、あの島の上へ上がってみたいと思ったから、あの岩のある所へは舟はつけられないんですかと聞いてみた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「先生、
愉快
(
ゆかい
)
、愉快ですね。これさえあればもう大丈夫。もう何人、機械人間があらわれても平気ですよ」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いつも夢では日本に居ります。未だ此の地に参りましてから西洋の夢は見ません。年来聞き及びました理想を実際に行う事が出来まして、実に
愉快
(
ゆかい
)
に思います。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
家々の窓からは花輪や国旗やリボンやが風にひるがえって
愉快
(
ゆかい
)
な音楽の声で町中がどよめきわたります。
燕と王子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
この輩のごときは、かかる
多事紛雑
(
たじふんざつ
)
の際に何か
一
(
ひ
)
と
仕事
(
しごと
)
して
恰
(
あたか
)
も一杯の酒を
贏
(
か
)
ち
得
(
う
)
れば
自
(
みず
)
からこれを
愉快
(
ゆかい
)
とするものにして、ただ当人
銘々
(
めいめい
)
の
好事心
(
こうずしん
)
より出でたるに過ぎず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
眺望
(
ちょうぼう
)
のこれと指して云うべきも無けれど、かの市より此地まであるいは
海浜
(
かいひん
)
に
沿
(
そ
)
いあるいは
田圃
(
たんぼ
)
を過ぐる
路
(
みち
)
の興も無きにはあらず、空気
殊
(
こと
)
に良好なる心地して自然と
愉快
(
ゆかい
)
を感ず。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
自分の仕事の結果がすぐにはっきりと現れて来る、しかも今までの経験には無かったほどの大きい規模で現れて来ることは、子路のような人間にとって確かに
愉快
(
ゆかい
)
に違いなかった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
見馴れない男は、さも
愉快
(
ゆかい
)
そうに、はっはっ……と笑いました。そして言いました。
影法師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
足の細い、そして首の細い自分の子を見送ることは、決して
愉快
(
ゆかい
)
なものではない。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
一度なども辰子は電車に乗ると、篤介の隣りに坐ることになった。それだけでも彼女には
愉快
(
ゆかい
)
ではなかった。そこへまた彼は
膝
(
ひざ
)
の上の新聞紙包みを
拡
(
ひろ
)
げると、せっせとパンを
噛
(
か
)
じり出した。
春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
愉快
(
ゆかい
)
じゃ。いつもナ、このお絃とお噂申し上げておりました。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
空気
(
くうき
)
までが私たちの
愉快
(
ゆかい
)
な
常談
(
じょうだん
)
で笑い
笑いの歌
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ブレイク
(著)
愉快
(
ゆかい
)
な
氣
(
き
)
がしたに
違
(
ちが
)
ひありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
赤とんぼは、とても
愉快
(
ゆかい
)
です。
赤とんぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
鸚鵡
(
あうむ
)
は
愉快
(
ゆかい
)
でたまらない。
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
そして、その
天使
(
てんし
)
と
青
(
あお
)
い
空
(
そら
)
とを
結
(
むす
)
びつけて
考
(
かんが
)
えると、
美
(
うつく
)
しい、また
愉快
(
ゆかい
)
ないろいろな
空想
(
くうそう
)
が、ひとりでに、わいてきたからであります。
町の天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『ぼくと恋愛だって!』と、この男は
叫
(
さけ
)
びました。『そいつはさぞかし
愉快
(
ゆかい
)
だろうな! 見物人は
夢中
(
むちゅう
)
になって
騒
(
さわ
)
ぎたてるだろうよ!』
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そんな折の氏の家庭こそ平常とは打って
変
(
かわ
)
って実に陽気で
愉快
(
ゆかい
)
です。その間などにあって、氏に
一味
(
ひとあじ
)
の「
如才
(
じょさい
)
なさ」が
添
(
そ
)
います。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
寝
(
ね
)
なくちゃなるまい。今夜はずいぶん久しぶりで、
愉快
(
ゆかい
)
な
露天
(
ろてん
)
に寝るんだな。うまいぞうまいぞ。ところで草へ寝ようかな。
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
心臓は今にも割れそうに
踊
(
おど
)
っていた。わたしはひどく
恥
(
は
)
ずかしく、またひどく
愉快
(
ゆかい
)
だった。わたしはまだ身に覚えのないほどの興奮を感じた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「それでも、食後はいやに
愉快
(
ゆかい
)
そうだったじゃないか。やはり地区別の話し合いは、それだけ効果的だったと思うね。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
初
(
はじ
)
めの
壜
(
びん
)
は
二人共
(
ふたりとも
)
無言
(
むごん
)
の
行
(
ぎょう
)
で
呑乾
(
のみほ
)
してしまう。
院長
(
いんちょう
)
は
考込
(
かんがえこ
)
んでいる、ミハイル、アウエリヤヌイチは
何
(
なに
)
か
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
をしようとして、
愉快
(
ゆかい
)
そうになっている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
従来、男は女に比し優等なりしために、男は女を保護するをもってその義務となし、またこれを
愉快
(
ゆかい
)
とした。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
いかなる名馬で地を飛ぶよりも、こうして空中を自由に飛行する快味は、まるでじぶんがじぶんでなく、生きながら、神か
仙人
(
せんにん
)
になったような
愉快
(
ゆかい
)
さである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
深さは立って乳の辺まであるから、運動のために、湯の中を泳ぐのはなかなか
愉快
(
ゆかい
)
だ。おれは人の居ないのを
見済
(
みすま
)
しては十五畳の湯壺を泳ぎ
巡
(
まわ
)
って喜んでいた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だが潮にまかせて
遡行
(
そこう
)
するいかだのことであるから、速力はいたってにぶかった。その日は
中途
(
ちゅうと
)
で一
泊
(
ぱく
)
し、一同は富士男の桃太郎物語などをきいて
愉快
(
ゆかい
)
にねむりについた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
とにかく
石鏃
(
せきぞく
)
は
形
(
かたち
)
も
小
(
ちひ
)
さく
可愛
(
かわい
)
らしいので、これを
採集
(
さいしゆう
)
するのが
一番
(
いちばん
)
愉快
(
ゆかい
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
これほど
愉快
(
ゆかい
)
な事があるでしょうか? 阿媽港甚内、——どうです?
好
(
い
)
い名前ではありませんか? わたしはその名前を口にするだけでも、この暗い
牢
(
ろう
)
の中さえ、天上の
薔薇
(
ばら
)
や
百合
(
ゆり
)
の花に
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
縁起
(
えんぎ
)
がいいと言われてる正覚坊が、向こうから
訪
(
たず
)
ねて来てくれたんですもの、
漁夫
(
りょうし
)
としてこれくらい
愉快
(
ゆかい
)
なことはありません。平助はすぐに、ありったけのお金で、酒をたくさん買って来ました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「気味のわるい話は、もうよそう。こんどはもっと
愉快
(
ゆかい
)
な話をしよう」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さぁ元気で
愉快
(
ゆかい
)
に手をつなぎましょう
笑いの歌
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ブレイク
(著)
それは、ほんとうに、
愉快
(
ゆかい
)
な
音色
(
ねいろ
)
でありました。ちょうど、
柔
(
やわ
)
らかな
土
(
つち
)
を
破
(
やぶ
)
って、
芽
(
め
)
がもえ
出
(
で
)
るような
喜
(
よろこ
)
びを、きく
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
に
与
(
あた
)
えました。
楽器の生命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
愉
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
快
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“愉快”で始まる語句
愉快相
愉快気
愉快氣
愉快々々