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大晦日
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おほみそか
ふりがな文庫
“
大晦日
(
おほみそか
)” の例文
千兩箱は
大晦日
(
おほみそか
)
の晩から積んであつて、松のうちはその儘にして置くさうです。床の前は
塞
(
ふさ
)
がつて居るから誰も氣が付きやしません。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聞て長八は成程
御道理
(
ごもつとも
)
の事なり兄樣へ一生の別れと申せば
假令
(
たとへ
)
元日
(
ぐわんじつ
)
であらうが
大晦日
(
おほみそか
)
で有うが是は行ねばならず直に今より
御供
(
おとも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
去年の
大晦日
(
おほみそか
)
の晩、それは白々とした良い月夜だつたが、私達は——H氏と私とマリヤンとは、涼しい夜風に肌をさらしながら街を歩いた。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
戦争
(
いくさ
)
になつてからは、さう
暢気
(
のんき
)
な事も出来ないが、
伯林
(
ベルリン
)
の市中では、いつも
大晦日
(
おほみそか
)
の
夜
(
よ
)
は、
市街
(
まち
)
を歩く人達が、
出会頭
(
であひがしら
)
に誰彼の容捨はなく
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると
大晦日
(
おほみそか
)
の晩、木山はその日は朝から集金に出かけて行つたが、たとひ
何
(
ど
)
んなことがあつても二千円の金は持つて来なければならない筈であつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
鼠色のきたない雨漏りの
條
(
すぢ
)
のいくつもついてゐる部屋の壁には、去年の
大晦日
(
おほみそか
)
の晩に一高前の古本屋で買ひ求めた
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
その
外
(
ほか
)
に
迎年
(
げいねん
)
の
支度
(
したく
)
としては、
小殿原
(
ごまめ
)
を
熬
(
い
)
つて、
煑染
(
にしめ
)
を
重詰
(
ぢゆうづめ
)
にする
位
(
くらゐ
)
なものであつた。
大晦日
(
おほみそか
)
の
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
は
挨拶
(
あいさつ
)
旁
(
かた/″\
)
屋賃
(
やちん
)
を
持
(
も
)
つて、
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
に
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
生死
(
しようし
)
の
分目
(
わけめ
)
といふ
初産
(
ういざん
)
に、
西應寺
(
さいおうじ
)
の
娘
(
むすめ
)
がもとより
迎
(
むか
)
ひの
車
(
くるま
)
、これは
大晦日
(
おほみそか
)
とて
遠慮
(
ゑんりよ
)
のならぬ
物
(
もの
)
なり、
家
(
いへ
)
のうちには
金
(
かね
)
もあり、
放蕩
(
のら
)
どのが
寐
(
ね
)
ては
居
(
い
)
る、
心
(
こゝろ
)
は二つ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それまでは
大晦日
(
おほみそか
)
に到る日数を精確に計算して考慮に入れた上、仕事の分量を定め営々として働いてゐた。私は沢山の家族に楽しい正月をさせてやらねばならなかつた。
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
「みんなあなたのせゐですよ、色氣違ひのあなたのせゐですよ」と疊みかけて、千代子はあまり喜びもせず、かの退職金——
大晦日
(
おほみそか
)
に都合して貰つた——三分の二を手にした。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それは偶然といふやつがコンディションを助ける場合と、さうでない場合とによつて結果はちがふからであらう。これでいよ/\
大晦日
(
おほみそか
)
を迎へる準備はできたといふわけだつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
驛路
(
えきろ
)
の
馬
(
うま
)
の
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
おと
)
、しやんと
來
(
く
)
る
道筋
(
みちすぢ
)
ながら、
時世
(
ときよ
)
といひ、
大晦日
(
おほみそか
)
、
道中
(
だうちう
)
寂
(
ひつそ
)
りとして、
兩側
(
りやうがは
)
に
廂
(
ひさし
)
を
並
(
なら
)
ぶる
商賈
(
しやうこ
)
の
家
(
いへ
)
、
薪
(
まき
)
を
揃
(
そろ
)
へて
根占
(
ねじめ
)
にしたる、
門松
(
かどまつ
)
を
早
(
は
)
や
建
(
た
)
て
連
(
つら
)
ねて、
歳
(
とし
)
の
神
(
かみ
)
を
送
(
おく
)
るといふ
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三箇日
(
さんがにち
)
と新年宴會の五日は、會社も休みだつた。
大晦日
(
おほみそか
)
迄はたてこんでゐた醉月も、元日には客といつては三田一人で、三番の野呂も休暇を利用して東京にゐる妻子のところへ行つてしまつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
夜となりたる
大晦日
(
おほみそか
)
かな。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「二十年前の話だが、
大晦日
(
おほみそか
)
の晩の雪の中に棄ててあつた女の兒のことを、お前は親父さんから聽いたことがあるだらうと思ふが」
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
先刻
(
さつき
)
大晦日
(
おほみそか
)
の
夜
(
よる
)
の
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
て
來
(
く
)
るつて
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つたのよ。
隨分
(
ずゐぶん
)
御苦勞
(
ごくらう
)
さまね。
此
(
この
)
寒
(
さむ
)
いのに」と
云
(
い
)
ふ
御米
(
およね
)
の
後
(
あと
)
に
追
(
つ
)
いて、
清
(
きよ
)
は
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
笑
(
わら
)
つた。やがて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
珍
(
めづ
)
らしき
客
(
きやく
)
に
馳走
(
ちそう
)
は
出來
(
でき
)
ねど
好物
(
かうぶつ
)
の
今川燒
(
いまがはやき
)
、
里芋
(
さといも
)
の
煮
(
に
)
ころがしなど、
澤山
(
たくさん
)
たべろよと
言
(
い
)
ふ
言葉
(
ことば
)
が
嬉
(
うれ
)
し、
苦勞
(
くらう
)
はかけまじと
思
(
おも
)
へど
見
(
み
)
す
見
(
み
)
す
大晦日
(
おほみそか
)
に
迫
(
せま
)
りたる
家
(
いゑ
)
の
難義
(
なんぎ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これより
一説
(
いつせつ
)
ある
處
(
ところ
)
、
何
(
なん
)
の
大晦日
(
おほみそか
)
を
逃
(
に
)
げた
癖
(
くせ
)
に、
尊徳樣
(
そんとくさま
)
もないものだと、
編輯
(
へんしふ
)
の
同人
(
どうにん
)
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
大
(
おほい
)
に
嘲
(
あざ
)
けるに、たじ/\となり、
敢
(
あへ
)
て
我
(
わが
)
胸中
(
きようちう
)
に
蓄
(
たくは
)
へたる
富國經濟
(
ふこくけいざい
)
の
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
かず、
纔
(
わづか
)
に
城
(
しろ
)
の
俤
(
おもかげ
)
を
記
(
しる
)
すのみ。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
仕廻
(
しまは
)
んとするに見えざれば
萬一
(
もし
)
忙敷
(
いそがしき
)
紛
(
まぎ
)
れ外の金子の中へ這入りはせぬかと種々尋ぬると雖も一向知れず
大晦日
(
おほみそか
)
の事ゆゑ
邸方
(
やしきがた
)
より二百兩三百兩づつ度々來るに付入帳には付けたれども百兩不足に受取しや
合點
(
がてん
)
行
(
ゆか
)
ずと種々考ふれども帳合
合
(
あは
)
ず然るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「二朱や一分なら、わざ/\親分の耳には入れませんよ。
大晦日
(
おほみそか
)
が近いから、少しは親分も喜ばしてやりてえ——と」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
苦労はかけまじと思へど見す見す
大晦日
(
おほみそか
)
に迫りたる家の難義、胸に
痞
(
つか
)
への病は
癪
(
しやく
)
にあらねどそもそも床に就きたる時、田町の高利かしより三月しばりとて十円かりし
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それ迄に是非美禰子の肖像を
描
(
か
)
き上げて仕舞ふ積である。迷惑だらうが
大晦日
(
おほみそか
)
でも
描
(
か
)
ゝして呉れ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
卑
(
ひく
)
ふして頼けるに三郎兵衞は
碌々
(
ろく/\
)
耳にも入ず合力は一向なり申さず
勿論
(
もちろん
)
昔
(
むかし
)
は借用致したれども夫は殘らず返濟したり
然
(
さ
)
すれば何も申分有べからずとの返答に四郎右衞門
成程
(
なるほど
)
其金は受取たれども
仕舞
(
しまひ
)
の百兩は
大晦日
(
おほみそか
)
の事にて
帳
(
ちやう
)
へは付ながら金は見え申さず不思議の事と思へども
最早
(
もはや
)
夫
(
それ
)
は
昔
(
むかし
)
の事我等が
厄落
(
やくおと
)
しと存じ思切て
濟
(
すま
)
したり夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「第一、元日から
大晦日
(
おほみそか
)
まで、お祭や
催
(
もよほ
)
し事のない日はなく、何處かに火事があつて、何處かで喧嘩が始まつて」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
總領
(
そうりよう
)
と
名
(
な
)
のる
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
がころがるとは
知
(
し
)
らぬか、やがて
卷
(
ま
)
きあげて
貴樣
(
きさま
)
たちに
好
(
よ
)
き
正月
(
しやうぐわつ
)
をさせるぞと、
伊皿子
(
いさらご
)
あたりの
貧乏人
(
びんぼうにん
)
を
喜
(
よろこ
)
ばして、
大晦日
(
おほみそか
)
を
當
(
あ
)
てに
大呑
(
おほの
)
みの
塲處
(
ばしよ
)
もさだめぬ。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
と
御米
(
およね
)
の
生命
(
らいふ
)
を、
毎年
(
まいとし
)
平凡
(
へいぼん
)
な
波瀾
(
はらん
)
のうちに
送
(
おく
)
る
以上
(
いじやう
)
に、
面前
(
まのあたり
)
大
(
たい
)
した
希望
(
きばう
)
も
持
(
も
)
つてゐなかつた。かうして
忙
(
いそ
)
がしい
大晦日
(
おほみそか
)
に、
一人
(
ひとり
)
家
(
いへ
)
を
守
(
まも
)
る
靜
(
しづ
)
かさが、
丁度
(
ちやうど
)
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
の
現實
(
げんじつ
)
を
代表
(
だいへう
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大晦日
(
おほみそか
)
の江戸の街は、一
瞬轉毎
(
しゆんてんごと
)
に、幾百人かづつ最後の足掻きの
坩堝
(
るつぼ
)
の中に、眼を
覺
(
さま
)
さして行くのでせう。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
最初
(
はじめ
)
いひ
出
(
いで
)
し時にやふやながら
結局
(
つまり
)
は
宜
(
よ
)
しと有し言葉を頼みに、又の機嫌むつかしければ
五月蠅
(
うるさく
)
いひては
却
(
かへ
)
りて
如何
(
いかが
)
と今日までも我慢しけれど、約束は今日と言ふ
大晦日
(
おほみそか
)
のひる前
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
明日は
大晦日
(
おほみそか
)
といふ、ギリギリに押し詰つた江戸の夜は、吹き千切るやうな風に吹き捲くられながらも、時刻かまはぬ人足に刻まれて、あわたゞしく、荒々しく更けて行きます。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
大晦日
(
おほみそか
)
の晩大川橋の
袂
(
たもと
)
に捨ててあつたのを、物好きに家の人が拾つて來ましたよ。これはお玉と違つて、男物の
赤合羽
(
あかがつぱ
)
一枚に包んだきり、着物も金も附いてゐたわけぢやありません」
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「明日は
大晦日
(
おほみそか
)
だ、酒の荷を先にしてくれ。三河屋も、長崎屋も來て居るぞ」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「良い御用聞が、
大晦日
(
おほみそか
)
でもないのに、天下泰平だぜ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“大晦日”の解説
大晦日(おおみそか)は、1年の最後の日。天保暦(旧暦)など日本の太陰太陽暦では12月30日、または12月29日である。現在のグレゴリオ暦(新暦)では12月31日。翌日は新年(1月1日)である。大晦(おおつごもり)ともいう。日本では、年神を迎えることにちなむ行事が行われる。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
晦
漢検準1級
部首:⽇
11画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“大晦日”で始まる語句
大晦日近
大晦日草紙