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頬杖
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ほゝづゑ
ふりがな文庫
“
頬杖
(
ほゝづゑ
)” の例文
先哲
(
せんてつ
)
いはく……
君子
(
くんし
)
はあやふきに
近
(
ちか
)
よらず、いや
頬杖
(
ほゝづゑ
)
で
讀
(
よ
)
むに
限
(
かぎ
)
る。……
垣
(
かき
)
の
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、さみだれの、ふる
屋
(
や
)
の
軒
(
のき
)
におとづれて……か。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あるものは机に
倚凭
(
よりかゝ
)
つて
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を突いたり、あるものは又たぐる/\室内を歩き廻つたりして、いづれも熱心に聞耳を立てゝ居る様子。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人
(
ふたり
)
は
默
(
だま
)
る。
厨房
(
くりや
)
からダリユシカが
鈍
(
にぶ
)
い
浮
(
う
)
かぬ
顏
(
かほ
)
で
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
爲
(
し
)
て、
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かうと
戸口
(
とぐち
)
に
立留
(
たちどま
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
※
(
ねえ
)
さんは
愛
(
あい
)
ちやんが
行
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つても、
頬杖
(
ほゝづゑ
)
ついて
沈
(
しづ
)
みゆく
夕日
(
ゆふひ
)
を
見
(
み
)
ながら、
可愛
(
かあい
)
い
愛
(
あい
)
ちやんの
事
(
こと
)
から、
又
(
また
)
その
種々
(
しゆ/″\
)
不思議
(
ふしぎ
)
な
冐險談
(
ばうけんだん
)
を
考
(
かんが
)
へながら
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
今日私が机に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
ついてぢつとしてゐると、あの子が傍へ来て、私の顔を覗きこんで、姉さんでも何か心配があるかと訊くのよ。それあ私だつて心配があるわよ。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
お靜の
蟠
(
わだかま
)
りない調子に、八五郎はいつものやうにヌツと入つて長火鉢の前に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を突きました。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女は火鉢に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をつき、
膝
(
ひざ
)
を崩して、炬燵に右手をさし込んでゐた。富岡は、何気なく、女の膝に
胡坐
(
あぐら
)
を組んだ自分の足の先をきつくあててみた。女は知らん顔をしてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
役所
(
やくしよ
)
では
用
(
よう
)
が
手
(
て
)
に
着
(
つ
)
かなかつた。
筆
(
ふで
)
を
持
(
も
)
つて
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
突
(
つ
)
いた
儘
(
まゝ
)
何
(
なに
)
か
考
(
かんが
)
へた。
時々
(
とき/″\
)
は
不必要
(
ふひつえう
)
な
墨
(
すみ
)
を
妄
(
みだ
)
りに
磨
(
す
)
り
卸
(
お
)
ろした。
烟草
(
たばこ
)
は
無暗
(
むやみ
)
に
呑
(
の
)
んだ。さうしては、
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
窓硝子
(
まどがらす
)
を
通
(
とほ
)
して
外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
小机
(
こづくゑ
)
に、
茫乎
(
ぼんやり
)
と
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
支
(
つ
)
いて、
待人
(
まちびと
)
の
當
(
あて
)
もなし、
爲
(
せ
)
う
事
(
こと
)
ござなく、と
煙草
(
たばこ
)
をふかりと
吹
(
ふ
)
かすと
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
錢形平次は縁側に寢そべつたまゝ、冬の
日向
(
ひなた
)
を樂んで居りましたが、ガラツ八の
尤
(
もつと
)
もらしい顏を見ると、
惡戯
(
いたづら
)
つ
氣
(
け
)
がコミ上げて來る樣子で、
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を突いた顏を此方へねぢ向けました。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
患者
(
くわんじや
)
は
多
(
おほ
)
いのに
時間
(
じかん
)
は
少
(
すく
)
ない、で、
毎
(
いつ
)
も
極
(
ご
)
く
簡單
(
かんたん
)
な
質問
(
しつもん
)
と、
塗藥
(
ぬりぐすり
)
か、
※麻子油位
(
ひましあぶらぐらゐ
)
の
藥
(
くすり
)
を
渡
(
わた
)
して
遣
(
や
)
るのに
留
(
とゞ
)
まつてゐる。
院長
(
ゐんちやう
)
は
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほゝづゑ
)
を
突
(
つ
)
きながら
考込
(
かんがへこ
)
んで、
唯
(
たゞ
)
機械的
(
きかいてき
)
に
質問
(
しつもん
)
を
掛
(
か
)
けるのみである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
富岡は、窓に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をついたまゝ
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
ト
其
(
そ
)
の
氣
(
き
)
で、
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をつく
民也
(
たみや
)
に
取
(
と
)
つては、
寢床
(
ねどこ
)
から
見
(
み
)
る
其
(
そ
)
の
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
は、
遙々
(
はる/″\
)
としたものであつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
塚
(
つか
)
の
上
(
うへ
)
に
趺坐
(
ふざ
)
して
打傾
(
うちかたむ
)
いて
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をした、
如意輪
(
によいりん
)
の
石像
(
せきざう
)
があつた。と
彼
(
あ
)
のたよりのない
土器色
(
かはらけいろ
)
の
月
(
つき
)
は、ぶらりと
下
(
さが
)
つて、
仏
(
ほとけ
)
の
頬
(
ほゝ
)
を
片々
(
かた/\
)
照
(
て
)
らして、
木蓮
(
もくれん
)
の
花
(
はな
)
を
手向
(
たむ
)
けたやうな
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そいつは
可笑
(
をか
)
しい。
一寸
(
ちよつと
)
使
(
つか
)
へるな。」と
火鉢
(
ひばち
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をつかれたのを
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旅費
(
りよひ
)
が
少
(
すくな
)
いから、
旦那
(
だんな
)
は
脇息
(
けふそく
)
とある
處
(
ところ
)
を、
兄哥
(
あにい
)
に
成
(
な
)
つて、
猫板
(
ねこいた
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
つくと、
又
(
また
)
嬉
(
うれ
)
しいのは、
摺上川
(
すりかみがは
)
を
隔
(
へだ
)
てた
向
(
むか
)
う
土手
(
どて
)
湯
(
ゆ
)
の
原
(
はら
)
街道
(
かいだう
)
を、
山
(
やま
)
の
根
(
ね
)
について
往來
(
ゆきき
)
する
人通
(
ひとどほ
)
りが、
衣
(
き
)
ものの
色
(
いろ
)
、
姿容
(
なりかたち
)
は
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
和田
(
わだ
)
さんがまだ
學校
(
がくかう
)
がよひをして、
本郷
(
ほんがう
)
彌生町
(
やよひちやう
)
の、ある
下宿
(
げしゆく
)
に
居
(
ゐ
)
た
時
(
とき
)
、
初夏
(
しよか
)
の
夕
(
ゆふべ
)
、
不忍
(
しのばず
)
の
蓮
(
はす
)
も
思
(
おも
)
はず、
然
(
さ
)
りとて
數寄屋町
(
すきやまち
)
の
婀娜
(
あだ
)
も
思
(
おも
)
はず、
下階
(
した
)
の
部屋
(
へや
)
の
小窓
(
こまど
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
をついて
居
(
ゐ
)
ると、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
の
庭
(
には
)
で
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
極暑
(
ごくしよ
)
の
砌
(
みぎり
)
、
見
(
み
)
ても
咽喉
(
のど
)
の
乾
(
かわ
)
きさうな
鹽辛蜻蛉
(
しほからとんぼ
)
が
炎天
(
えんてん
)
の
屋根瓦
(
やねがはら
)
にこびりついたのさへ、
觸
(
さは
)
ると
熱
(
あつ
)
い
窓
(
まど
)
の
敷居
(
しきゐ
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
して
視
(
なが
)
めるほど、
庭
(
には
)
のない
家
(
いへ
)
には、どの
蜻蛉
(
とんぼ
)
も
訪
(
おとづ
)
れる
事
(
こと
)
が
少
(
すくな
)
いのに——よく
來
(
き
)
たな
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“頬杖”の解説
頬杖(ほおづえ、つらづえ、頰杖、面杖)は、ヒトが机や床などに肘を立ててその手で顔を支える、あるいは顎や頬に手を宛てがう仕草のこと。腕が杖のようになることからこう呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
頬
部首:⾴
15画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“頬”で始まる語句
頬
頬冠
頬張
頬被
頬辺
頬骨
頬白
頬髯
頬桁
頬笑