しや)” の例文
能く一行を輔助ほじよせしことをしやし、年々新発見にかかる文珠菩薩もんじゆぼさつの祭日には相会してきうかたらんことをやくし、たもとわかつこととはなりぬ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
これからまたれいとほ出掛でかけなければなりませんから」とげると、主人しゆじんはじめていたやうに、いそがしいところめた失禮しつれいしやした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しやしつゝお光は泣顏なきがほ隱し井戸端へ行き釣上つりあぐ竿さをを直なる身の上も白精しらげよねと事變り腹いと黒き其人が堀拔ほりぬき井戸のそこふか謀計たくみに掛り無實の汚名をめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
高信たかのぶさんは、南祖坊なんそばうだんはしに一いきしてむかうむきに煙草たばこつた。わたしは、龍神りうじんしやしつゝも、大白樺おほしらかばみきすがつて、ひがしこひしい、ひがしみづうみ差覗さしのぞいた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
魯君ろくんこれうたがうて、呉起ごき(六九)しやす。呉起ごきここおい文矦ぶんこうけんなるをき、これつかへんとほつす。文矦ぶんこう李克りこくうていはく、『呉起ごき何如いかなるひとぞ』
「本当に待つてゐてくれたのかい、みいさん。しや多謝たしや! もしそれが事実であるならばだ、僕はこのまま死んでも恨みません。こんなに酔されたのも、実はそれなのだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いづれもに/\双眼鏡さうがんきやうたづさへ、白巾ハンカチーフり、喜色えみたゝえて、諸君しよくん好意かうゐしやすることであらう。
眞白ましろ胡粉ごふんしんからしやして、それでもをどりの仲間なかまにやらず。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
余は責任者せきにんしやが讀者に對してしやする所有る可しと確信かくしんす。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
晏子あんし(五〇)戄然くわくぜんとして衣冠いくわん(五一)をさめ、しやしていはく、『えい不仁ふじんいへども、やくまぬかれしむ。なんつをもとむるのすみやかなるや』と。石父せきほいはく、『しからず。 ...
しやしいよ/\明日の早天さうてん出立しゆつたつ致す故御暇乞いとまごひに參り候なりと村中へ暇乞にまはれり此時寶澤はやうやく十四歳の少年なり頃は享保きやうほいぬ年二月二日成し幼年えうねんより住馴すみなれし土地を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
渠等かれら無頼ぶらいなる幾度いくたびこの擧動きよどう繰返くりかへすにはゞかものならねど、ひとそのふが隨意まゝ若干じやくかん物品ものとうじて、その惡戲あくぎえんぜざらむことをしやするをて、蛇食へびくひげい暫時ざんじ休憩きうけいつぶやきぬ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
((晏子))(四七)しやせず、(四八)けいる。これひさしうして越石父ゑつせきほ(四九)たんとふ。
らうしやするにさけもない。柳川やながは卷煙草まきたばこもつけずに、ひとりで蕎麥そばべるとてかへつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しやし奉つらずして此度の病氣とて全快ぜんくわい覺束おぼつかなし何卒此上とも我なきあとの玉之助が事ひとへに頼みまゐらするとなみだながらにのべにける感應院は逐一ちくいちに承知し玉之助の事は必ず氣にかけられな萬一もしもの事あらば拙者が方へ引取ひきとつ世話せわつかはすべし左樣の事はあんじずすこしも早く全快せられよ夫れには藥用こそ第一なれなどすゝめければ嘉傳次は感應院を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
於是これにおいてあをくなりておほいおそれ、ひとしくにえそなへて、びやうまゐつて、つみしやし、あいふ。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しやしていはく、(一五)不佞ふねい大夫親戚たいふしんせきこれおくる、ゆゑとどまる』と。
トさういつてかさね/″\おんしやしてわかれて何処どこへかつちまひましたツて。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)