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罰
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ばち
ふりがな文庫
“
罰
(
ばち
)” の例文
「
尤
(
もつと
)
も信心の衆は、加持祈祷をして貰つたと言つちや金を持つて行く。が、鐵心道人はどうしても受取らねえ。
罰
(
ばち
)
の當つた話で——」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……(桔梗ヶ池の奥様とは?)——(お
姉妹
(
きょうだい
)
……いや一倍お
綺麗
(
きれい
)
で)と
罰
(
ばち
)
もあたれ、そう申さずにはおられなかったのでございます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ほーら! いってたの、うちでも岡本さんと。今ごろ陽ちゃんきっとまいっていてよって。少しいい気味だ、うちへ来ない
罰
(
ばち
)
よ」
明るい海浜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
罰
(
ばち
)
が当つたら、その
罰
(
ばち
)
をも薄茶に
溶
(
と
)
いて飲んでしまふがよい。茶人は借金の証文をさへ、茶室の
小掛物
(
こがけもの
)
にする事を知つてゐる筈だから。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「たとい叔父さんが引っ張り出したにしても、雷に撃たれたのは災難じゃあないか。自分たちの
身状
(
みじょう
)
が悪いから、
罰
(
ばち
)
があたったのさ。」
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
「ははは、おかしいようなことでございますが、なかなかおかしいことではないんで、うっかり七兵衛とおっしゃると
罰
(
ばち
)
が当りますよ」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
十六の時置去にしたお賤はどうしたかと案じていても、親子で
有
(
あり
)
ながら訪ねる事も出来ないというのは
皆
(
みんな
)
罰
(
ばち
)
と思って後悔しているのだよ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なんということをするだね? そんなことすると
罰
(
ばち
)
が当たりますぜ。おまえさん。大明神の
顕然
(
あらたか
)
なのを知りなさらんのかね?」
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
食料
(
くひもの
)
措
(
を
)
しがるなんち
業
(
ごふ
)
つくばりもねえもんぢやねえか、
本當
(
ほんたう
)
に
罰
(
ばち
)
つたかりだから、
俺
(
お
)
らだら
生
(
い
)
かしちや
置
(
お
)
かねえ、いや
全
(
まつた
)
くだよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
りますの。これは皆神様のお
罰
(
ばち
)
だと存じます。自分でいたした事の
報
(
むくい
)
だからいたし方がございません。ほんに/\お恥かしい。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「大喜びでございますよ、りっぱな奥さまに呼んでいただくのですもの、喜ばないでどうするものですか、
罰
(
ばち
)
があたりますよ」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
どんな罪を犯してそんな
罰
(
ばち
)
を受けたのだ。お父様は
今朝
(
けさ
)
濃紅姫が家を出る時、たった一目お前等二人に会わせてやりたかった。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
神慮
(
しんりょ
)
をおそれぬ
罰
(
ばち
)
あたり、
土足
(
どそく
)
、はだかの
皎刀
(
こうとう
)
を引っさげたまま、
酒気
(
しゅき
)
にまかせてバラバラッと八
神殿
(
しんでん
)
の
階段
(
かいだん
)
をのぼりかけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さあ、そこらで、みんな行って、ごろた石をひろっておいで、この
罰
(
ばち
)
あたりなけだものが
寝
(
ね
)
ているうちに、おなかにつめてやるのだから。」
おおかみと七ひきのこどもやぎ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「へへッ、肺病の
罰
(
ばち
)
あたりめが、結構ないただきものを残して捨ててけつかる。十等めし一本を食い余すなんて、なんという
甲斐性
(
かいしょう
)
なしだ!」
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
吐きながら、ごしんぞといっしょに自火で焼け死んだそうだが、金のあるに任せて勝手なことばかりしたから、
罰
(
ばち
)
が当ったようなもんでしょう
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「ああ、ああ、こんな苦しい目エに遇うのんもみんな姉ちゃんの
罰
(
ばち
)
やなあ。……これで死んだら姉ちゃんかってもう堪忍してくれるか知らん」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「しかたねえ、一人じめにしようとした
罰
(
ばち
)
さ、俺はそんなことはしねえ、お前たち二人に手つだってもらったんだ、分け前はちゃんとやるよ」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ぢや私もおつ
母
(
か
)
さんの言ふことをきかないで、油断した
罰
(
ばち
)
とあきらめて、お前さんに
喰
(
く
)
はれてしまひませう。けれども私には年よりの母がゐる。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
いつも
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
が
子持
(
こも
)
ちになどなつて
割
(
わり
)
がわるいのだといふやうな
顏
(
かほ
)
をしていらつしやるほんたうに
罰
(
ばち
)
があたりますよ。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
おッとッと、そう
一人
(
ひとり
)
で
急
(
いそ
)
いじゃいけねえ。まず
御手洗
(
みたらし
)
で
手
(
て
)
を
浄
(
きよ
)
めての。
肝腎
(
かんじん
)
のお
稲荷
(
いなり
)
さんへ
参詣
(
さんけい
)
しねえことにゃ、
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
って
眼
(
め
)
がつぶれやしょう
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『そやよつて、もつと待ちまへうと言ひましたのやがな。あんたが
餘
(
あん
)
まり
急
(
せ
)
きなはるよつて、
罰
(
ばち
)
が當りましたのや。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「それは、まさしく
神
(
かみ
)
さまのお
授
(
さず
)
け
子
(
ご
)
だから、
大事
(
だいじ
)
にして
育
(
そだ
)
てなければ
罰
(
ばち
)
が
当
(
あ
)
たる。」と、おじいさんも
申
(
もう
)
しました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この諺の意味は神様の
罰
(
ばち
)
といふものは如何に逃れようと思つて万全の策を施しても、逃れられないといふ事である。
津軽地方特有の俚諺
(新字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
すると父は「この
罰
(
ばち
)
当りめが」と叱りつけた。母は「せっかくこしらえてやったのに、よその子を見て見なはれ、そんなきものは着てえへんやろがな」
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
といって大いに
罵
(
ののし
)
ると、皆の者が怒って「お前のような者と一緒に帰ることは出来ない。
罰
(
ばち
)
が
中
(
あた
)
るから」というと
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そんな極楽浄土がある! 行かなかろうものなら
罰
(
ばち
)
があたる! ……行こうぞ行こうぞ、行かいでどうしよう!
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「神様の
罰
(
ばち
)
だ」とかれはさけんだ。「おれは
後悔
(
こうかい
)
する。おれは後悔する。もしここから出られたら、おれはいままでした悪事のつぐないをすることをちかう。 ...
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
佗
(
わび
)
しく、頼りなく、にんじんはじっとしている——退屈が来るなら来い!
罰
(
ばち
)
が当たるなら当たれ! だ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
後
(
あと
)
に
爲
(
なし
)
たる
罰
(
ばち
)
ならんと獨り心にくよ/\思ひながら
行
(
ゆく
)
に又向ふより侍士の來るを見ては
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
し人に
面
(
かほ
)
を見らるゝも
恥
(
はづ
)
かしく思ひて
歩行
(
あるく
)
ゆゑ
肝心
(
かんじん
)
の
渡世
(
とせい
)
の紙屑を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▲『四谷』の芝居といえば、十三年前に
亡父
(
おやじ
)
が歌舞伎座でした時の、
伊右衛門
(
いえもん
)
は
八百蔵
(
やおぞう
)
さんでしたが、お岩様の
罰
(
ばち
)
だと言って、足に
腫物
(
しゅもつ
)
が出来た事がありました。
薄どろどろ
(新字新仮名)
/
尾上梅幸
(著)
討たれたなら、それは、二百石の腕もないのに、二百石を頂戴していた
罰
(
ばち
)
が当ったのだ。討てば——?
寛永武道鑑
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「うまく言ッてるぜ。淋しかろうと思ッてじゃアなかろう、平田を
口説
(
くど
)
いて鉢を
喰
(
く
)
ッたんだろう。ははははは。いい気味だ。おれの言う
言
(
こと
)
を、聞かなかッた
罰
(
ばち
)
だぜ」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
有王 あゝ私もそれはわかりませぬ、が、清盛の積んだ悪業はきっと
罰
(
ばち
)
を受ける時が来ると思います。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
田中のものこの武士が米俵を
脊負
(
せお
)
ひしものといひしをきゝて、心におぼえあればさてはと心づき、これかならず
行者
(
ぎやうじや
)
の
罰
(
ばち
)
ならんと
行者
(
ぎやうじや
)
たるあらましをかたりきかせ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
主人が
跣足
(
はだし
)
になって働いているというのだから細君が
奥様然
(
おくさまぜん
)
と
済
(
すま
)
してはおられぬはずで、こういう家の
主人
(
あるじ
)
というものは、俗にいう
罰
(
ばち
)
も
利生
(
りしょう
)
もある人であるによって
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
土地により
甘酒地蔵
(
あまざけじぞう
)
もしくはモロミ地蔵と謂って、路傍の地蔵に甘酒やモロミを注ぎ掛け、臭くて鼻をつまむようだが、洗い落そうとすると
罰
(
ばち
)
が当るなどというのも
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
愚
(
おろか
)
な自分を責めるより外は無いけれど、死んでもこんな
回復
(
とりかへし
)
の付かない事を何で私は為ましたらう! 貫一さん、貴方の
罰
(
ばち
)
が
中
(
あた
)
つたわ! 私は生きてゐる
空
(
そら
)
が無い程
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
音楽では、
高慢
(
こうまん
)
になって
嘘
(
うそ
)
をつけば、きっと
罰
(
ばち
)
があたる。音楽は
謙遜
(
けんそん
)
で
誠実
(
せいじつ
)
でなくてはならない。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「とんでもない。わたしらのようなゴンゾが、そんなこと、考えただけでも
罰
(
ばち
)
があたりますよ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
清さんは何ともお思ひなさるまじく飛んだ
隙潰
(
ひまつぶ
)
しをしたなどと申しをられ候ふ事と存じ候、この始末後にて考へ候ふに、私に
罰
(
ばち
)
でも当つたのかお前様の
念
(
おもい
)
が通つてゐたのか
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「せめては遊びながら飯の食えるものだけでもこんなことを言わなければ
罰
(
ばち
)
があたりますよ」
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
けれども、
顧
(
かへり
)
みて自分を見ると、自分は
人間中
(
にんげんちう
)
で、尤も相手を
歯痒
(
はがゆ
)
がらせる様に
拵
(
こしら
)
えられてゐた。是も
長年
(
ながねん
)
生存競争の
因果
(
いんぐわ
)
に
曝
(
さら
)
された
罰
(
ばち
)
かと思ふと余り難有い心持はしなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「狐でさえ食べてるんだから、おれが少し
頂戴
(
ちょうだい
)
したところで、まさか
罰
(
ばち
)
は当たるまい」
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「そんなことをすると
罰
(
ばち
)
が当るぞ」などと祖父から叱られたりしたことを思いだした。
地球儀
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
だから
退
(
の
)
ッ
引
(
ぴ
)
きならぬ人間の相しか現われぬし、動じない美しい形しか現われない、と
仰有
(
おっしゃ
)
る。生きている人間を観察したり仮面をはいだり、
罰
(
ばち
)
が当るばかりだと仰有るのである。
教祖の文学:――小林秀雄論――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
私はさうした深刻な侮辱を感じながら、
抽籤
(
ちうせん
)
にはづれてもなほ
性懲
(
しやうこ
)
りもなく、
怨霊
(
をんりやう
)
に
憑
(
つ
)
かれた
罰
(
ばち
)
あたりのやうにその日その日の国民酒場を西へ東へと追つかけまはつたものである。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「阿Qの
罰
(
ばち
)
当りめ。お前の世継ぎは
断
(
た
)
えてしまうぞ」遠くの方で尼の泣声がきこえた。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
(微笑)
伴天連
(
ばてれん
)
のあなたを疑うのは、
盗人
(
ぬすびと
)
のわたしには
僭上
(
せんじょう
)
でしょう。しかしこの約束を守らなければ、(突然
真面目
(
まじめ
)
に)「いんへるの」の猛火に焼かれずとも、
現世
(
げんぜ
)
に
罰
(
ばち
)
が
下
(
くだ
)
る筈です。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そんな文とりついだ手を、
率川
(
いざかわ
)
の一の瀬で浄めて来くさろう。
罰
(
ばち
)
知らずが……。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
“罰”の解説
罰(ばつ)とは、法令や特定集団における決まりごと、道徳などに違反したものに対する公もしくは集団が行う、多くは当人に不利益または不快になることである。罰を与えることを制裁(せいさい)というが、制裁を罰の意味で使うこともある。仕置、懲罰、処罰とも言う。
(出典:Wikipedia)
罰
常用漢字
中学
部首:⽹
14画
“罰”を含む語句
懲罰
冥罰
御罰
処罰
誅罰
刑罰
仏罰
罰金
賞罰
罰當
罰杯
罰俸
天罰
罰当
劫罰
神罰
天罰覿面
所罰
厳罰
佛罰
...