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春日
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かすが
ふりがな文庫
“
春日
(
かすが
)” の例文
勿論其時分は
春日
(
かすが
)
の
社
(
やしろ
)
も今のやうに
修覆
(
しうふく
)
が出来なかつたし、全体がもつと古ぼけてきたなかつたから、それだけよかつたといふ
訣
(
わけ
)
だ。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ここの御社の御前の
狛犬
(
こまいぬ
)
は全く狼の
相
(
すがた
)
をなせり。
八幡
(
やわた
)
の鳩、
春日
(
かすが
)
の鹿などの如く、狼をここの御社の御使いなりとすればなるべし。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大和と伊勢の境にある高見山の周囲では、奈良の
春日
(
かすが
)
様と伊勢の大神宮様とが、御相談の上で国境をおきめなされたといっております。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
八幡さま、
金毘羅
(
こんぴら
)
さま、
春日
(
かすが
)
の宮の神さま達! あれあれ、お師匠様はだんだん敵の前へ歩いてゆきます。正気の沙汰ではありません。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お母さん、こんど
春日
(
かすが
)
の料理でも食べに行きましょうか、とそんなことを僕は云う。母は眼をあげて、僕の顔を偸むように見る。
慾
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
なんでも、高等学校の確か二年生であった頃ですが、若杉さんは、ある晩、
春日
(
かすが
)
町から
伝通院
(
でんつういん
)
の方へ
富坂
(
とみざか
)
を登っていたそうです。
若杉裁判長
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
初瀬
(
はせ
)
、
春日
(
かすが
)
への中休みの宇治での遊び心のような
恋文
(
こいぶみ
)
を送って来る程度にとどまり、こうした閑居をあそばすだけの宮として
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
落花を踏み
朧月
(
おぼろづき
)
に乗じて所々を巡礼したが、
春日
(
かすが
)
山の風景、三笠の
杜
(
もり
)
の夜色、感慨に堪えざるものがあったといっている。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
法相
擁護
(
おうご
)
の
春日
(
かすが
)
大明神、
如何
(
いか
)
なる事をか
覚
(
おぼ
)
しけん。されば春日野の露も色変り、三笠の山の嵐の音、
恨
(
うらむ
)
る様にぞ聞えける。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
貴樣
(
きさま
)
等は書物の
蠧
(
むし
)
に成つてはならぬぞ。
春日
(
かすが
)
は至つて
直
(
ちよく
)
な人で、從つて平生も
嚴
(
げん
)
な人である。貴樣等修業に
丁度
(
ちやうど
)
宜しい。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
佐吉の大笑ひで二人の間の
蟠
(
わだかま
)
りが取れると、平次は改めて
春日
(
かすが
)
家の一人々々に當つて見ました。主人の春日藤左衞門は
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
春日
(
かすが
)
の
太占
(
ふとまに
)
を調べるかたわらには
阿蘭陀
(
オランダ
)
の本を読み、いま
易筮
(
えきぜい
)
を終って次に
舶来
(
はくらい
)
の拳銃を取り出すという人であります。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
柳之助
(
りゅうのすけ
)
が
亡妻
(
ぼうさい
)
の墓に雨がしょぼ/\降って居たと
葉山
(
はやま
)
に語る
条
(
くだり
)
を読むと、
青山
(
あおやま
)
墓地
(
ぼち
)
にある
春日
(
かすが
)
燈籠
(
とうろう
)
の立った
紅葉山人
(
こうようさんじん
)
の墓が、
突
(
つ
)
と眼の前に
現
(
あら
)
われた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
尋
(
たづぬ
)
るに
元
(
もと
)
大和國
(
やまとのくに
)
南都
(
なんと
)
春日
(
かすが
)
の
社家
(
しやけ
)
大森隼人
(
おほもりはいと
)
の次男にて
右膳
(
うぜん
)
と
云者
(
いふもの
)
有
(
あり
)
しが是を
家督
(
かとく
)
にせんと
思
(
おもひ
)
父の隼人は右膳に
行儀
(
ぎやうぎ
)
作法
(
さはふ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また
春日
(
かすが
)
の
建國勝戸賣
(
たけくにかつとめ
)
が女、名は
沙本
(
さほ
)
の
大闇見戸賣
(
おほくらみとめ
)
に娶ひて、生みませる子、
沙本毘古
(
さほびこ
)
の王、次に
袁耶本
(
をざほ
)
の王、次に
沙本
(
さほ
)
毘賣の命、またの名は
佐波遲
(
さはぢ
)
比賣
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
に
連
(
つ
)
れて、などの意で、「雁がねの声聞くなべに
明日
(
あす
)
よりは
春日
(
かすが
)
の山はもみぢ
始
(
そ
)
めなむ」(巻十・二一九五)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
春日
(
かすが
)
君に
委
(
まか
)
せよう。あの人ならかねがね僕たちに好意を示してくれているのだし、別れた後も君のことは心配してくれるから。春日君が入ってくれたら、後を
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
厨子
(
ずし
)
は、
木瓜
(
ぼけ
)
厨子、
正念
(
しょうねん
)
厨子、丸厨子(これは聖天様を入れる)、角厨子、
春日
(
かすが
)
厨子、
鳳輦
(
ほうれん
)
形、
宮殿
(
くうでん
)
形等。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
越後
(
えちご
)
の
春日
(
かすが
)
を経て今津へ出る道を、珍らしい旅人の一群れが歩いている。母は三十歳を
踰
(
こ
)
えたばかりの女で、二人の子供を連れている。姉は十四、弟は十二である。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大和
(
やまと
)
の
春日
(
かすが
)
神社に奉仕していた大和
猿楽師
(
さるがくし
)
の中、
観世座
(
かんぜざ
)
の
観阿弥
(
かんなみ
)
・
世阿弥
(
ぜあみ
)
父子が義満の
寵
(
ちょう
)
によって、京都に進出し、
田楽
(
でんがく
)
の座の能や、諸国の猿楽の座の芸を追い抜いて
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
光ったり陰ったり、幾重にも畳む丘丘の向ふに、北上の野原が夢のやうに
碧
(
あを
)
くまばゆく
湛
(
たた
)
へてゐます。河が、
春日
(
かすが
)
大明神の帯のやうに、きらきら銀色に輝いて流れました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
師の君に約し参らせたる
茄子
(
なす
)
を持参す。いたく喜びたまひてこれひる
飯
(
げ
)
の時に食はばやなどの給ふ、
春日
(
かすが
)
まんぢうひとつやきて
喰
(
く
)
ひたまふとて、おのれにも
半
(
なかば
)
を
分
(
わけ
)
て給ふ。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
村役
(
むらやく
)
捕役
(
とりやく
)
肝煎
(
きもいり
)
どん、あんふとたちのおらすけんで、
後
(
あと
)
は
何
(
ど
)
うなっときゃあなろたい。
川端町
(
かわばたまっ
)
ちゃんきゃあめぐらい。
春日
(
かすが
)
ぼうぶらどんなしりひっぱって、花ざあかり、花ざあかり
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
しかるに巻十四に、播磨の賊
文石小麿
(
あやしのおまろ
)
馬の大きさの白犬に化けて官軍に抗したのを
春日
(
かすが
)
の
小野臣大樹
(
おののおみおおき
)
が斬りおわると、もとの小麿となったとあれば、白犬も吉兆と限らなんだのだ。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
例へば奈良一
箇処
(
かしょ
)
につきていはんに、
春日
(
かすが
)
社、廻廊の燈籠、若草山、南大門、興福寺、
衣掛柳
(
きぬかけやなぎ
)
、二月堂等は最も春に適し、三笠山のつづき、または春日社内より
手向山
(
たむけやま
)
近辺の
木立
(
こだち
)
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
日本橋手前のある横丁に、大あゆで売り出した
春日
(
かすが
)
という
割烹
(
かっぽう
)
店があった。これは多分に政策的な考えからやっていたことであるらしい。ところが、このあゆが非常に評判になった。
インチキ鮎
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
翌日
春日
(
かすが
)
神社から三月堂、大仏殿を経て西の京へ廻ったが、幸子は
午
(
ひる
)
頃から耳の附け根の裏側のところが紅く
脹
(
は
)
れて
痒
(
かゆ
)
みを覚え、
鬢
(
びん
)
の毛が触るとその痒さがひとしおであるのに悩んだ。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わが日本
開闢
(
かいびやく
)
以來、はじめて舞樂のおもてを刻まれたは、勿體なくも聖徳太子、つゞいて
藤原淡海
(
ふぢはらのたんかい
)
公、
弘法大師
(
こうぼふだいし
)
、
倉部
(
くらべ
)
の
春日
(
かすが
)
、この人々より傳へて今に至る、由緒正しき職人とは知られぬか。
修禅寺物語
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これまでいっても解らぬかな……今の話の白縮緬組、南都の悪僧が
嗷訴
(
ごうそ
)
する時
春日
(
かすが
)
の神木を
担
(
かつ
)
ぎ出すように、お伝の方の飼い犬を担ぎ出して来ると云うではないか。だから迂濶には手が出せぬ。
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
春日
(
かすが
)
の森のなかを馬酔木の咲いているほうへほうへと歩いて往ってみた。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
殊に
猿沢池
(
さるさわのいけ
)
からかんかん照りの三条通りを
春日
(
かすが
)
へ登って行く午後三時の暑さと来ては類がない。坂道は丁度
張物板
(
はりものいた
)
を西日に向って立てかけてあるのと同じ角度において太陽に向っているのである。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
此
(
この
)
魔術街
(
マジツク・シテエ
)
の一部に新しく日本
街
(
まち
)
が出来た。永年欧米を廻つて居る
櫛曵
(
くしびき
)
と云ふ日本人の興行師が経営してる
相
(
さう
)
だ。
春日
(
かすが
)
風の朱塗門を
入
(
はひ
)
ると、日本画に漢詩や狂歌の
賛
(
さん
)
のある
万灯
(
まんどう
)
が客を中央の池へ導く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
春日
(
かすが
)
が電話に接して、助手兼秘書の
渡邊
(
わたなべ
)
を
同伴
(
つれ
)
て新田家を見舞ったのは第二の脅迫状の着いた間もなくで主人は二人を客間に通して、
具
(
つぶさ
)
に昨夜以来の出来事を語り、証拠の書状二通をも渡して見せた
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
そのおりの旅のみやげの
春日
(
かすが
)
の鹿をならべてあかず眺めていた。
小品四つ
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
「それでも
春日
(
かすが
)
さんの使姫の神鹿や、その位のことは判るで」
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
春日
(
かすが
)
の宮わか葉のなかのむらさきの藤のしたなる石の
高麗狗
(
こまいぬ
)
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
我が行くは
憶良
(
おくら
)
の家にあらじかとふと思ひけり
春日
(
かすが
)
の月夜
大和ぶり
(新字旧仮名)
/
佐佐木信綱
(著)
一四 西
春日
(
かすが
)
東白鳥中藥師これぞ鹿野の山の三つ峯
鹿野山
(旧字旧仮名)
/
大町桂月
(著)
紫に
春日
(
かすが
)
の森は藤かかる杉大木のありあけ月夜
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
春日
(
かすが
)
の
宮
(
みや
)
の
使
(
つか
)
ひ
姫
(
ひめ
)
、
秋
(
あき
)
ふた
毛
(
げ
)
して
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
春日
(
かすが
)
の
社
(
やしろ
)
の
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
その途中でも、玄蕃に一つの心がかりは、
春日
(
かすが
)
重蔵の道場へ隠密に入りこませた矢倉伝内が、今に何の消息もないことであった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大和
(
やまと
)
の
郡山
(
こおりやま
)
の旧城跡、
三笠
(
みかさ
)
・
春日
(
かすが
)
と向き合いの暖い岡に、広い池を幾つも掘って、この中に
孵化
(
ふか
)
する金魚の子の数は、百万が単位である。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
時雨といへば
矢張
(
やは
)
り其時、奈良の
春日
(
かすが
)
の
社
(
やしろ
)
で時雨にあひ、その時雨の
霽
(
は
)
れるのをまつ
間
(
あひだ
)
お
神楽
(
かぐら
)
をあげたことがあつた。
一番気乗のする時
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今までは
藤原
(
ふじわら
)
の内大臣の娘とも、源氏の娘とも明確にしないで済んだが、源氏の望むように宮仕えに出すことにすれば
春日
(
かすが
)
の神の氏の子を奪うことになるし
源氏物語:29 行幸
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
御山は
春日
(
かすが
)
の三笠山と同じような山一つ、樹木がこんもりとして、朝の
巒気
(
らんき
)
が
神々
(
こうごう
)
しく立ちこめております。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「知つてゐますよ。
春日
(
かすが
)
邦之助樣といふんで——大きい聲ぢやいへませんがね、名題の貧乏旗本で、へツ」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
春日
(
かすが
)
明神は本地釈迦如来というようになっており、いわゆる神仏混淆が行われていたのである。
幕末維新懐古談:31 神仏混淆廃止改革されたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
一疋殺し通仙が
表
(
おもて
)
へ
建掛
(
たてかけ
)
て置きしを夜中の事故一人も
知者
(
しるもの
)
なかりけり(南都にては
春日
(
かすが
)
明神
(
みやうじん
)
の
愛
(
あい
)
し給ふとて古へより
鹿殺
(
しかころし
)
は
科
(
とが
)
重
(
おも
)
しと云ふ)
翌朝
(
よくてう
)
所の人々見付けて
立騷
(
たちさわ
)
ぐ聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また
春日
(
かすが
)
のチチハヤマワカ姫と結婚してお生みになつた御子は、チチハヤ姫の命お一方です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
春
常用漢字
小2
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“春日”で始まる語句
春日山
春日町
春日野
春日燈籠
春日局
春日野峠
春日和
春日明神
春日龍神
春日出