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婿
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むこ
ふりがな文庫
“
婿
(
むこ
)” の例文
娘売らぬ親を
馬鹿
(
ばか
)
だとは申し
難
(
がた
)
く
候
(
そろ
)
へども
馬鹿
(
ばか
)
見たやうなものだとは
申得
(
まうしえ
)
られ
候
(
そろ
)
。
婿
(
むこ
)
を買ふ者あり娘を売る者あり
上下
(
じやうげ
)
面白き
成行
(
なりゆき
)
に
候
(
そろ
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
幸い
資本
(
もとで
)
を見てやろうとおっしゃってくださる方もありますから、しかるべき、と申したところで身分相当のところから
婿
(
むこ
)
を迎えて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こうして、市井の一放浪児にすぎない高毬は、はしなくも現天子の
駙馬
(
ふば
)
(天子の
婿
(
むこ
)
たる人の官名)
王晋卿
(
おうしんけい
)
の
館
(
やかた
)
に仕える身とはなった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その親孝行の断髪令嬢のお
婿
(
むこ
)
さんに見立てて、差支え無いだろうか。吾輩は赤ゆもじ議員諸君の御意見通りに事を運びたいのだが……
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ええ二人おります。いずれも年頃でございますから、もうそろそろどこかへ片づけるとか
婿
(
むこ
)
を取るとかしなければなりますまいが」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
これならば
姫
(
ひめ
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るに
違
(
ちが
)
ひない、きっと
自分
(
じぶん
)
は
姫
(
ひめ
)
のお
婿
(
むこ
)
さんになれるだらうなどゝ
考
(
かんが
)
へて、
大
(
おほ
)
めかしにめかし
込
(
こ
)
んで
出
(
で
)
かけました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
「金之助がお雪の
婿
(
むこ
)
になつて入り込んで來れば、與三郎はお拂ひ箱でせうね、女房にも一人娘にも死なれた上、あの病身ぢや——」
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
徳市というその
婿
(
むこ
)
にはちょっと頭をひねりたい気持が重吉にもいねにもあり、カヤノは初めからてんで受けつけようとしないのを
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
さゝ、ヂュリエットを
起
(
おこ
)
して、
着飾
(
きかざ
)
らせい。
俺
(
おれ
)
は
往
(
い
)
てパリスどのに
挨拶
(
あいさつ
)
せう。……さゝ、
急
(
いそ
)
げ/\。
婿
(
むこ
)
どのは
最早
(
もう
)
來
(
わ
)
せたわ。
急
(
いそ
)
げ
急
(
いそ
)
げ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
潤
(
うるほ
)
せしが此方に向ひてコリヤ娘必ず泣な我も泣じ
和女
(
そなた
)
を
育
(
そだ
)
て此年月
能
(
よき
)
婿
(
むこ
)
取んと思ふ所へ幸ひなるかなと今度の婚姻
無上
(
こよなき
)
親娘
(
おやこ
)
が悦びを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
白痴娘を持つ親の意地から
婿
(
むこ
)
は是非とも秀才をと十二分の条件を用意して八方を探した。河内屋は東京近郊のX町切っての資産家だった。
汗
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
中宮
(
ちゅうぐう
)
、
女御
(
にょご
)
などの美名をつけ、声色をもって天皇をもてあそび、天皇の近親となり、天皇は、あたかも藤原氏の
婿
(
むこ
)
のようなものとなった。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
とにこにこしながら、いばって
帰
(
かえ
)
っていきました。そして
帰
(
かえ
)
るとさっそく、お
隣
(
となり
)
のちゅう
助
(
すけ
)
ねずみを
娘
(
むすめ
)
のお
婿
(
むこ
)
さんにしました。
ねずみの嫁入り
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
自分の
子息
(
むすこ
)
や娘には碌な嫁も
婿
(
むこ
)
も得られないと思つてたんだから、お前などに對しても、腹の中ぢや隨分氣兼ねしておど/\してるんだぜ。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
なお、この家には、伯母夫婦——伯母はお民の姉で、それに
婿
(
むこ
)
養子がしてあった——に、子供六人、それに十人内外の雇人が、いつもいた。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その
形
(
かたち
)
きわめて醜怪なるものなりき。女の
婿
(
むこ
)
の里は
新張
(
にいばり
)
村の何某とて、これも川端の家なり。その主人
人
(
ひと
)
にその
始終
(
しじゅう
)
を語れり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
誰も知るごとく、新井白石が河村随軒の
婿
(
むこ
)
に望まれた折、かようの行法に失敗して刃に死んだ未成の竜の譚を引いて断わった。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「そうだ。お嫁に行く娘さんなどは、特に縁遠い娘さんなどは、出船を買うといいわけだな。お
婿
(
むこ
)
さんを早く貰いたい娘さんは入船と……」
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
大事
(
だいじ
)
にして、
私
(
わたし
)
の
子供
(
こども
)
として
育
(
そだ
)
てて、お
婿
(
むこ
)
さんをもらって、
家
(
うち
)
の
跡
(
あと
)
を
継
(
つ
)
がしたいと
思
(
おも
)
いますが、どうか
私
(
わたし
)
に、
娘
(
むすめ
)
さんをくださいませんか……。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
無論
(
むろん
)
、
婿
(
むこ
)
がねと
一所
(
いつしよ
)
で、
其
(
それ
)
は一
等室
(
とうしつ
)
はあつたかも
知
(
し
)
れない。が、
乗心
(
のりごゝろ
)
の
模様
(
もやう
)
も、
色合
(
いろあひ
)
も、いま
見
(
み
)
て
思
(
おも
)
ふのと
全
(
まつた
)
く
同
(
おな
)
じである。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
京は會津東山の人淺井善藏に嫁した。善藏の女おせいさんが
婿
(
むこ
)
平八郎を迎へた。おせいさんは即ち子を
負
(
おぶ
)
つて門に立つてゐたお上さんである。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
... 食道楽会を兼ねて
婿
(
むこ
)
を選定するのも今日の一度で沢山だそうだ。
是非
(
ぜひ
)
一つ君に貰ってくれろと先方の望みだがどうだね」中川
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
庄吉さんもこんど頭梁のところの
婿
(
むこ
)
になってめでたい、花嫁は家付きだけれど、年は十七で気だても優しく、縹緻も十人なみ以上だそうである
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
二匹ずつつながっているのが、それぞれ雌雄のひとつがいだとすると、彼らの
婿
(
むこ
)
選み
嫁
(
よめ
)
選みがいかにして行なわれるか。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「たとえどんなによい娘でも、家格の相違があるからは嫁としてその
娘
(
こ
)
を貰うことは出来ぬ。ましてお前を
婿
(
むこ
)
として大鳥井家へやることは出来ぬ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お前さんもまんざら
忌
(
いや
)
ならば
此様
(
こん
)
な処まで手を
引張
(
ふっぱ
)
って逃げてめえる
気遣
(
きづけ
)
えもねえが、宿屋の
婿
(
むこ
)
になったら何うだ、
屎草履
(
くそぞうり
)
を直さねえでも
宜
(
え
)
いから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いまもなお私の
耳朶
(
みみたぶ
)
をくすぐる祖母の子守歌。「狐の嫁入り、
婿
(
むこ
)
さん居ない。」その余の言葉はなくもがな。(未完)
玩具
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
全軍殆んど覆没し、陣代の高森
上野
(
こうつけ
)
は
婿
(
むこ
)
舅
(
しゅうと
)
の
好
(
よし
)
みを以て
哀
(
あわれみ
)
を敵の桑折(福島附近の
桑折
(
こおり
)
にあらず、志田郡鳴瀬川附近)
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そのうちに、娘には立派な
婿
(
むこ
)
ができまして、二年ほど前から東京で何不自由のないくらしをしていたのでございます。ところが、一昨日のことでした。
秘密
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
その酒の席で朝雅と六郎が口論をはじめた。朝雅は
牧
(
まき
)
の
方
(
かた
)
の腹に生れた
女
(
むすめ
)
の
婿
(
むこ
)
で、六郎とは親類関係になっている。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
渋沢男爵などは、
婿
(
むこ
)
の
阪谷男
(
さかたにだん
)
が万国経済会議に出掛ける
餞別
(
せんべつ
)
にポケツト論語を贈つたさうだが、あれなども
何
(
ど
)
ういふ気でした事か一寸考へ及ばれない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勘次
(
かんじ
)
とお
品
(
しな
)
は
相思
(
さうし
)
の
間柄
(
あひだがら
)
であつた。
勘次
(
かんじ
)
が
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
に
傭
(
やと
)
はれたのは十七の
冬
(
ふゆ
)
で十九の
暮
(
くれ
)
にお
品
(
しな
)
の
婿
(
むこ
)
に
成
(
な
)
つてからも
依然
(
いぜん
)
として
主人
(
しゆじん
)
の
許
(
もと
)
に
勤
(
つと
)
めて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小石川の地所も公債の二万円と云ふものも、既にお前の名義に書き換へて置いたのだが、嫁に行くも
婿
(
むこ
)
を取るも同じことだ、——今こそ
未
(
ま
)
だ大佐だが
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
七十代の
婿
(
むこ
)
と八十代の
舅
(
しゅうと
)
とは、共に
矍鑠
(
かくしゃく
)
として潮風に
禿頭
(
はげあたま
)
を黒く染め、朝は早くから夜は
手許
(
てもと
)
の暗くなるまで庭仕事を励んだ。二人ともに、何が——と。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「お父さんも私もやっぱりご
家中
(
かちゅう
)
の人でなければいけないと思っていますから、おやしきへあがってちょうどいいお
婿
(
むこ
)
さんをご
詮議
(
せんぎ
)
していただきますわ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その
四人
(
よったり
)
もネ、塾にいるうちだけで、
外
(
ほか
)
へ出てからはネ、口程にもなく両親に圧制せられて、みんなお嫁に
往
(
い
)
ッたりお
婿
(
むこ
)
を取ッたりしてしまいましたの。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それにこの間も私の内(夫を指していう)が話したことだが、もしあのラマが俺の
姪
(
めい
)
の
婿
(
むこ
)
に成らないようであれば、
屠
(
ほふ
)
って喰物にするという話であった。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「お
婿
(
むこ
)
さんは、スカンポの森を持っているのに、お嫁さんはスグリを一かぶしか、持っていないんですからね」
幸福な一家
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
娘の
婿
(
むこ
)
であるブラドンという人物に明瞭でない個所があって不安を感じていて、そのために送金しないだけのことなのだから、あらためて、その弁護士が
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
その時限り自分は巧いこと手エ
退
(
ひ
)
いて、すっくり
真面目
(
まじめ
)
な人間になって、ええ
婿
(
むこ
)
さん捜そ思てなさるのんやろ
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのロアールの無頼漢は、既に述べておいたジルノルマン氏の
婿
(
むこ
)
で、彼が「家の恥」と呼んでいた人である。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
新婦の轎のまわりを幾たびかめぐったので、おびただしい
沙
(
すな
)
は眼口を打って大勢もすこぶる
辟易
(
へきえき
)
したが、やがてその風も鎮まって、無事に
婿
(
むこ
)
の家へ行き着いた。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ね、おめえも、早く
帰
(
けえ
)
んでえすぞ。俺も
若
(
わけ
)
え時、
婿
(
むこ
)
に行ったどこ逃げ出した罰で、今になってこれ……」
蜜柑
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「四月の末に来るといふお
婿
(
むこ
)
さんが一月延びることに成つた。綿入の紋附を
袷
(
あはせ
)
に直して、またそれでも間に合はないなんて、大変な話だぞ。弱つたナ、こりや。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私が叔父の寺に入りびたっていた時分にも、叔父が京都にいたとき知合いになったという、奈良の田舎の坊さんからその娘の
婿
(
むこ
)
になってくれという交渉があった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
空地へ
悠々
(
ゆうゆう
)
と出て行った治部太夫は、刺して
誉
(
ほま
)
れになる対手ではないが、娘きいの嫁入り以来、
婿
(
むこ
)
の慎九郎と不和な宮内だけに、今こうして身の力量をも顧みずに
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「今夜は、おへやへ赤土をまいておおき、それからあさ糸のまりを
針
(
はり
)
にとおして用意しておいて、お
婿
(
むこ
)
さんが出て来たら、そっと着物のすそにその針をさしておおき」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「どうだい、その娘さんに、これから
婿
(
むこ
)
を取らせなさるのかい、それとも
嫁
(
よめ
)
にやってもいいのかい」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
総領のお幾というのが弥吉という
婿
(
むこ
)
を迎えて、あとの娘二人はそれぞれよそに
嫁
(
かた
)
づいてしもうた。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
弟は一人前なかったので婿養子をしたが、
婿
(
むこ
)
と舅の折合が悪い為に、
老夫婦
(
としよりふうふ
)
は息子を連れて新家に出た。
今
(
いま
)
解
(
と
)
き崩されて
片々
(
ばらばら
)
に売られつゝある
家
(
うち
)
が即ち其れなのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“婿”の解説
婿・壻(むこ)とは、娘の夫たる男性である。広義には娘に限定せず、同じ家の女性の夫を意味することもある。
(出典:Wikipedia)
婿
常用漢字
中学
部首:⼥
12画
“婿”を含む語句
女婿
妹婿
姉婿
婿入
愛婿
婿殿
婿取
婿様
佳婿
叔母婿
相婿
花婿
入婿
婿君
新婿
婿養子
婿舅
狼婿
新婿様
許婿
...