判斷はんだん)” の例文
新字:判断
一、 最初さいしよ一瞬間いつしゆんかんおい非常ひじよう地震ぢしんなるかいなかを判斷はんだんし、機宜きゞてきする目論見もくろみてること、たゞしこれには多少たしよう地震知識ぢしんちしきようす。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
余は本篇の諸所に於て現存げんぞんのエスキモが好くこの石器時代人民に似たりとの事をしるし置しが、古物、遺跡、口碑を總括して判斷はんだんするに
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
何故なぜかならば爲替かはせ見通みとほしのごときことは、多數たすう商人しやうにん多數たすう經濟界けいざいかいひとには理解りかい仕惡しにく問題もんだいであり内國市場ないこくしぢやう状況じやうきやうばかりでこれ判斷はんだん出來できぬ。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
こゝろのなかで、これ神經衰弱しんけいすゐじやく結果けつくわむかしやう機敏きびん明快めいくわい判斷はんだんを、すぐつくげるあたまくなつた證據しようこだらうと自覺じかくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれさむさがほねてつするのことを明瞭めいれうあたまうかべて判斷はんだんするのには氣候きこう變化へんくわあまりに急激きふげきであつた。かれあひだ人事不省じんじふせい幾時間いくじかん經過けいくわした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
制服せいふくけてたので一けん歩兵ほへいふことがわかりましたが、さもなければ、たゞ其顏そのかほだけで判斷はんだんしたなら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
判斷はんだんなして此上信心しんじん肝要かんえうなりと申しけるにお專も大いに心配しんぱいなし然らば明日より鹽斷しほだちなり斷食だんじきなりして信心を致しお前の身に凶事きようじなきやうに致さんと夫婦は來方こしかた行末ゆくすゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは醫道いだうことなどは平生へいぜいふかかんがへてもをらぬので、どう治療ちれうならさせる、どう治療ちれうならさせぬと定見ていけんがないから、たゞ自分じぶん悟性ごせい依頼いらいして、その折々をり/\判斷はんだんするのであつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
此處こゝぬものか、なないものか、自分じぶん判斷はんだんをして、きるとおもへば平氣へいきし、ぬとおもしづか未來みらいかんがへて、念佛ねんぶつひとつもとなへたらうぢや、何方どつちにしたところが、わい/\さわぐことはない。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
むすめかせたることろんなしとこゝの内儀ないぎひとわるにてにらみぬ、手跡しゆせきによりてひとかほつきをおもひやるは、いてひと善惡ぜんあく判斷はんだんするやうなもの、當代たうだい能書のうしよ業平なりひらさまならぬもおはしますぞかし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほんとうに當人とうにん作物さくぶつか、判斷はんだんのつかぬところがあります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
さいはひ最初さいしよ一瞬間いつしゆんかんおいて、非常ひじよう地震ぢしんなるかいなかの判斷はんだんがついたならば、其判斷そのはんだん結果けつかによつて臨機りんき處置しよちをなすべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
宗助そうすけには父母ふぼ未生みしやう以前いぜんといふ意味いみがよくわからなかつたが、なにしろ自分じぶんふものは必竟ひつきやう何物なにものだか、その本體ほんたいつらまへてろと意味いみだらうと判斷はんだんした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それで車錢くるませんだけでもいくたすかるかれないといふので貧乏びんばふ百姓ひやくしやうからよばれてるのであつた。勘次かんじ途次みち/\しな容態ようだいかたつて醫者いしや判斷はんだんうながしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
判斷はんだん成敗せいはいさすに其人の年れい月日時を聞てを立かんがへをほどこし云ふ事實にかみの如く世の人の知る處なり扨翌日にも成りければ靱負ゆきへは其身の吉凶きつきようを見ることゆゑ沐浴もくよくして身體しんたい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もし地震ぢしん初動しよどうがこの程度ていどつよさをしめしたならば、これは非常ひじよう地震ぢしんであると判斷はんだんしてあやまりはないであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
かれ只管ひたすら恐怖きようふした。しか二人ふたり見棄みすてゝくことが出來できないので、どうしていゝか判斷はんだんもつかなかつた。さうするうちにおしなの七日もぎた。かれ煩悶はんもんした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
御米およね宗助そうすけけないで、今迄いままですごしたといふのは、この易者えきしや判斷はんだんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)