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首
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こうべ
ふりがな文庫
“
首
(
こうべ
)” の例文
しかし考えて御覧なさいまし。お思い当りあそばす事がありは致しませんか。(画家
首
(
こうべ
)
を垂る。令嬢は
徐
(
しずか
)
に画家の
傍
(
かたわら
)
より離れ去る。)
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
幕府の暴逆は、いまに限らないが、いまはその
魔刃
(
まじん
)
を、宮の
首
(
こうべ
)
に加え、現帝をも
囚
(
とら
)
えて、人界の外へ、
遠流
(
おんる
)
せんとの行動に着手しだした。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
貴僧
(
あなた
)
はほんとうにお優しい。)といって、
得
(
え
)
も
謂
(
い
)
われぬ色を目に
湛
(
たた
)
えて、じっと見た。
私
(
わし
)
も
首
(
こうべ
)
を
低
(
た
)
れた、むこうでも
差俯向
(
さしうつむ
)
く。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と鸚鵡のかたへ
首
(
こうべ
)
さしいだしていふに、姉君憎むてふ鳥は、まがりたる
嘴
(
はし
)
を開きて、「さならずや、さならずや」と繰返しぬ。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「馬鹿なっ。大義も通らぬ奸徒達にむざむざこの
首
(
こうべ
)
渡してなるものかっ。やらねばならぬ者がまだ沢山あろうぞ。早う行けっ」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
鳴く虫は音をしのび、荒い獣も
首
(
こうべ
)
を
低
(
た
)
れて、茂太郎の傍へと慕い寄る……
真紅島田
(
しんくしまだ
)
の十八娘、茂太郎のために願かけて、可愛の可愛のこの美竹
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
悲しい涙か口惜しい涙か分らなかったが、兎に角気に入らないと直ぐに立ってしまう人がいつまでも
首
(
こうべ
)
を垂れて坐っていた。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼れが我身に覚えも無き事を
易々
(
やす/\
)
と白状して殆ど裁判を誤らしめんとするに至りし其不心得を痛く叱るに彼れ
屡々
(
しば/\
)
首
(
こうべ
)
を垂れ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
ゆえに戦い敗れて彼の同僚が絶望に圧せられてその故国に帰り
来
(
きた
)
りしときに、ダルガス一人はその
面
(
おも
)
に
微笑
(
えみ
)
を
湛
(
たた
)
えその
首
(
こうべ
)
に希望の春を
戴
(
いただ
)
きました。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
藤原惟成身を屈して藤原有国の家人になった時、人これを怪しんでその故を問うたところが、惟成は、「一人の
跨
(
また
)
に入りて万人の
首
(
こうべ
)
を超えんと欲す」
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
余りに
艶
(
なまめか
)
しい辺りの情景に、若い門人たちは
自
(
おのずか
)
ら誘い出される
淫蕩
(
いんとう
)
な空想にもつかれ果てたのか、今は唯
遣瀬
(
やるせ
)
なげに腕を組んで
首
(
こうべ
)
を垂れてしまった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「タマル、灰を
其
(
そ
)
の
首
(
こうべ
)
に
蒙
(
かむ
)
り、着たる
振袖
(
ふりそで
)
を裂き、手を
首
(
こうべ
)
にのせて、
呼
(
よば
)
わりつつ
去
(
さり
)
ゆけり」可愛そうな妹タマル。
恥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
時に彼三十一歳、その臨終の
遺偈
(
いげ
)
は、まことにりっぱなものであります。「四大
元
(
もと
)
主なし。五
陰
(
おん
)
本来空。
首
(
こうべ
)
を
以
(
もっ
)
て白刃に臨めば、
猶
(
なお
)
し春風を
斬
(
き
)
るが如し」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
佐藤は
如何
(
いか
)
にも寂しそうに
首
(
こうべ
)
を垂れて歩くのであった。草叢では虫が鳴いている。水田では鯉が跳ねている。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
流石
(
さすが
)
の伊達政宗をして
首
(
こうべ
)
を
俛
(
ふ
)
して兎も角も豊臣秀吉の陣に参候するに至るだけの
料簡
(
りょうけん
)
を定めしめた。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は聖像の前に立ち、声に出して
祈祷
(
きとう
)
を始めた。一同はうやうやしく
首
(
こうべ
)
をたれた。地主のマクシーモフは格別ありがたそうに合掌しながら、ひときわ前へ乗り出した。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
左
(
さ
)
れば我党の士が旧幕府の時代、
即
(
すなわ
)
ち彼の
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
の塾より
新銭座
(
しんせんざ
)
の塾に又今の三田に移りし後に至るまでも、勉強辛苦は誠に辛苦なりしかども、
首
(
こうべ
)
を
回
(
めぐ
)
らして世上を
窺
(
うかが
)
い
〔気品の泉源、智徳の模範〕
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
恐れ入ったような形で畳に
額
(
ひたい
)
を当てたまゝ
畏
(
かしこ
)
まっている河内介は、そのあたりに立ちまよう
仄
(
ほの
)
かな品のよい
薫
(
た
)
き物の香に鼻を
撲
(
う
)
たれて、ひとしお威壓されたように
首
(
こうべ
)
を垂れた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
果
(
はた
)
して
心
(
こころ
)
の
平静
(
へいせい
)
が
保
(
たも
)
てるであろうか、
果
(
はた
)
して
昔
(
むかし
)
の、あの
醜
(
みぐる
)
しい
愚痴
(
ぐち
)
やら
未練
(
みれん
)
やらが
首
(
こうべ
)
を
擡
(
もた
)
げぬであろうか……
何
(
ど
)
う
考
(
かんが
)
えて
見
(
み
)
ても
自分
(
じぶん
)
ながら
危
(
あぶな
)
ッかしく
感
(
かん
)
じられてならないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼は「
磧裡
(
せきり
)
の
征人
(
せいじん
)
三十万、一時
首
(
こうべ
)
を
回
(
めぐ
)
らして月中に看る」の詩を
罵
(
ののし
)
りて曰く、「これ
豈
(
あ
)
に
丈夫
(
じょうふ
)
の本色ならんや」と。
然
(
しか
)
れども彼は故郷を懐えり、故郷の父母は、恒に彼の心に伴えり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
或いは
熱海
(
あたみ
)
線の小田原駅に下車した人々が、
首
(
こうべ
)
を
回
(
めぐ
)
らせて眼を西北方の空に
挙
(
あ
)
げるならば人々は、
恰
(
あたか
)
も箱根連山と足柄連山の境界線にあたる明神ヶ岳の山裾と道了の森の背後に位して
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
仰ぎ願わくは、山王七社、王子
眷属
(
けんぞく
)
、東西満山護法
聖衆
(
しょうじゅ
)
、日光月光、無二の丹誠を照らし、唯一の
玄応
(
げんおう
)
を垂れ給え。さすれば逆賊謀臣はたちどころに軍門に下り、
首
(
こうべ
)
を京土にさらさん。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
と
和
(
やわ
)
らかに言わるゝ程気味が悪うございますから、源兵衞は
恐
(
おそ
)
る/\
首
(
こうべ
)
を上げ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
久慈から聞いた
遂
(
つい
)
に汎米連邦に動員令が出たとの飛報は、私を強く興奮させてしまった。なかなかベッドに入るどころではない。
首
(
こうべ
)
を
巡
(
めぐ
)
らせば、今オリオン星座が、水平線下に没しつつある。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
首
(
こうべ
)
を
俯
(
ふ
)
してこちらの様子を窺っているらしいので、下役人は更に二の矢を射かけると、今度はその胸に命中したので、さすがの怪物も驚いたらしく、遂にうしろを見せておめおめと立ち去った。
中国怪奇小説集:06 宣室志(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
期限が来て農夫から葡萄園の地代を受け取るために
僕
(
しもべ
)
をその許に
遣
(
つか
)
わしたのに、彼らはこれをとらえて打ち叩き、
空手
(
むなで
)
にて帰らしめた。またほかの僕を遣わしたのに、その
首
(
こうべ
)
に傷つけ、かつ
辱
(
はずかし
)
めた。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
貞之進の
首
(
こうべ
)
は前に垂れて果は俯伏しになってしまった。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
静かに、
首
(
こうべ
)
を
廻
(
めぐ
)
らして、ジッと姉の視線を迎えた。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
夜目にもガックリと男の
首
(
こうべ
)
がうなだれていた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
首
(
こうべ
)
を
賭
(
と
)
することは宜しゅうございますまい。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
彼はそう思って、孔子の前に
首
(
こうべ
)
をたれた。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
龍
(
りよう
)
首
(
こうべ
)
を
俯
(
ふ
)
し尾を
垂
(
た
)
れて、
遁
(
のが
)
る。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
光子は涙浮びたる眼を開きて、わずかに老婦人を
瞥見
(
べっけん
)
せるのみ、
打戦
(
うちおのの
)
きて手足を
竦
(
すく
)
め、前髪こぼれて地に敷くまで、
首
(
こうべ
)
を垂れて
俯向
(
うつむ
)
きぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人々の
首
(
こうべ
)
は、一斉にそのほうへ振向いた。見ればその人は、
貌相
(
ぼうそう
)
魁偉
(
かいい
)
胸ひろく
双肩
(
そうけん
)
威風をたたえ、武芸抜群の勇将とは見られた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『ファイルヘン、ゲフェルリヒ』(すみれめせ)と、うなだれたる
首
(
こうべ
)
を
擡
(
もた
)
げもあへでいひし声の清さ、今に忘れず。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そもそもかく身分ある者までが、自ら好んで賤民の列に落ちるというのはどういう訳かと申しますと、当時の語に、「一人の
跨
(
また
)
に入りて万人の
首
(
こうべ
)
を
超
(
こ
)
える」
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「うろたえ者めが。退りおろうぞっ。私怨の刃に討たれる
首
(
こうべ
)
持っていぬわっ。退れっ。退れっ。退りおれっ」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
どうぞお取次ぎ下されまし、と
首
(
こうべ
)
を低くして頼み入るに、為右衛門じろりと十兵衛が
垢臭
(
あかくさ
)
き
頭上
(
あたま
)
より白の鼻緒の鼠色になった草履はき居る足先まで
睨
(
ね
)
め下し、ならぬ、ならぬ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
夫も到頭
追払
(
おっぱら
)
いやッとの事で引上る運びに達しましたが、其引上る道々も検査官は藻西太郎を慰めようとしますけれど彼れ
首
(
こうべ
)
を垂れて深く考え込む様子で一言も返事しません
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
けれども、それから更に、こん、こん、と二つ弱い咳をしたが、それは、あきらかに嘘の咳であった。身だしなみのよい男は、その咳をしすましてから、なよなよと
首
(
こうべ
)
をあげた。
あさましきもの
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
人物が大きくって徳がある、英雄
首
(
こうべ
)
をめぐらせばすなわち
神仙
(
しんせん
)
である、西郷は乱世には英雄になれる、頭の振りよう一つでは聖人にも仙人にもなれるところが豪傑中の豪傑だ、おそらく
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これ家来の無調法を主人が
詫
(
わぶ
)
るならば、
大地
(
だいじ
)
へ両手を突き、
重々
(
じゅう/″\
)
恐れ入ったと
首
(
こうべ
)
を
地
(
つち
)
に叩き着けて
詫
(
わび
)
をするこそ
然
(
しか
)
るべきに、
何
(
なん
)
だ片手に刀の
鯉口
(
こいぐち
)
を切っていながら詫をする
抔
(
など
)
とは侍の法にあるまい
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鐘の音、といえば、かのミレーの描いた名画に「アンゼラスの鐘」というのがあります。年若き夫婦が相向かって立っている図です。互いに
汚
(
きたな
)
いエプロンをかけて
首
(
こうべ
)
をうなだれて立っている図です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
と、自分の
首
(
こうべ
)
をさし伸べて、手で斬る真似をしてみせた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と僕達は朧夜の街頭に立ち止まって、
首
(
こうべ
)
を
鳩
(
あつ
)
めていた。
人生正会員
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
黒き旗を立つ、
垂頭
(
うなだ
)
れしわが
首
(
こうべ
)
の上に。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
竜
首
(
こうべ
)
を
俯
(
ふ
)
し尾を
垂
(
た
)
れて、
遁
(
のが
)
る。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
敵将の
首
(
こうべ
)
を挙げたるごとく、ずい、と掲げて、
風車
(
かざぐるま
)
でも廻す気か、肌につけた
小児
(
しょうに
)
の上で、くるりくるりとかざして見せたが
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もしこの上、あの
首
(
こうべ
)
を私に賜わり、
篤
(
あつ
)
く葬ることをお許し下さるなら、身の一命はおろか、三族を罪せられようとも、お恨みはつかまつりません
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その履歴知るものなけれど、
教
(
おしえ
)
ありて気象よの常ならず、
汙
(
けが
)
れたる
行
(
おこない
)
なければ、美術諸生の仲間には、喜びて友とするもの多し。
善
(
よ
)
き
首
(
こうべ
)
なることは見たまふ如し。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“首”の解説
くび(首、頸, neck)とは頸部(けいぶ)、すなわち、人体において頭(頭部)と胴体をつなぐ部位である。
日本語ではまた、頭部そのものを指す場合もある。
(出典:Wikipedia)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
“首”を含む語句
首肯
匕首
首領
船首
梟首
首引
首級
頸首
乳首
首尾
猪首
首府
馘首
首縊
俛首
首飾
首里
襟首
頓首
落首
...