電報でんぱう)” の例文
しか今更いまさらなんとかとか長文句ながもんく手紙てがみけないものだから、『承諾しようだくい』といた電報でんぱうやう葉書はがきしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
樵夫そまやとふてぼくさがす、このくら溪底たにそこぼく死體したいよこたはつてる、東京とうきやう電報でんぱうつ、きみ淡路君あはぢくんんでる、そしてぼくかれてしまう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
る一學生がくせい横濱よこはままできましたが、ばんつてもかへりませんから、心配しんぱいして電報でんぱうもて消息せうそくあはせました。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
『でも、らしてだけははういんですのよ、ようとおも氣持きもちがありさへしたら、すぐにてくれるかもしれませんからね、ね、電報でんぱうちませうね?』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
佐伯さへきから電報でんぱうつて、ひさりに出京しゆつきやうした宗助そうすけは、葬式さうしきましたうへうち始末しまつをつけやうおもつて段々だん/\調しらべてると、るとおもつた財産ざいさん案外あんぐわいすくなくつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところで——ちゝの……危篤きとく……生涯しやうがい一大事いちだいじ電報でんぱうで、とし一月いちぐわつせついまだ大寒たいかんに、故郷こきやう駈戻かけもどつたをりは、汽車きしやをあかして、敦賀つるがから、くるまだつたが、武生たけふまででれた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いよ/\といふた。荷物にもつといふ荷物にもつは、すつかりおくられた。まづをとこ一足ひとあしきに出發しゆつぱつして先方せんぱう都合つがふとゝのへ、それから電報でんぱうつて彼女かのぢよ子供こどもぶといふ手筈てはずであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
幾回いくくわいものカンフル注射ちうしやほどこされて、みな彼女かのぢよ身内みうちものが、一人ひとりでもてくれることのぞんでゐたが、電報でんぱうつたにもかゝはらず、誰一人たれひとり、たうとうなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
はう心配しんぱいして電報でんぱうまでけたのであるから其時そのとき返電へんでんをしてもらへば無益むえき心配しんぱいけつしてしません。一寸ちよつとしたことであるが日本にほん婦女子ふぢよしには往々わう/\斯樣かやう等閑なをざりおほいのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
「この電報でんぱうつてた。巖谷いはやとこだ、局待きよくまちにして、返辭へんじつてかへるんだよ。いそぐんだよ。」で、きよくで、局待きよくまちふと、局員きよくゐん字數じすうかぞへて、局待きよくまちには二字分にじぶん符號ふがうがいる。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御国許おくにもと電報でんぱうをお被成なさりましては如何いかゞでござりませう。』と枕許まくらもとすはつてました。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で、宿やど了見れうけんばかりで電報でんぱうつた、とえて其処そこ出逢であつた一群いちぐんうちには、おうら親類しんるゐ二人ふたりまざつた、……なかない巡査じゆんさなどは、おな目的もくてきで、べつ方面はうめんむかつてるらしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いゝえ私等わたくしども東京とうきやう修行しゆぎやうまゐつてるものでござるが、今度こんど國許くにもとちゝ急病きふびやうまを電報でんぱうかゝつて、それかへるのでござるが、いそいで見舞みまはんければなりませんので、むをふねにしました。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「えゝ、列車れつしやでは横濱よこはま電報でんぱうあつかひません、——大船おほふなちますから。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「もし/\、電報でんぱうひとつおねがまをしたうございます。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電報でんぱういたのは、翌日よくじつ午前ごぜん十時じふじぎであつた。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女房にようばう紛失ふんしつした、と親類しんるゐ知己ちき電報でんぱうけられない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
電報でんぱうを——」
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)