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遠山
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とほやま
ふりがな文庫
“
遠山
(
とほやま
)” の例文
建續
(
たてつゞ
)
く
家
(
いへ
)
は、なぞへに
向
(
むか
)
うへ
遠山
(
とほやま
)
の
尾
(
を
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
其方此方
(
そちこち
)
の、
庭
(
には
)
、
背戸
(
せど
)
、
空地
(
あきち
)
は、
飛々
(
とび/\
)
の
谷
(
たに
)
とも
思
(
おも
)
はれるのに、
涼
(
すゞ
)
しさは
氣勢
(
けはひ
)
もなし。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
讓
(
ゆづ
)
りしとぞ
爰
(
こゝ
)
に又丁山と小夜衣の兩人は
程
(
ほど
)
なく
曲輪
(
くるわ
)
を出てたり姉の丁山二世と
言替
(
いひかは
)
せし
遠山
(
とほやま
)
勘
(
かん
)
十郎と云し人も病死なせしかば其跡を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
丁度
(
ちやうど
)
其
(
その
)
頃高等師範をお出になつた
遠山
(
とほやま
)
さんと云ふ方が東京から私等の先生になりに来て下さいました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
土井は大目附
時田肇
(
ときだはじめ
)
に、岡野
小右衛門
(
こゑもん
)
、菊地鉄平、
芹沢
(
せりざは
)
啓次郎、
松高縫蔵
(
まつたかぬひざう
)
、
安立讃太郎
(
あだちさんたらう
)
、
遠山
(
とほやま
)
勇之助、斎藤
正五郎
(
しやうごらう
)
、菊地
弥六
(
やろく
)
の八人を附けて、これに逮捕を命じた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
雲
(
くも
)
かゝる
遠山
(
とほやま
)
はたといふのは、
雲
(
くも
)
のかゝつてゐる
景色
(
けしき
)
が、
見
(
み
)
えてゐるのではありますまい。
恐
(
おそ
)
らく
西行
(
さいぎよう
)
の
知
(
し
)
つた
人
(
ひと
)
が、
西行
(
さいぎよう
)
と
同
(
おな
)
じように、
遠山
(
とほやま
)
にかすかな
修道
(
しゆどう
)
の
生活
(
せいかつ
)
をしてゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
遠山
(
とほやま
)
に沈む斜陽のうす黄色の中に、うすら寒い谷の影を、描き出されるやうになつた。
天竜川
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
遠山
(
とほやま
)
雪
(
ゆき
)
のはるけさ。
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
含
(
ふく
)
む
姿
(
すがた
)
に
高下
(
かうげ
)
なく
心
(
こゝろ
)
に
隔
(
へだ
)
てなく
墻
(
かき
)
にせめぐ
同胞
(
はらから
)
はづかしきまで
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
はるゝ
水
(
みづ
)
と
魚
(
うを
)
の
君
(
きみ
)
さま
無
(
な
)
くは
我
(
わ
)
れ
何
(
なん
)
とせんイヤ
汝
(
われ
)
こそは
大事
(
だいじ
)
なれと
頼
(
たの
)
みにしつ
頼
(
たの
)
まれつ
松
(
まつ
)
の
梢
(
こずゑ
)
の
藤
(
ふぢ
)
の
花房
(
はなぶさ
)
かゝる
主從
(
しゆうじう
)
の
中
(
なか
)
またと
有
(
あ
)
りや
梨本
(
なしもと
)
何某
(
なにがし
)
といふ
富家
(
ふうか
)
の
娘
(
むすめ
)
に
優子
(
いうこ
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
容貌
(
きりやう
)
よし
色白
(
いろじろ
)
の
細
(
ほそ
)
おもてにして
眉
(
まゆ
)
は
※
(
かすみ
)
の
遠山
(
とほやま
)
がた
花
(
はな
)
といはゞと
比喩
(
たとへ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
はじめ
遠山
(
とほやま
)
の
雲
(
くも
)
の
薄衣
(
うすぎぬ
)
の
裾
(
すそ
)
に、ちら/\と
白
(
しろ
)
く、
衝
(
つ
)
と
冷
(
つめた
)
く
光
(
ひか
)
つて
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
した、
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
の
色
(
いろ
)
を
遙
(
はるか
)
に
望
(
のぞ
)
んだ
時
(
とき
)
は、
錦
(
にしき
)
の
衾
(
ふすま
)
を
分
(
わ
)
けた
仙宮
(
せんきう
)
の
雪
(
ゆき
)
の
兎
(
うさぎ
)
と
見
(
み
)
た。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
遠山
(
とほやま
)
ばた——このはたは、
山
(
やま
)
の
傍
(
そば
)
といふことでなく、やはり、
山
(
やま
)
の
畠
(
はたけ
)
でせう——その
秋
(
あき
)
の
雲
(
くも
)
が、
絶
(
た
)
えずかゝつてゐるはずの、
遠
(
とほ
)
い
山家
(
やまが
)
の
畠
(
はたけ
)
のあるところが、
秋
(
あき
)
が
來
(
く
)
るといふと
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
猶
(
なほ
)
見ゆ、
遠山
(
とほやま
)
の
尖
(
さき
)
の
如
(
ごと
)
く
聳
(
そば
)
だつ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
秩父
(
ちゝぶ
)
遠山
(
とほやま
)
、
筑波山
(
つくばやま
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
司馬相如
(
しばさうじよ
)
が
妻
(
つま
)
、
卓文君
(
たくぶんくん
)
は、
眉
(
まゆ
)
を
畫
(
ゑが
)
きて
翠
(
みどり
)
なること
恰
(
あたか
)
も
遠山
(
とほやま
)
の
霞
(
かす
)
める
如
(
ごと
)
し、
名
(
な
)
づけて
遠山
(
ゑんざん
)
の
眉
(
まゆ
)
と
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
宮人
(
きうじん
)
は
眉
(
まゆ
)
を
調
(
とゝの
)
ふるに
青黛
(
せいたい
)
を
以
(
も
)
つてす、いづれも
粧
(
よそほ
)
ふに
不可
(
ふか
)
とせず。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠山
(
とほやま
)
に沈み去り
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
道
(
みち
)
にさし
出
(
で
)
た、
松
(
まつ
)
の
梢
(
こずゑ
)
には、
紫
(
むさらき
)
の
藤
(
ふじ
)
かゝつて、どんよりした
遠山
(
とほやま
)
のみどりを
分
(
わ
)
けた
遅桜
(
おそざくら
)
は、
薄墨色
(
うすずみいろ
)
に
濃
(
こ
)
く
咲
(
さ
)
いて、
然
(
しか
)
も
散敷
(
ちりし
)
いた
花弁
(
はなびら
)
は、
散
(
ちり
)
かさなつて
根
(
ね
)
をこんもりと
包
(
つゝ
)
むで、
薄紅
(
うすあか
)
い。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠山
(
とほやま
)
の
襞
(
ひだ
)
に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
柳
(
やなぎ
)
の
奧
(
おく
)
に、
葉
(
は
)
を
掛
(
か
)
けて、
小
(
ちひ
)
さな
葭簀張
(
よしずばり
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
が
見
(
み
)
えて、
横
(
よこ
)
が
街道
(
かいだう
)
、すぐに
水田
(
みづた
)
で、
水田
(
みづた
)
のへりの
流
(
ながれ
)
にも、はら/\
燕子花
(
かきつばた
)
が
咲
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
ます。
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
は、
薄碧
(
うすあを
)
い、
眉毛
(
まゆげ
)
のやうな
遠山
(
とほやま
)
でした。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
てく/\と
沼
(
ぬま
)
へ
出向
(
でむ
)
く、と
一刷
(
ひとは
)
け
刷
(
は
)
いた
霞
(
かすみ
)
の
上
(
うへ
)
へ、
遠山
(
とほやま
)
の
峰
(
みね
)
より
高
(
たか
)
く
引揚
(
ひきあ
)
げた、
四手
(
よつで
)
を
解
(
と
)
いて
沈
(
しづ
)
めたが、
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
持
(
も
)
つては
帰
(
かへ
)
られぬ
獲物
(
えもの
)
なれば、
断念
(
あきら
)
めて、
鯉
(
こひ
)
が
黄金
(
きん
)
で
鮒
(
ふな
)
が
銀
(
ぎん
)
でも、
一向
(
いつかう
)
に
気
(
き
)
に
留
(
と
)
めず
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠山
(
とほやま
)
の
雪
(
ゆき
)
の
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
すやうで、
夕餉
(
ゆふげ
)
の
煙
(
けむり
)
が
物寂
(
ものさび
)
しう
谷
(
たに
)
へ
落
(
おち
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“遠山”の意味
《名詞》
遠いところに見える山。
(出典:Wiktionary)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“遠山”で始まる語句
遠山左衛門尉
遠山雲如
遠山金四郎
遠山台
遠山川
遠山影
遠山様
遠山蔭
遠山藤
遠山紅葉