“膝:ひざ” の例文
“膝:ひざ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花59
芥川竜之介29
宮沢賢治27
太宰治27
夏目漱石24
“膝:ひざ”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語61.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
が、女はその次の瞬間には、見る見る恥しそうな色に頬を染めて、また涙にうるんだ眼を、もう一度ひざへ落してしまった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それがこの才はじけた童女を、ひざまでぐらいな、わざと短く仕立てた袴と共に可憐かれんにもいたずらいたずらしく見せた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
お延が礼を云って書物をひざの上に置くと、叔父はまた片々かたかたの手に持った小さい紙片かみぎれを彼女の前に出した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのとき娘が「あらっ!」と云って、椀を下に置いた。そして、「まあ、木下さんが」と云って眼をみはってひざを立てた。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
さすがは、と言ってひざを打って感嘆する人も昔はあったが、それはあまり大袈裟おおげさすぎるので、いまは、はやらない。
不審庵 (新字新仮名) / 太宰治(著)
老婦人はおもむろに茶をすすりて、うつむきて被布のひざをかいなで、仰いで浪子の顔うちまもりつつ、静かに口を開き始めぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「よきはどうしたんだ」おつぎはきしあがつてどろだらけのあしくさうへひざついた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
りながら、りながら、同一おなじ子持こもちでこれがまた野郎やらうひざにぞいたりける。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
唯今ただいま」と校長がとうとした時、梅子は急に細川の顔を見上げた、そして涙がはらはらとそのひざにこぼれた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ふと見ると、川の中に、これは一人の重傷兵がひざかがめて、そこで思いきり川の水を呑みふけっているのであった。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
など乳母は言った。姫君が手を前へ伸ばして、立っている源氏のほうへ行こうとするのを見て、源氏はひざをかがめてしまった。
源氏物語:18 松風 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と言わせると、きれいなきゃしゃな姿で美装したわらべが縁を歩いて来た。円座を出すと、御簾みすの所へひざをついて、
源氏物語:56 夢の浮橋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
見ると、グレプニツキーの右足は、凍傷のため、ひざから下を切断されていて、当て木の先には、大きく布片が結び付けてある。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
女もしばらくは言い出づる辞もなく、ただつらそうに首をばれて、自分のひざ吹綿ふきわたいじっていたが
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
君江はひざの上に肩掛をもてあそびながらぼんやり易者の顔を見ていたが、その判断は全くその身に覚えがない事ではない。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いてときあり、稚兒をさなごのやうになりて正雄まさをひざまくらにしてときあり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
父親ちゃん何故なぜ魚を食べないのだろう、)とおもいながらひざをついて、伸上のびあがって、鋸を手元に引いた。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
客は長い話を終ると、ひざの前の茶碗をとり上げた。が、それに唇は当てず、わたしの顔へ眼をやって、静にこうつけ加えた。
捨児 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
といってあぐらのひざで貧乏ゆすりをし始めた。さすがの葉子も息気いきをつめて、泣きやんで、あきれて倉地の顔を見た。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「そうだ!」と自分はひざった時、頭から水を浴たよう。がけ蹈外ふみはずそうとした刹那せつなの心持。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ええひどい蚊だ」ひざのあたりをはたとてり。この音にや驚きけん、馭者は眼覚めさまして、あくびまじりに、
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことに今夜は市之助という飲み相手があるので、彼はうかうかと量をすごして、お染の柔かいひざを枕に寝ころんでしまった。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は二十年余も会わない人とひざを突き合せながら、大した懐かしみも感じ得ずに、むしろ冷淡に近い受答えばかりしていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
銃をいだいたロビンソンはぼろぼろのズボンのひざをかかえながら、いつも猿を眺めてはものすごい微笑を浮かべていた。
三つのなぜ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
小作人たちと自分とが、本当に人間らしい気持ちで互いにひざを交えることができようとは、夢にも彼は望み得なかったのだ。
親子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
粗野で魯鈍ろどんではあるが、しかし朴直ぼくちょくな兼吉の目からは、百姓らしい涙がほろりとそのひざの上に落ちた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
連日の奔走にくたぶれて、会所に集まるものはいずれもひざをくずしながら、凱旋兵士のうわさや会津戦争の話で持ちきった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お種はいくらかあおざめて見えた。お仙のすすめる素湯さゆを一口飲んで、両手をひざの上に置きながら、頭を垂れた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
藤の花はもう終って、やわらかな午後の日ざしが、その葉をとおして私たちのひざの上に落ち、私たちの膝をみどりいろに染めた。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
お庄はひざへ乗っかって来る猫を気味悪がって、尻をもぞもぞさせていると、女は長火鉢の向うからじろじろ見て笑っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
群集ぐんしふは一威勢ゐせいがついて巫女くちよせひざちかくまでぎつしりと座敷ざしきふさいだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
代助はひざうへに手を置きながら、あに真面目まじめな顔をして、自分をかついたんぢやなからうかと考へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
座敷には梅子が新聞しんぶんひざうへせて、み入つたにはみどりをぼんやり眺めてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もろ土屑つちくずがボロボロ前掛けの上にこわれて、ひざの上にあふれた銅貨は、かなりズシリと重みがあった。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
しづえは向うの唐紙の際へ行って、こん度はひざを衝いて、「いらっしゃいました」と云って、少し間を置いて唐紙を開けた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
おちゃらはさも退屈らしい顔をして、絎紐くけひも程の烟管挿きせるさしを、ひざの上で結んだり、ほどいたりしている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
使部たちは若者を包んだまま動くことが出来なかった。宿禰は若者のひざの下で、なおその老躯を震わせながら彼らにいった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「お茶でもれましょうか?」ひざの上で何やら本を読み出していたお照が、ふいとその本から目を上げて、弘に言った。
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
泰軒は軽く言って、ひざもとにひきつけた貧乏徳利びんぼうどくりを手にとりあげ仰向いてグビリグビリ、燃料を補給しだした。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
客は二人である。西宮は床の間をうしろ胡座あぐらを組み、平田は窓をうしろにしてひざくずさずにいた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
彼女は襤褸ぼろゆかに取り散らし、足下に積み、両手にいっぱい握り、ひざの上に広げて、その中にじっとしていた。
彼女をひざの上に抱き上げて、その小さな愛情のことや、男をあやなしていることや、結婚のことなどで、彼女をからかった。
小さい太郎は、お婆さんのひざから糸切れをとつて、かぶと虫のうしろの足をしばりました。そして縁板の上を歩かせました。
かぶと虫 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
「どうして、そんなに、小さくなつたのか。そのわけを、おはなし。」と、皇子さまは、小いおひざを、お進めになりました。
岩を小くする (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
すそひざ引包ひつくるめて、そであたま突込つツこむで、こと/\むしかたちるのに
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老人は、その台帳をうやうやしく受取つて自分のひざの上で開いた。黒いはかまをはいた病弱さうな少女が、茶を持つて来た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
同時に章一の体は横に倒れて椅子いすから落ちた。それは両脚をひざの上から切断せられた血みどろの章一の死体であった。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
が、孫の太郎は襖を開けるや否や、子供のみが持っている大胆と率直とをもって、いきなり馬琴のひざの上へ勢いよくとび上がった。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その日の彼等は又同胞はらからにも得べからざるしたしみて、ひざをもまじへ心をも語りしにあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「まだ本当の秋の気分にゃなれない。もう少したなくっちゃ駄目だね」と答えて彼はひざの上に伏せた厚い書物を取り上げた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
姫は直ぐにザブザブと湖の中に這入って行きましたが、水は次第に深くなって、ひざから腰へ腰から胸へと届いて来ました。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
婆やはひざをついたなりでのぞきこむように、お母さんと八っちゃんの顔とのくっつき合っているのを見おろしていた。
碁石を呑んだ八っちゃん (新字新仮名) / 有島武郎(著)
かみ御手みてつばさひろげて、そのひざそのそのかたそのはぎ
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
翩飜へんぽんひるがへ艦尾かんび帝國軍艦旗ていこくぐんかんきしたひざんで、シヤシヤン
そして、だまって自分のたなのところへ行くと、端へひざから下の足をブラ下げて、関節を掌刀てがたなでたたいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
健康そのものとも言いたいお徳がふとったひざを乗り出して、腕に力を入れた時は、次郎もそれをどうすることもできなかった。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女はそこらをかたづけていたらしかったが、もう、おずおずしながらしかたなく自分も上にあがって、向うの方にひざを突きながら、
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
その草地のまん中に、せいの低いをかしな形の男が、ひざを曲げて手に革鞭かはむちをもつて、だまつてこつちをみてゐたのです。
どんぐりと山猫 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
早く頬摺ほおずりしてひざの上に乗せ取り、護謨ゴム人形空気鉄砲珍らしき手玩具おもちゃ数々の家苞いえづとって
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
たゞ黒髮くろかみなかあはくかざしたるが、手車てぐるまえたり、小豆色あづきいろひざかけして
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
洋燈ランプもやっと三分さんぶしん黒燻くろくすぶりの影に、よぼよぼしたばあさんが、頭からやがてひざの上まで
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婀娜あだこゑで、ひざさすつて、美人びじんがとりなしても、ひげつてかないので。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
史上しじょう名高なだか御方おかたうしてひざまじえてしたしく物語ものがたるのかとおもうと
二郎が耳にはこの声いかに響きつらん、ただかれがそのたなごころを静かにひざの上に置きて貴嬢がつれの方をきっと見たる
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼女のせた姿は、じっと身動きもせず、少しがっかりしたような様子で、足を軽く組み、両手をひざの上に平たく重ねていた。
身体をねじまげた無作法な像ばかりで、そのひざの間には火が燃えたち、ももにはがまへびい上がっていた。
一瞬間のうちに、ひとりはもひとりの下に組みしかれ、ひざでぐっと胸を押さえられて、ねじ伏せられうなりもがいていた。
しかもあかじみた萌黄色もえぎいろの毛糸の襟巻えりまきがだらりと垂れ下ったひざの上には、大きな風呂敷包みがあった。
蜜柑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
老爺ぢいは、もつぺのひざ小刀屑こがたなくづはたきながら、まゆをふさ/\とゆすつてわらひ、
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その草地のまん中に、せいの低いおかしな形の男が、ひざを曲げて手に革鞭かわむちをもって、だまってこっちをみていたのです。
どんぐりと山猫 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ポンとひざたたいて、お妙の思いついたのが、いま金山寺屋に教えられた、その、神田帯屋小路の喧嘩渡世、茨右近という人。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ちと、御意を得たいことがある程に、坐ってたもらぬか」こう云いながら、藤十郎は、心持ち女の方へひざをすすませた。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
分間ぷんかんもくして両手りょうてひざこすっていた郵便局長ゆうびんきょくちょうはまた云出いいだした。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
背中をすべっこい壁にもたせかけ、あしげ、両手をひざの上に組み、じっとしていると、まことに工合がよい。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
ひぢを打たれて、思はず庖丁を取落したお越、次の瞬間には、ガラツ八の我武者羅なひざの下に組敷かれて居りました。
三千代は水いじりで爪先つまさきの少しふやけた手をひざの上に重ねて、あまり退屈だから張物をしていた所だと云った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
平次はその先を促すようにひざを進めました。お品の持って来た話は、どうやら退屈病を一遍に吹飛ばしてしまいそうです。
爺さんは庭土の上に片ひざをつき、片手でその犯罪者の首根をおさえつけると、あとの手で一本、一本羽毛を抜いて行った。
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
だ暑いから股引ももひき穿かず、跣足はだし木屑きくずの中についたひざもも、胸のあたりは色が白い。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胃の消化よく夢も見ず快眠をむさぼり得た夜の幸福はおそらく美人のひざまくらにしたにも優っているであろう。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
僕等はその時にどこへ行つたのか、かく伯母をばだけは長命寺ちやうめいじの桜餅を一籠ひとかごひざにしてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
帳場にすわり込んだ内儀かみさんのひざにもたれて、七つほどの少女が、じっと葉子の目を迎えて葉子を見つめていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
机の前に少しひざを崩して坐り、それから眼鏡をはずして、にやにや笑いながらハンケチで眼鏡の玉を、せっせと拭いた。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
と、しやがんでひざにぢつと兩手りやうてをついたまま、敏樹としきなにおそれるやうなこゑささやいた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「だからさ、ひざとも談合と云うじゃありませんか。こんな時には、ちっと相談にいらっしゃるがいいじゃありませんか」
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ホウ、こうして見ると、思いのほか大きなものだ……どうだネ、ひざは曲げてらなくても好かろうか」と森彦が注意した。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
庸三が自動車で買いものをして歩く彼女を、ひざのうえに載せて、よく銀座や神田あたりへ出たのも、そのころであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
やがてドクトルはのり硬張こわばった診察着でやって来て、ベッドの傍にひざをついて聴診器をつかいはじめた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
武男は岩をはらい、ショールを敷きて浪子を憩わし、われも腰かけて、わがひざいだきつ。「いいなぎだね!」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
その前に、彼は何かひざまずくような重々しい気持で、きたつ自分の憤怒ふんぬを、唇をかみつけることによってのみこんだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
貞白はひざった。「なるほど/\。そういうお考えですか。よろしい。一切わたくしが引き受けましょう。」
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すると怪しい乗客のれである若い女が博士の方へ身体をおっかぶせるようにのしかかって来て、女のひざが博士の膝を強く押した
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大和はた沈黙せしが、やがて梅子のかたひざを向けぬ「山木さん、何時、先生を拘引すると申すのです」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ト、いひつつ進みよりて、聴水が襟頭えりがみ引掴ひっつかみ、罠をゆるめてわがひざの下に引きえつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
画家。(一瞬間令嬢を凝視し、突然そのひざに身を投げかけ、両手を肩に掛け、いだき付きて叫ぶように。)ああ。ヘレエネさん。
深切な婆々ばばは、ひざのあたりに手を組んで、客の前にかがめていた腰をして、ゆびさされた章魚たこを見上げ、
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みとめたが、萎々なえ/\として、兩方りやうはう左右さいうから、一人ひとり一方いつぱうひざうへ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くちばしゆかたゝき、うなじれてうけたまはり、殿とのひざにおはします
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「何処をやられたのです」と訊ねると、「ひざじゃ」とそこを押えながらしわの多い蒼顔そうがんゆがめる。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
さていよいようしてははひざわせてると、ひたぶるにむねせまるばかりで
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