職人しよくにん)” の例文
そのすがたは股引もゝひき草鞋わらんずにてあたゝかに着てつとむるなり。又寒中裸参はだかまゐりといふあり、家作にかゝはるすべての職人しよくにん若人わかうどらがする事なり。
ほんに兩爲りやうだめ御座ござんすほどにと戯言じようだんまじり何時いつとなく心安こゝろやすく、おきやうさんおきやうさんとて入浸いりびたるを職人しよくにんども挑發からかひては帶屋おびや大將たいしやうのあちらこちら
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
友造ともざう袖崎そでさきうちおんがあるとつたのもほかではない、けんきこえた蒔繪師まきゑしだつた、かれちゝとしつかへて、友造ともざう一廉ひとかどうで出來でき職人しよくにんであつたので。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
盆栽ぼんさいならべた窓のそと往来わうらいには簾越すだれごしに下駄げたの音職人しよくにん鼻唄はなうた人の話声はなしごゑがにぎやかにきこえ出す。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
簡單かんたん普請ふしんには大工だいくすこのみ使つかつただけその近所きんじよ人々ひと/″\手傳てつだつたので仕事しごとたゞにちをはつた。なが嵩張かさばつた粟幹あはがら手薄てうすいた屋根やねれも職人しよくにんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると狂歌師きやうかしなか職人しよくにんれたら品格ひんが悪くなるだらうとこばんだものもあつたが、ナニ職人しよくにんだツて話が上手じやうずなら仔細しさいないとふ事で、可楽からくれてやらせて見た所が、大層たいそう評判ひやうばんよろしく
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると明方あけがたうち女主人をんなあるじはう暖爐造だんろつくり職人しよくにんた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
詩人しじんこれでは、鍛冶屋かじや職人しよくにん宛如さながらだ。が、そにる、る、りつゝあるはなんであらう。没薬もつやくたんしゆかうぎよく砂金さきんるゐではない。蝦蟇がまあぶらでもない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゝ此樣こん浮氣者うわきものにはれがしたと思召おぼしめす、三だいつたはつての出來できそこね、親父おやぢが一せうもかなしいことでござんしたとてほろりとするに、その親父おやぢさむはとひかけられて、親父おやぢ職人しよくにん
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
天地啊呍てんちあうん手拭てぬぐひはすつかひに突張つツぱつて、背中せなかあらつてたのは、刺繍ほりもののしなびた四十五六の職人しよくにんであつた。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ずつとお月樣つきさまのさすはうへ、さ、蒲團ふとんれ、蒲團ふとんへ、うもたゝみきたないので大屋おほやつてはいたが職人しよくにん都合つがふがあるとふてな、遠慮ゑんりよなにらない着物きものがたまらぬかられをひて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
氷川神社ひかはじんじや石段いしだんしたにてをがみ、此宮このみや植物園しよくぶつゑん竹藪たけやぶとのあひださかのぼりて原町はらまちかゝれり。みち彼方あなた名代なだい護謨ごむ製造所せいざうしよのあるあり。職人しよくにん眞黒まつくろになつてはたらく。護謨ごむにほひおもてつ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
で、髯旦ひげだんの、どぶりと徳利とくりいてるのを待兼まちかねた、みぎ職人しよくにん大跨おほまたにひよい、とはひると
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……一度いちど職人しよくにんいへ節分せつぶんいそがしさに、わたし一人ひとりて、したがけを踏込ふみこんだ。一度いちど雪國ゆきぐにでする習慣ならはしれた足袋たびを、やぐらにしたひもむすびめがけてちたためである。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
就中なかんづく、ねうちものは、毛卷けまきにおしどりの羽毛うまう加工かこうするが、河蝉かはせみはねは、職人しよくにんのもつともほつするところ、とくに、あの胸毛むなげゆるは、ごとうをせる、といつてあたひえらばないさうである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
職人しよくにんは、矢聲やごゑけて飛込とびこんだが、さて、わつぱうする。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)