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真剣
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しんけん
ふりがな文庫
“
真剣
(
しんけん
)” の例文
旧字:
眞劍
○「一生に一度は
真剣
(
しんけん
)
な気持ちにさせられるものにぶつかってみたいと思うことは、そりゃあたし達にだって、ちゃんとあるわ。」
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
木剣
(
ぼっけん
)
と木剣である。木剣はすでに
真剣
(
しんけん
)
にひとしい。それが仕合を約して立ち
対
(
むか
)
った際はなおそうである。打ち所が悪ければ死にもする。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勇吉
(
ゆうきち
)
は、
虫
(
むし
)
たちの
敏感
(
びんかん
)
なのにおどろき、かつ、その
真剣
(
しんけん
)
なのを、きみ
悪
(
わる
)
くさえ
感
(
かん
)
じました。これを
気
(
き
)
づかずにいた、おじさんに
告
(
つ
)
げると
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
悲しげな、
真剣
(
しんけん
)
な、美しい顔で、そこには心からの
献身
(
けんしん
)
と、
嘆
(
なげ
)
きと、愛と、一種異様な絶望との、なんとも言いようのない
影
(
かげ
)
がやどっていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
しかも、かれ自身は、どんなへまをやっても微笑一つもらさず、いつも
真剣
(
しんけん
)
そのものといった顔つきをしていたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
真剣
(
しんけん
)
だ。
復讐魔
(
ふくしゅうま
)
と化しさっている喬之助の一語一語が、
剃刀
(
かみそり
)
のように冷たさをもって、戸を貫いて壁辰の胸を
刺
(
さ
)
す。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その
本来
(
ほんらい
)
のお
姿
(
すがた
)
は
白
(
しろ
)
く
光
(
ひか
)
った
球
(
たま
)
の
形
(
かたち
)
でございますが、
余
(
よ
)
ほど
真剣
(
しんけん
)
な
気持
(
きもち
)
で
深
(
ふか
)
い
統一状態
(
とういつじょうたい
)
に
入
(
はい
)
らなければ、
私
(
わたくし
)
どもにもそのお
姿
(
すがた
)
を
拝
(
はい
)
することはできませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ことに、こどもの
道徳教育
(
どうとくきょういく
)
が、
真剣
(
しんけん
)
に
考
(
かんが
)
えられている
今日
(
こんにち
)
、こういう、
道徳的教訓
(
どうとくてききょうくん
)
のふくんだ
物語
(
ものがたり
)
は、お
子
(
こ
)
さんのために、ぜひおすすめしたいものと
思
(
おも
)
います。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
さて
稽古
(
けいこ
)
が
積
(
つ
)
んで、おのれの
工夫
(
くふう
)
が
真剣
(
しんけん
)
になる
時分
(
じぶん
)
から、ふと
眼
(
め
)
についたのは、
良人
(
おっと
)
の
居間
(
いま
)
に
大事
(
だいじ
)
にたたんで
置
(
お
)
いてある、もみじを
散
(
ち
)
らした一
本
(
ぽん
)
の
女帯
(
おんなおび
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
二人はその後月を重ね年を経ても一向この遊戯を中止する模様がなかったかえって二三年後には教える方も教えられる方も次第に遊戯の
域
(
いき
)
を脱して
真剣
(
しんけん
)
になった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
直ぐにも
打縛
(
ふんじば
)
りでもするように、お前、
真剣
(
しんけん
)
になって、
明白
(
あかり
)
を立てる立てるッて言わあ。勿論、何だ、御用だなんて
威
(
おど
)
かしたには威しましたさ、そりゃ
発奮
(
はずみ
)
というもんだ。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし
若
(
わか
)
い
尼
(
あま
)
さんは、
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
顔
(
かお
)
に
真剣
(
しんけん
)
な
表情
(
ひょうじょう
)
をうかべて、「いいえ、
自分
(
じぶん
)
の
体
(
からだ
)
を
熔
(
と
)
かして、
爆弾
(
ばくだん
)
となってしまう
鐘
(
かね
)
ですから、どうしても
供養
(
くよう
)
をしてやりとうござんす。」
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「こ、これで、きみ、ブルに勝つというのかい?」と、目をみはって、
真剣
(
しんけん
)
にたずねる。
小指一本の大試合
(新字新仮名)
/
山中峯太郎
(著)
主人は、客が
冗談
(
じょうだん
)
を言っているとのみ思って、ニヤリととぼけた笑い方をした。老紀昌は
真剣
(
しんけん
)
になって再び尋ねる。それでも相手は
曖昧
(
あいまい
)
な笑を
浮
(
うか
)
べて、客の心をはかりかねた様子である。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
今度、Bデッキの上を駆ける頃になると、あなたは、海風に髪を
靡
(
なび
)
かせながら、いっぱいに腕を開き、張りきった胸をそらしている。その
真剣
(
しんけん
)
な顔付が、また、次の一廻り中、眼の前にある。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ゴルドンは、次郎の日ごろと異なる
真剣
(
しんけん
)
な
態度
(
たいど
)
を見て、いぶかしく思った。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
四国の
県
(
けん
)
のことが
話題
(
わだい
)
にのぼり、徳島県に高知県、香川県、——それから何だったっけな、と、
愛媛
(
えひめ
)
県を忘れた男が、ええ、といって考え込むような
恰好
(
かっこう
)
をしていると、俵的が
真剣
(
しんけん
)
な顔をして
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
「
困
(
こま
)
りますね、
左様
(
さう
)
真剣
(
しんけん
)
に
詰問
(
きつもん
)
されちや」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どんな
真剣
(
しんけん
)
な物でも
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
これを
見
(
み
)
た
勇
(
ゆう
)
ちゃんは、あまり
真剣
(
しんけん
)
な
姿
(
すがた
)
に、
気味悪
(
きみわる
)
くなって、もうこのうえへびをいじめる
気
(
き
)
にはなれなかったのです。
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれが荒田老に予期していたものは、よかれあしかれ、もっと
真剣
(
しんけん
)
な表情か、さもなくば全くの無表情だったのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その
真剣
(
しんけん
)
な
気
(
け
)
ぶりに、万千代や小姓たちが、少しあとへさがったのをしおとして、かれはまた、ふたたび
芸
(
げい
)
にとりかかるような
身構
(
みがま
)
えをキッと取り
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無尽蔵
(
むじんぞう
)
ともいうべき詩句に、彼女への
讃美
(
さんび
)
の情を
託
(
たく
)
しては、それを、どこかしら不自然でもあれば
真剣
(
しんけん
)
でもある
感激
(
かんげき
)
をもって、彼女に朗読して聞かせる。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
姫
(
ひめ
)
があれをただ
海神
(
かいじん
)
の
怒
(
いか
)
りとのみ
感
(
かん
)
じたのはいささか
間違
(
まちが
)
って
居
(
い
)
るが、それはそうとして、あの
場合
(
ばあい
)
の
姫
(
ひめ
)
の
心胸
(
むね
)
にはまことに
涙
(
なみだ
)
ぐましい
真剣
(
しんけん
)
さが
宿
(
やど
)
っていた。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
真剣
(
しんけん
)
の時は、思わずほんとの心が出るものだ——とすれば——こう考えて来た時、お妙は、自分が喬之助に
熱恋
(
ねつれん
)
を
捧
(
ささ
)
げているのであることを知って、一時に、
耐
(
た
)
え切れない恥かしさが燃え上って来て
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いつもと
違
(
ちが
)
った
真剣
(
しんけん
)
な
心持
(
こころもち
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
に
根強
(
ねづよ
)
く
現
(
あらわ
)
れていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と富士男が
真剣
(
しんけん
)
な顔をしていった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
しかし、それも結局は何の役にもたたなかったのだ。では、なぜ役にたたなかったのか。今、君らに
真剣
(
しんけん
)
に考えてもらいたいのはこの一点だ。——
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
と、彼女は小娘の夢のようなことを
真剣
(
しんけん
)
に考えた。そしてなお、できるだけ窓の下へ近づいて両の手で口をかこみ、忍びやかに、しかし
懸命
(
けんめい
)
をこめて
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
母
(
かあ
)
さんも、お
姉
(
ねえ
)
さんも、
政
(
まさ
)
ちゃんの、いつにない
真剣
(
しんけん
)
なようすを
見
(
み
)
て、おかしそうに、お
笑
(
わら
)
いになりました。
ペスをさがしに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
近年
(
きんねん
)
は
敬神
(
けいしん
)
の
念
(
ねん
)
が
薄
(
うす
)
らぎました
故
(
せい
)
か、めっきり
参拝者
(
さんぱいしゃ
)
の
数
(
かず
)
が
減
(
へ
)
り、
又
(
また
)
熱心
(
ねっしん
)
さも
薄
(
うす
)
らいだように
感
(
かん
)
じられますが、
昔
(
むかし
)
は
大
(
たい
)
そう
真剣
(
しんけん
)
な
方
(
かた
)
が
多
(
おお
)
かったものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
竹童はいまや必死のところ、
樫
(
かし
)
の
棒切
(
ぼうき
)
れを
風車
(
かざぐるま
)
のようにふって、燕作の
真剣
(
しんけん
)
と火を飛ばしてたたかっているのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同
(
おな
)
じ
年
(
とし
)
ごろの
青年
(
せいねん
)
が
遊
(
あそ
)
び
歩
(
ある
)
いているのに、それをうらやむ
色
(
いろ
)
もなく、また
自分
(
じぶん
)
のようすを
恥
(
は
)
ずかしいなどと
考
(
かんが
)
えず、
仕事
(
しごと
)
に
対
(
たい
)
して
真剣
(
しんけん
)
なのにうたれました。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
僕
(
ぼく
)
が
死
(
し
)
んだら、
帰還
(
きかん
)
したとき、
老母
(
ろうぼ
)
に
言伝
(
ことづて
)
をしてくれないか。」と、
真剣
(
しんけん
)
な
調子
(
ちょうし
)
で、いいました。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
駈
(
か
)
け
競
(
くら
)
べならまだしものこと——
真剣
(
しんけん
)
の
白刃交
(
しらはま
)
ぜをするには、悲しいかな、まだそれだけの骨組もできていず、剣をとっての
技
(
わざ
)
もなし、第一、腰に差してる刀というのが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
じいさんは、
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けました。それにしてはなんとなく、その
音
(
ね
)
は、
真剣
(
しんけん
)
で
悲
(
かな
)
しかったのです。
手風琴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正
(
ただ
)
しく
生
(
い
)
きることは、どうして、このように
不安
(
ふあん
)
なのであろうかと、
正直
(
しょうじき
)
にいうと、はじめて、
叔父
(
おじ
)
さんは、
正面
(
しょうめん
)
から、じっと
僕
(
ぼく
)
の
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
て、
真剣
(
しんけん
)
な
態度
(
たいど
)
を
示
(
しめ
)
したのでした。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おじいさん、
息子
(
むすこ
)
さんの
声
(
こえ
)
がきこえるわけではないが、ただあちらのようすがわかるというだけですよ。」と、
主人
(
しゅじん
)
は、あまりおじいさんが、
真剣
(
しんけん
)
な
顔
(
かお
)
つきをしているので
夜の進軍らっぱ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
母親
(
ははおや
)
は、
真剣
(
しんけん
)
になって、
子守歌
(
こもりうた
)
をうたいはじめるのでした。
母
(
はは
)
の
愛
(
あい
)
から
流
(
なが
)
れ
出
(
で
)
る、なつかしい、
細
(
ほそ
)
いしらべは、
光
(
ひか
)
る
絹糸
(
きぬいと
)
のように、
切
(
き
)
れんとして、
切
(
き
)
れずに、つづくのでした。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こういって、
自分
(
じぶん
)
も
真剣
(
しんけん
)
になって、
耳
(
みみ
)
をかたむけながら、
遠
(
とお
)
くの
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
いたりしました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれど、
年
(
とし
)
ちゃんだけは、
真剣
(
しんけん
)
でした。そのうち、ラジオのハーモニカが、はじまりました。
名人
(
めいじん
)
だけあって、それはうまいもので、ピアノの
音
(
ね
)
も
出
(
で
)
れば、バイオリンの
音
(
ね
)
も
出
(
で
)
たのであります。
年ちゃんとハーモニカ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまえのことをいちばん
真剣
(
しんけん
)
に
考
(
かんが
)
えているのが、
私
(
わたし
)
とさき
子
(
こ
)
でないか。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しばらくの
間
(
あいだ
)
、
教室
(
きょうしつ
)
は、しんとして、
真剣
(
しんけん
)
な
空気
(
くうき
)
がみなぎりました。
生きぬく力
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真剣
(
しんけん
)
にいい
合
(
あ
)
っているのを
聞
(
き
)
くと、いじらしい
気
(
き
)
がして。
子供は悲しみを知らず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といって、
真剣
(
しんけん
)
に
考
(
かんが
)
えていました。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真
常用漢字
小3
部首:⽬
10画
剣
常用漢字
中学
部首:⼑
10画
“真剣”で始まる語句
真剣事
真剣味
真剣顔
真剣勝負
真剣沙汰