名所めいしよ)” の例文
木曾きそ檜木ひのき名所めいしよですから、あのうすいたけづりまして、かさんでかぶります。そのかさあたらしいのは、檜木ひのき香氣にほひがします。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
たゞし、そのころは、まだ湯豆府ゆどうふあぢわからなかつた。眞北まきたには、湯豆府ゆどうふ、たのしみなべ、あをやぎなどと名物めいぶつがあり、名所めいしよがある。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
獨逸等ドイツとうおと名高なだか國々くに/″\名所めいしよ古跡こせき遍歴へんれきして、其間そのあひだつきけみすること二十有餘箇月いうよかげつ大約おほよそまん千里せんり長途ながたびあとにして、つひ伊太利イタリーり、往昔むかしから美術國びじゆつこく光譽ほまれたか
日本につぽんにはむかしから紅葉もみぢ名所めいしよおほく、また、いたるところに紅葉もみぢることが出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
俊頼朝臣としよりあそんに「降雪ふるゆきたにおもかげうづもれてこずゑぞ冬の山路やまぢなりける」これらはじつに越後の雪の真景しんけいなれども、此あそん越後にきたり玉ひしにはあらず、ぞくにいふ哥人かじんながら名所めいしよをしるなり。
が、はずで、いけずなやつが、燒團子やきだんごのばた/\で、七輪しちりんじようばすこと、名所めいしよとはいひがたくゆきごとしであつたから。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
俊頼朝臣としよりあそんに「降雪ふるゆきたにおもかげうづもれてこずゑぞ冬の山路やまぢなりける」これらはじつに越後の雪の真景しんけいなれども、此あそん越後にきたり玉ひしにはあらず、ぞくにいふ哥人かじんながら名所めいしよをしるなり。
そこンとこ梅林ばいりんうへやまさくら名所めいしよで、そのした桃谷もゝたにといふのがあつて、谷間たにあひ小流こながれには、菖浦あやめ燕子花かきつばた一杯いつぱいく。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おもむきちがふけれども、そのは、名所めいしよにも、古跡こせきにも、あんな景色けしきはまたあるまいとおもところを、前刻さつきも一とほつてた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにしろ、中京ちうきやう殖産工業しよくさんこうげふから、名所めいしよ名物めいぶつ花柳界くわりうかい一般いつぱん芝居しばゐ寄席よせ興行こうぎやうものの状態じやうたい視察しさつ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
飯坂いひざかと、温泉をんせんは、はしひとへだてるのであるが、摺上川すりかみがはなかにして兩方りやうはうから宿やどうらの、小部屋こべや座敷ざしきも、おたがひふのが名所めいしよともふべきである……と、のちいた。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
田越たごえ蘆間あしまほしそら池田いけださと小雨こさめほたる、いづれも名所めいしよかぞへなん。さかな小鰺こあぢもつとし、野郎やらうくちよりをかしいが、南瓜かぼちやあぢ拔群ばつぐんなり近頃ちかごろ土地とち名物めいぶつ浪子饅頭なみこまんぢうふものあり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
のをのこ國訛くになまりにや、百年ひやくねんといふが百年々々ハコネ/\きこゆるもをかしくいま名所めいしよとなりぬ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あしうへをちら/\と陽炎かげろふに、そでかもめになりさうで、はるかいろ名所めいしよしのばれる。手輕てがる川蒸汽かはじようきでもさうである。や、そのあしなかならんで、十四五艘じふしごさう網船あみぶね田船たぶねいてた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
土地とち名所めいしよとはひながら、なか/\もつて、案内者あんないしやれて踏込ふみこむやうな遊山場ゆさんばならず。双六盤すごろくばんこと疑無うたがひなけれど、これあるは、つきなか玉兎ぎよくとのある、とおんなこと、と亭主ていしゆかたつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一向いつかう變則へんそく名所めいしよいて、知識ちしき經驗けいけんかつたかれは、次第しだいくらり、愈々いよ/\ふかくなり、ものすさまじくつて、ゆすぶれ/\轟然ぐわうぜんたる大音響だいおんきやうはつして、汽車きしや天窓あたまから、にぶきりへんじて
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あれだ、さつせえ、名所めいしよだにの。」
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しばうらにも名所めいしよがござる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)