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双
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なら
ふりがな文庫
“
双
(
なら
)” の例文
旧字:
雙
僅
(
わずか
)
に数筆を
塗抹
(
とまつ
)
した泥画の寸紙の中にも芸衛的詩趣が
横溢
(
おういつ
)
している。造詣の深さと創造の力とは誠に近世に
双
(
なら
)
びない妙手であった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
このうち双趾類というは、足の
趾
(
ゆび
)
が双足の中線の両方に相対して
双
(
なら
)
びあるので、
豹駝
(
ジラフ
)
、鹿、牛、羊、駱駝、豚、
河馬
(
かば
)
等これに属す。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
小千谷
(
をぢや
)
より一里あまりの
山手
(
やまて
)
に
逃入村
(
にごろむら
)
といふあり、(にげ入りを里俗にごろとよぶ)此村に大
塚
(
つか
)
小塚とよびて大小二ツの
古墳
(
こふん
)
双
(
なら
)
びあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
茲
(
こゝ
)
に享保年間
下總國
(
しもふさのくに
)
古河
(
こが
)
の城下に
穀物屋吉右衞門
(
こくものやきちゑもん
)
と
云者
(
いふもの
)
あり所に
双
(
なら
)
びなき
豪家
(
がうか
)
にて
江戸表
(
えどおもて
)
にも
出店
(
でみせ
)
十三
軒
(
げん
)
ありて何れも
地面
(
ぢめん
)
土藏共
(
どざうども
)
十三ヶ所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
少しくこれを観察するときには裏面にはさらに富の世界あるを見、兵と富とは二個の大勢力にして「いわゆる日月
双
(
なら
)
び
懸
(
かか
)
りて、
乾坤
(
けんこん
)
を照らす」
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
宇津木の家は代々の千人同心で、山林
田畑
(
でんぱた
)
の産も相当あって、その上に、川を隔てて沢井の道場と
双
(
なら
)
び立つほどの剣術の道場を開いております。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「天真正伝神道流」の流祖、
飯篠長威斎家直
(
いいざきちょういさいいえなお
)
が当時東国第一の兵法者とされているのに対して、富田
勢源
(
せいげん
)
が西に対立して
双
(
なら
)
び称されて居たものである。
巌流島
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
二人
(
ふたり
)
の主人が
双
(
なら
)
び立つようでは一藩のためにも幸福でないと悟り、のみならず
生麦
(
なまむぎ
)
償金事件で失敗してからこのかた、時勢の
自己
(
おのれ
)
に非なることをみて取ったにもよる。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
侠は愛と其
轍
(
わだち
)
を
双
(
なら
)
べつゝ、自から優美高讃なる趣致を呈せり、我が平民社界に起りしシバルリイは、其ゼントルマンシップに於て既に女性を遊戯的
玩弄物
(
ぐわんろうぶつ
)
になし了りたれば
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
……
女
(
をんな
)
の
像
(
ざう
)
の
第一作
(
だいいつさく
)
が、まだ
手足
(
てあし
)
までは
出来
(
でき
)
なかつたが、
略
(
ほゞ
)
顔
(
かほ
)
の
容
(
かたち
)
が
備
(
そな
)
はつて、
胸
(
むね
)
から
鳩尾
(
みづおち
)
へかけて
膨
(
ふつく
)
りと
成
(
な
)
つた、
木材
(
もくざい
)
に
乳
(
ちゝ
)
が
双
(
なら
)
んで、
目鼻口元
(
めはなくちもと
)
の
刻
(
きざ
)
まれた、フトした
時
(
とき
)
……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浦賀の繁華はその律詩の中、「暮管朝絃声不断。西眉南瞼色無双。」〔暮管朝絃声断タズ/西眉南瞼色
双
(
なら
)
ブ無シ〕の対句に言現されている。浦賀から再び船に乗って房州の高崎に著した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
臙脂も
褪
(
さ
)
め、緑青の色もあせた今から見れば、かの高野山の二十五菩薩の大幅も、いかにも落ちついた、和かい色調のように見えるが、画かれた当時は艶麗
双
(
なら
)
びなきものであったであろう。
偶言
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
たまたま当時に
双
(
なら
)
びなき
尊
(
たっと
)
き智識に知られしを、これ一生の面目とおもうて
空
(
あだ
)
に
悦
(
よろこ
)
びしも真にはかなきしばしの夢、
嵐
(
あらし
)
の風のそよと吹けば丹誠凝らせしあの塔も倒れやせんと疑わるるとは
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
花
(
はな
)
の
下
(
した
)
ふむ
露
(
つゆ
)
のあした
双
(
なら
)
ぶる
翅
(
つばさ
)
の
胡蝶
(
こてふ
)
うらやましく
用事
(
ようじ
)
にかこつけて
折々
(
をり/\
)
の
訪
(
とひ
)
おとづれに
餘所
(
よそ
)
ながら
見
(
み
)
る
花
(
はな
)
の
面
(
おもて
)
わが
物
(
もの
)
ながら
許
(
ゆる
)
されぬ
一重垣
(
ひとへがき
)
にしみ/″\とは
物
(
もの
)
言交
(
いひかは
)
すひまもなく
兎角
(
とかく
)
うらめしき
月日
(
つきひ
)
なり
隙行
(
ひまゆ
)
く
駒
(
こま
)
に
形
(
かたち
)
もあらば
我
(
わ
)
れ
手綱
(
たづな
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小千谷
(
をぢや
)
より一里あまりの
山手
(
やまて
)
に
逃入村
(
にごろむら
)
といふあり、(にげ入りを里俗にごろとよぶ)此村に大
塚
(
つか
)
小塚とよびて大小二ツの
古墳
(
こふん
)
双
(
なら
)
びあり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
双
(
なら
)
ぶるものなき
劔術
(
けんじゆつ
)
の大先生なり其上
見懸
(
みかけ
)
に依ず
慈悲
(
じひ
)
深
(
ふか
)
い御人にて金銀に少しも目を懸ず
若
(
もし
)
貧窮者
(
ひんきうもの
)
や病人のある時は
醫者
(
いしや
)
に懸て下されたり金銀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お角は、駒井甚三郎なる人が、砲術の学問と実際にかけては、世に
双
(
なら
)
ぶ者のない英才であるということを知りません。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
左右に
双
(
なら
)
びし大鶏の名をきくに、鉄石丸、火花丸、川ばた
韋駝天
(
いだてん
)
、しゃまのねじ助、八重のしゃつら、磯松大風、伏見のりこん、中の島無類、前の鬼丸
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蒼海遂に来らねば、老侠と我と車を
双
(
なら
)
べて我幻境の門を出づ、この時老婆は呉々も我再遊の
前
(
さき
)
の如く長からざるべきを請ふに、この秋再びと契りて別れたり。行くところは高雄山。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
老爺
(
ぢゞい
)
の
手
(
て
)
にも
小刀
(
こがたな
)
が
動
(
うご
)
く、と
双
(
なら
)
んで
二挺
(
にちやう
)
、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
晃々
(
きら/\
)
と
閃
(
きらめ
)
きはじめた……
掌
(
たなそこ
)
の
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
は、
其
(
そ
)
の
小刀
(
こがたな
)
の
輝
(
かゞや
)
くまゝに、
恰
(
あたか
)
も
鰭
(
ひれ
)
を
振
(
ふる
)
ふと
見
(
み
)
ゆる、
香川雪枝
(
かがはゆきえ
)
も、さすがに
名
(
な
)
を
得
(
え
)
た
青年
(
わかもの
)
であつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
商
(
あきな
)
ひ未だ東西も知らぬ土地なれども
櫛笄簪
(
くしかうがひ
)
の
荷
(
に
)
を
脊負
(
せおひ
)
歩行
(
あるく
)
に名に
負
(
おふ
)
大都會なれば日本一の
貧
(
まづし
)
き人もあれば
又
(
また
)
双
(
なら
)
びなき
金滿家
(
かねもち
)
もありて大名も
棒手振
(
ぼうてぶり
)
も
押並
(
おしなら
)
んで
歩行
(
あるく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しばしありてその岩に
手鞠
(
てまり
)
ほどに
光
(
ひか
)
るもの二ツ
双
(
なら
)
びていできたり、こはいかにとおもふうちに、月の
雲間
(
くもま
)
をいでたるによくみれば岩にはあらで大なる
蝦蟇
(
ひきがひる
)
にぞありける。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
天に二つの日を掛けたるがごとし、
双
(
なら
)
べる
角
(
つの
)
の
尖
(
するど
)
にして、冬枯れの森の
梢
(
こずえ
)
に異ならず、
鉄
(
くろがね
)
の牙上下に
生
(
お
)
ひ
差
(
ちご
)
ふて、紅の舌
炎
(
ほのお
)
を吐くかと怪しまる、もし
尋常
(
よのつね
)
の人これを見ば、目もくれ魂消えて
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
実
(
げ
)
にこそその
顔
(
かんばせ
)
は、爛々たる
銀
(
しろがね
)
の
眼
(
まなこ
)
一
双
(
なら
)
び、
眦
(
まなじり
)
に紫の
隈
(
くま
)
暗く、頬骨のこけた
頤
(
おとがい
)
蒼味がかり、浅葱に
窩
(
くぼ
)
んだ唇裂けて、
鉄漿
(
かね
)
着けた口、
柘榴
(
ざくろ
)
の舌、耳の根には針のごとき
鋭
(
と
)
き
牙
(
きば
)
を
噛
(
か
)
んでいたのである。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奇樹
(
きじゆ
)
崖
(
きし
)
に
横
(
よこ
)
たはりて
竜
(
りよう
)
の
眠
(
ねふ
)
るが
如
(
ごと
)
く、
怪岩
(
くわいがん
)
途
(
みち
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎて
虎
(
とら
)
の
臥
(
ふ
)
すに
似
(
に
)
たり。
山林
(
さんりん
)
は
遠
(
とほ
)
く
染
(
そめ
)
て
錦
(
にしき
)
を
布
(
し
)
き、
礀水
(
かんすゐ
)
は
深
(
ふか
)
く
激
(
げき
)
して
藍
(
あゐ
)
を
流
(
なが
)
せり。
金壁
(
きんへき
)
双
(
なら
)
び
緑山
(
りよくざん
)
連
(
つらな
)
りたるさま画にもおよばざる
光景
(
くわうけい
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
双
常用漢字
中学
部首:⼜
4画
“双”を含む語句
双手
双眸
双方
双眼鏡
無双
双肩
双腕
一双
双頬
大力無双
双生
双刀
草双紙
双子
双親
双璧
双子縞
双幅
沙羅双樹
双葉
...