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金壁
読み方 | 割合 |
きんぺき | 40.0% |
こんぺき | 40.0% |
きんへき | 20.0% |
火はすぐそこらの祭具や
蓮華、
瓔珞などに燃えうつり、
解脱上人いらいの
貞慶式建造の古い
金壁が、にわかに眼をさましたかのごとく炎の
映えに
燦爛とかがやくかと思えば、また一瞬に
(ああ、ここがお
住居か)高綱は、そこはかとなく見まわして、高野の七堂
伽藍の
金壁と——ここの粗朴な荒壁だの貧しげな
厨だのを心のうちに対照していた。
奇樹崖に
横たはりて
竜の
眠るが
如く、
怪岩途を
塞ぎて
虎の
臥すに
似たり。
山林は
遠く
染て
錦を
布き、
礀水は
深く
激して
藍を
流せり。
金壁双び
緑山連りたるさま画にもおよばざる
光景也。