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十
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とお
ふりがな文庫
“
十
(
とお
)” の例文
歳は私より
十
(
とお
)
ばかり上だが、
何分
(
なにぶん
)
気分が子供らしくて、ソコデ私を中津に
還
(
か
)
えすような計略を
運
(
めぐ
)
らしたのが、私の身には一大災難。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
むかしあるところに、お
百姓
(
ひゃくしょう
)
のおとうさんとおかあさんがありました。
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あいだ
)
には
十
(
とお
)
になるかわいらしい女の子がありました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そこで初めて怪談がかりになって、証拠の片袖を御覧に入れるんだから
十
(
とお
)
に一つも仕損じはありゃあしねえ。ねえ、そうじゃあありませんか
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
十
(
とお
)
のものには十五の返しをなさる御姉さんの気性を知ってるもんだから、皆なその御礼を
目的
(
あて
)
に何か呉れるんだそうですよ」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五年の
百合
(
ゆり
)
には五つ花が出来、十年の百合には
十
(
とお
)
花が出来る、——彼等はいつか
年上
(
としうえ
)
のものにそう云う事を教えられていた。
百合
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
私の
九
(
ここの
)
つ
十
(
とお
)
のころでございます、よく母に連れられて城下から三里奥の山里に住んでいる叔母の家を訪ねて、二晩三晩泊ったものでございます。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
然
(
しか
)
も此の霧の中に、
野面
(
のづら
)
を
蹴
(
け
)
かへす
蹄
(
ひづめ
)
の音、
九
(
ここの
)
ツならず
十
(
とお
)
ならず、沈んで、どうと、
恰
(
あたか
)
も激流
地
(
ち
)
の下より寄せ
来
(
く
)
る
気勢
(
けはい
)
。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『これはよい
子
(
こ
)
だ。
十
(
とお
)
か十一になったら、お
寺
(
てら
)
へやって、りっぱなおぼうさんにしよう。』とおっしゃったのですよ。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
窓
(
まど
)
の
格子
(
こうし
)
には、
赤
(
あか
)
いとうがらしが
十
(
とお
)
ばかり
一
(
ひと
)
ふさにして
結
(
むす
)
びつけてあります。そこには、よく
日
(
ひ
)
が
当
(
あ
)
たるのでした。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大師匠は
十
(
とお
)
の時からやっている。それも元来
質
(
たち
)
の好いのを認められてのことだ。子供の時からだと芸が身体の中に織り込まれて身体と一緒に発育する。
妻の秘密筥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
阿父
(
おやじ
)
さんは、
十
(
とお
)
にならない私には、新聞紙の一頁を二つに折ったほどの大きさの顔に見えた四角い人だった。胸毛も生えて、眉毛がねじれ上っていた。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お
前様
(
めえさま
)
ア留守勝で
家
(
うち
)
の事は御存じござんねえが、
悪戯
(
いたずら
)
は
果
(
はた
)
すかは知らねえが、
頑是
(
がんぜ
)
がねえ
十
(
とお
)
にもなんねえ正太郎だから、少しぐれえの事は勘弁して下さえ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十
(
とお
)
のものなら九つまで相手に美点があっても、たった一つ欠点があれば、あいつは馬鹿だという烙印を捺すために、九つの美点は無視されてしまうのである。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
即ち学者の先輩は艮斎が十六、成斎が
十
(
とお
)
、况斎が九つ、漁村が八つになった時、抽斎は生れたことになる。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
卓や棚の上にも大小の製作が
十
(
とお
)
許
(
ばか
)
り載つて居る。十五畳敷程の広さだ。
其
(
その
)
重
(
おも
)
な
製作室
(
アトリエ
)
は
巴里
(
パリイ
)
にあるとしても、
之
(
これ
)
がロダン翁程の大家の
製作室
(
アトリエ
)
かと驚く外は無い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
親譲りの山も林もなくなりかゝってお吉心配に病死せしより、
齢
(
とし
)
は
僅
(
わずか
)
に
十
(
とお
)
の冬、お辰浮世の
悲
(
かなし
)
みを知りそめ
叔父
(
おじ
)
の
帰宅
(
かえ
)
らぬを困り
途方
(
とほう
)
に暮れ居たるに、近所の人々
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
十
(
とお
)
を出たばかりの幼さで、母は死に、父は
疾
(
や
)
んで居る太宰府へ
降
(
くだ
)
って、
夙
(
はや
)
くから、海の
彼方
(
あなた
)
の作り物語りや、
唐詩
(
もろこしうた
)
のおかしさを知り
初
(
そ
)
めたのが、病みつきになったのだ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
ト言懸ける折しも、官員風の男が
十
(
とお
)
ばかりになる女の子の手を引いて
来蒐
(
きかか
)
ッて、
両人
(
ふたり
)
の容子を不思議そうにジロジロ視ながら行過ぎてしまッた。昇は再び言葉を
続
(
つ
)
いで
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
耳のそばで
十
(
とお
)
の金だらいを一時にたたかれた様なガーンとした気持で帰って行くのである。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
その「
八
(
はち
)
」の語を隠して、
十
(
とお
)
に足らぬ「
十無
(
とおな
)
い」だと、隠語で云ったのが本であろう。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
その訳は、吉ちゃんの心があらくて、細かいことが、よく分らないためでしょうと思います。それですから、秀ちゃんが
十
(
とお
)
ものを考える間に、吉ちゃんは一つ位しか考えられません。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それからは蜘蛛は、もう一生けん命であちこちに
十
(
とお
)
も網をかけたり、夜も見はりをしたりしました。ところが困ったことは
腐敗
(
ふはい
)
したのです。
食物
(
しょくもつ
)
がずんずんたまって、腐敗したのです。
蜘蛛となめくじと狸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あの曲馬団の
暴雨風
(
あらし
)
の夜の最初の接吻! それは黒吉がまだ
十
(
とお
)
の時であった……。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「
昨日
(
きのう
)
御身に聞きたきことありといひしが、余の事ならず」ト、いひさして
容
(
かたち
)
をあらため、「
某
(
それがし
)
幾歳
(
いくとせ
)
の
劫量
(
こうろう
)
を
歴
(
へ
)
て、やや神通を得てしかば、
自
(
おのずか
)
ら獣の相を見ることを覚えて、
十
(
とお
)
に
一
(
ひとつ
)
も
誤
(
あやまり
)
なし。 ...
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
今年
十
(
とお
)
になつた、大根さんのお
家
(
うち
)
はお父さんが髪床やさんでした。
髪床やの大根さん
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
まあ、
十
(
とお
)
ばかりの時からいたずらをした女ですね。6530
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「いえ、何んにもございません、でも三人の申合せで、間違いのないことになっております、長崎屋の身上の
十
(
とお
)
のうち三つは私、十のうち二つは友三郎と岡さん、つまり半分だけは兄の七郎兵衛のものになるわけで」
銭形平次捕物控:277 和蘭の銀貨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
(
十
(
とお
)
オ!)
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこへ
十
(
とお
)
ぐらいの
小供
(
こども
)
が
馳
(
か
)
けて来て犬を
叱
(
しか
)
り付けた。小供は
徽章
(
きしょう
)
の着いた黒い帽子を
被
(
かぶ
)
ったまま先生の前へ
廻
(
まわ
)
って礼をした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うまくあたって地に落ちて来ることもあるが、又すぐに飛び揚がってしまって、
十
(
とお
)
に一つも子供たちの手には捕えられない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もっとも
十
(
とお
)
ぐらいまでの小児が、家からここへ来るのには、お弁当が
入用
(
いりよう
)
だった。——それだけに思出がなお深い。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
するとほどなく部落から、逃げて来たらしい七八人の
男女
(
なんにょ
)
が、
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎ草山へ上って来た。彼等のある者は髪を垂れた、
十
(
とお
)
には足りない
童児
(
どうじ
)
であった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
まだ、やっと
十
(
とお
)
か、十一になったばかりであります。ひどい
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
らないかぎりは、
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
く
晩
(
ばん
)
にも、
私
(
わたし
)
の
下
(
した
)
に
立
(
た
)
って
鈴
(
すず
)
を
鳴
(
な
)
らして
夕刊
(
ゆうかん
)
を
売
(
う
)
っています。
煙突と柳
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とおろ/\しながら、惣吉は年は
十
(
とお
)
だが親孝心で発明な
性質
(
うまれつき
)
、急いで降る中を四五町先を
見当
(
みあて
)
にして参りました。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十
(
とお
)
ばかりの
従姉
(
いとこ
)
と、私はだんまりで、二人ともこぼれない涙に
瞳
(
め
)
が光っていた。おなじようにムンヅリしていたが、子供心にも思うことは違っていたのかもしれない。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
これによってこれを見れば文一君は僕を出し抜いて土曜講習へ通うのみならず、一日に
十
(
とお
)
も玉子を食って黙っているのだ。競争試験となると
刎頸
(
ふんけい
)
の友も当てにならない。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ある時は
八幡宮
(
はちまんぐう
)
の石段を数えて登り、
一
(
ひ
)
、
二
(
ふ
)
、
三
(
み
)
と進んで七つと止まり、七つだよと言い聞かして、さて今の石段はいくつだとききますと、大きな声で
十
(
とお
)
と答える始末です。
春の鳥
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
喋り出した。三十八円
十
(
とお
)
銭ヤスだなどと喋っている。このラジオで朝子供らが体操をやります。徹夜したり、早起きしたりした朝私は二階の窓からその校庭の様子を目の下に眺めます。
獄中への手紙:02 一九三五年(昭和十年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
燈火
(
ともしび
)
僅
(
わずか
)
に
蛍
(
ほたる
)
の如く、弱き光りの
下
(
もと
)
に何の夢見て居るか罪のなき寝顔、せめてもう
十
(
とお
)
計りも大きゅうして
銀杏
(
いちょう
)
髷
(
まげ
)
結わしてから死にたしと
袖
(
そで
)
を
噛
(
か
)
みて忍び泣く時お辰
魘
(
おそ
)
われてアッと声立て
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
果してそうなら、抽斎の生れた時は三十一歳で、迷庵よりは
十
(
とお
)
少
(
わか
)
かったのだろう。抽斎の棭斎に師事したのは二十余歳の時だというから、恐らくは迷庵を
喪
(
うしな
)
って棭斎に
適
(
ゆ
)
いたのであろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
十
(
とお
)
ぐらいの女の子が、そこからからだをのりだすようにして、たすけをもとめていました。ぽけっと小ぞうは、すぐ、ぽけっとから小がたのぼうえんきょうをとりだして、目にあてました。
かいじん二十めんそう
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この子は乳さえ
沢山
(
たくさん
)
呑ませれば必ず見事に育つと云うのを聞て、父が
大層
(
たいそう
)
喜んで、
是
(
こ
)
れは
好
(
い
)
い子だ、この子が段々成長して
十
(
とお
)
か十一になれば寺に
遣
(
やっ
)
て坊主にすると、毎度母に語ったそうです。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
でもその時はまだ
十
(
とお
)
ばかりで。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
(
十
(
とお
)
オ!)
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宗助と小六の間には、まだ二人ほど男の子が
挟
(
はさ
)
まっていたが、いずれも
早世
(
そうせい
)
してしまったので、兄弟とは云いながら、年は
十
(
とお
)
ばかり違っている。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
するとそれは、
十
(
とお
)
ばかりの
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
で、しかもその
子供
(
こども
)
は、
弱々
(
よわよわ
)
しく
見
(
み
)
えたうえに、
盲目
(
めくら
)
であったのであります。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、一里あまり奥の院まで、曠野の杜を
飛々
(
とびとび
)
に心覚えの家数は六七軒と数えて
十
(
とお
)
に足りない、この心細い
渺漠
(
びょうばく
)
たる霧の中を何処へ吸われて行くのであろう。
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「浦島太郎」は一冊の
中
(
うち
)
に
十
(
とお
)
ばかりの挿絵を含んでいる。彼はまず浦島太郎の
竜宮
(
りゅうぐう
)
を去るの図を
彩
(
いろど
)
りはじめた。竜宮は緑の屋根瓦に赤い柱のある宮殿である。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お前がお
母
(
っか
)
に手を引かれて
宅
(
うち
)
へ来た時に、私のお
母
(
っか
)
さんがマア
十
(
とお
)
や十一で奉公に出るのは
余
(
あんま
)
り早いじゃアないかと云ったら、お前何とお云いだ、お
母
(
ふくろ
)
がとる年で
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嫗 あしたも
明後日
(
あさって
)
も、三日も五日も
十
(
とお
)
日も、一と月も二た月も、毎晩強情に防いでいたら、いくら執念深い蛇でもあきらめて、しまいには来なくなるかも知れない。
蟹満寺縁起
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十
常用漢字
小1
部首:⼗
2画
“十”を含む語句
十分
二十
十歳
九十九折
十字架
四十
五十
十年
三十
十方
十三
十日
十月
四十雀
団十郎
十九
十市
二十歳
十徳
十津川
...