“乾坤:けんこん” の例文
“乾坤:けんこん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治19
夏目漱石4
林不忘3
山路愛山2
幸田露伴2
“乾坤:けんこん”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 社会科学 > 論文集・評論集・講演集11.1%
文学 > 文学 > 文学理論 作法2.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
が、玄徳を攻めれば、当然、曹操を敵として、乾坤けんこんてきの運命を賭すまでの局面へ行き当る——それは、避けたいのだ。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
活殺生死かっさつしょうじ乾坤けんこん定裏じょうり拈出ねんしゅつして、五彩の色相を静中に描く世なり。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その略に曰く、乾坤けんこん浩蕩こうとうたり、一主の独権にあらず、宇宙は寛洪かんこうなり、諸邦をして以て分守す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
われわれもあの顕著な特色を認めぬわけではないが、あれを以て直に一茶独造の乾坤けんこんとする説には賛成出来ない。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
横なる東西の関係を理解するものは、たてなる上下乾坤けんこんのそれを会得してしかして後に初めてなしあたうものであるまいか。
東西相触れて (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
坤はまた乾坤けんこんの坤で、陰のあらわれすなわち婦女おんなという義になるから、ここで門内西南の地に女ありと考えなければならない。
曹操は、疑いもし、かつ敵の決意のただならぬものあるを覚って、今は、乾坤けんこんてき、蜀魏の雌雄しゆうをここに決せんものと、
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある題を得たならば、その題を箱でふせて自分はその箱の上に上り、天地乾坤けんこんめまわすがよい。
俳句の作りよう (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「東夷南蛮北狄ほくてき西戎西夷八荒天地乾坤けんこんのその間にあるべき人の知らざらんや、三千余里も遠からぬ、物にじざる荒若衆……」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この円を、乾坤けんこんにひろげてみると、そのまま天地。この円を縮めてみると、そこに自己の一点がある。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
知らずや宇宙は卿曹の哲学に支配せらるゝが如き狭隘けふあいなる者に非ず、天地の情、乾坤けんこんの美は区々たる理論の包轄し得べき者に非るを。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
其小なるや、一身の哀歡を歌ふに過ぎざれども、其大なるや、作者乾坤けんこんみて、能く天命をときあかし、一世の豫言者たることを得べし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
その状あたかもまとなきに射るがごとく、当たるも巧なるにあらず、当たらざるも拙なるにあらず、まさにこれを人間外の一乾坤けんこんと言うも可なり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かく清浄界しょうじょうかい出入しゅつにゅうし得るの点において、またこの不同不二ふどうふじ乾坤けんこん建立こんりゅうし得るの点において
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東西のある乾坤けんこんに住んで、利害の綱を渡らねばならぬ身には、事実の恋はあだである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
乾坤けんこんてきのこの分れ目は、区々たる兵数の問題でなく、敗れを取るも勝利をつかむも
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
声と、乾坤けんこん双刀とを弥生に残して、男は、もう森の中の小径こみちを走り去っていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「敵として、不足のない敵。このたびの合戦こそは、全甲州の実力と、全徳川の実力とが、真正面にぶつかって、のるかそるかの乾坤けんこんてきとなるだろう」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲は紫に赤にみどりにその帳をかかげて乾坤けんこんの間に高笑いする大火輪を見守った。
小鳥の如き我は (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
と、悲壮なほぞをかためて、乾坤けんこんてきの決戦をうながしたが、玄徳は、
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此平然たる所には、實に乾坤けんこんに充滿する無限の信用と友情とが溢れて居るのだ。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その金鉱に富み石炭に富み、牛羊は沢々として烟村えんそんに散じ、眼界一望砂糖の天地、小麦の乾坤けんこん、今日においてすでに嶄然ざんぜんその頭角を顕わせり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「——退くも滅亡、進むも滅亡ならば、突きすすんで、乾坤けんこんてきのなかから、もののふの名と、死にばなを、両手につかみ取って死のうではないか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも、詔と同時に、鋳銭局ちゅうせんきょくノ長官中御門宣明なかみかどのぶあきは、銅銭の「乾坤けんこん通宝」のほうも昼夜、鋳物工を督してつくらせてはいた。
百年三万六千日乾坤けんこんひっさげて迎に来ても上がる事はついにできぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
寿夭じゅよう乾坤けんこんに付す、きゅういのることや久し焉。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「むむ、間違えば予の生命を人手にしてしまうかもしれぬ大きな賭け事だからな。遠慮は愚かであろう、すべては行く先の運次第だ。誰か知らん乾坤けんこんこころを」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこんも震う一大殺戮戦さつりくせんを果たそうとするものだった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
能は常に以上の諸要素を以て、舞台面上に別乾坤けんこんを形成して行く。
能とは何か (新字新仮名) / 夢野久作(著)
たがいに命を賭して、渡りあうこと幾十合、その声、その火華は黄河の波をよび、河南の山野にこだまして、あたかも天魔と地神が乾坤けんこんを戦場と化して組み合っているようだった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこんてき、勝って、博多の土をふんだのだ。そして、妻の兄英時が、あえなく滅亡をとげた恨みの地——探題屋敷の跡——へ勝者の将軍として十余年後のいま立った彼なのだ。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあと、義貞は、門廊の床几しょうぎにかかって、さしせまる乾坤けんこんてきの戦いをどう戦うべきか、よろいの高紐たかひもにおや指をさしはさみ、ひとり唇をかんでいた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少しくこれを観察するときには裏面にはさらに富の世界あるを見、兵と富とは二個の大勢力にして「いわゆる日月ならかかりて、乾坤けんこんを照らす」のありさまなるを見るべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
乾坤けんこんをそのまゝ庭とみるならば われは天地の外にこそ住め
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわせて、六百に足らない小人数であったが、平八郎の意気は、小牧を出るときから、乾坤けんこんを呑んでいた。二万の敵軍何ものぞ、一猿面公、何するものぞ、という気概きがいだった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこんをそのまゝ庭と見るときは我は天地の外にこそ住め
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹の柱に、八卦はっけ乾坤けんこんを書いた布の囲い、暗い川風にうごいていた。筮竹ぜいちくの前に、易者の姿は見えなかった。——のぞき込んで、ちょっと清吉がぼんやりしていると、
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこん うらみあり 家いづくにかる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして、かつて軍神いくさがみ信玄しんげんが、甲山こうざんの兵をあげて、梟雄きょうゆう家康いえやすへ、乾坤けんこんてき血戦けっせんをいどんだ三方みかたはら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
双のかいなは風をって乾坤けんこんに鳴る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その果たしてしかるや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然のけんによりて世界と隔絶し、別に一乾坤けんこんをなして自ら仏陀ぶっだの国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの異彩あり。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
乾坤けんこんてきの勝負をめるならば
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
過ぐる夜のもやは墨と胡粉ごふんを以て天地を塗りつぶしたのですけれど、これは真白々まっしろじろ乾坤けんこん白殺はくさつして、丸竜空がんりゅうくうわだかまる有様でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
浅草橋もあとになし須田町すだちょうに来掛る程に雷光すさまじく街上に閃きて雷鳴止まず雨には風もくわわりて乾坤けんこんいよいよ暗澹たりしが九段を上り半蔵門に至るに及んで空初めて晴る。
夕立 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
何という大きな乾坤けんこんの動きであろう。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
黄忠もこの一戦を乾坤けんこんと思っていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壺中の天地、乾坤けんこんほか
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこでいよいよここに、○○国境を新戦場として、たがいほこりあう彼我ひがの精鋭機械化兵団が、大勝たいしょう全滅ぜんめつかの、乾坤けんこんてきの一大決戦を交えることになったのである。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ことわざにも、「善悪もし報いなくんば、乾坤けんこん必ずわたくしあらん」ともありて、われわれは天地の正理の存する限りは、善悪必ずその報いあるべしと信じて、その賞罰を死後永遠に期するものであります。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
天地乾坤けんこんみな一呑や草の庵
凡神的唯心的傾向に就て (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
こうして叔父多門方に娘分として引き取られているいま、寸刻も弥生のこころを離れないのは、父鉄斎の横死おうしでもなく、乾坤けんこん二刀の争奪でもなく、死んでも! と自分に誓った諏訪栄三郎のおもざしだけだった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
自然の力をしてほしいまゝに吾人の脛脚けいきやくを控縛せしめよ、然れども吾人の頭部は大勇猛のちからを以て、現象以外のべつ乾坤けんこんにまで挺立ていりふせしめて、其処に大自在の風雅と逍遙せしむべし。
人生に相渉るとは何の謂ぞ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「——無論、そうなる場合、御当家の一陣は、この有村が承るものと心得ておりますが……」と三位卿はみずから、二十五万石の城地を賭けて、乾坤けんこんてき天下をとるか否かのやまを張っているような気概でいる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ハタとめば、その空のれた処へ、むらむらとまた一重ひとえ冷い雲がかさなりかかって、薄墨色に縫合ぬいあわせる、と風さえ、そよとのもの音も、蜜蝋をもって固く封じた如く、乾坤けんこんじゃくとなる。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それはもちろん風雅の心をもって臨んだ七情万景であり、乾坤けんこんの変であるが、しかもそれは不易にして流行のただ中を得たものであり、虚実の境に出入し逍遙しょうようするものであろうとするのが蕉門正風のねらいどころである。
俳諧の本質的概論 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その一刻のあいだに秀吉は、江北の敗れをもって、むしろ天与の勝機と断じ、立ちどころに、全軍の大方略を一決し、乾坤けんこんてきの大道十三里余にわたる途々みちみち布令ふれまで先駆させて、ここにはらたいも、
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこん
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ガラツ八を溝へ叩込んだ女はその妻綱手つなで、これは大變な女丈夫で、素姓を包んで南部家の奧に仕へ、兵粮丸の機密を知つて、幸ひ夫秀實の手に殘つて居る福岡城以來の南部兵粮丸を種に、乾坤けんこんてきの大芝居を打つたのでした。
その戦争はさらに乾坤けんこんてきな次の大戦争を大坂方とのあいだにはらんではいるが、しかしそれはもう長い戦争の終局的なもので、その一戦で長い長い日本の春秋時代も、ほんとの平和にかえるだろうと、一般の人心はているのである。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまや蜀も魏も呉もその総力をあげて乾坤けんこんを決せねばならぬ時代に入ると共に、この三国対立の形が、一対一で戦うか、変じてその二者が結んで他の一へ当るか、そういう国際的なうごきや外交戦の誘導などに、より重大な国運が賭けられてきたものといってよい。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乾坤けんこんの白きに漂ひて華麗はなやかに差出でたる日影は、みなぎるばかりに暖き光をきて終日ひねもす輝きければ、七分の雪はその日に解けて、はや翌日は往来ゆきき妨碍さまたげもあらず、処々ところどころ泥濘ぬかるみは打続く快晴のそらさらされて、刻々にかわき行くなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
英雄の悩みはそこにありましょう。——けれど、あなたが孔明を尋ねて、いかに孔明をお用いあろうと、宇宙の天理を如何になし得ましょうか。たとい孔明に、天地を廻旋かいせんするの才ありとも、乾坤けんこん捏造ねつぞうするほど力があろうとも、到底、その道理を変じて、この世から戦をなくすることはできないにきまっている。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)