“蜜蝋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みつらふ50.0%
みつろう50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その次には蜜蝋みつらふと油と布を澤山使つて前のやうに光る迄みがくこと。三番目には椅子も卓子テエブル寢床ベッドも敷物も、數學的正確さで並べて了ふこと。
ハタとめば、そられたところへ、むら/\とまた一重ひとへつめたくもかさなりかゝつて、薄墨色うすずみいろ縫合ぬひあはせる、とかぜさへ、そよとのものおとも、蜜蝋みつらふもつかたふうじたごとく、乾坤けんこんじやくる。……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
燈火ともしびは下等の蜜蝋みつろうで作られた一里一寸の松明たいまつの小さいのだからあたりどころか、燈火を中心として半径が二尺ほどへだたッたところには一切闇が行きわたッているが
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
駿府の城ではお目見えをする前に、まず献上物が広縁ひろえんならべられた。人参にんじん六十きん白苧布しろあさぬの三十疋、みつ百斤、蜜蝋みつろう百斤の四色よいろである。江戸の将軍家への進物しんもつ十一色に比べるとはるかに略儀りゃくぎになっている。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)