蜜蝋みつろう)” の例文
燈火ともしびは下等の蜜蝋みつろうで作られた一里一寸の松明たいまつの小さいのだからあたりどころか、燈火を中心として半径が二尺ほどへだたッたところには一切闇が行きわたッているが
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
駿府の城ではお目見えをする前に、まず献上物が広縁ひろえんならべられた。人参にんじん六十きん白苧布しろあさぬの三十疋、みつ百斤、蜜蝋みつろう百斤の四色よいろである。江戸の将軍家への進物しんもつ十一色に比べるとはるかに略儀りゃくぎになっている。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)