“浩蕩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうとう71.4%
かうたう28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しこうして彼らを送りし船は、すでに去りて浩蕩こうとうの濤にとりこにせられ水烟渺漫びょうまんうちに在り、腰刀、行李こうりまたその中に在りて行く所を知らず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
私たちの舟はまたの音もゆるく緩く波上に遊んでゆく、流れはもはや急ではない、大江たいこう浩蕩こうとうとしたさざなみである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
南に富士川は茫々ばう/\たる乾面上に、きりにて刻まれたるみぞとなり、一線の針をひらめかして落つるところは駿河の海、しろがね平らかに、浩蕩かうたうとして天といつく。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
バチルスを発見すると否とはさまで吾人の人生に関与する所なしといへども、要するに、問題と秘密とは、図書館の中にあらず、浩蕩かうたう天際てんさいに存せずして
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)