丈夫ぢやうぶ)” の例文
じつおどろきました、んなお丈夫ぢやうぶさまなおかたうして御死去おなくなりになつたかとつて、宿やどものよろしうまうしました、さぞ力落ちからおとしで……。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かれとほはたけつち潜伏せんぷくしてそのにくむべき害蟲がいちうさがしてその丈夫ぢやうぶからだをひしぎつぶしてだけ餘裕よゆう身體からだにもこゝろにもつてない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ナニ、あをいんでもかまひませんが、なるなら黄色きいろはうがいゝ。むぎじゆくするほど丈夫ぢやうぶですからね。このほそ麥藁むぎわら穗先ほさきはうかるつておきなさい。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
宗助そうすけ東京とうきやうかへつたときは、ちゝもとよりまだ丈夫ぢやうぶであつた。小六ころく子供こどもであつた。かれは一ねんぶりにさかんなみやこ炎熱えんねつ煤煙ばいえん呼吸こきふするのをかへつてうれしくかんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やくして各々妻にも其趣そのおもむきを云聞いひきかせ是より兩家べつしてむつましく交際つきあひけり然るに兩人の子供こども丈夫ぢやうぶ成長せいちやうなすうちはや吉三郎十三歳と成し時ちゝの茂兵衞大病たいびやうわづら種々しゆ/″\療養れうやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
百樹曰、越遊ゑついうして大家のつくりやうを見るに、はしらふときこと江戸の土蔵のごとし。天井てんじやう高く欄間らんま大なり、これ雪の時あかりをとるためなり。戸障子としやうじ骨太ほねふとくして手丈夫ぢやうぶなるゆゑ、しきゐ鴨柄かもゑひろあつし。
まだ初霜は置くまじきを、今年は虫のよはひいと短かくて、はやくに声のかれ/″\になりしかな。くつわ虫はかしましき声もかたちもいと丈夫ぢやうぶめかしきを、いつしかときにおとろへ行くらん。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
丈夫ぢやうぶだよ そこらへんのボタンをみんなしてみるんだよ
必要ひつえうなは卯平うへい丈夫ぢやうぶつていた。それからかべるのにはあひだいて二三にちかゝつた。勘次かんじ有繋さすが勞力らうりよくをしまなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
木曾馬きそうまちひさいが、足腰あしこし丈夫ぢやうぶで、よくはたらくとつて、それをひに博勞ばくらう毎年まいねん諸國しよこくからあつまります。博勞ばくらうとはうま賣買うりかひ商賣しやうばいにするひとのことです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
百樹曰、越遊ゑついうして大家のつくりやうを見るに、はしらふときこと江戸の土蔵のごとし。天井てんじやう高く欄間らんま大なり、これ雪の時あかりをとるためなり。戸障子としやうじ骨太ほねふとくして手丈夫ぢやうぶなるゆゑ、しきゐ鴨柄かもゑひろあつし。
きみ身體からだ丈夫ぢやうぶだから結構けつこうだ」とよく何處どこかに故障こしやうおこ安井やすゐうらやましがつた。この安井やすゐといふのはくに越前ゑちぜんだが、なが横濱よこはまたので、言葉ことば樣子やうすがう東京とうきやうものとことなるてんがなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いやア……大層たいそうひろい……こりやアはらのやうなところだ……おやぼく丈夫ぢやうぶだが、此間このあひだ佐藤進先生さとうすゝむせんせいとてもむづかしいとつたよ、それからさいが心配して、橋本先生はしもとせんせいもらつたらうだらうとふから
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
あゝ何故なぜ丈夫ぢやうぶうまれてれたらう、おまへさへなくなつてれたならわたし肥立次第ひだちしだい實家じつかかへつて仕舞しまふのに、こんな旦那樣だんなさまのおそばなにかに一時いつときやしないのに、何故なぜまあ丈夫ぢやうぶうまれてれたらう、いや
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なに大丈夫ぢやうぶだよ ほら目をあけた
證據しようこに持參致さば金子は引替ひきかへに渡すべき約束仕つり九助は歸宅きたく仕つりしなり其譯は私しの宿より九助村方迄は六里程の行程みちのりにて大井河原がはらつゞきゆゑ甚だ街道物騷ぶつさうに存じ昨日の如く途中とちう盜賊たうぞくにも付られなば如何いかゞ故村方へ立歸り親類共にても兩三人同道どうだうにて來らば大丈夫ぢやうぶと心得斯の通り取計ひしと申ければ文左衞門シテ其金は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
丈夫ぢやうぶなこたあ、魂消たまげほど丈夫ぢやうぶだがなんでも自分じぶんきならはたら容子ようすで、其處そこらほうつきあるいちや小遣錢位こづけえぜねぐれえはとつてんだな鹽梅あんべえしきが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
屋根やねうへかくして、そらとほ小鳥ことりにつかないやうにしてあります。その小屋こや周圍まはりに、ほそ丈夫ぢやうぶいとんだ鳥網とりあみおほきなのが二つも三つもつてあるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なんだ弱虫よわむし 大丈夫ぢやうぶだよ