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驚愕
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おどろき
ふりがな文庫
“
驚愕
(
おどろき
)” の例文
聞けば聞くほど、お種は
驚愕
(
おどろき
)
の眼を
瞪
(
みは
)
った。夫が彼女のもので無くなったばかりでなく、嫁まで彼女のものでは無くなりかけて来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分の坤竜丸と左膳の乾雲丸とをまとめて返しに行くつもりで、しきりに左膳の姿を捜していた徹馬が、突如
驚愕
(
おどろき
)
の叫びをあげた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かの魂等またみなかくのごとく見えき、されど
驚愕
(
おどろき
)
(貴き心の中にてはそのしづまること早し)の重荷おろされしとき 七〇—七二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
勘次
(
かんじ
)
は一
度
(
ど
)
整骨醫
(
せいこつい
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つてからは、
世間
(
せけん
)
には
這麽
(
こんな
)
に
怪我人
(
けがにん
)
の
數
(
かず
)
が
有
(
あ
)
るものだらうかと
絶
(
た
)
えず
驚愕
(
おどろき
)
と
恐怖
(
おそれ
)
との
念
(
ねん
)
に
壓
(
あつ
)
せられて
居
(
ゐ
)
たが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
こんな
呑気
(
のんき
)
な想像が、実際を見た彼の眼を
驚愕
(
おどろき
)
で丸くさせた。細君は夫の留守中に自分の不断着をことごとく着切ってしまった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
色を失へる貫一はその堪へかぬる
驚愕
(
おどろき
)
に駆れて、
忽
(
たちま
)
ち身を
飜
(
ひるがへ
)
して
其方
(
そなた
)
を見向かんとせしが、
幾
(
ほとん
)
ど同時に又枕して、
終
(
つひ
)
に動かず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私
(
わたくし
)
と
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
とは
今迄
(
いまゝで
)
の
喜悦
(
よろこび
)
も
何處
(
どこ
)
へやら、
驚愕
(
おどろき
)
と
憂慮
(
うれひ
)
とのために、
全
(
まつた
)
く
顏色
(
がんしよく
)
を
失
(
うしな
)
つた。
今一息
(
いまひといき
)
といふ
間際
(
まぎわ
)
になつて、
此
(
この
)
異變
(
ゐへん
)
は
何事
(
なにごと
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今度の
驚愕
(
おどろき
)
は前の如きものではなく、その大きな眼を一杯に見開き、唇は
痙攣
(
けいれん
)
して引きつり、低い
呻吟
(
うめ
)
くような声が
咽喉
(
のど
)
から押し出されました。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
無生物である人形の歩み——まさに、魂の底までも
凍
(
い
)
てつけるような
驚愕
(
おどろき
)
だった。しかし、当然そうなると、人形の
側
(
かたわら
)
にある何者かを想像しなくてはならない。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
わたしは一切の話を包まず打ち明けて、この怖ろしい運命から救ってくれと哀願すると、静かに私の話を聴いていた博士の眼にも、一種の
驚愕
(
おどろき
)
の色がひらめいた。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
膝がしらを少し摺り剥いただけで、ほかに大した怪我もなかったが、あまりの
驚愕
(
おどろき
)
にお咲は蘇生の後もぼんやりしていた。その晩から熱が出て、三日ばかり床に就いた。
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此時ゆくりなく自分の眼前に、その沈黙した意味深い一座の光景が
電光
(
いなづま
)
の如く
顕
(
あらは
)
れて消えた。続いて夜の光景、暁の光景、ことに、それと聞いて飛んで来た娘つ子の
驚愕
(
おどろき
)
。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
それが、九歳か十歳の時、大地主の白井樣が盛岡から
理髮師
(
とこや
)
を一人お呼びなさるといふ噂が恰も今度源助さんが四年振で來たといふ噂の如く、異樣な
驚愕
(
おどろき
)
を以て村中に傳つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
直次が
驚愕
(
おどろき
)
に青ざめし
面
(
おもて
)
を斜に見下して、お蘭樣は冷やかなる
眼中
(
まなこ
)
に笑みをうかべて、水の底にも都のありと詠みて
帝
(
みかど
)
を誘ひし尼君が心は知らず、我父は此世の憂きにあきて
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
初冬
(
はつふゆ
)
の凍つた明い朝なぞ、忽然冷えきつた鏡の
面
(
おもて
)
に、
顳顓
(
こめかみ
)
の
白髮
(
しらが
)
を見出した時の
驚愕
(
おどろき
)
、絶望、其れは事實に對する恐怖であるが、これは自分の心が生みだす空想の恐怖である
幻覺
(
ハルシネイシヨン
)
である。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
もう一度こんなような
驚愕
(
おどろき
)
を——神経と心臓とをひどく刺戟する病気に大毒な
驚愕
(
おどろき
)
を最近に経験するとなると、
生命
(
いのち
)
のほども受け合われないなどと——あるいは脅かしかも知れませんけれど……
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
調
(
しら
)
ぶるは
必定
(
ひつぢやう
)
越前が恐入しは此伊賀亮が爲に一
苦勞
(
くらう
)
なりと云に大膳始め皆々
驚愕
(
おどろき
)
然
(
しから
)
ば大岡が恐入しは僞りなるか此後は如何して
宜
(
よか
)
らん
抔
(
など
)
案
(
あん
)
じけるに山内笑ひて大岡手を變へて事を
成
(
なさ
)
ば我又其
裏
(
うら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼
(
かれ
)
は
何
(
なに
)
かに
騙
(
だま
)
された
後
(
あと
)
のやうに
空洞
(
からり
)
とした
周圍
(
しうゐ
)
をぐるりと
見廻
(
みまは
)
さない
譯
(
わけ
)
にはいかなかつた。
彼
(
かれ
)
は
沿岸
(
えんがん
)
の
洪水後
(
こうずゐじ
)
の
變化
(
へんくわ
)
に
驚愕
(
おどろき
)
の
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
想ふに彼等の
驚愕
(
おどろき
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とはその殺せし人の計らずも今生きて
来
(
きた
)
れるに会へるが如きものならん。気も
不覚
(
そぞろ
)
なれば母は
譫語
(
うはごと
)
のやうに
言出
(
いひいだ
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
掴まれた冬子はと見れば、不意の
驚愕
(
おどろき
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とに失神したのであろう、
真蒼
(
まっさお
)
な顔に眼を
瞑
(
と
)
じて、殆ど息も
為
(
し
)
ない。
酔
(
よい
)
も
漸次
(
しだい
)
に醒めたと見えて、お葉の顔も蒼くなって来た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
再び死にし者に似たる魂等はわが生くるを知り、我を見て
驚愕
(
おどろき
)
を目の
坎
(
あな
)
より吐けり 四—六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
それが、
九歳
(
ここのつ
)
か
十歳
(
とう
)
の時、大地主の白井様が盛岡から
理髪師
(
とこや
)
を一人お呼びなさるといふ噂が、恰も今度源助さんが四年振で来たといふ噂の如く、異様な
驚愕
(
おどろき
)
を以て村中に伝つた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と、若松屋惣七は、
驚愕
(
おどろき
)
をふきとるために、顔をなでた。平静を装おうとしているのだ。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
講師の中に賤民の子がある。是噂が全校へ
播
(
ひろが
)
つた時は、一同
驚愕
(
おどろき
)
と
疑心
(
うたがひ
)
とで動揺した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
樣子
(
やうす
)
を
窺
(
うかゞ
)
つて
居
(
を
)
るとは
氣付
(
きづ
)
いた
人
(
ひと
)
はありませんかつたが、
今
(
いま
)
現
(
げん
)
に
海賊
(
かいぞく
)
仲間
(
なかま
)
の
其
(
その
)
息子
(
むすこ
)
が
此
(
この
)
港
(
みなと
)
に
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
と、
今
(
いま
)
の
話
(
はなし
)
の
樣子
(
やうす
)
で、
朧
(
おぼろ
)
ながらも
其
(
そ
)
れと
覺
(
さと
)
つた
亞尼
(
アンニー
)
の
驚愕
(
おどろき
)
はまアどんなでしたらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかし
成
(
なる
)
たけ、表沙汰にしたくない、不都合でもあつた時に困る。かう言つて、分家や別家の人達は町の警察に行つても頼めば、役場に行つても頼んだ。それを聞いた人々は皆な
驚愕
(
おどろき
)
の目を
睜
(
みは
)
つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼等
(
かれら
)
の
各自
(
めい/\
)
が
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る
種々
(
いろ/\
)
な
隱
(
かく
)
れた
性情
(
せいじやう
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
室
(
しつ
)
の
内
(
うち
)
にこつそりと
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
表現
(
へうげん
)
されて
居
(
ゐ
)
た。
女房
(
はようばう
)
の
言辭
(
ことば
)
は
悉皆
(
みんな
)
の
顏
(
かほ
)
を
唯
(
たゞ
)
驚愕
(
おどろき
)
の
表情
(
へうじやう
)
を
以
(
もつ
)
て
掩
(
おほ
)
はしめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さッ! と顔色を
更
(
か
)
えたお妙は、二、三歩、泳ぐようにうしろによろめいて、鈴を張ったような眼で父親の顔を見上げた。急には口も利けないほど、打たれたような
驚愕
(
おどろき
)
だった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ええ
忌々
(
いまいま
)
しい奴だと呟きながら、
其
(
その
)
夜は
其
(
その
)
ままに
邸
(
やしき
)
へ帰ったが、
扨
(
さて
)
能
(
よ
)
く能く考えて見ると、あれが果して妖怪であろうか、万一我が
驚愕
(
おどろき
)
と
憤怒
(
いかり
)
の余りに、碌々に
其
(
そ
)
の正体も認めず
河童小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
見るに
堪
(
た
)
へざる貫一の
驚愕
(
おどろき
)
をば、せめて乱さんと彼は
慌忙
(
あわただし
)
く
語
(
ことば
)
を次ぎぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
マルヂヴエ
群島
(
ぐんとう
)
の
邊
(
へん
)
から
南方
(
なんほう
)
に
向
(
むか
)
つて
走
(
はし
)
るなる、
一層
(
いつそう
)
流勢
(
ながれ
)
の
速
(
はや
)
い
潮流
(
てうりう
)
に
吸込
(
すひこ
)
まれて
居
(
を
)
ると
覺
(
さと
)
つた
時
(
とき
)
、
思
(
おも
)
はず
驚愕
(
おどろき
)
の
聲
(
こゑ
)
を
發
(
はつ
)
した
事
(
こと
)
と、
甞
(
かつ
)
て
物
(
もの
)
の
本
(
ほん
)
で
讀
(
よ
)
んだ
夥
(
おびたゞ
)
しき
鯨
(
くぢら
)
の
群
(
むれ
)
を
遙
(
はるか
)
の
海上
(
かいじやう
)
に
眺
(
なが
)
めた
事
(
こと
)
の
他
(
ほか
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その声には
驚愕
(
おどろき
)
と当惑の調子が十分に
籠
(
こも
)
っていた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
で、
主人
(
あるじ
)
の
驚愕
(
おどろき
)
は私よりも又一倍で、そう聞く上は最早一刻も猶予は出来ぬ、早速その窓を
取毀
(
とりこわ
)
し、
時宜
(
じき
)
に
依
(
よ
)
れば
其
(
そ
)
の室全体を
取壊
(
とりくず
)
して
了
(
しま
)
わねばならぬと、
直
(
すぐ
)
に家令を呼んで
其
(
そ
)
の
趣
(
おもむき
)
を命令した。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
つと窓へ眼の行ったかの女の口から、絞るような、
驚愕
(
おどろき
)
の声が……。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人々は皆な
驚愕
(
おどろき
)
の眼を
睜
(
みは
)
つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
抜けるように白い女の顔に、
驚愕
(
おどろき
)
が紅をさした。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と心中
驚愕
(
おどろき
)
の声をあげた。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
“驚愕”の解説
驚愕(きょうがく、en: surprise)または驚き(おどろき)とは、動物が予期しない事象を体験したときに起こる瞬間的な感情をいう。他の感情に比べて単純かつ原始的で、生理的反応と強く結びついた情動である。驚いた状態をびっくりしたという。
(出典:Wikipedia)
驚
常用漢字
中学
部首:⾺
22画
愕
漢検1級
部首:⼼
12画
“驚愕”で始まる語句
驚愕狼狽
驚愕仕
驚愕顛動
驚愕交響曲