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酒宴
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さかもり
ふりがな文庫
“
酒宴
(
さかもり
)” の例文
其の晩源次郎がまいり
酒宴
(
さかもり
)
が始まり、お國が長唄の
地
(
じ
)
で
春雨
(
はるさめ
)
かなにか
三味線
(
さみせん
)
を掻きならし、当時の九時過まで興を添えて居りましたが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酒宴
(
さかもり
)
の
準備
(
したく
)
をして
数多
(
たくさん
)
の料理を卓の上へ並べた室が見えた。元振はその室の入口へ立って中を窺いた。そこにも人影がなかった。
殺神記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それとよく
肖
(
に
)
てゐるのは、松平
大進
(
たいしん
)
といふ
武士
(
さむらひ
)
のやり方で、
酒宴
(
さかもり
)
になると、
極
(
きま
)
つて
長羅宇
(
ながらう
)
で、すぱりすぱりと煙草をふかし出す。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その前後に催さるる入船出船の
酒宴
(
さかもり
)
には長崎の紅い三尺手拭を鉢卷にして、琉球節を唄ふ放恣にして素朴な船頭衆のなかに
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
天皇はつぎにはまたあるとき、その
長谷
(
はつせ
)
にあるももえつきという大きな、大けやきの木の下でお
酒宴
(
さかもり
)
をお
催
(
もよお
)
しになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
薪とりにいでし四十九日目の
待夜
(
たいや
)
也とていとなみたる
仏㕝
(
ぶつじ
)
も
俄
(
にはか
)
にめでたき
酒宴
(
さかもり
)
となりしと
仔細
(
こまか
)
に
語
(
かた
)
りしは、九右エ門といひし
小間居
(
こまゐ
)
の
農夫
(
ひやくしやう
)
也き。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
掛け
頓
(
やが
)
て一座と成て
酒宴
(
さかもり
)
の
中
(
うち
)
後家に心有り
氣
(
げ
)
なる
面白可笑
(
おもしろをかし
)
き
盃盞
(
さかづき
)
ことに後家のお勇も
如才
(
じよさい
)
なき
人物
(
しろもの
)
故
(
ゆゑ
)
重四郎が樣子を
熟々
(
つく/″\
)
見るに年はまだ三十歳を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
下廻りまで全部三階にあつまって
寄始
(
よりはじ
)
めの
酒宴
(
さかもり
)
をしておりましたが、ひとりも欠けたものがございませんでした。
顎十郎捕物帳:11 御代参の乗物
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
盛な歓楽の声は二階に湧上つて、
屋外
(
そと
)
に居る二人の心に一層の不愉快と
寂寥
(
さびしさ
)
とを添へた。丁度人々は
酒宴
(
さかもり
)
の最中。
灯影
(
ほかげ
)
花やかに映つて歌舞の
巷
(
ちまた
)
とは知れた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「今夜あすこで、素晴らしい
酒宴
(
さかもり
)
があるだよ!」と、茲でにやりと笑顔を見せてチューブは語りつづけた。「どうかまあ、遅参にならなきやあよいがのう!」
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
美味
(
うま
)
そうなものを一パイ詰めた籠を出して、雑木林の中の空地に敷き並べると、部落に残っている
片輪
(
かたわ
)
連中を五六人呼び集めて、奇妙キテレツな
酒宴
(
さかもり
)
を初めた。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
どうでえ! 喧嘩に強い奴あ恋にも強いぞ。長の思いの
霽
(
は
)
れる夕べだ。
哲別
(
ジェベ
)
、
速不台
(
スブタイ
)
、
酒宴
(
さかもり
)
の支度をしろ。花嫁花婿のために、
祝言
(
しゅうげん
)
の席を設けろ、あっはっはっは。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
あの晩の、余りにも野蛮な
酒宴
(
さかもり
)
から様々な失策を演じた後なので、一同は、今宵こそは一層心を引き締めて仕事に掛らなければならぬと注意して、R村へ差かゝつた。
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
彼方
(
あなた
)
の山を
佶
(
きっ
)
と
睨
(
にら
)
めつ、「さては今宵彼の洞にて、金眸はじめ配下の獣
們
(
ら
)
、
酒宴
(
さかもり
)
なして
戯
(
たわぶ
)
れゐるとや。時節到来今宵こそ。宿願成就する時なれ。
阿那
(
あな
)
喜ばしやうれしや」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
近づいて、物蔭へ、ソッと身を伏せてうかがいますに、黒い人数は六、七人、枯木や枯草をパチパチ
燃
(
も
)
して、それへ酒とおぼしき湯沸しをかけ、茶碗を廻して野天の
酒宴
(
さかもり
)
。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金右衛門さんの指図で、私等はやつと山を下りることになりました。蜜柑畑へ更に伴はれるのです。
酒宴
(
さかもり
)
の所で
踊
(
をどり
)
を見せたりして居たお政さんも一所に行くことになりました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
まあまあそいつもいいとして、何と一つの人影も、庭内にいないじゃアありませんか! だがその代り屋敷内では、とても陽気なドンチャン騒ぎ、
酒宴
(
さかもり
)
をやっているんですなあ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見ると、その広間の中には、どれもこれも強そうな男が三十人ばかりお
酒宴
(
さかもり
)
をしていました。そして一番高い所に、身の
丈
(
たけ
)
が六尺もある位な大男が、
胡座
(
あぐら
)
をかいて坐っておりました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
浅間
(
せんげん
)
の
社
(
やしろ
)
で、
釜
(
かま
)
で甘酒を売る茶店へ休んだ時、鳩と
一所
(
いっしょ
)
に
日南
(
ひなた
)
ぼっこをする婆さんに、
阿部川
(
あべかわ
)
の
川原
(
かわら
)
で、桜の頃は土地の人が、毛氈に
重詰
(
じゅうづめ
)
もので、花の
酒宴
(
さかもり
)
をする、と言うのを聞いた。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
毎年一回、秋の月のいい晩に、村中の人が八幡様に集まりまして、
酒宴
(
さかもり
)
を開きました。それを「狸のお祭」と言いました。男も女も子供も、
大勢
(
おおぜい
)
の子狸や孫狸と一緒に踊り騒ぎました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
皆云いあわせたように、隣り村の居酒屋へ、夜明かしの
酒宴
(
さかもり
)
にでかけていった。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また
曩日
(
いつか
)
の樣に、今夜何處かに
酒宴
(
さかもり
)
でもあるのかと考へて、お定は
愼
(
つつま
)
しやかに
水潦
(
みづたまり
)
を避けながら、大工の家へ行つた。お八重は
欣々
(
いそ/\
)
と迎へたが、何か
四邊
(
あたり
)
を
憚
(
はゞか
)
る樣子で、
密
(
そつ
)
と裏口へ
伴
(
つ
)
れて出た。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そのうち、いつか殆ど知らぬまに、
酒宴
(
さかもり
)
になつてしまつてゐた。高く炎がゆらめき、人聲が顫へ、こんぐらかつた歌が玻璃と燭光から生じ、拍子がおもむろに熟して、——遂に、舞踏が涌き上つた。
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「今夜、何かお
酒宴
(
さかもり
)
でもなさりますか?」と聞く。
香油
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
藏
(
しま
)
うて、どうやら
酒宴
(
さかもり
)
が——
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大伴の表へは水を打って掃除も届き、奥には稽古を仕舞って大伴蟠龍軒兄弟が
酒宴
(
さかもり
)
をしている。
姑
(
しばら
)
くして「玄関に
取次
(
とりつぎ
)
があるよ、
安兵衞
(
やすべえ
)
」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
真澄
(
ますみ
)
はその晩も台所へ往って、
酒宴
(
さかもり
)
の後しまつをしている
婢
(
じょちゅう
)
から、二本の
残酒
(
のこりざけ
)
と一皿の
肴
(
さかな
)
をもらって来て飲んでいた。
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
二階座敷で時折樂しい
酒宴
(
さかもり
)
のあつたことも、客を
款待
(
もてな
)
すことの好きな姉の夫の氣風をあらはして居りました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「アハハハ。あやまったあやまった。お
見外
(
みそ
)
れ申しました。イヤ全くこんな
酒宴
(
さかもり
)
は初めてだ」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一方は死の恐怖に襲われどおしで、寸間も安心していられないというのに、一方は笛や
酒宴
(
さかもり
)
。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
取片付
(
とりかたづけ
)
させ自分は
急
(
いそ
)
ぎのこと
故
(
ゆゑ
)
一足先へ出立して
後
(
あと
)
より
追
(
おひ
)
つくべしと申聞け日の暮頃
慈恩寺村
(
じおんじむら
)
を立出けるが時しも
享保
(
きやうほ
)
八年七月十六日にて
盂蘭盆
(
うらぼん
)
のことなれば村々にては
酒宴
(
さかもり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
松茸の御飯や、お汁や、それから堺から待つて来た料理やでおいしいお昼飯は食べましたが、父やその
外
(
ほか
)
の人の
酒宴
(
さかもり
)
が、
何時
(
いつ
)
果てるとも見えませんのが困ることと思はれました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
……それはそうと美麻奈さんは、いったいどこにいるのかしら? 宴会の席にはいないようだ。……どうやら
酒宴
(
さかもり
)
は終ったらしい。みんなガヤガヤ立ち上がったよ。廊下の方へ出て行くよ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
向う角の火災保険の
煉瓦
(
れんが
)
に映る、縁結びの
紅
(
あか
)
い
燈
(
あかり
)
は、あたかも奥庭の橋に居て、御殿の長廊下を望んで、障子越の
酒宴
(
さかもり
)
を
視
(
なが
)
める
光景
(
ありさま
)
! 島田の影法師が
媚
(
なま
)
めくほど、なお世に離れた趣がある。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
皆浮きうきしながら、焚火のまわりに獣皮を敷き、
酒宴
(
さかもり
)
の座を設ける。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
奥座敷の障子を開け放ち、酔興にも雪見の
酒宴
(
さかもり
)
が始まつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かの雪の
夜
(
よ
)
の
酒宴
(
さかもり
)
に
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その人びとは
酒宴
(
さかもり
)
でもしているような
容
(
ふう
)
であった。大異はその人びとの側に一刻も早く往きたかった。大異は足よりも心の方がさきになって往った。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
こっそり
酒宴
(
さかもり
)
を致して居ります、其の内に段々と作藏が酔って来ると、馬方でございますから、野良で話を
為
(
し
)
つけて居りますから、つい声が大きくなる。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
自宅
(
うち
)
の惣菜や、
乾物
(
ひもの
)
の残りを持込んで、七輪を起す
女連
(
おんなづれ
)
も居るという訳で、何や
彼
(
か
)
や片付いた十一時過になると福太郎の狭い納屋の中が、時ならぬ
酒宴
(
さかもり
)
の場面に変って行った。
斜坑
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
考へ居たりしが
大概
(
おほよそ
)
丑刻
(
やつ
)
時分
(
じぶん
)
とも思ふ頃
密
(
そつ
)
と起上り
寢床
(
ねどこ
)
にて
甲懸
(
かふがけ
)
脚絆
(
きやはん
)
迄も
穿
(
はき
)
率
(
いざ
)
と云へば
逃出
(
にげだ
)
すばかりの支度をなし夫より後藤が
寢
(
ね
)
たる
側
(
そば
)
に
指
(
さし
)
より宵の
酒宴
(
さかもり
)
の時見て置きたる胴卷の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
以下、
野獣
(
やじゅう
)
のごとき
残党輩
(
ざんとうばら
)
。
竹童
(
ちくどう
)
のあげた
狼煙
(
のろし
)
も、
伊那丸軍
(
いなまるぐん
)
の出動も知らず、みなゆだんしきッた
酒宴
(
さかもり
)
の
歓楽最中
(
かんらくさいちゅう
)
。なかにはすでに
酔
(
よ
)
いつぶれて、
正体
(
しょうたい
)
のない
野武士
(
のぶし
)
さえある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
御大層
(
ごたいそう
)
もない茶壺を、あの品川へ着いた夜の
酒宴
(
さかもり
)
に、三島から狙ってきたこのおいらに、見ごとに盗みだされるたア、強いだけで
能
(
のう
)
のねえ田舎ざむれえ、よくもああ
木偶
(
でく
)
の坊が揃ったもんだと
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
寮の座敷では年始の
酒宴
(
さかもり
)
が、今陽気にひらかれている。
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
海には難破船の上の
酒宴
(
さかもり
)
……
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
と
差
(
さ
)
えつ
押
(
おさ
)
えつ話をしながら
酒宴
(
さかもり
)
をして居りましたが、其の内にだん/\と爺さん婆さんも
微酔
(
ほろよい
)
になりました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その婚礼の席には秋山長右衛門夫妻、近藤六郎兵衛がいたが、
酒宴
(
さかもり
)
になったところで、伊右衛門の朋輩
今井仁右衛門
(
いまいじんえもん
)
、
水谷庄右衛門
(
みずたにしょうえもん
)
、
志津女久左衛門
(
しずめきゅうざえもん
)
の三人が押しかけて来た。
四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
神護建立
(
じんごこんりゅう
)
の
勧進
(
かんじん
)
のため、院の御所へ踏み入って、折から、
琵琶
(
びわ
)
や朗詠に
酒宴
(
さかもり
)
していた
大臣
(
おとど
)
どもに、
下々
(
しもじも
)
の困苦の
呪
(
のろ
)
い、迷路の
呻
(
うめ
)
きなど、世の
実相
(
さま
)
を、一席講じて、この
呆痴輩
(
たわけばら
)
と
一喝
(
いっかつ
)
した所
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海には難破船の上の
酒宴
(
さかもり
)
……
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
肝腎
(
かんじん
)
の花里がいま身請の
酒宴
(
さかもり
)
と申す
最中
(
もなか
)
に逃亡いたしたんですから、楼中の騒ぎは一通りではありません、上を下へとゴッタ返して探しましたが、中々知れそうな
理由
(
わけ
)
はありません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酒
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
宴
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
“酒”で始まる語句
酒
酒肴
酒場
酒瓶
酒代
酒杯
酒精
酒屋
酒樽
酒盃