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踵
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かゝと
ふりがな文庫
“
踵
(
かゝと
)” の例文
渠は紐で飾つた袍を着て、広い帯に剣を懸け、羽附きの高く尖つた帽を戴き、赤い
襪
(
たび
)
に
踵
(
かゝと
)
の高い、花飾りの附いた靴を穿いて居ます。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
逃げ出した足跡なら、
爪先
(
つまさき
)
に力が入つて深くめり込んで居る筈なのに、あの足跡は爪先が輕くて
踵
(
かゝと
)
の方が深くめり込んで居ますよ。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山嵐の
踵
(
かゝと
)
をふんであとからすぐ現場へ馳けつけた。喧嘩は今が真最中である。師範の方は五六十人もあらうか、中学は慥かに三割方多い。
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
教場で背後から何ほど鉛筆で
頸筋
(
くびすぢ
)
を突つつかれようと、靴先で
踵
(
かゝと
)
を
蹴
(
け
)
られようと、眉毛一本動かさず
瞬
(
またゝ
)
き一つしなかつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
寒いって
胼胝
(
あかぎれ
)
だらけな足を上げて、
立
(
たっ
)
て居て
踵
(
かゝと
)
をあぶるので、旦那はすっかり怒って仕舞って
早々
(
そう/\
)
お
暇
(
いとま
)
になりました、実に女だけは江戸に限ります
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
然
(
さ
)
うかと
思
(
おも
)
へば、
帯
(
おび
)
から
下
(
した
)
は、げつそりと
風
(
ふう
)
が
薄
(
うす
)
く、
裙
(
すそ
)
は
緊
(
しま
)
つたが、ふうわりとして
力
(
ちから
)
が
入
(
はい
)
らぬ。
踵
(
かゝと
)
が
浮
(
う
)
いて、
恁
(
か
)
う、
上
(
うへ
)
へ
担
(
かつ
)
ぎ
上
(
あ
)
げられて
居
(
ゐ
)
さうな
様子
(
やうす
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼等はよく私に「ラベル、ラベル」とくりかへしいふので、何のことだらうと最初のほどはトント合点がゆかなんだ。すると靴の
踵
(
かゝと
)
のゴムを指すのであつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
彼の
足跡
(
あしあと
)
を踏み傳ひて直く進みしかれの
家族
(
やから
)
は全くその
方向
(
むき
)
を變へ、指を
踵
(
かゝと
)
の方に投ぐ 一一五—一一七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ロミオ (從者にむかひ)
俺
(
おれ
)
には
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れ。
氣
(
き
)
の
輕
(
かる
)
い
陽氣
(
やうき
)
な
手合
(
てあひ
)
は、
舞踏靴
(
をどりぐつ
)
の
踵
(
かゝと
)
で
澤山
(
たんと
)
無感覺
(
むかんかく
)
な
燈心草
(
とうしんぐさ
)
を
擽
(
こそぐ
)
ったがよい。
俺
(
おれ
)
は、
祖父
(
ぢゝい
)
の
訓言通
(
をしへどほ
)
り、
蝋燭持
(
らうそくもち
)
をして
高見
(
たかみ
)
の
見物
(
けんぶつ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
藁俵
(
わらだはら
)
を
編
(
あ
)
み
了
(
を
)
へて、さうして
端
(
はし
)
を
縛
(
しば
)
つた
小
(
ちひ
)
さな
藁
(
わら
)
の
束
(
たば
)
を
丸
(
まる
)
く
開
(
ひら
)
いて、それを
足
(
あし
)
の
底
(
そこ
)
に
踏
(
ふ
)
んで
踵
(
かゝと
)
を
中心
(
ちうしん
)
に
手
(
て
)
と
足
(
あし
)
とを
筆規
(
ぶんまはし
)
のやうにしてぐる/\と
廻
(
まは
)
りながら
丸
(
まる
)
い
俵
(
たはら
)
ぼつちを
作
(
つく
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「何が
美味
(
うま
)
いんだ、
恰
(
まる
)
で
履
(
くつ
)
の
踵
(
かゝと
)
でも噛むやうなもんだ、
酷
(
ひど
)
い目に会はせやがる。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
女 あたしに持たせるの? ぢや、
踵
(
かゝと
)
が口ん中へはいつたつてしらないわよ。
富士はおまけ(ラヂオ・ドラマ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
五本使ふのよ。わたしねいま別に信一の靴下も編んでゐるんですけれどね、裏と
踵
(
かゝと
)
には木綿をどし/\刺し込んでやるの。まあ山賊の靴下ね。だつて一週間に二三足といふ勢で、生優しく継げない穴を
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
それから
彼
(
あ
)
の靴の
請負
(
うけおひ
)
の時はドウだ、糊付けの
踵
(
かゝと
)
が雨に離れて、水兵は
繩梯
(
はしご
)
から落ちて
逆巻
(
さかま
)
く
濤
(
なみ
)
へ
行衛
(
ゆくゑ
)
知れずになる、艦隊の方からは
劇
(
はげ
)
しく苦情を持ち込む、本来ならば、
彼時
(
あのとき
)
山木にしろ、君にしろ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
顏を
踵
(
かゝと
)
にちよと挾む
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と云われ
真青
(
まっさお
)
になってぶる/\
顫
(
ふる
)
えて傳助地びたへ
踵
(
かゝと
)
が着きませんで、ひょこ/\歩きながら案内をするうちに、団子屋のきんの宅の路地まで参りました。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ウ、フ、お前の鼻を見ると、指位突つ込みたくなるだらうよ。
踵
(
かゝと
)
でなくて仕合せだ、まア、勘辧してやれ」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
婦
(
をんな
)
はあとびつしやりをする、
脊筋
(
せすぢ
)
を
捩
(
よぢ
)
らす。
三俵法師
(
さんだらぼふし
)
は、
裳
(
もすそ
)
にまつはる、
踵
(
かゝと
)
を
嘗
(
な
)
める、
刎上
(
はねあが
)
る、
身震
(
みぶるひ
)
する。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
やがて又動く気になつたので腰を
上
(
あ
)
げて、立ちながら、靴の
踵
(
かゝと
)
を向け直すと、岡の
上
(
のぼ
)
り
際
(
ぎは
)
の、
薄
(
うす
)
く色づいた
紅葉
(
もみぢ
)
の
間
(
あひだ
)
に、
先刻
(
さつき
)
の女の影が見えた。
並
(
なら
)
んで岡の
裾
(
すそ
)
を通る。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「殿、覚えておはせ、
御身
(
おんみ
)
が命を取らむまで、
妾
(
わらは
)
は死なじ」と謂はせも果てず、はたと
首
(
かうべ
)
を
討落
(
うちおと
)
せば、
骸
(
むくろ
)
は中心を失ひて、
真逆様
(
まつさかさま
)
になりけるにぞ、
踵
(
かゝと
)
を天井に着けたりしが
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
八五郎はその
踵
(
かゝと
)
を踏みさうにして立ち止りました。彌造が崩れて鼻の下が長くなります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三四郎は其時の心持を
未
(
いま
)
だに覚えてゐる。すぐ帰らうとして、
踵
(
かゝと
)
を
回
(
めぐ
)
らしかけたが、足がすくんで殆んど動けなかつた。
土堤
(
どて
)
を這ひ
上
(
あが
)
つて、
座敷
(
ざしき
)
へ
戻
(
もど
)
つたら、動悸が打ち出した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
中肉中丈
(
ちゅうにくちゅうぜい
)
で、お
臀
(
しり
)
の小さい、
踵
(
かゝと
)
の締った、横骨の
引込
(
ひっこ
)
んだ
上
(
じょう
)
ものでございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
踵
(
かゝと
)
の
黒
(
くろ
)
いのを
眞向
(
まむ
)
きに
見
(
み
)
せて、一
本
(
ぽん
)
ストンと
投出
(
なげだ
)
した、……
恰
(
あたか
)
も
可
(
よし
)
、
他
(
ほか
)
の
人形
(
にんぎやう
)
など
一所
(
いつしよ
)
に
並
(
なら
)
んだ、
中
(
なか
)
に
交
(
まじ
)
つて、
其處
(
そこ
)
に、
木彫
(
きぼり
)
にうまごやしを
萌黄
(
もえぎ
)
で
描
(
か
)
いた、
舶來
(
はくらい
)
ものの
靴
(
くつ
)
が
片隻
(
かたつぽ
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
浪人者の
踵
(
かゝと
)
を踏むやうに續いて入らうとすると、今度もまた見付かつて了ひました。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
止
(
よ
)
し遊ばせよ、あなたは
彼
(
あれ
)
を
怜悧
(
りこう
)
と
思召
(
おぼしめ
)
して目を
掛
(
か
)
けていらツしやいますが、
今朝
(
けさ
)
も
合羽屋
(
かつぱや
)
の
乳母
(
おんば
)
さんが店でお
坊
(
ばう
)
さんを遊ばして
居
(
ゐ
)
る
傍
(
そば
)
で、
弥吉
(
やきち
)
が自分の
踵
(
かゝと
)
の皮を
剥
(
む
)
いて
喰
(
た
)
べさせたりして
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あの男の恰好ですよ。
芯
(
しん
)
の出た帶を猫じやらしに結んで、
淺黄
(
あさぎ
)
の手拭の申分なく汚れたのがブラ下り、着物の
裾
(
すそ
)
が十二單衣になつて、
踵
(
かゝと
)
に去年からのでつかいあかぎれが四つ五つ口を
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
應
(
おう
)
」は
普通
(
ふつう
)
の
乞食
(
こつじき
)
と
齊
(
ひと
)
しく、
見
(
み
)
る
影
(
かげ
)
もなき
貧民
(
ひんみん
)
なり。
頭髮
(
とうはつ
)
は
婦人
(
をんな
)
のごとく
長
(
なが
)
く
伸
(
の
)
びたるを
結
(
むす
)
ばず、
肩
(
かた
)
より
垂
(
た
)
れて
踵
(
かゝと
)
に
到
(
いた
)
る。
跣足
(
せんそく
)
にて
行歩
(
かうほ
)
甚
(
はなは
)
だ
健
(
けん
)
なり。
容顏
(
ようがん
)
隱險
(
いんけん
)
の
氣
(
き
)
を
帶
(
お
)
び、
耳
(
みゝ
)
敏
(
さと
)
く、
氣
(
き
)
鋭
(
するど
)
し。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
踵
(
かゝと
)
でしめながら歩くという
剣呑
(
けんのん
)
な雪駄です。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
背後
(
うしろ
)
むきに
踵
(
かゝと
)
で
探
(
さぐ
)
つて、
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
いて、
壇
(
だん
)
を
下
(
お
)
りて、てく/\
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八五郎は
踵
(
かゝと
)
に返事をさせるやうに、もう飛出してをります。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“踵(かかと)”の解説
かかと(踵)は、足の裏の最も後(背中側)の部分である。きびすとも言う。靴ではかかとの下の靴底を厚くするのが普通で、英語の heel からヒールとも言う。靴のこの部分を指してかかとと言うこともある。
(出典:Wikipedia)
踵
漢検1級
部首:⾜
16画
“踵”を含む語句
相踵
接踵
高踵靴
踵鉄
高踵
円踵
前踵部
対踵地
対踵的
後踵
膕踵
赤踵
踵摺
追踵