くき)” の例文
新字:
ほたるもすそしのつまりて、うへ薄衣うすぎぬと、長襦袢ながじゆばんあひだてらして、模樣もやうはなに、に、くきに、うらきてすら/\とうつるにこそあれ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くさでは「いたどり」や「すいこぎ」がべられましたが、あの「すいこぎ」のくきつてておうち鹽漬しほづけをしてあそぶこともありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
したるとおどろほどくびながくなつてて、まるでそれは、はる眼下がんかよこたはれる深緑しんりよくうみからくきのやうにえました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
其處そこにはもうそつけなくなつた女郎花をみなへしくきがけろりとつて、えだまでられたくりひくいながらにこずゑはうにだけはわづかんでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くきうへ黄色きいろ五瓣ごべんはなをつけるみやまだいこんや、はゝこぐさにしろふらんねるのようなつてゐるみやまうすゆきそうなどえます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
曾ては、すかんぽのくきのやうに水々しく美しかつたおきみのうなじも、今はどす黒く痩せて、カサカサに乾いてゐた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
「赤いくきに丸い毛のある葉が出て、白い小さい花の咲く——井戸草ゐどぐさとも言ひますが」
それは五人ごにんとも別々べつ/\で、石造皇子いしつくりのみこには天竺てんじくにあるほとけ御石みいしはち車持皇子くらもちのみこには東海とうかい蓬莱山ほうらいさんにあるぎんきんくき白玉しらたまをもつたえだ一本いつぽん阿倍あべ右大臣うだいじんには唐土もろこしにある火鼠ひねずみ皮衣かはごろも
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
玄子げんしとははやしりて、えだきたり、それをはしらとして畑中はたなかて、日避ひよけ布片きれ天幕てんとごとり、まめくきたばにしてあるのをきたつて、き、其上そのうへ布呂敷ふろしきシオルなどいて
に、くきに、伏葉ふしばに、いし
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
まわりの田の稻のくき
れた鳳仙花ほうせんくわえだたけつゑしばりつけようとしてれたらぽろりとくきからはなれてしまつた。卯平うへい忌々敷相いまいましさう打棄うつちやつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うめ黄色きいろはなをひらき鋸齒のこぎりばのあるまるみつつづゝ、いとのようなくきにつけたみやまきんばい、ちひさいしばのようなみやまつめくさ、たかねつめくさなどがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
かけひみづくるとて、嫁菜よめなくきひとみつゝ、やさしきひとこゝろかな、なんのすさみにもあらで、たらひにさしけるが、ひきときぎぬあゐえて、嫁菜よめな淺葱色あさぎいろえしを、菜畠なばたけ日南ひなたいこひて
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
家中いたるところに數々の草根木皮がつるしてあるので、外から入つた者には、家の中全部が大きな藥袋のやうな感じですが、わけてもこの廊下は、袋に入らないの、根をたばねたの、くきを縛つたの
それでもつよくきはすつとつて、大抵たいていはがつかりとあつさにたれて草木さうもくあひだほこつたやうにえた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
以上いじようのすべてのは、みんなみきくきちひさくひくくて、おほくはひとつところに群生ぐんせいしてゐます。またそここゝの灌木かんぼくしたには、ぎにいふ高山植物こうざんしよくぶつ可愛かわいえてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ぬれいろの、うすあからんだくきつたひ、みづをはねて、はねえたふな飛囘とびまはる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
尾上をのへはるかに、がけなびいて、堤防どてのこり、稻束いなづかつて、くきみだみだれてそれ蕎麥そばよりもあかいのに、ゆめのやうにしろまぼろしにしてしかも、名殘なごりか、月影つきかげか、晃々きら/\つやはなつて、やまそでに、ふところ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)