“菜畠”の読み方と例文
読み方割合
なばたけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
揃って、むらはげ白粉おしろいが上気して、日向ひなたで、むらむらと手足を動かす形は、菜畠なばたけであからさまに狐が踊った。チャンチキ、チャンチキ、田舎の小春の長閑のどけさよ。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……秋も末になった或る日、植木畑の片隅に作った菜畠なばたけで、お紋がざるを片手に菜を採っていると、すぐ脇の道を通りかかった三人づれの女たちが、びっくりするような声をあげて呼びかけた。
野分 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
途中は新地の赤い格子、青い暖簾のれん、どこかの盛場の店飾も、活動写真の看板も、よくは見ません。菜畠なばたけに近い場末の辻の日溜ひだまりに、柳の下で、ふなを売るおけを二人で覗いて
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)