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碁
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ご
ふりがな文庫
“
碁
(
ご
)” の例文
糟谷
(
かすや
)
は
西洋葉巻
(
せいようはま
)
きを口から
離
(
はな
)
さないのと、へたの
横好
(
よこず
)
きに
碁
(
ご
)
を打つくらいが
道楽
(
どうらく
)
であるから、
老人側
(
ろうじんがわ
)
にも若い人の
側
(
がわ
)
にもほめられる。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「ナニ! 助勢を? 誰がどこへ……?」と思わず泰軒、
碁
(
ご
)
をそっちのけに乗りだすと、忠相は手の石で盤をパチパチたたきながら
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
昨夜は番町の
舊友
(
きういう
)
——今は出世して
神尾攝津守
(
かみをせつつのかみ
)
となつて居る神尾十三郎殿の許へ參つて、
碁
(
ご
)
を打つて泊り込んで、今朝此處へ戻つたよ。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いやまだ寝るにはちと早いから頼春(細川)を相手に
碁
(
ご
)
でも打とうかといっていたところだ。そちが来たのなら酒でも
酌
(
く
)
もうか」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
陸は遠州流の
活花
(
いけばな
)
をも学んだ。
碁
(
ご
)
象棋
(
しょうぎ
)
をも母
五百
(
いお
)
に学んだ。五百の碁は二段であった。五百はかつて
薙刀
(
なぎなた
)
をさえ陸に教えたことがある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
宿の
主将
(
ていしゅ
)
を
対手
(
あいて
)
にして
碁
(
ご
)
を打っていた武士は、その碁にも
飽
(
あ
)
いて来たので主翁を
伴
(
つ
)
れて
後
(
うしろ
)
の庭へ出た。そこは湯本温泉の温泉宿であった。
山寺の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
常念御坊
(
じょうねんごぼう
)
は歩きながらも、
碁
(
ご
)
のことばかり、考えつづけていました。さっきのいちばんしまいの、あすこのあの手はまずかった。
のら犬
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
時たま寺に郵便でもあるときには、
庫裡
(
くり
)
に上り込んで
和尚
(
おしょう
)
さんのザル
碁
(
ご
)
の相手になっては日の暮れるのをも忘れることもあった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
町内の口きき連から、用のないてあいが、
将棋
(
しょうぎ
)
盤や
碁
(
ご
)
盤を持込んで、しきりに無駄話をしていた。彼等の目は一斉に隣人の一身にそそがれた。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
川向うの
小梅
(
こうめ
)
の友人の所へ、
碁
(
ご
)
を囲みに行くのだと云って、暖い晩だったので大島の袷に
鹽瀬
(
しおぜ
)
の
羽織
(
はおり
)
丈けで、
外套
(
がいとう
)
は着ず、ブラリと出掛けた。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
東京新聞のY先生(なぜなら彼は僕の
碁
(
ご
)
の師匠だから)が現れての話でも、世間ではもっぱら
情痴
(
じょうち
)
作家と
云
(
い
)
ってますが、御感想いかが、と言う。
余はベンメイす
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
まるで
碁
(
ご
)
を打つようなカラクリをしていたその間に、同じような族類系統の
肖
(
に
)
たものをいろいろ求めて、どうかして
甘
(
あま
)
い汁を
啜
(
すす
)
ろうとしていた。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は
碁
(
ご
)
を打ちたいのに、碁を見せられるという感じがした。そうして同じ見せられるなら、もう少し面白い
波瀾曲折
(
はらんきょくせつ
)
のある碁が見たいと思った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幸にして、一月半の後、私は東京にかえり、
晴耕雨読
(
せいこううどく
)
というか、植木をいじったり、本を読んだり、時には
碁
(
ご
)
を打ったりして外観上平静に生きた。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
碁
(
ご
)
をうつにも相手がなく書物を読むにも
鬱陶
(
うっとう
)
しい、その上著物も畳も凡て
湿
(
しめ
)
っているようで気持も悪いから据風呂でも焚いて湯に這入ろうとするのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
碁
(
ご
)
を打つ位な余裕がなくてはいかんよ、などと豪傑を気取つて居るのはよいが、さてその人が碁を打つ有様を見て居ると、一番勝てば直ぐに鼻を高くし、二
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
歌
(
うた
)
を
作
(
つく
)
るとか、
絵
(
え
)
をかくとか、
字
(
じ
)
を
習
(
なら
)
うとか、また
碁
(
ご
)
や、
将棋
(
しょうぎ
)
をするとか。わしなどは、一ぱいやり、
畑
(
はたけ
)
へ
出
(
で
)
て、
花造
(
はなづく
)
りをするのも、じつは、そのためなのじゃ。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
古いころの双六は今ある
一枚刷
(
いちまいず
)
りの
道中双六
(
どうちゅうすごろく
)
などとはちがって、
碁
(
ご
)
や
将棋
(
しょうぎ
)
と同じような
盤
(
ばん
)
の上の競技であった。そうしてその遊びをすることを打つといっていた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
助驚きて、まことにさる事あり。いかにしてしらせ給ふや。興義、かの漁父三
尺
(
たけ
)
あまりの魚を
籠
(
かご
)
に入れて君が門に入る。君は賢弟と
三〇
南面
(
みなみおもて
)
の所に
碁
(
ご
)
を囲みておはす。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
打過
(
うちすぎ
)
し
中
(
うち
)
或時重四郎又入り來りけるに平兵衞は相手
欲
(
ほし
)
やと思ふ
折柄
(
をりから
)
なれば重四郎殿
能
(
よく
)
こそ
御入來
(
ごじゆらい
)
ありしぞ
率々
(
いざ/\
)
一石參らんと
碁盤
(
ごばん
)
引寄
(
ひきよせ
)
重四郎を
相手
(
あひて
)
に
碁
(
ご
)
を
圍
(
かこ
)
み
茶菓子
(
ちやぐわし
)
などを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
赤衣
(
せきい
)
の童子が、そうして山に着いたのは、ちょうどひるめしごろだった。このとき山の象どもは、
沙羅樹
(
さらじゅ
)
の下のくらがりで、
碁
(
ご
)
などをやっていたのだが、額をあつめてこれを見た。
オツベルと象
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
世を避けた仙人が
碁
(
ご
)
を打つ響きでもなく、
薄隠
(
すすきがく
)
れの
女郎花
(
おみなえし
)
に露の
音信
(
おとず
)
るる声でもない……
音色
(
ねいろ
)
こそ違うが、
見世
(
みせ
)
ものの囃子と同じく、気をそそって人を寄せる、鳴ものらしく思うから
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
碁
(
ご
)
将棊のやうに相手が要つたり、
時間
(
ひま
)
がかゝつたりするものでは
迚
(
とて
)
もいけない。この意味からナポレオンは
閑
(
ひま
)
があると、小娘のやうに絹糸を取り出して、指に
絡
(
から
)
んで
綾取
(
あやとり
)
をしたものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
碁
(
ご
)
の話ではなく、いろいろ世相の事など、ゆっくり語り合う事になるらしい。
庭
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そして、道後へ着いてからも、毎日毎日退屈な日を、父の
謡
(
うたい
)
を聞かされたり、
碁
(
ご
)
の相手をいいつかったりして暮しながら、何と父に持ちかけようか? とその
機会
(
おり
)
ばっかり
窺
(
うかが
)
っていました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
壬生
(
みぶ
)
の村のその晩はことに静かな晩でした。南部屋敷もさすがに人は寝静まる、
勘定方
(
かんじょうかた
)
平間重助
(
ひらまじゅうすけ
)
は、井上源三郎と
碁
(
ご
)
を打っているばかり。井上の方が少し強くて、平間は二
目
(
もく
)
まで追い落される。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜ふけまで
碁
(
ご
)
を打ったりすることは先ず遠慮するようにもなる。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
碁
(
ご
)
将棊
(
しょうぎ
)
同様慰み半分に発明し発見し得るだろうか。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「玉井、
碁
(
ご
)
を打たんか」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「いや
私
(
わし
)
は
碁
(
ご
)
の事だ」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それはまアいいとしても、今日は
碁
(
ご
)
の師匠が来て、昼頃から打ち始め、十番碁の今は七番目だから、夜中前には外へ出られるはずはない
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見るとなるほど、諸軍の兵は、陣外を
耕
(
たがや
)
して、豆など
蒔
(
ま
)
いているし、当の陸遜は、
轅門
(
えんもん
)
のほとりで、諸大将と
碁
(
ご
)
を囲んでいた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
芳輔
(
よしすけ
)
は、十時ごろに
台所
(
だいどころ
)
からあがってこっそり自分のへやへはいった。パチリパチリと
碁
(
ご
)
の音は十二時すぎまで
聞
(
き
)
こえた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
道楽と云えば誰も知っている。
釣魚
(
つり
)
をするとか玉を突くとか、
碁
(
ご
)
を打つとか、または鉄砲を
担
(
かつ
)
いで猟に行くとか、いろいろのものがありましょう。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小学校の四年のとき白痴になったのであるが、そのときは
碁
(
ご
)
が四級ぐらいで、白痴にならなければ、いっぱし碁打の専門家になれたかも知れない。
石の思い
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「負け
碁
(
ご
)
は兎角あとをひく也」で、良正は独力の及ぶ可からざるを以て下総介良兼(或はいふ上総介)に助勢を頼んで将門に憂き目を見せようとした。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
分署長は、井上少年のおじさんのトキワ館の主人とは、
碁
(
ご
)
の友だちでたいへんなかよしでしたから、なんのかくしだてもしないで、ぐちをこぼすのでした。
天空の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
和尚は門番の寺男と年中
碁
(
ご
)
を打っているし、娘は女学校に通い、弟子坊主も四角い帽子をかぶって宗教大学に通っているので、梵妻は話相手に飢えていた。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
○
碁
(
ご
)
の手
将棋
(
しょうぎ
)
の手といふものに汚ないと汚なくないとの別がある。それがまたその人の性質の汚ないのと汚なくないのと必ずしも一致して居ないから不思議だ。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
どこかここいらの、かい犬だろうと思いながら、また
碁
(
ご
)
のことを考えながらいきました。
のら犬
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
出して
饗應
(
もてなし
)
けれども心
爰
(
こゝ
)
に
在
(
あら
)
ざれば見れども見えずの
道理
(
だうり
)
にて重四郎はお浪にのみ心を
奪
(
うば
)
はれ居たりし
故
(
ゆえ
)
打
(
うつ
)
石
(
いし
)
には
眼
(
め
)
も
止
(
とま
)
らず初めの
碁
(
ご
)
は
脆
(
もろ
)
く
負
(
まけ
)
けるに平兵衞は大に悦びて
手水
(
てうず
)
に
立
(
たち
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(
昨夜
(
ゆうべ
)
、お
朋友
(
ともだち
)
の家で
碁
(
ご
)
がはじまって、朝まで打ち続けてやっと帰ったところです、文学者なんて云う奴は、皆
痴者
(
ばかもの
)
の揃いですからね、……そこに
蒲団
(
ふとん
)
がある、
執
(
と
)
って敷いてください)
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
下草はみじかくて奇麗でまるで仙人たちが
碁
(
ご
)
でもうつ処のやうに見えました。
虔十公園林
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
唐
(
たう
)
の
玄宗
(
げんそう
)
、
南
(
みなみ
)
の
方
(
かた
)
に
狩
(
かり
)
す。
百官
(
ひやくくわん
)
司職
(
ししよく
)
皆
(
みな
)
これに
從
(
したが
)
ふ
中
(
なか
)
に、
王積薪
(
わうせきしん
)
と
云
(
い
)
ふもの
當時
(
たうじ
)
碁
(
ご
)
の
名手
(
めいしゆ
)
なり。
同
(
おな
)
じく
扈從
(
こじう
)
して
行
(
ゆ
)
いて
蜀道
(
しよくだう
)
に
至
(
いた
)
り、
深谿
(
しんけい
)
幽谷
(
いうこく
)
の
間
(
あひだ
)
にして
一軒家
(
いつけんや
)
に
宿
(
やど
)
借
(
か
)
る。
其
(
そ
)
の
家
(
いへ
)
、
姑
(
しうと
)
と
婦
(
よめ
)
と
二人
(
ふたり
)
のみ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
碁
(
ご
)
だ! 碁だ! 泰軒、碁のはなし、碁の話」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「何しろ荘左衛門という人は、町人のくせに学問が好きで、小唄も
碁
(
ご
)
将棋
(
しょうぎ
)
もやらないかわりに、四角な文字を読んで、
唐
(
から
)
の
都々逸
(
どどいつ
)
を作った」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
するじゃなし、
碁
(
ご
)
を打つじゃなし、家庭の楽しみがあるじゃなし。あれがいちばんいけない。子供でもあるといいんだけれども。じつに枯淡だからなあ
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五分と五分だ、ここまでは一切が五分で、一切が両人の
碁
(
ご
)
か
双
(
すご
)
六みたいなものよ、ほんとの知己に至るまでの闘いだった、としようではないか。……どうだ佐々木
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愛想
(
あいそ
)
よくいつもにこにこして、
葉巻
(
はま
)
きのたばこを横にくわえ、ざる
碁
(
ご
)
をうって
不平
(
ふへい
)
もぐちもなかった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一、高等学校生某
曰
(
いわく
)
、私は今度の試験に落第しましたから、当分の内
発句
(
ほっく
)
も
謡
(
うたい
)
も
碁
(
ご
)
もやめました。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“碁”の意味
《名詞》
碁 (ご)
ふたりのプレーヤが一方は黒石、他方は白石を用いて競うボードゲーム。碁盤の上に黒と白の石 (碁石) を交互に置いて行く。自分の石で囲んだ領域と、相手から取った石の数との合計で勝負がきまる。囲碁。
(出典:Wiktionary)
碁
常用漢字
中学
部首:⽯
13画
“碁”を含む語句
碁石
囲碁
碁笥
碁会所
碁客
淤能碁呂
碁盤
碁敵
碁盤縞
賭碁
笊碁
碁子
圍碁
碁盤目
下手碁
縁臺碁
碁打
碁布
碁盤肌
碁盤太平記
...