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男女
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なんにょ
ふりがな文庫
“
男女
(
なんにょ
)” の例文
敬太郎はどこの何物とも知れない
男女
(
なんにょ
)
が
聚
(
あつ
)
まったり散ったりするために、自分の前で無作法に演じ出す
一分時
(
いっぷんじ
)
の争を何度となく見た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、柱の下をはなれて、まだ石段へ足をおろすかおろさないうちに、
小路
(
こうじ
)
を南へ歩いて来た二人の
男女
(
なんにょ
)
が、彼の前を通りかかった。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
吉さんは人の見得ないものを見る。汽車の
轢死人
(
れきしにん
)
があった処を吉さんが通ると、青い顔の
男女
(
なんにょ
)
がふら/\
跟
(
つ
)
いて来て
仕方
(
しかた
)
がないそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
おとなしく手をとられて常人のごとく安らかに
芝生
(
しばふ
)
等の上を
歩
(
あゆ
)
むもの、すべて
老若
(
ろうにゃく
)
の
男女
(
なんにょ
)
を
合
(
あわ
)
せて十人近い患者の
群
(
むれ
)
が、今しも
病房にたわむ花
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
だから人情は人の
食物
(
くいもの
)
だ。米や肉が人に必要物なる如く親子や
男女
(
なんにょ
)
や朋友の情は人の心の食物だ。これは
比喩
(
ひゆ
)
でなく事実である。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
多くの
男女
(
なんにょ
)
の恋のうちで、ただゆるされた恋のみが成就するのじゃ。そのほかの人々はみな失恋の
苦
(
にが
)
いさかずきをのむのじゃ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
その高きに過ぐる
頭
(
かしら
)
を取って押さえ、
男女
(
なんにょ
)
両性の地位に平均を得せしめんとするの目的を以て
論緒
(
ろんしょ
)
を開き、人間道徳の根本は夫婦の間にあり
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
わずか数年の後、恋の満足を
遂
(
と
)
げてしまった二人の
男女
(
なんにょ
)
は、自分が質問する日本の衣服の、その後における流行の
変遷
(
へんせん
)
さえ多くは語らなかった。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
むかし
呂洞賓
(
りょどうひん
)
という仙人は、仙道成就しても天に昇ったきりにならずに、何時迄も此世に
化現遊戯
(
けげんゆげ
)
して
塵界
(
じんかい
)
の
男女
(
なんにょ
)
貴賎を点化したということで
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そういうおん身の考え方は、浄土門でもっとも
忌
(
い
)
み嫌う聖道門的考えかただ。師の上人のお教えでは、
男女
(
なんにょ
)
の差はないはずだ、そういうけじめを
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とばかりありて、仮花道に乱れ敷き、支え懸けたる、見物の
男女
(
なんにょ
)
が
袖肱
(
そでひじ
)
の込合うたる中をば、飛び、飛び、
小走
(
こばしり
)
に
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
一人、しのぶと言うなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中庭を隔てた
対向
(
むこう
)
の三ツ目の室には、まだ次の間で酒を飲んでいるのか、障子に
男女
(
なんにょ
)
二個
(
ふたつ
)
の影法師が映ッて、聞き取れないほどの話し声も聞える。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
一体
男女
(
なんにょ
)
の道はそういうものでない、私の
家
(
うち
)
は
極
(
ご
)
く堅い家であったけれども、やっぱりこれにナ
許嫁
(
いいなずけ
)
が有ったが、私がつい何して、貰うような事で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その日になれば
男女
(
なんにょ
)
の
乞食
(
こじき
)
ども、女はお
多福
(
たふく
)
の面を
被
(
かぶ
)
り、男は顔手足
総
(
すべ
)
て真赤に塗り額に縄の角を結び手には竹のささらを持ちて鬼にいでたちたり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
歌仙は三十五通りの
男女
(
なんにょ
)
僧俗の、絵額の排列を
聯想
(
れんそう
)
せしめ、今でも我々は便宜上、この毎二句の続けがらを絵様(タブロオ)と呼ぶことにしている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
用があって
兜町
(
かぶとちょう
)
の
紅葉屋
(
もみじや
)
へ行く。株式仲買店である。午前十時頃、店は
掻
(
か
)
き廻されるような騒ぎで、そこらに群がる
男女
(
なんにょ
)
の店員は一分間も
静坐
(
じっと
)
してはいられない。
一日一筆
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
カピューレット
長者
(
ちゃうじゃ
)
を
先
(
さき
)
に、ヂュリエット
及
(
およ
)
び
同族
(
どうぞく
)
の
者
(
もの
)
多勢
(
おほぜい
)
一
方
(
ぱう
)
より
出
(
い
)
で、
他方
(
たはう
)
より
出
(
い
)
で
來
(
きた
)
る
賓客
(
ひんきゃく
)
の
男女
(
なんにょ
)
及
(
およ
)
びロミオ、マーキューシオー
等
(
ら
)
假裝者
(
かさうしゃ
)
の一
群
(
ぐん
)
を
迎
(
むか
)
ふる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
召し使ひたる
男女
(
なんにょ
)
共、あたゞに立ち騒ぎ打ち喜びて、かほどの
首尾
(
しあわせ
)
はよもあらじと、今までに引き換へてさゞめき合ひ候ひしが、そが中に唯一人、妾を
守
(
も
)
り育て候
乳母
(
めのと
)
の者
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ここでは
男女
(
なんにょ
)
が
烈
(
はげ
)
しく労働する。君のように都会で学んでいる人は、養蚕休みなどということを知るまい。外国の田舎にも、小麦の産地などでは、学校に
収穫
(
とりいれ
)
休みというものがあるとか。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また彼はいう、——世間の
男女
(
なんにょ
)
老少、多く
交会
(
こうえ
)
婬色
(
いんじき
)
等の事を談じ、これをもって慰安とすることがある。一旦は意をも遊戯し
徒然
(
つれづれ
)
をも慰めるようであるが、僧には最も禁断すべきことである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
山の手ながら松の
内
(
うち
)
の
夜
(
よ
)
は車東西に行き違いて、
隣家
(
となり
)
には福引きの興やあるらん、若き
男女
(
なんにょ
)
の声しきりにささめきて、おりおりどっと笑う声も手にとるように聞こえぬ。未亡人は舌打ち鳴らしつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
また自分たちが
猥雑
(
わいざつ
)
な心もちにとらわれやすいものだから、
男女
(
なんにょ
)
の情さえ書いてあれば、どんな書物でも、すぐ
誨淫
(
かいいん
)
の書にしてしまう。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
場中
(
じょうちゅう
)
の様子は
先刻
(
さっき
)
見た時と何の変りもなかった。土間を歩く
男女
(
なんにょ
)
の姿が、まるで人の頭の上を渡っているように
煩
(
わず
)
らわしく
眺
(
なが
)
められた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
音の力は恐ろしいもので、どんな下等な
男女
(
なんにょ
)
が弾吹しても、聴く方から思うと、なんとなく弾吹者その人までをゆかしく感ずるものである。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
されば別とは区別の義にて、この
男女
(
なんにょ
)
はこの夫婦、かの男女はかの夫婦と、二人ずつ区別正しく定るという義なるべし。
中津留別の書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
馬揃いに
群
(
む
)
れ集まって、貝が
音
(
ね
)
、太鼓の音とともに進発する軍隊に対して、領下の老幼
男女
(
なんにょ
)
は、いつまでもいつまでも声涙を抑えて見送っていた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若
(
も
)
し子供が出来たなら、
男女
(
なんにょ
)
に
拘
(
かゝわ
)
らず其の子を
以
(
もっ
)
て家督と致し家の再興を頼むと御遺言書にありましたが、事によると殿様の生れ
変
(
がわ
)
りかも知れません
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「しかし竜田、アダムとイヴあって以来、世界に
男女
(
なんにょ
)
ただ二人ばかりではない。
譬
(
たと
)
えば、神月とその美人と、」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その頃の湯風呂には、旧式の
石榴口
(
じゃくろぐち
)
というものがあって、夜などは
湯烟
(
ゆげ
)
が
濛々
(
もうもう
)
として内は
真暗
(
まっくら
)
。
加之
(
しかも
)
その風呂が高く出来ているので、
男女
(
なんにょ
)
ともに中途の蹈段を登って
這入
(
はい
)
る。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
男女
(
なんにょ
)
の間変らじと
一言
(
ひとこと
)
交
(
かわ
)
せば一生変るまじきは
素
(
もと
)
よりなるを、
小賢
(
こさか
)
しき
祈誓三昧
(
きしょうさんまい
)
、誠少き
命毛
(
いのちげ
)
に
情
(
なさけ
)
は薄き墨含ませて、文句を飾り色めかす腹の
中
(
うち
)
慨
(
なげ
)
かわしと昔の人の
云
(
いい
)
たるが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
冬は暖い火が焚いてある。夜は
明
(
あかる
)
い
燈火
(
ともしび
)
が
漲
(
みなぎ
)
っている。そしてこの広い一室の中では
有
(
あ
)
らゆる階級の
男女
(
なんにょ
)
が、時としてはその波瀾ある生涯の一端を傍観させて
呉
(
く
)
れる事すらある。
銀座界隈
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
呉家の
後
(
のち
)
に生るゝ
男女
(
なんにょ
)
にして此の
鴻恩
(
こうおん
)
を報ぜむと欲せば、深く此旨を心に収め、法事念仏を怠る事なかれ。事
他聞
(
たもん
)
を許さず、
過
(
あやま
)
つて洩るゝ時は、
或
(
あるい
)
は他藩の
怨
(
うらみ
)
を求めむ事を恐る。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
樂
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
しはじむる。
男女
(
なんにょ
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうて
舞踏
(
をど
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そうしてそれを食う時に、
必竟
(
ひっきょう
)
この菓子を私にくれた二人の
男女
(
なんにょ
)
は、幸福な
一対
(
いっつい
)
として世の中に存在しているのだと自覚しつつ味わった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで、戸の
隙間
(
すきま
)
から、そっと外を覗いて見ると、見物の
男女
(
なんにょ
)
の中を、
放免
(
ほうめん
)
が五六人、それに
看督長
(
かどのおさ
)
が一人ついて、物々しげに通りました。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夜の更くるを恐れて二人は後へ返し、
渓流
(
たにがわ
)
に渡せる小橋の袂まで帰って来ると、橋の向うから
男女
(
なんにょ
)
の連れが来る。そして橋の中程ですれちがった。
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そのエー
男女
(
なんにょ
)
同権たる処の道を心得ずんば有るべからず、
姑
(
しばら
)
く男女同権はなしと雖も、
此事
(
これ
)
は五十
把
(
ぱ
)
百把の論で、先ず之を
薪
(
たきゞ
)
と
見做
(
みな
)
さんければならんよ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いずれ一度は
擒
(
とりこ
)
となって、供養にとて放された、が狭い池で、昔
売買
(
うりかい
)
をされたという
黒奴
(
くろんぼ
)
の
男女
(
なんにょ
)
を思出させる。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
智慧とか、身分とか、
男女
(
なんにょ
)
の差とか、そういうものを
根本
(
もと
)
にして考えるから、信心もまた、智慧、境遇などに依って、差のあるもののように考えられてくる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夫
(
そ
)
れから
彼方
(
あちら
)
の貴女紳士が
打寄
(
うちよ
)
りダンシングとか
云
(
いっ
)
て踊りをして見せると
云
(
い
)
うのは毎度の事で、
扨
(
さて
)
行
(
いっ
)
て見た処が少しも
分
(
わか
)
らず、妙な風をして
男女
(
なんにょ
)
が座敷中を
飛廻
(
とびまわ
)
るその様子は
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
おぼつかなくも
籬
(
かき
)
に沿い、
樹間
(
このま
)
をくぐりて
辿
(
たど
)
りゆけばここにも墓標新らしき塚の前に、
一群
(
ひとむれ
)
の
男女
(
なんにょ
)
が花をささげて
回向
(
えこう
)
するを見つ、これも親を失える人か、あるいは妻を失えるか、子を失えるか
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二人は互に徹底するまで話し合う事のついに出来ない
男女
(
なんにょ
)
のような気がした。従って二人とも現在の自分を改める必要を感じ得なかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
井伊の陣屋の
男女
(
なんにょ
)
たちはやっと
安堵
(
あんど
)
の思いをした。実際古千屋の男のように太い声に
罵
(
ののし
)
り立てるのは気味の悪いものだったのに違いなかった。
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この時切符を売りはじめしかば、人々みな立ちて箱の前に集まりし時、
外
(
ほか
)
より
男女
(
なんにょ
)
二人
(
ふたり
)
の客、静かに入り来たりぬ。これ松本治子と田宮峰二郎なり。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
どさどさ
打
(
ぶち
)
まけるように
雪崩
(
なだ
)
れて総立ちに電車を出る、
乗合
(
のりあい
)
のあわただしさより、
仲見世
(
なかみせ
)
は、どっと音のするばかり、一面の薄墨へ、色を飛ばした
男女
(
なんにょ
)
の姿。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
縁側へお
出
(
で
)
遊ばして生垣の外を御覧になると、若い
男女
(
なんにょ
)
を三四人の男が引立てようといたしている。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
道俗の
男女
(
なんにょ
)
は、
旱天
(
ひでり
)
に雨露をうけたように、ここへ息づきを求めてくるのであります
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
表現派の画に似た部屋の中に紅毛人の
男女
(
なんにょ
)
が二人テエブルを中に話している。不思議な光の落ちたテエブルの上には試験管や
漏斗
(
じょうご
)
や
吹皮
(
ふいご
)
など。
誘惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或
(
あ
)
る時
花時分
(
はなじぶん
)
に私は先生といっしょに
上野
(
うえの
)
へ行った。そうしてそこで美しい
一対
(
いっつい
)
の
男女
(
なんにょ
)
を見た。彼らは
睦
(
むつ
)
まじそうに寄り添って花の下を歩いていた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄
(
すすき
)
の
彼方
(
あなた
)
、舞台深く、天幕の奥斜めに、
男女
(
なんにょ
)
の姿
立顕
(
たちあらわ
)
る。
一
(
いつ
)
は
少
(
わかき
)
紳士、一は貴夫人、容姿美しく輝くばかり。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“男女”で始まる語句
男女蔵
男女郎
男女間
男女両性
男女二人
男女陰陽
男女同権也
男女同席御法度