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状
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ざま
ふりがな文庫
“
状
(
ざま
)” の例文
火縄を取つて、うしろ
状
(
ざま
)
の、
肩越
(
かたごし
)
に、ポン、と投げると、杉の枝に挟まつて、ふつと消えたと思つたのが、めら/\と赤く
燃上
(
もえあが
)
つた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
呼んでも
賺
(
すか
)
しても出て来ねえんで——いつにねえこったが変だなあ、と不審ぶって来て見るてえと、この
状
(
ざま
)
じゃごわせんか。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「面目ないことじゃ、実は少々酔いが廻ったものだから、酔醒めの水を飲もうと、水を汲みかけてこの
状
(
ざま
)
じゃ——して貴殿方はどうしてここへ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこへ私にも出ろと仰ゃって下さるんだけれど、何ぼ何でも
状
(
ざま
)
が状だから出る訳に行きゃしねえ。
躯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今じゃア此のからッぺたの恒
兄
(
あにい
)
に削らせた釘を打ちなさるから、此ん通りで
状
(
ざま
)
ア
無
(
ね
)
い、アハヽヽ
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
埒
(
らち
)
もなき
状
(
ざま
)
にあらずや百獸の王の日向に眠れる見れば
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
と
振向
(
ふりむ
)
き
状
(
ざま
)
に、ぶつきら
棒
(
ぼう
)
に
立
(
た
)
つて、
握拳
(
にぎりこぶし
)
で、
額
(
ひたい
)
を
擦
(
こす
)
つたのが、
悩乱
(
なうらん
)
した
頭
(
かしら
)
の
髪
(
かみ
)
を、
掻毮
(
かきむし
)
りでもしたさうに
見
(
み
)
えて、
煙
(
けむり
)
の
靡
(
なび
)
く
天井
(
てんじやう
)
を
仰
(
あふ
)
いだ。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それア二十年も
前
(
めえ
)
のことだ、もう六十を越して眼も利かなくなり、根気も
脱
(
ぬ
)
けて、此の頃ア
板削
(
いたけずり
)
まで職人にさせるから、
艶
(
つや
)
が無くなって何処となしに仕事が
粗
(
あら
)
びて、見られた
状
(
ざま
)
アねえ
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところが、前に駈けて行く大男は、身体こそ
頑丈
(
がんじょう
)
そうだが、駈け方は存外不器用で、何か河原の石ころか、
杭
(
くい
)
かにつまずいて仰向けにひっくりかえった
状
(
ざま
)
は、見られたものではありません。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
全体癪の介抱は、色男の
儲役
(
もうけやく
)
だが、
対手
(
あいて
)
がこの
状
(
ざま
)
ではおさまらねえ。手を入れたら
虱
(
しらみ
)
を
揉
(
も
)
み
潰
(
つぶ
)
すくらいが取柄だ。弱ったな。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
状
(
ざま
)
あ! 女郎
奴
(
め
)
、
手前
(
てめえ
)
に嫌われて
幸
(
さいわい
)
だ。好かれて
堪
(
たま
)
るかい。」と笹を持ったのが、ぐいとその
棹
(
さお
)
を小脇に引くと、
呀
(
やあ
)
、斜に構えて前に廻った。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
さっき
)
どうした、牛込見附でどうしたよ。慌てやあがって、
言種
(
いいぐさ
)
もあろうに、(女中が寝ていますと失礼ですから。)と駈出した、あれは何の
状
(
ざま
)
だ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見よかし羆の袖を突出し、腕を
頤
(
あご
)
のあたりへ上げ
状
(
ざま
)
に
拱
(
こまぬ
)
いた、手首へ
面
(
つら
)
を
引傾
(
ひっかた
)
げて、
横睨
(
よこにら
)
みにじろじろと人を見る癖。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
霧
(
きり
)
の
這
(
は
)
ふ
田川
(
たがわ
)
の水を、ほの
白
(
じろ
)
い、
笊
(
ざる
)
で
掻
(
か
)
き/\、
泡沫
(
あわ
)
を薄青く
掬
(
すく
)
ひ取つては、
細帯
(
ほそおび
)
につけた
畚
(
びく
)
の中へ、ト腰を
捻
(
ひね
)
り
状
(
ざま
)
に、ざあと、光に照らして移し込む。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
色気も
娑婆気
(
しゃばけ
)
も沢山な
奴等
(
やつら
)
が、たかが暑いくらいで、そんな
状
(
ざま
)
をするのではありません。実はまるで衣類がない。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
状
(
ざま
)
あ見やがれ、もっと先から来ていたんだ。家風に合わねえも、近所の外聞もあるもんか、
笑
(
わら
)
かしゃあがら。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吻
(
ほっ
)
と吹く酒の香を、横
状
(
ざま
)
に
反
(
そ
)
らしたのは、
目前
(
めさき
)
に
歴々
(
ありあり
)
とするお京の
向合
(
むきあ
)
った面影に、心遣いをしたのである。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(さ、さ、さ、
皆
(
みんな
)
、膳につけ、膳につけ。)(いや、あの
状
(
ざま
)
でも名誉心があるかなあ。
活
(
い
)
きとるわけだ。)
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(ぶらつく体を
杖
(
ステッキ
)
に
突掛
(
つッか
)
くる
状
(
さま
)
、疲切ったる
樵夫
(
きこり
)
のごとし。しばらくして、叫ぶ)畜生、
状
(
ざま
)
を見やがれ。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぐるりと
一廻
(
ひとまは
)
りして、
一
(
いつ
)
ヶ
所
(
しよ
)
、
巌
(
いはほ
)
を
抉
(
えぐ
)
つたやうな
扉
(
とびら
)
へ
真黒
(
まつくろ
)
に
成
(
な
)
つて
入
(
はい
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
一
(
ひと
)
つよぢれた
向
(
むか
)
ふ
状
(
ざま
)
なる
階子
(
はしご
)
の
中
(
なか
)
ほどを、
灰色
(
はいいろ
)
の
背
(
せ
)
を
畝
(
うね
)
つて
上
(
のぼ
)
る、
牛
(
うし
)
は
斑
(
まだら
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(ぶらつく体を
杖
(
ステッキ
)
に
突掛
(
つっか
)
くる
状
(
さま
)
、
疲切
(
つかれき
)
つたる
樵夫
(
きこり
)
の如し。しばらくして、叫ぶ)
畜生
(
ちくしょう
)
、
状
(
ざま
)
を見やがれ。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦
(
おんな
)
二人、
生命
(
いのち
)
を預る……私は、むくと起きて、しにみに覚悟して、蚊帳を
刎
(
は
)
ねた、その時、横ゆれに
靡
(
なび
)
いて、あとへ
下
(
さが
)
ったその
婦
(
おんな
)
が、気に
圧
(
お
)
されて
遁
(
に
)
げ
状
(
ざま
)
に板敷を
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と向う
状
(
ざま
)
に、椅子の
凭
(
かかり
)
に
俯伏
(
うつぶ
)
せになると、抜いて持った
簪
(
かんざし
)
の、花片が、リボンを打って激しく揺れて
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(おのれ、不義もの……
人畜生
(
にんちくしょう
)
。)と代官婆が
土蜘蛛
(
つちぐも
)
のようにのさばり込んで、(やい、……動くな、その
状
(
ざま
)
を一寸でも動いて
崩
(
くず
)
すと——
鉄砲
(
あれ
)
だぞよ、
弾丸
(
あれ
)
だぞよ。)
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其時
(
そのとき
)
、お
局
(
つぼね
)
が、階下へ導いて
下
(
お
)
り
状
(
ざま
)
に、両手で
緊
(
しっか
)
と、
曲
(
くせ
)
ものの
刀
(
かたな
)
持つ方の手を
圧
(
おさ
)
へたのである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
日向
(
ひなた
)
へのッそりと来た、茶の
斑犬
(
ぶち
)
が、びくりと
退
(
すさ
)
って、ぱっと砂、いや、その
遁
(
に
)
げ
状
(
ざま
)
の
慌
(
あわただ
)
しさ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お有難や、有難や。ああ、苦を忘れて
腑
(
ふ
)
が抜けた。もし、太夫様。」と敷居を
跨
(
また
)
いで、
蹌踉
(
よろけ
)
状
(
ざま
)
に振向いて、「あの、そのお釵に……」——「え。」と紫玉が鸚鵡を
視
(
み
)
る時
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身のおき
処
(
どころ
)
がなく成つて、紫玉の
裾
(
すそ
)
が法壇に崩れた時、「
状
(
ざま
)
を見ろ。」「や、身を投げろ。」「
飛込
(
とびこ
)
め。」——わツと群集の騒いだ時、……
堪
(
たま
)
らぬ、と
飛上
(
とびあが
)
つて、紫玉を
圧
(
おさ
)
へて
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
乱杭、歯くそ
隠
(
かくし
)
の
鉄漿
(
かね
)
をつけて、どうだい、その
状
(
ざま
)
で、全国の女子の服装を改良しようの、音楽を古代に
回
(
かえ
)
すの、美術をどうのと、鼻の
尖
(
さき
)
で議論をして、舌で世間を
嘗
(
な
)
めやがる。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紫玉の
裾
(
すそ
)
が法壇に崩れた時、「
状
(
ざま
)
を見ろ。」「や、身を投げろ。」「飛込め。」——わッと群集の騒いだ時、……
堪
(
たま
)
らぬ、と飛上って、紫玉を
圧
(
おさ
)
えて、
生命
(
いのち
)
を取留めたのもこの下男で
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
状
(
ざま
)
あ
見
(
み
)
やがれ。」と
後
(
あと
)
をも
見
(
み
)
ず、
肩
(
かた
)
を
怒
(
いか
)
らして、
肱
(
ひぢ
)
を
張
(
は
)
つて、すた/\
去
(
さ
)
る。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
背中
(
せなか
)
に、むつとして、いきれたやうな
可厭
(
いや
)
な
声
(
こゑ
)
。
此
(
これ
)
は、と
視
(
み
)
ると、すれ
違
(
ちが
)
つて、
通
(
とほ
)
り
状
(
ざま
)
に
振向
(
ふりむ
)
いたのは、
真夜中
(
まよなか
)
の
雨
(
あめ
)
に
饂飩
(
うどん
)
を
食
(
く
)
つた、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の一
筋
(
すぢ
)
ならびの、
唇
(
くちびる
)
の
爛
(
たゞ
)
れたあの
順礼
(
じゆんれい
)
である。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雪枝
(
ゆきえ
)
は
一文字
(
いちもんじ
)
に
其
(
そ
)
の
前
(
まへ
)
を
突切
(
つゝき
)
つて、
階子段
(
はしごだん
)
を
駆上
(
かけあが
)
り
状
(
ざま
)
に、
女中
(
ぢよちゆう
)
と
摺違
(
すれちが
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「何だ、
状
(
ざま
)
は。
小町
(
こまち
)
や
静
(
しずか
)
ぢやあるめえし、増長をしやがるからだ。」
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何だ、
状
(
ざま
)
は。小町や
静
(
しずか
)
じゃあるめえし、増長しやがるからだ。」
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
極りも悪し、
摺
(
ず
)
り
状
(
ざま
)
に
退
(
しさ
)
った。心は苛立つ、胸は騒ぐ。……
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
状
(
ざま
)
を見ろ、弱虫め、誰だと思うえ、小烏の三之助だ。」
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、座長の
角面
(
かくづら
)
がつゞけ
状
(
ざま
)
に
舌打
(
したうち
)
をしながら言つた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
門附になる前兆さ、
状
(
ざま
)
を見やがれ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斜
(
はす
)
に
仰向
(
あおの
)
け
状
(
ざま
)
にぐたりとなった。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
状
(
ざま
)
あ見ろ、へへん。」
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
状
常用漢字
小5
部首:⽝
7画
“状”を含む語句
状態
形状
行状
白状
書状
状況
現状
兇状持
異状
紹介状
生活状態
連判状
景状
名状
惨状
身状
遺言状
召状
心状
状箱
...